第7回 2017年 11月
視野が狭くなったり視力が落ちてくると、キーボードの文字が読めなくなったりマウスポインターを見失うようになってきます。
そこで必要になるのがタッチタイピングとかブラインドタッチと呼ばれるキーボードを見ないで入力する方法です。しかし、これは視覚障害者特有の技術ではなく、文書入力を素早くそして思考を中断することなく文字に変換するための第一歩なのです。
1.ホームポジション
キーボードのFとJのキーには触って分かる印がついています。ここに左右の人指し指を置き、四本の指を揃えた位置がホームポジションです。左手の人指し指からFDSA、右手の人指し指からJKL;のキーに指が載っています。この位置を基点にそれぞれの指が担当するキーを叩いてはホームポジションに戻ることにより、その指を伸ばす方向と距離を指が覚えて目で見なくても入力できる用になります。
2.ランドマークをつける
ノートパソコンのキーボードは間隔が狭くキーのグループ分けもできていないので、キートップに目印を付けて分かりやすくすると便利です。
私は、ファンクションキーのF4、F8、F12、Tabキー、Altキーに点字シールを貼っています。これはそれぞれが自分が使いやすい場所に貼るといいと思います。貼る印は、日本点字図書館のわくわく用具ショップで当面凸点シールの名称で数種類が販売されています。また、百円ショップやホームセンターにも流用できるものがあります。
3.とにかく見ないで打ちましょう
私は15年間キーボードを見て使っていてタッチタイピングはできていませんでした。指も4本くらいしか使っていませんでした。しかし、盲学校に入ってパソコンをノート代わりに使うように鳴り、1ヶ月でタッチタイピングができる用になりました。
間違えてもいいので、いや何度も間違えながらとにかく見ないで決められた指で入力すればきっと覚えられます。
JRPS神奈川のホームページのパソコン教室のコーナーに指使いについての詳しい説明があります。頑張って覚えましょう。
●iPhone・iPad用アプリ紹介
いくつかアプリをご紹介してきましたが、まとめて教えて欲しいとのリクエストがありましたのでご紹介します。appストア(アップストア)でアプリ名で検索すると詳細情報とダウンロードページが表示されます。料金など変更になる場合があるのでよくご確認下さい。
・TapTapSee( タプタプシー) 無料
識別したい対象の写真を撮ると、それが何であるか解析して音声で読み上げてくれます。例)写真1は木製サイドボードの上に黒いフラットスクリーンテレビです。(我が家のテレビを写してみました。)
・衣服の色調べ 無料
衣服を撮影すると,音声でその色と模様を教えてくれます.例)うすいグレーじに、はいいろみのあおと、くらいあおの縦縞です。
・BlindSquare(ブラインドスクエア) 無料
周囲にある施設を「デニーズ小田原店、40メートル2時方向」などと教えてくれます。歩きながらイヤホンで聴いていると知らなかったお店を発見できます。地図アプリと連携して徒歩ナビを開始することもできます。
・周辺便利ナビ 無料
店名を入れたりカデゴリーから検索して周辺の施設を地図上に表示します。また、距離と進む方向を矢印で案内してくれます。弱視の人には便利かも知れません。
・明るく大きく 無料
拡大鏡アプリです。拡大率、色の反転、コントラストの調整ができます。iOS9以前の方はどうぞ。
・マネーリーダー 無料
カメラをかざすだけで紙幣の金額を瞬時に読み上げてくれます。20ヶ国の通貨に対応しているそうです。硬貨には使えません。
・Be My Eyes(ビー マイ アイズ) 無料
カメラの映像をヘルパーが見てあなたの目になってくれます。
晴眼者56万人、視覚障害者4万8千人が登録、増加中です。
・画像、写真から文字を認識するOCRアプリ 無料
名前の通りのOCRアプリです。シンプルで使いやすく外出先で書類をもらった時に読み上げさせることができとても便利です。
・Office Lens(オフィス レンズ) 無料
マイクロソフトのアプリ。書類やホワイトボード、名刺などを撮影してワードやPDF文書として保存できます。斜めから撮影してもテキストが水平になるよう補正してくれます。ワードで保存すれば編集も可能です。
・iよむべい 3600円
文書を撮影するとOCRしてテキストデータ化します。。ボイスオーバーで読み上げられます。ライブモードがあり撮影しなくても写っている文字を次々と読み上げることもできます。
●参考サイト
・株式会社Studio Gift Hands(スタジオギフトハンズ)
アイフェスタでお世話になっている三宅 琢先生の運営するサイトです。iPad、iPhoneの情報が盛りだくさんです。
・アップルアクセシビリティーメーリングリスト
ボイスオーバーを使った視覚障害者のアクセシビリティーの情報交換が盛んに行われています。分からないこともパワーユーザーが優しく教えてくれることでしょう。