第14回 2019年 8月
パソコンは私たちの情報収集やコミュニケーションツールとして欠かせないものです。見え方に合わせて、白黒反転や拡大ソフトを工夫して 使っている方も多いと思います。それでも見えづらくなってきたら音声ソフト(画面読み上げソフト)の導入を検討しましょう。見えている うちに使い始めることで読み上げの規則や特徴を理解しやすく、早く使いこなせるようになります。
今回は音声ソフトの概要をご紹介します。
1.音声ソフトは何を読んでくれるの?
* Windowsのスタートメニューやタスクバー、コントロールパネルなどを読みます。
* ワードなどアプリケーションのメニューや表示文字を読み上げます。
* ワードのフォント設定ウィンドウのようなダイアログボックスの情報を読み上げます。
* ブラウザーが表示するWEBページを読み上げます。
* 入力文字を読み上げます。
* マウスポインターが当たっている部分の情報を読み上げます。
2.何でも読んでくれるの?
いいえ、残念ながら読み上げることのできない部分や、アプリケーションがあります。なので自分の使っている音声ソフトに対応している アプリケーションを使用することが重要です。対応アプリの一覧は音声ソフトのメーカーサイトや以下のページを参考にしてください。
* 杉田正幸ホームページ http://j7p.net/
古い情報も多いですが『視覚障害者のWindows活用ML』では活発な情報交換がされています。
3.操作は簡単ですか?
あなたの見え方や使い方によって異なります。視覚の補助として音声ソフトを使うこともできますし、完全に画面なしで使うこともできます。
マウスポインターが見えなくなってきたら、すべての操作をキーボードでできるよう操作方法を覚えた方が楽ちんです。そのためにもまだ 見えている内から音声ソフトを使うことをお薦めします。といってもそんなに難しくはありません。[Alt]キーでメニューが開くとか[Tab]キーで次の項目に進むとかショートカットキーを使うなどです。
4.どんな音声ソフトがありますか?
* PC−Talker(ピーシートーカー) 41,040円
高知システム開発 http://www.aok-net.com/
実質的に唯一の日本製音声ソフト、シェアNo.1、使い方を誰かに聞くのも楽。
* NVDA日本語版 無料
http://www.nvda.jp/
オープンソース、無料の音声ソフトです。
* JAWS 2019 日本語版 新規:153,360円
有限会社エクストラ http://www.extra.co.jp/jaws/
高機能音声ソフト、ビジネス利用を想定。
* Windowsナレーター
Windows付属の読み上げソフト。[Windows]キー+[Ctrl]キー+[Enter]キーで起動します。十分ではありませんが 、手持ちの音声ソフトで読み上げない部分で試してみる価値はあります。
※[Windows]キー…キートップにWindowsのロゴマークが描かれたキーのこと
5.その他
音声ソフトに対応したアプリケーションが開発されています。
●メールソフト
自動読み上げやスキップ機能など便利機能を搭載したものやカーソルキーだけでほとんどの操作ができる簡単ソフトなどがあります。
●WEBブラウザー
複雑なWEBページも解析してキーボードで操作できるようにしているものがあります。
●住所管理、宛名印刷ソフト
複雑な管理項目をシンプル操作で分かりやすくしているものがあります。
●検索ソフト
ニュースや路線、辞書検索などをシンプル操作で行えるアプリケーションがあります。
●読書支援ソフト
デイジーCD、オーディオブック、青空文庫、サピエ図書館などに対応した読書支援ソフトがあります。
●PC−Talkerには、スタートメニューを一列表示にして使いやすくするマイスタートメニューが付属しています。
私たちの症状は残念ながら徐々に進みます。マウスやキーボードが見えなくなってきますので、早いうちにタッチタイピングと音声ソフトで のキーボード操作をマスターすることをおすすめします。