●ロービジョン川柳のコーナー

 ロービジョンとは、低視力、見えにくい状態のことです。厳密には全く見えていない人は含まないのかも知れませんが、ここでは全盲の人も含めた視覚障害者がよんだ川柳をご紹介します。同じロービジョンの方には「そういうこと、あるある!」と共感し笑っていただけることうけあいです。また、晴眼の方々には、見えにくいってこういうことなんだと、視覚障害者を理解していただける一助になればと願っています。私も川柳詠んでみました。という方は 連絡フォームから是非ご投稿下さい。
 2024年から会報誌に掲載された川柳・俳句・短歌を掲載しています。

■2025年作品

●会報117号から(2025年 11月発行)

●川柳
【横浜市】 RP80号
1)まだ平気 汗をふきふき 妻が言う
解説:熱中症で倒れる人の気持ちが分かりますね。電気代を心配しなくていいのなら、クーラーつけっぱなしでしょうね??
2)行ってらっしゃい そう言い妻は 出て行った
解説:外出から戻った夫と外出する妻が玄関でばったり。お帰りなさい、でも、行ってきます、でもない台詞を残して笑顔で出て行きました。

【横浜市】 ジョージ カスミーメ
1)頑張ります 卒寿米寿を 追う傘寿
  解説:先輩の後を追う後輩でした。
2)家の中でも 方向音痴 ゴッツンコ
  解説:狭い我が家でもヘルメットが必要です。
3)五七五 脳内浄化 リフレッシュ
  解説:頭の中はいつもクリアにと心がけています。
4)おはようの 枕詞は あついなー
  解説:暑いと言ったら百円の拠出は中止しました。
5)頭下がる 世界陸上 この暑さ
  解説:頑張っている選手には敬意を表します。

【横浜市】 吉川 弘
1)さようなら まさか定年 タンマ君
解説:週刊文春で50年以上続いた東海林さだおのタンマ君が終わりました。もてない系の代表的存在の愛すべきサラリーマンでした。
2)舞台から 楽しさ送る 生き生きと
解説:つくしの会で、支援サポーターの実藤さんのハープ、阿久津さんの歌声を今村会長のピアノと共に楽しんできました。何より舞台の皆さんの楽しんでいる様子が、伝わってきました。
3)チビゴミムシ チリゴミムシと 聞こえてた
解説:この頃、聴きづらいとか聞き間違いとかでよく失敗しています。前号川柳ではムシの名の聞き間違えを編集の人に訂正してもらい、事なきを得ました。先日、耳が聞こえなくなったことで大恥をかいた件は、いずれまたー。
4)赤子抱く 女性に席を 譲られる
解説:もちろん丁重にお断りしましたよ。ところが後で横にいた友人から、あの人はリュックを抱いていただけといわれました。では、赤ちゃんの頭に見えたのは何だったのでしょう??
5)青空に 浮かぶ綿雲 超低空
解説:ふと見上げると、すぐそこに白くて大きな雲が浮かんでいます。ところが妻には遠くにあるように見えています。そうなんです、こんな雲が見られるのは私たちだけです。あなたも空を見上げてみませんか、凄い迫力ですよ!!

●短歌
【横須賀市】 眞田 京子
1)大玉の スイカの皮を 漬物に
   塩昆布入れ 母の味なり
2)愛着の ズボンの膝に 穴開きし
   継ぎはぎしては 足通すなり
3)夜の明けし 花に水やり お湯になり
   異常気象に 花々耐えぬ
4)いつしらに 鉢の四方に あらくさの
   スベリヒユの葉 愛し水やり

5)夜もすがら フェンスに絡む 葛の葉の
   虫の音すだく 涼風やさし

●会報116号から(2025年 8月発行)

●川柳
【横浜市】 吉川 弘
1)ミスターを 追悼するに 字が足らず
解説:ミスタープロ野球の長嶋茂雄さんが亡くなりました。多くの人がいくら書いても書き足らず、いくら語っても語り尽くせないのがミスターなのです。
2)大の里 新横綱は 唯一無二
解説:待望の日本人横綱が誕生!唯一無二を目指す頼もしい24歳です。
3)散歩コース 近道見つけ 嬉しそう
解説:何のために散歩しているの?
4)チビゴミムシ ひどい名だけど 笑っちゃう
解説:随分失礼な名前をつけたものです。ところが、メクラチビゴミムシというのもいて、これには抗議があったそうです。ちなみにこの虫は体長一ミリほど、地中で生きているので目はないそうです。
5)白杖を 使う今日から 障がい者
解説:この句を読んで不快になりませんでしたか。そうなんです、このことが白杖を遣使うことを最後までためらわせる壁になっていると、私は思っています。私自身、白杖を買ってから使うまでに2年以上かかってしまいました。

【横浜市】 RP80号
1)しなくても いい喧嘩する 物価高
解説: 年金暮らしには厳しい物価高続いています。

【小田原市】 ちーちゃん(患者家族)
1)やっときた わがスーパーに 備蓄米
2)暑くても 一人お散歩 パパえらい
3)太るわな 散歩行かない 動かない

【横浜市】 ハワイコナ、豆で
1)見える時間(とき) 定年延長 どう選ぶ
解説:定年後の見える時間でやりたいことを考えていたら、定年延長で自由な時間が逃げていくように思えました。定年前再雇用制度で最低限の出勤日数を選びました。
2)親切な 多くの人に 助けられ
3)妊婦さん 席を譲り 感謝され
解説:白杖を持って席を譲られることが多くなりましたが、妊婦さんに席を譲ったら本当に感謝されました。
4)幸せと 思う気持ちは 僕次第
解説:RPは不自由だけれど、不幸ではないと、本会で学びました。

【横浜市】 ジョージ カスミーメ
1)もう真夏日 桜驚き 一気咲
解説:きいてないよー。こんなに暑くなるなんて。
2)6月に 暑さをさけて 夏祭り
解説:賢明です。熱中症は危険です。
3)部屋暗く 窓は眩しい アールピー
解説:アールピー患者の症状は色々ですが、これも症状の一つです。
4)国民性 長い行列 備蓄米
解説:日本人の行列好きは有名です。主食確保だから仕方ないよ。
5)古古古米 変わらぬうまさ 保存良し
解説:いただきます。何時もと変わらずおいしいですね。えー、古古古古米も有るのか。

●短歌
【横須賀市】 眞田 京子
1)朝まだき 父の葬儀に 一鳴きし
天に飛び立つ うぐいすの声
2)コンテナの 屋根の上(え)に乗り レモン木の
伸びし枝葉を 息(こ)は剪定す
3)患者会 ヘルパーさんと カラオケに
字幕は見えず 介助で歌う
4)ふるさとの ご当地ソング カラオケで
 「越後水原」 久に歌えり
5)梅雨晴れの 朝食時の ひとときに
  夫(つま)と新茶の 香を味わいぬ

【横浜市】 深水 晴海
1)傘寿喜寿 2つのお祝い 姉妹(あねいもう)
グラス重ねり 七夕の宵
解説:私と妹の2つのお祝いが重なったので、祝杯を挙げて飲みすぎました。
2)編み物の お供は午後の ミルクティー
クッキーチョコと モーツアルト
3)アイフォンに 育てられおり 80歳
牛歩の如く ゆっくりしっかり

●会報115号から(2025年 5月発行)

【横浜市】 ジョージ カスミーメ
高齢者専科
1) 寄る年波 別腹小腹 もう昔
解説:食べる楽しみが減るばかりデス。
2) マスク族 感染防止 手放せず
解説:コロナ、インフル等の感染症はごめんです。
3) 難聴でも うるさい事は 敏感に
解説:テレビ、ラジオ等の音が最近うるさく感じられます。
4) お小遣い 使い道無し 余る今
解説:大した金額ではないが、物に執着することがなくなりました。
5) 筋トレだ 長生きしよう 御同輩
解説:長生き目指して頑張りましょう。

【横浜市】 吉川 弘
1) トランプは ロシアのスパイ ウソ?ホント
解説:このニュースをみてマサカではなく、モシカシテと思ったのは私だけでしょうか?ちょっとヤバイ話ですね。
2) 不治の病 まだカネカネの 自民党
解説:普通に稼ぎ、普通に使うことが出来ない議員たち。難病指定だ!
3) 春急に 昨日来たのに 今日は雪
解説:明日、夏が来ても驚かないですね。
4) 暗い道 さ迷う白杖 天使来る
解説:飲み会の帰り、迷うはずもないバス停から自宅の途中で迷子に。
迷路となった住宅街を歩き回る私に声をかけ、自宅まで送ってくれた天使は、若くて美人の介護支援専門員さんだった。白杖を使い出して2年ほど。いろいろな天使に助けられてきました。天使の皆さんに感謝です。
5) 曇りガラス 取れて明日が 少し見え
解説:2月下旬に白内障の手術をして、目の中の曇りが取れ、文字が読みやすくなったり、明日が明るくなったりしました。

【横浜市】 RP80号
1) スマホ替え 請求書来て 腰抜かす
解説:安くなるという説明で契約、2ヶ月後に届いた高額請求書に妻はパニックでした。結局、娘が契約解除をして収まりましたが、それ以来老夫婦は、娘の前で小さくなっています。トホホ

【小田原市】 ちーちゃん(患者家族)
1) 太るかな 気にするおじさん かわいいな
解説:インド系のカレー屋で2枚目のナンを食べながら気にするこの一言、可愛い!
2) 鼻水に クシャミ連発 目のかゆみ
3) ゴムズボン 太ったことに 気づかない
解説:ウェストがゴムのズボンは注意です。
4) 行列の 屋台並んで やっと食べ
解説:お祭りの屋台はどこも長い行列。30分並んで3分で食べた、と言う人が。 


●短歌
【横須賀市】 眞田 京子
1) ラジオにて 目の障害の 落語家は
日本一なり 落語披露す
2) 朝日浴び 四方に生(は)うる 紅の
   クジャクサボテン 華やぎ彩(い)ろう
3) 冬晴れの 久にカラオケ 思い切り
   大きな声だし リフレッシュする
4) 真夜中に 霰の音に 目を覚まし
   毛布を掛けて 温もり眠る
5) 陽だまりに こんもり茂る じんちょうの
蕾開きて 香(か)のゆたかなり

●会報114号から(2025年 2月発行)

●川柳
【横浜市】 清水 秀雄
1)しつこいぞ 秋に譲れよ 猛暑君
解説:もう暑いのは沢山だ。涼しい風が懐かしいです。
2)宙に舞う 番長の眼に 星キラリ
解説:DeNAベイスターズ日本シリーズ制覇。番長(三浦監督)の眼に涙。
3)暑過ぎて 事件続発 地球病む
解説:地球の異常が人にも感染しているのでしょうか。
4)短くても モミジにはしゃぐ 日本人
解説:遅くても、短くても、葉が色づけば大騒ぎ。インバウンドまで一緒にはしゃいでいます。
5)ジングルベル もうそんな時期 鳥のモモ
解説:時が経つのは早いものです。クリスマスは鳥のモモをいただいてすごします。ワインもチョッピリ。

【横浜市】 吉川 弘
1)トランプと 習とプーチン ああ地球
2)ちーちゃん家 仲の良いこと 屁―会話
解説:前号のちーちゃんの句から。
3)いい男 死ねば世界に 泣く女
解説:前号の深水さんの句をヒントに。もてない系のタンマ君ならグヤジィーと地団駄を踏むところです。
4)友逝って 若き日思い 一人酒
5)見えるうち 何を見ておく 何をする
解説:まだ見えると油断していたら、あれが見えない、これが見えづらいと病は進んでいました。不覚でした!

【小田原市】 ちーちゃん(患者家族)
1)秋深し 犬も歩けば 腹が減る

【横浜市】 深水 晴海
1)ペアSuica 同行援護 事始め
解説:ガイドヘルパーさんを頼むことになったので、準備として用意しました。
2)母のごと 同行援護 甘えきる
解説:ガイドヘルパーさんを母親のように甘えています。
3)ハイキング 訓盲院は 丘の上
解説:訓練センターは丘の上にあるので、ハイキング気分で通っています。
4)名優は 地上の星から 天の星
解説:西田敏行さんは、地上でも輝いていましたが、天に昇っても輝いているのでしょう。
5)ハマちゃんの 釣果はいかに 天の川

●短歌
【横須賀市】 眞田 京子
1) 台風の 異常気象の 大嵐
         稲光する 雷雨恐ろし
2) 夜の明けし 東(ひんがし)の空 白々と
         吹く風寒し 重ね着をする
3) 早朝に 我が駐車場 餌求め
         猿の出没 放浪の旅
4) 鉢植えの 赤き色づき 唐辛子
         ヒヨドリ来ては つつき散りぼう
5) 半月も シャワーを使えず その昔
         五右衛門風呂は 懐かしきかな




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