●コミュニケーション篇


Q1. どうやって点字を覚えたのですか?
A. 途中で見えなくなった人は、視覚障害者の「リハビリテーション施設」「訓練施設」「点字図書館」と呼ばれる施設がありまして、そこには「指導員」がいまして、そこで教わる人が多いです。独学で覚える人もいます。
 小さいころから見えない人は学校でも教わります。

Q2. 手紙や荷物を送るとき、字はどうやって書くのですか?
A. 見えない人にもパソコンを使って手紙が書けるようになってきました。画面に映し出された文字を音声で教えてくれるソフトがあります。
 それを使ってキーボードから入力して、書くことができます。キーボードのどこを打てば「どんな文字が書けるか」「どんな操作ができるか」は、練習をして覚えておきます。きっと皆さんの中にもパソコンが上手な人は、キーボードを見なくても字が打てる人がいるのではないでしょうか。そういう人と同じと思ってもらっていいです。
 そして、住所や郵便番号なども「あて名書きそふと」があって、それを使うことで書く場所にあてはめて書くことができます。
 宅配便などの送り状は、その宅配会社のWebページから、パソコンで送り先住所などを入力すると、あらかじめ記入済みの送り状を持って荷物を取りに来てくれる会社もありますから、そのようなシステムを使えばペンを持って書くことなく、荷物を送ることができます。
 このようなシステムを使わない場合には、お店の人や荷物を取りに来てくれた人などに頼んで書いてもらいます。以前はめんどうがられましたけど、今はたいていの場合は親切に書いてくれます。
 パソコンですが、見えない人、みんなが使えているわけではないので、使っていない人は手紙でも住所でも、どなたかに書いてもらうことになります。

Q3. お手紙をもらった時に、だれもいなかったら、どうやって読むのですか?
A. パソコンを利用するか、FAXで送って読んでもらうか、読んでもらえる人に会えるまで待つか、この3つのうちのどれかになります。

 パソコンを使う
 まずは、パソコンに画面読み上げソフトを組み込んで、そのパソコンの画面に出た文字を音声で知らせてくれるようにしておきます。次に、活字読み取りソフトを組み込んで、スキャナーを接続して、来た手紙をそれらを利用してパソコンに読み込んで音声で聞くことができます。活字印刷されたものやワープロで普通の書体で書いたものは、かなり性格に読み取れます。
ただし、これは、あくまでも「活字読み取り」ですので、手書きや絵文字は、上手に読み込むことができませんので、もちろんパソコンの音声も正しく内容を読み上げることはできませんから、内容を知ることはできません。

 FAXで送って読んでもらう
。FAXで送られたものを電話で読み上げてくれるボランティアさんがいらっしゃいます。私が知っている中で組織的にやっているのは、「NTT横浜会」というところがあります。月から土曜日の昼間、常にボランティアの方が、いつでも読める体制を整えてくれています。他にも地域の朗読ボランティアさんで、好意でやってくれている方もいらっしゃいます。

 読んでもらえる人に会えるまで待つ
 パソコンやFAXをもっていなかったり、また、パソコンを持っていても手書き文字などでうまく読み込めないものや、ボランティアさんが読んでくれる時間以外の時などは、自分ではどうにもできませんので、見える人が家族にいる場合はその人が帰ってくるのを待つか、助けてくれる人に会えるまで待つことになります。

Q4. 本や新聞は、みんな点字になっているのですか?
A. 一部の本は点字になっています。本を点字にしてくれるのは、ボランティアの人です。出版社が活字のものを出すときに点字のものも出しているのではありません。「見えない人も本が読めるように」と思ってくれる人が、好意で点字にしてくれますから、もし、このような優しい人がいなくなってしまったら点字の本はできなくなってしまうと言っても過言ではない状況です。
 点字以外にも録音図書と言って、CDなどに録音された本もありますが、これもボランティアさんの好意でできているものがほとんどです。
 パソコンが使える人はお手紙のところで説明したようにスキャナーで本の活字を読み取って読書する人もいます。
 最近ではUD(ユニバーサルデザイン)出版と言って、本を買って、見えない人がその本に付いている券を送るとテキストデータを送ってくれて、それをパソコンで音声で聞けるような、そんな券を本に付けて出版している本も出てきました。
 新聞は一般紙からの抜粋記事と視覚障害者にとって重要な情報とをとりまぜた「点字毎日」が週刊で出ています。またボランティアさんが、一般新聞から抜粋して読んでCDに録音したものもありますが、これらは一週間遅れくらいの情報となってしまいます。
 電話をかけるとボランティアさんが新聞を読んでくれるのもありますが、たいていは一般的なニュースだったらラジオのニュースなどで間に合わせているのが現状です。
 パソコンが使える人はインターネットに接続して、そこからニュースを閲覧している人もいます。

Q5. 電話はどうやってかけるのですか?
A. 電話のダイヤルボタンはユニバーサルデザインになっていて、たいていの者は5のボタンのところに出っ張りがあって触ってわかるようになっています。そこが5なので、その上が2、その横が1と3、のようにボタンの配列が決まっていますから、見えなくても番号を押すことができます。