●音声ソフト入門

 今回のパソコン教室はいよいよ音声ソフト入門です。パソコンの画面の情報を音声で案内してくれる音声化ソフトの事をスクリーンリーダーといいます。今回はこの音声ソフト導入の基礎的なことについて学びます。対象となるOSはWindowsXPとVistaとなります。

■スクリーンリーダーの種類

ソフト名 会社名、特徴など 価格
PC-Talker Vista・XP (株)高知システム開発
http://www.aok-net.com/products/pctalker.htm
 高知システム開発はパソコンがDOSの時代から音声化装置を開発していた老舗である。また、スクリーンリーダーだけでなくPC-talkerで音声操作できる専用ソフト多数開発している。Vistaに正式対応している。
39,900円
Focus Talk
 ver2.0
(株)スカイフィッシュ
 http://www.skyfish.co.jp/focustalk/
 95Reader、PC-talkerの次に開発された一般ユーザー向けスクリーンリーダー。InternetExplorerの読み上げに力を入れるほか、テキスト録音機能やスカイヘルパーなどユニークな機能がある。Vistaに対応している。
39,000円
95Reader (株)システムソリューションセンターとちぎ
 http://www.ssct.co.jp/barrierfree/95reader/
 96年に初めてのWindows画面読み上げソフトとして登場。しかし、バージョン6以降開発が停止しておりVistaには正式対応していない。
36,540円
5t6JAWS for Windows
日本語版
(有)エクストラ
 http://www.extra.co.jp/jaws/
 世界標準的スクリーンリーダーの日本語版。スクリプトを書くことによって各種アプリケーションに対応できる。ビジネス・プロ向けである。Vistaに対応している。
149,100円
VDMW300 (株)アクセステクノロジー
 http://accesstechnology.co.jp/
 PC-talkerの姉妹品である。ショートカットキーなど一部が異なるが機能は同じである。
39,900円
xpNavo (株)ナレッジクリエーション
 http://www.knowlec.com/?page_id=18
 PENTAX社製音声エンジンと英語音声エンジンを採用し、肉声に迫る音質を特徴とする。Vistaには未対応。
26,040円
Catwalk Kazusoft
 http://www.kazusoft.com/simple_catwalk.html
 独自の仮想カーソル機能で他のソフトで読めない部分も読ませる努力をしている。
3年契約 12,600円
WinVoice ニュー・ブレイル・システム(株)
 http://www.nbs.co.jp/winvoice.htm
 点字ディスプレイ表示に特化したソフト。
39,900円

●これから音声ソフトを導入しようとする方にお勧めするとすれば、ユーザーが多く使い方を教えてもらいやすい。開発やサポートのしっかりしている PC-talker が一番かも知れません。インターネットやMS-MediaPlayer をよく使う人には Focus Talk 、お仕事でOfficeソフトをバリバリ使わなければならない人には Jaws 。ということになるでしょうか。 分からないところをすぐに聞くことが出来る事が重要です。

 軽快で独自の音声エンジンに魅力のある 95Reader はユーザーも未だに多いので開発の再会を期待したいところです。

●音声エンジンて何?
 スクリーンリーダーが解析した文書を合成音声としてスピーカーに出力するのが音声エンジンです。 SAPIという規格があり、これに準じたソフトでは同様に規格に準じた音声エンジンを切り換えて使用することが出来ます。スクリーンリーダーが異なっても音声エンジンが同じ場合は声は基本的に同じです。

○現在使用されている音声エンジン
 ・IBM プロトーカー
   PC-talker、VDMW300、Jaws など。
 ・アニモ FineSpeech
   Focus Talk
 ・PENTAX  VoiceText
   xpNavo、PC-talker

■音声ソフトと組み合わせて便利に使えるソフト
 一般のソフトを音声化することに限界があったり、使い勝手が悪かったりするため、音声環境での使用を考慮したソフトが沢山あります。

●メールソフト (Outlook Expressは音声環境でつかいづらいため。)

MMメール 宮崎 嘉明 音声対応版 7,140円
MyMail III (株)高知システム開発 18,900円
Voice Popper 桂木 範 5,040円
その他 Eudora Pro、Winbiff、電信八号、など

●(株)高知システム開発 http://www.aok-net.com/

PC-talker スクリーンリーダ 39,900円
MyWord V
Pro
PC-talkerで使用できるワープロソフト。MS-Word形式で保存できる。 新規 92,400円
MyWord V
Lite
ワープロソフト。MyWord V Proからホームページ編集機能を省いた廉価版。 新規60,900円
MyRead5 スキャナを使って文書取り込みと読み上げ、拡大表示が出来ます。 新規 92,400円
アドボイスIII 住所管理、宛名書きソフト。 新規 39,900円
NetReader ホームページ読み上げソフト 29,400円
MyMail III メールソフト 新規 18,900円
MyNews インターネットのニュースを簡単読み上げ 29,400円
MyRoute お店や路線・道順の検索 新規 29,400円
MyDic ネットや電子ブック・CDなどの辞書を検索 29,400円
MyDoctor ネットの健康・医療情報などを検索 29,400円

●宮崎 嘉明 http://www.am-corp2.com/

MMメール PC-talker、95Reader対応メールソフト 7,140円
MMニュース Webニュース受信ソフト 新規12,700円
MMユーザー9,700円
MM辞書リーダ Web辞書検索・受信ソフト 価格は同上
MMホームページ検索 ホームページ検索文章の保存と管理ソフト
  
価格は同上但し、
MM辞書リーダと同一ライセンス
MMエディタ 高機能テキスト編集ソフト 4,000円
MM音声ビュア デジタル書籍やテキストファイルを読み込んで、便利に読み上げるソフト 2,000円

●桂木範 http://homepage2.nifty.com/oss/

ソフト名 会社名、特徴など 価格
サーチエイド ネットから辞書や翻訳、電話番号、鉄道路線探索、ネットショップの商品検索ができます。 8,800円
Voice Popper 音声メーラー+ニュース受信、RSSリーダー。ほとんどの機能が矢印キーだけで操作できる。 4,800円
2ch to Speech 視覚障害者向け2ちゃんねる専用ブラウザ 680円
ニュース
to Speech
ネットニュース受信ソフト。矢印キーで操作できる。Voice Popperに機能を継承している。 無料

●その他

ホームページリーダーVer3.04 日本IBM
 http://www-06.ibm.com/jp/accessibility/solution_offerings/hpr/
 音声ブラウザ。
15,750円
ボイスサーフィンVer4 (株)アメディア
 http://www.amedia.co.jp/
 Vista・Internet Explorer 7対応ブラウザ。ホームページを音声と大きな文字で表示します。
16,800円
宛名職人2008
(一般ソフト)
(株)アジェンダ 宛名書き住所録ソフト
 http://www.agenda.co.jp/products/atn2008/
3,780円
まめFile5
(一般ソフト)
AMAsof 天野晃治 高機能ファイラー
 http://www6.plala.or.jp/amasoft/soft/index.html
無料
色々の色 中原 ひかる 画面の色を読み上げるソフト
 http://www.hikarun.com/w/
500円

■達人への道
 視力が衰えると、標準で使えていた画面が見づらくなり @文字をおおきくする。A色を見やすくする。B画面拡大ソフトを使う。C音声を併用する。のように少しづつ工夫して使うことができます。 しかし、どうしても越えてゆかなければならないハードルがあります。それは。
@カタカナ用語アレルギー
Aタッチタイピング
Bキーボード操作  です。
 初心者の一番大きなハードルはタッチタイピングだと感じています。キーボードを見て打っている限り覚えることは出来ません。間違えても見ないで探しましょう。そうすれば1ヶ月も有ればマスターできます。 次はキーボード操作を覚えることです。90%以上の操作がマウスなしでもできるようになっています。 そうすればマウスよりも早くパソコンを使いこなせるようになるでしょう。 習うより、慣れろ。です。魔法の小箱を自分の物にしてください。

■キーボード操作

 機能 キー操作
●デスクトップ操作
1.スタートメニューを開く  Windowsキー、ctrl+ESC
2.コンテキストメニューを開く アプリケーションキー、Shift+F10
 (マウスの右クリックメニュー)
3.複数のウインドウを切り換える Alt+Tab
4.全てのウインドウを最小化する。  Windows+D
5.エクスプローラを起動する  Windows+E
●アプリケーションウインドウでの操作
6.メニューを開く  Alt
7.システムメニューを開く  Alt+Space
8.ファイルを開く  ctrl+O
9.上書き保存  ctrl+S
10.名前を付けて保存  Alt → F → A
11.印刷  ctrl+P
12.作業ウインドウを閉じる  ctrl+F4
13.アプリケーションを終了する  Alt+F4
●編集作業のキー操作
14.範囲選択  Shift+矢印キー
15.コピー  ctrl+C
16.切り取り  ctrl+X
17.貼り付け  ctrl+V
18.元に戻す  ctrl+Z
19.全てを選択  ctrl+A
20.行頭へ移動  Home
21.行末へ移動  End
22.文頭へ移動  ctrl+Home
23.文末へ移動  ctrl+End
●ダイアログボックスなど
24.次の項目にフォーカスを移動する  Tab
25.ラジオボタンの選択  矢印キー
26.チェックボックスのON、OFF  Space
27.スピンボックスの操作  数値を入力、又は上下矢印キー
28.タブシートの切り換え  ctrl+Tab
29.ボタンを押す  Space、Enter
30.作業の中止  ESC
●その他
ズーム  ctrl+マウスのスクロールボタン
複数の項目を飛び飛びに選択  ctrl+Space


■便利なサイト紹介
・杉田正幸さんのホームページ
 http://j7p.net/
  「視覚障害者に利用可能と思われるWindowsソフトウェア一覧」や「視覚障害者のWindows活用ML」などがあります。

・NPO法人SPANさんのホームページ
 http://www.span.jp/
  視覚障害者向けパソコン講習会や、インストラクター養成講座を開催
  しています。

■講師連絡先(お困りの時はどうぞ)
  佐々木 裕二 連絡先