●サキサキ先生の簡単パソコン活用講座・パソコンで墨字文書を読み上げる

第16回 2020年 2月 

 拡大読書機を使っても文字を読むことがなかなか困難であったり、長文で目が疲れてしまったりするときなどに、パソコンとスキャナーで書類を読み込み、音声ソフトで読み上げさせると、とても楽になります。このように紙の文書からテキストデータを抽出することをOCR(光学的文字認識)といいます。
コピー機能のあるプリンタ複合機やスキャナーをお持ちの方は、OCR機能が付属していますので、別途ソフトを購入する必要はありません。また、スマホ用OCRアプリも数多く公開されています。

●活用例、キャノン製複合機やスキャナーの場合

 キャノンの製品には「IJ Scan Utility」というスキャナー操作のソフトが付属しています。(他のメーカーの複合機もほとんどOCR機能ソフトが付属しています。)
 ユーティリティーを起動し「文書」ボタンを押すと、スキャナーにセットした原稿を読み取り、文字検索可能なPDFファイルとしてドキュメントフォルダーに保存されます。このPDFファイルはテキストがついているので、音声ソフトで読みあげることができます。また、文字列を全選択→コピーしてWordなどに貼り付けると、誤認識部分を修正して利用することができます。
認識精度が低い場合は、スキャン設定から原稿の種類やカラー、解像度を変更すると精度が向上する場合があります。特に名刺など、文字が小さい場合は解像度を上げると認識できるようになることがあります。しかし、OCRソフトは万能ではありません。特に1行の中に長い空白部分があったり、記号や罫線、イラストなどがあると文章の構成を正しく判断できずに順番が狂ったり、文字化けしてしまうこともあります。また、認識できるのは主に活字です。手書き文書はほぼ無理です。

●専用ソフトを使う

 複合機やスキャナーに付属の機能は細かな設定ができなかったり、認識精度が十分でなかったりします。よく使用するなら専用のOCRソフトの導入も検討しましょう。個人向けOCRソフトには「e.Typist」「読取革命」「本格読み取り」などがあります。また、名刺管理に特化したソフトもあります。

「本格読み取り」の使用例
1.スキャナーに原稿をセットします。
2.「本格読み取り」を起動します。
3.[ファイル]→[入門ウィザード]を起動します。
3−1.画像の入力方法を選んで[次へ]のボタンを押します。スキャナーからの場合は、[TWAINデバイスから]を選択します。初回は[TWAINデバイスの設定]ボタンを押して、接続されているスキャナーを選択します。
3−2.画像の補正方法を選択し、[次へ]のボタンを押します。通常は変更の必要はありません。
3−3.認識結果の保存方法を選択します。[認識結果を転送する]のチェックボックスをONにし、転送先アプリケーションを選択します。転送先には、Word、Excel、テキストなどがあります。
3−4.[認識実行]ボタンを押します。
4.スキャナードライバーのスキャンギアが起動するのでスキャン設定を行います。通常は基本モードのままでOKです。文字が小さくて認識率が低い場合は拡張モードに切り替えて解像度を上げると、認識率が良くなることがあります。
4−1.原稿の種類を写真、雑誌、文書などから選択します。
4−2.用途を[OCR]にします。
4−3.[スキャン]ボタンを押します。
5.スキャンと認識が終了すると、選択したアプリケーションが起動し認識結果が表示されます。

●iPadやiPhoneで墨字を読み上げる

OCRアプリは多数ありますが、ここではマイクロソフトの「Seeing AI」ををご紹介します。Seeing AI は無料アプリです。App Storeからインストールしてください。

◆どんなアプリ?
「Seeing AI」を起動するとカメラモードになり、選択しているチャンネルに従って解析を行い、結果を返します。ボイスオーバーに対応しています。チャンネルの切り替えは画面下部のチャンネルバーを選択し、上下にスワイプすることで行い ます。

◆チャンネルの種類と内容
1.短いテキスト:カメラの前にテキストが表示されると、すぐに読み上げます。
2.ドキュメント:書類が画面に入っているかをガイドし、書類全体がフレームに入ると自動的にシャッターが切れます。通信でOCRし、文書を表示します。
3.製品: バーコードをスキャンして製品を識別します。残念ながら現時点では日本製品には対応していません。
4.人物: 顔を認識して表情を案内します。
5.通貨: 紙幣の種別を案内します。
6.シーン(風景): 撮影した写真の内容を案内します。まだ実験的な機能とのことです。
7.色: 写っている色を読み上げます。
8.ライト: 明るさを音の高さで案内します。
今まで複数のアプリで行っていたものをひとつのアプリで実現しています。出先でも簡単に使用できるのでとても便利です。