●サキサキ先生の簡単パソコン活用講座・デイジー図書、楽しんでいますか?

第26回 2022年 8月

 この情報コーナーにウッチャンこと横須賀の内田さんが連載している『読書の薦め』を皆様楽しんでいらっしゃいますか?
 多くの会員さんがすでにデイジー図書のことはご存じと思いますが、新しい患者さん、会員さんにはご存じない方もいらっしゃるかと思いますので、今回はデイジー図書をテーマにお届けします。

●デイジー図書って何?

 視覚障害者の読書には、拡大図書や電子書籍、点字書籍、録音図書などがありますが、デイジー図書は録音図書の1つです。
 朗読された音声をデジタルデータとして記録し、独自の企画で編集することにより、章や節、ページにジャンプしたり、しおりを付けたり、巻き戻し、早送りなどができるとても便利な図書です。
 また、朗読音声だけでなく、テキストを合成音声で読み上げるテキストデイジーや文字や写真などを表示することのできるマルチメディアデイジー、映画の音声に解説を加えたシネマデイジーなども作成されています。
 デイジー図書はデジタルデータのため、CDやメモリーカードに保存して配布されます。また、インターネットからダウンロードして利用する方法もあります。

●デイジー図書はどうやって聞くの?

 専用の再生機やパソコンソフト、スマホアプリで聞くことができます。
@プレクストークポータブルレコーダーPTR3
 http://www.plextalk.com/jp/products/ptr3/
 CDドライブを内蔵した約20センチ×25センチの録音再生機です。
 デイジーCD、SDカード、USBメモリー、インターネットに接続してのサピエ図書館からのダウンロードに対応しています。

Aプレクストークリンクポケット
 http://www.plextalk.com/jp/products/linkpocket/
 ポケットに入る大きさで外出先での読書や録音に便利です。
 CDドライブが付属していますので、CDで送られてきた図書をSDカードに保存したり、インターネットに接続してサピエ図書館の図書をダウンロードして持ち出して聞くこともできます。

BMyBook Neo(Windowsソフト)
 https://www.aok-net.com/products/mybook.html
 デイジー図書、オーディオブック、デジタル図書(ドットブック形式、Adobe PDF形式)やEPUB形式、青空文庫に対応しています。

Cボイス オブ デイジー 5(iPhone、iPadアプリ)
https://www.cypac.co.jp/66
 音声・テキスト・マルチメディアデイジーに対応。
 サピエ図書館などからのダウンロードに対応。
 デイジーCDも圧縮ファイルにまとめて転送することで再生することができます。

◆日常生活用具として公費で購入できる製品があります
 障害者手帳1・2級の方は日常生活用具の「視覚障害者用ポータブルレコーダー」として公費の補助が受けられる製品があります。
 録音機能付きは 85,000円、録音機能なしは 35,000円が補助の上限額です。自己負担は一割ですが市民税非課税家庭など自己負担がない場合もありますので、障害福祉窓口にご相談下さい。

●デイジー図書はどこで借りられるの?

@お近くの点字図書館
 利用登録すれば電話などで依頼するとCDを郵送で借りることができます。その図書館にない書籍も全国の図書館から探して貸し出してくれます。ご自分の自治体に点字図書館がない場合は、ライトセンターか日本点字図書館に登録すると便利です。
・神奈川県ライトセンター 045−364−0022(図書館直通)
・川崎市視覚障害者情報文化センター 044−222−1611
・相模原市立視覚障害者情報センター 042−769−8275
・横須賀市点字図書館 046−822−6712
・藤沢市点字図書館 0466−44−2662
・日本点字図書館 03−3209−0241

A各地の音訳ボランティア
 墨字の文章を朗読することを「音訳」と言います。
 各地に音訳ボランティアグループがあり、書籍や雑誌、新聞、地域の情報などの音声デイジーを作成しています。また、教科書や参考書、取扱説明書などのプライベートサービスを行っているところもあります。
 連絡先は、各市町村の障害福祉の窓口や社会福祉協議会にお問い合わせください。

Bサピエ図書館からダウンロードする。
 サピエ図書館は全国の点字図書館などが作成、所蔵する点字データ24万タイトル、デイジーデータ10万タイトル以上をネットワークを通して共有、利用できるサービスです。個人利用会員の料金は無料です。
 最寄りの点字図書館などで利用登録し、インターネットのサピエ図書館から書籍をダウンロードします。
 パソコンやタブレット、ネット接続可能なプレクストーク、インターネット接続回線が必要ですが、全国の情報提供施設、団体が作成する書籍が登録されるので、膨大なタイトルがあること、新刊図書も次々と加わるのでとても便利です。

※次回は、サピエ図書館の利用についてご案内したいと思います。