●JRPS神奈川会報WEB版

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JRPS神奈川会報第113号

(表紙)
1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行)
2024年 11月1日発行 SSKA通巻 第11390号
SSKA
あぁるぴぃ第113号Kanagawa 2024 Winter

  写真:世界網膜の日in大分 こども和太鼓演奏の様子
私たち自身で
治療法の確立と
生活の質の向上を目指す

**この会報誌は「NHK歳末たすけあい」の配分金により作成しています。 **
JRPS神奈川

(表紙終わり)

■あぁるぴぃ神奈川 第113号 目次

◆巻頭言
 2 RPはライバル
◆JRPS神奈川の活動
 3 総合カレンダー
【開催予定】
 4 川崎アイeyeセンターまつりのお知らせ
 4 働く世代イベントのご案内
 5 医療講演会のご案内
 7 アイフェスタin横浜のお知らせ
【報告】
 7 横須賀三浦地区交流会のご報告 
 8 あざみロータリークラブ様より寄付のご報告
 9 藤沢市「網膜色素変性症・患者のつどい」のご報告
10 「世界網膜の日in大分」に参加して
13 湯気に浮かぶ街 地獄で生きる人々に触れて
14 横浜市港北区難病講演会のご報告
15 田辺三菱製薬「手のひらパートナープログラム報告会」参加報告
◆情報コーナー
17 顧問就任のご挨拶
18 特定医療費(指定難病)医療受給者証 受給者数
21 第7回ロービジョン・ブラインド川柳コンクール開催のお知らせ
25 サキサキ先生の簡単パソコン活用講座(35)
28 ちょっと話してみませんか?(ピア相談のご案内)
29 読書の薦め
◆投稿コーナー
32 最近思ったこと
33 同じ病の友達
34 編集スタッフとして感じること
35 JRPS神奈川との再会と私にできること
36 みんなの川柳・俳句・短歌
38 ウッチャンの落書きストーリー
◆編集後記
45 JRPSかながわ丸<船長今村の航海日誌>

(表紙:「世界網膜の日in大分 こども和太鼓演奏の様子)

■巻頭言■

■RPはライバル

役員 大沢 郁恵


 みなさんにとって、RPとはどんな存在ですか?
 いきなり藪から棒の質問ですいません。もしかしたら、これを読んでいる方の中には、自分にとってRPは、つらい存在と思っている方もいるかもしれません。もちろん私も、RPが楽しいことばかりだけでなく、つらい部分もあります。
 しかし、最近、私にとってRPはライバルのようなものではないかと思うんです。それは、ある時、たった1度の人生RPのせいで、楽しくない人生を送るなんて悔しい、と思ったのがきっかけだったと思います。本当にそれは不意にそう思ったのです。それから、RPに負けないよう、思いっきり人生を楽しんでやる!と思いました。
 そして私は、趣味の旅行で3回ほどNYに行ったり、スキーやスキューバダイビングをしたりといろいろ人生を楽しみ始めました。そうすると、その先には、たくさんの出会いがあり、沢山成長をさせてもらうことができました。だから思ったのです。私にとってRPは、決して負けたくなくて、自分を成長させてくれるライバルのようなものではないかと。
 このような考えを持てたのは、私と一緒に歩いてくれている盲導犬の存在がとても大きいです。盲導犬を持つ前は、誰かに助けを求めるときも、そこに人がいるかどうかわからないため、なかなか声をかけられませんでした。でも、盲導犬を持った時、横に盲導犬がいるのだから、私が目が見えないことは周りから一目瞭然であり、すいません、と10回声をかければ、誰かしら止まってくれるのではないかと気づいたのです。
 今思えば、白杖を持っていても同じだと思うのですが、横に盲導犬がいてくれるだけで、私に勇気をくれたのだと思います。そんな風に勇気をくれる盲導犬と、RPというライバルと一緒に、楽しい人生を送っていければいいなと思っています。
 もし、まだまだつらいと思っている方がいたら、その気持ちは私にもよくわかります。皆さんなりの形でRPとの関係性を探っていただき、こんな変なことを言っていた人もいたなと頭の片隅にとどめていただけると嬉しいです。

■JRPS神奈川の活動
■総合カレンダー

2024年
◆12月予定
12月 8日(日) ミニ集会   13時〜 県民センター709室
12月14日(土) 川崎アイeyeセンターまつり *詳細は本紙参照

2025年
◆1月予定
 1月25日(土) 働く世代のイベント  *詳細は本紙参照
 1月26日(日) 医療講演会・藤波先生 *詳細は本紙参照

◆2月予定
 2月 9日(日) 会報発送作業
          ミニ集会   13時〜 県民センター303室

◆3月予定
 3月 9日(日) アイフェスタin横浜 *詳細は本紙及び次号で発表

 予定は変更になる可能性があります。最新情報はホームページをご確認いただくか、下記連絡先まで照会願います。
 JRPS神奈川事務局 ************(留守番電話)
            https://www.rp-k.com

●ミニ集会および会報発送作業の会場(かながわ県民センター:電話045−312−1121)は、横浜駅西口からヨドバシカメラのビルに向かって進み、その手前の横断歩道を渡ったら、右に曲がります。100メートル程進んで、高速道路の先の信号のある交差点の左角の建物です。点字ブロックが駅から敷設されています。

■「川崎アイeyeセンターまつり」のお知らせ

役員 阿部 直之


 来る12月14日(土)、川崎市視覚障害者情報文化センター(愛称:川崎アイeyeセンター)の主催による「川崎アイeyeセンターまつり」が開催されます。我がJRPS神奈川も参加し、相談会を行います。見え方についての悩みや困りごと、その他なんでも構いませんので相談したい、話したいという方、ぜひいらしてみてください。
 なお、「川崎アイeyeセンターまつり」の詳細は川崎市視覚障害者情報文化センターのホームページをご覧ください。当日は落語会やマッサージコーナー、盲導犬体験コーナーなどもあるようですので、足を運んでみてはいかがでしょうか。

日時:2024年12月14日(土)午前10時から午後4時
会場:ふれあいプラザかわさき 2階・3階
   JRPS神奈川による相談会は3階個室で行います。
相談会に関するお問い合わせは下記宛先にメールをお願いします。
メール:************

■神奈川・東京・ユース合同企画
 働く世代イベントのご案内

副会長 伊藤 つえみ


 恒例の働く世代イベントですが、本年度は、東京都網膜色素変性症協会(JRPS東京)が担当で、昨年度同様お店での交流会を企画中とのことです。以下内容をご確認いただき、まずはご予定を確保いただけましたら幸いです。

【日時】2025年1月25日(土) 17時から19時(予定)
【場所】新橋駅周辺のお店
【対象】働く世代患者・家族・支援会員(他県の方・求職中の方も大歓迎)
 お店・参加費・時間等、詳細が決まりましたらJRPS神奈川HPやメーリングリストにてご案内いたしますので、内容をご確認の上、JRPS東京の申し込み先へ直接お申し込みください。どうぞお楽しみに!

■医療講演会のご案内 〜網膜色素変性症の最新治療動向〜

副会長 神田 信


 我々の疾患、網膜色素変性症の治療研究が様々なアプローチで進む中、今回は遺伝子治療について、治験治療・保険適用治療を進めていただいている東京医療センターの藤波芳先生に講演をしていただきます。
 講演では、網膜色素変性症の基礎的メカニズムから最新の研究動向までをわかりやすくお話いただきます。

演題:「網膜色素変性症の最新治療動向」
講師:藤波 芳(ふじなみ かおる)先生 東京医療センター 視覚生理学研究室室長

藤波芳先生略歴:
2004年 名古屋大学医学部医学科卒業
2004年 名古屋第一赤十字病院 前期研修医
2006年 東京医療センター 眼科 後期研修医
2009年 英国Moorfields Eye Hospital 臨床フェロー
2013年 東京医療センター 眼科・慶應義塾大学大学院博士課程
2016年 英国UCL Institute of Ophthalmology主任研究員
2017年 東京医療センター・臨床研究センター 視覚研究部・視覚生理学研究室 室長代行(2018年4月より室長)
2018年 英国Moorfields Eye Hospital 遺伝性眼疾患 客員顧問 (併任)
2020年 英国UCL Institute of Ophthalmology 遺伝学 客員教授 (併任)

【日時】2025年1月26日(日)14時から16時(終了時刻は予定)
開場および受付開始 13時30分
【参加方法】
会場にお越しいただく方法とオンライン参加の2つの方法があります。
藤波先生には、会場にお越しいただき講演をしていただきます。
1.会場:かながわ県民センター304号室
2.オンライン:会議システムZoomで行います。
会場参加総数を先着60名、オンラインは先着100名とします。
【参加費】会員無料 非会員1000円(ヘルパー等介助者無料)
【申込み締め切り】1月19日(日)
事前申込み制です。
なるべく以下の応募フォームからお申し込みください。

藤波先生医療講演会の申し込みフォームURLは以下です。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/6a835a8a758723

登録が完了しますと、完了メールが届きますので必ずご確認ください。

上記登録がうまくいかない場合は、メールにて、それも難しい場合はお電話でお申込みください。
メールの場合は、件名を「医療講演会申込み」として以下を記載ください。
1.お名前
2.会員、非会員の種別(県外会員も無料ですが、その旨ご記入ください)
3.会場参加かオンライン参加をお知らせください。
(会場参加は参加人数をお知らせください。)
メール宛先:************
電話:************
  留守電に、お名前と電話番号、参加申込みの旨を録音ください。
  後ほど折り返しさせていただきます。
2日経っても確認の返信がない場合は、恐れ入りますが再度ご連絡をお願いします。
オンライン参加に関して、当日のヘルプ対応は基本的にできません。
不安のある方は、お申込み時にご相談ください。

アイフェスタin横浜のお知らせ
〜視覚障害者総合福祉機器展〜

副会長 伊藤 つえみ 


 コロナ禍でしばらく開催できなかったアイフェスタが、来年3月に開催されることになりました。会場は、皆様にとってアクセスが容易でなじみのあるかながわ県民センターです。
 見えない・見えにくいを補い、生活を便利に快適にする製品を展示し、同時に医療・就労・ピア相談も行います。
 また午前中は、日本初の全盲弁護士 竹下義樹先生の講演会も予定しております。
 詳細は、会報誌114号(2月発行)でご案内しますので、是非皆様のスケジュールに入れていただきたく、よろしくお願いいたします。

 日時:2025年3月9日(日) 10時から16時(予定)
 会場:かながわ県民センター 3階・7階

■横須賀三浦地区患者交流会のご報告

役員 内田  知


 今年の夏も酷暑となる予感がするような暑さの7月に、患者交流会を横須賀市総合福祉会館にて開催しました。
 前半の参加者の意見交換会では、白内障手術の経験を持つ役員から白内障の手術について不安を感じている方へ、RP患者が白内障の手術を受ける上での判断事項や注意点等についてアドバイスしていただきました。
 また今回は、RP以外の病気(緑内障)の視覚障害者の方も参加され、病気の症状や進行具合の違い等の情報共有がはかられました。
 後半は、音楽鑑賞の時間を作りました。音響機械を使用できない中、長い演奏活動を続けてきたからこそのレパートリーの広さから選曲した昭和から平成にかけてのヒット曲を披露していただきました。
 交流会の参加者には喜んでいただき、演奏者からはこのような場を提供してもらい演奏できたことに感謝ですとの言葉をいただきました。

 交流会の写真
(写真:横須賀三浦地区患者交流会の様子。カタカナのロの字型に並んだ長机を囲むように置かれた椅子に参加者が着席している。)
 音楽鑑賞の時間
(写真:のんさんによるギター演奏の様子。)

**この交流会は『NHK歳末たすけあい』の配分金により開催しました**

■あざみロータリークラブ様より寄付のご報告

会長 今村 伸也


 昨年8月に、戸塚西ロータリークラブ様よりご紹介いただいた、あざみロータリークラブ様(会長:石川俊様)。本年も8月28日に、JRPSの活動をお話しする機会を頂き訪問しました。3月実施の募金活動、9月の世界網膜の日in大分、そしてJRPSが結成30年である旨もお伝えし、活動のためのご寄付を頂きましたので報告致します。
 各地域で活動されているロータリークラブ様とは、今後とも連携していき、RPへの啓発やJRPSの活動にお力添えいただきたいと考えております。

 あざみロータリークラブ会長の石川様と今村会長
(写真:あざみロータリークラブ会長の石川様とJRPS神奈川の今村会長の2人が並んで映っている。少々気恥ずかしさが窺える表情の二人。)

■藤沢市『網膜色素変性症・患者のつどい』のご報告

役員 佐々木 裕二


 去る9月11日、藤沢市保健所にて「患者のつどい」を開催しました。患者、ご家族など23名の方が参加されました。
 内容は、第1部で、新しくなった「患者と家族のハンドブック」を用いて、この病気の治療法開発の現状や合併症などの医療情報と、福祉制度や障害年金、民間のサービスなどについてお話ししました。
 第2部では、4グループに分かれて交流会を行いました。なかなか障害者手帳がとれないという方、ご家族が診断されたという方、同じ患者と初めて話したという方も多くどのグループも大変熱心に話し合われていました。今後も継続して開催できるよう、保健所と協力していきたいと考えています。
◆ホームページの福祉情報のコーナーから「患者と家族のハンドブック」がダウンロードできます。
こちらからアクセスしてください。

 交流会の写真
 写真:交流会の様子。

**この交流会は『NHK歳末たすけあい』の配分金により開催しました**

■「世界網膜の日in大分」に参加して

副会長 伊藤 つえみ


 去る9月28日(土)に、大分の湯のまち別府にて世界網膜の日が開催されました。神奈川からは、患者会員・支援会員・ご家族含め10名の参加でした。私は、支援会員で友人でもある吉田明美さんと参加しました。10人のうち、同じホテルだったのが5名で、そのうち晴眼者が吉田さんただ1人という状態でしたが、吉田さんのスーパーガイドのおかげで安心して駅まで向かうことができました。
 別府駅に着くと、ボランティアさんが待機していて、私は、視能訓練士の学生さんにガイドいただき会場まで向かいました。受付に着くと、別府のゆるキャラ「べっぴょん」のお出迎え。後から聞いたら、中に入っていたのは大分副会長の奥様だったとか!?
 オープニングは、こども和太鼓の演奏。実はそんなに期待はしていなかったのですが、演奏が始まるとその迫力に圧倒され、こどもたちのパワーと一生懸命さにとても感動してしまいました。
 式典の助成授与式では3名の先生方の授与式と研究発表。内容につきましては、秋ごろ発行のニュースレターをご参照ください。
 記念講演は、別府大学名誉教授による別府地獄のお話。スライドによる説明のほか、私たち視覚障害者のために、先生自ら地獄と呼ばれるいくつかの温泉の音を録音してくださったとのことで、音付きでご説明くださいました。
 最後は、次年度開催協会引き継ぎ式で、大分から旗を受け取ったのは、なんと神奈川会長の今村さん!去年、神奈川の今村会長から大分の渡辺会長に渡した旗を、今度はその2人が逆になって今村会長が受け取ったのですから、不思議に思いますよね。実は、今村会長は本年度から、JRPS本部の世界網膜の日担当理事となられ、理事としてその旗を引き継がれたのでした。今まで、東日本と西日本の都道府県協会が交代で主催しておりましたが、一旦来年度は本部主催となるとの事でした。開催形態はまだ分かりませんが、世界網膜の日の1番の目的でもある、網膜色素変性症患者や家族をはじめ広く社会にRPを認知していただく機会として、今後も継続開催されていくことでしょう。
 また、前日の観光は、補聴サポートでいつもお世話になっているアシストホーンの鈴木さんがレンタカーを運転してくださり、別府市内を観光しました。日本一の長さを誇る九重(ここのえ)“夢”大吊橋を渡ったり、鬼滅の刃の聖地と言われる八幡竈門(かまど)神社などにも行かせていただきました。
 そして最終日は地獄巡り!詳しくは次の安山さんにお任せして、私の報告を終わります。
 ご一緒いただいた皆様、楽しい三日間をありがとうございました!
渡辺会長の開会挨拶  記念公園

(左の写真:渡辺会長による開会挨拶の様子。グレーのスーツを着用し、手を前に組んで直立姿勢の会長。後ろで渡辺会長の奥さまがサポートしている。)
(右の写真:飯沼賢治氏による記念講演の様子。写真左上には大きなスクリーンに映し出された資料の一部(工場のプラントのような建物1棟分の大きな機械の写真)、右下には飯沼氏が映っている。)
引き継ぎ式の写真  挨拶する今村会長
(左の写真:次年度開催協会引き継ぎ式の様子。大分の渡辺会長と神奈川の今村会長が顔の高さまで上げた手で固い握手を交わしている。今村会長のもう片方の手には受け取った旗がある。)
(右の写真:今村会長による次回開催本部挨拶の様子。今村会長が話す後ろで真剣に話に耳を傾ける渡辺会長。)

■湯気に浮かぶ街、地獄で生きる人々に触れて

准役員 安山 徳子


 昨年2月にJRPS神奈川に入会して1年7か月になりました横浜市戸塚区の安山徳子と申します。
 今回は大分県の別府で開催された「世界網膜の日in大分」に参加させていただきました。私としては15年ぶりの飛行機の旅でしたのでとても新鮮な気持ちでわくわくしました。
 医療講演会では現在の最新の研究で治療法は簡単には見つからないけれども一部では光も見えてきているということでしたので、先生方には更に研究を重ねていただいて、この病気を解明してほしいと思いました。
 また、聴きごたえのある地域の少年たちの太鼓や大変参考となる別府の地獄巡りの講演会もありました。
 懇親会でも地域の鳥飯や鳥天、フラダンスのショーや別府のお土産が当たるくじ引きもあり、他県の方々との交流も盛り上がりを見せ、とても楽しかったです。
 翌日は前日の講演会のお話を参考にしながら海地獄・鬼石坊主地獄・かまど地獄・鬼山地獄・白池地獄・血の池地獄・龍巻(たつまき)地獄の7つの地獄を見学しました。最後の龍巻地獄(間欠泉)の吹き上げは25〜30分ごとに噴き出すそうで見えないけれども音を聞いて自然の力はすごいなと思いました。別府は湯煙温泉の町ということで地獄巡りということでしたが、JRPS大分の方々の心づくしのおもてなしがあり、道行く人も大変親切という印象でした。そのため、無事に地獄に落ちず、楽しい旅となりました。
 皆をまとめていただいた吉田明美さんを始め、同行していただいた皆様にも大変感謝しております。ありがとうございました。
 JRPSの「わたしたちの手で治療法の確立とQOLの向上を」をモットーにこれからも皆様とお話していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

懇親会の様子
(写真:懇親会の様子。フラダンスのショーと食事会が繰り広げられている。10名ほどのダンサーが赤色のワンピース状の衣装と白色の髪飾りや首飾り(レイ)を身にまとって優雅なフラダンスを踊っている。1つの円卓に参加者が5、6名ずつ座り、円卓を埋め尽くすように並べられた数々の料理を召し上がっている。)

■横浜市港北区難病講演会のご報告

副会長 神田 信


 本年度の横浜市の難病講演会が、下記の通り開催されました。
 講師は、JRPS神奈川の顧問に就任頂いた、翁長先生が担当されました。

【日時】:2024年10月2日(水) 14時15分から16時30分
【会場】:横浜市港北公会堂
【参加者】:29名(内、同伴者9名)
主な内容:横浜市立大学非常勤講師
     おながファミリー眼科院長 翁長 正樹先生によるご講演。

 網膜色素変性症の症状や、遺伝について、現在研究が進められている治療についてお話しいただきました。休憩をはさみ病気により見えにくくなった目を補う方法、つまりロービジョンケアについてもお話しいただき、とてもわかりやすく、ためになるご講演でした。
 私の方からもお時間をいただき、JRPSの説明、JRPS神奈川の活動、特に毎月開催しているミニ集会の参加メリットについてお話をさせていただきました。
 翁長先生は、金沢区にある横浜市立大学でもロービジョンクリニックを椎野めぐみ先生(昨年本会医療講演会で講演)と担当されています。
 また、次回アイフェスタ(3月9日)の医療相談でも澤崎弘美先生(横須賀市・いけがみ眼科整形外科)と担当していただく予定です。

■田辺三菱製薬 手のひらパートナープログラム報告会
   参加報告

会長 今村 伸也


 昨年開催した「世界網膜の日inかながわ」において、田辺三菱製薬様より「手のひらパートナープログラム」という名の助成を頂いて開催しました。
2023年にこの助成プログラムを利用した(採用された)各団体の報告会が、10月2日に東京で開催され参加致しました(関西地区は大阪にて別日に開催)。
 参加団体の多くが、難病患者の支援団体であり、他疾患(視力以外)との情報交流の場として大変有意義でした。

【日時】10月2日(水)13時30分から16時30分
【開催場所】田辺三菱製薬様・東京本社
【参加団体の支援疾患】キャッスルマン病(免疫疾患)、脊髄小脳変性症・多系統萎縮症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、長期療養の子供(小児がん等)への絵本による自立支援etc
【JRPSの報告】RP/JRPSとは。WRD(世界網膜の日の狙い、歴史、意義)と神奈川での特徴(パネルデスカッションなど)
世界網膜の日の報告をする今村会長1  報告する今村会長2
(写真1・2枚目:RP/JRPSに  ついて今村会長が報告する様子。)
他の団体サンとの記念写真
(写真:各団体の報告者との写真。皆さん両手を広げて満面の笑み。)

 特に印象的だったのは、ALS患者の支援発表です。病気の進行と共に「声」を出し難くなった患者の断片的な発声を、コンピュータ処理して滑らかな「言葉」にする取り組みのNPOです。聴力が残っている患者にとって、自分の意思を「自分の声」で表出できる事が患者にとっての喜びと、自尊心の維持・高揚であることを知り、大いに感銘を受けました。

■情報コーナー

■顧問就任のご挨拶

顧問 翁長 正樹


 この度JRPS神奈川の顧問をさせていただくこととなりました眼科医の翁長正樹(おながまさき)と申します。いつもは戸塚区下倉田町のおながファミリー眼科にて院長として地域の患者様の診療にあたっております。
 名前からお分かりの方もいらっしゃると思いますが、沖縄県那覇市の出身でございます。簡単ではございますが、私のこれまでの経歴をご紹介いたします。
 2000年に琉球大学を経て2004年に横浜市立大学医学部眼科学教室へ入局し、神奈川県、沖縄県の病院、クリニックで診療を行ってきました。
妻の故郷である横浜市に縁があって現在居住しております。沖縄県もとても魅力的な土地ではありますが、海あり山ありの横浜にもとても魅力を感じております。
 「緑内障」や「網膜硝子体手術」といった領域を専門とする眼科医が多い中、私は「ロービジョン」を専門としてこれまでの経験を積んでまいりました。眼科疾患の診療の多くは「よく見えるようにする」や「視力を維持する」といったことが目標であることが一般的です。一方で「ロービジョン」は「ケア」を目的としていることが一般的です。「いまできることを最大限努力する」このようなロービジョンケアの考え方を私はとても好んでおり、“みんなで”最大限努力することに大きな意義を感じております。
 ひとりひとりができることには限界がありますので、みんなで手を取り合って良い方向に向かえるようなお手伝いができれば幸いです。
 今日の医療の発展は目覚ましいものがあります。網膜色素変性症をターゲットとした治療がいくつも研究されております。私は、専門医として最新の情報を得るように最大限努力をし、可能な限り皆様へ発信ができるように努めてまいりたいと存じます。
 未熟な私ではありますが、会員の皆様に幾ばくかのご貢献ができるように努めてまいります。どうぞご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

翁長先生と今村会長"
(写真:翁長先生と今村会長が並んでいる様子。今村会長の手にはRPの会報誌がある。)

■特定医療費(指定難病)医療受給者証
受給者数(網膜色素変性症)

会長 今村 伸也


 2023年度(2024年3月31日時点)と前3年度を比較しました。
昨年(109号)の報告時と同様、今回も前年より50人の減少となっております。近年の傾向ですが、煩雑な手続きで更新されなかった方が多かったようです。
 (表を展開して掲載しています)

市区町村  2023年度 2022年度 2021年度 2020年度
横浜市 579 605 620 666
鶴見区 40 49 52 52
神奈川区 30 30 32 36
西区 10 12 13 15
中区 16 16 19 22
南区 28 27 33 34
港南区 37 37 36 41
保土ヶ谷区 30 28 25 29
旭区 49 53 58 66
磯子区 30 30 32 34
金沢区 46 46 43 49
港北区 47 51 48 50
緑区 26 32 28 34
青葉区 37 34 36 36
都筑区 20 23 24 22
泉区 39 39 49 49
栄区 18 21 20 23
戸塚区 49 49 44 43
瀬谷区 27 28 28 31

川崎市 161 163 168 178

川崎区 29 29 30 30
幸区 26 28 28 26
中原区 22 21 26 27
高津区 18 16 18 20
宮前区 26 30 29 32
多摩区 23 21 19 23
麻生区 17 18 18 20

相模原市 168 175 180 183

中央区 72 76 75 75
緑区 44 48 47 57
南区 52 51 58 51

市町村

横須賀市 68 65 72 76
平塚市 38 37 39 49
鎌倉市 32 32 32 31
藤沢市 71 70 77 76
小田原市 33 38 39 42
茅ケ崎市 32 37 42 44
逗子市 12 12 10 14
三浦市 8 9 10 9
秦野市 36 37 39 37
厚木市 44 52 54 60
大和市 28 28 29 31
伊勢原市 20 20 20 21
海老名市 19 20 21 23
座間市 26 25 28 27
南足柄市 4 4 5 5
綾瀬市 7 7 7 11
三浦郡葉山町 5 5 5 3
高座郡寒川町 5 5 5 6
中郡大磯町 6 6 6 6
中郡二宮町 4 4 3 4
足柄上郡中井町 4 4 4 4
足柄上郡大井町 2 2 1 1
足柄上郡松田町 2 1 1 1
足柄上郡山北町 3 3 4 3
足柄上郡開成町 1 1 2 2
足柄下郡箱根町 2 2 1 2
足柄下郡真鶴町 0 0 0 1 
足柄下郡湯河原町 6 6 6 6
愛甲郡愛川町 6 7 7 9
愛甲郡清川村 1 1 1 1

県合計 1433 1483 1538 1632

■「第七回ロービジョン・ブラインド川柳コンクール」
開催のお知らせ

横浜市 神田 信 


 JRPS神奈川では「みんなの川柳」「ロービジョン川柳」などで川柳を楽しませていただいていますが、私の勤務する会社で視覚障害の理解啓発を目的に開催している「ロービジョン・ブラインド川柳コンクール」にもこれまでにたくさんのご応募をいただき感謝しております。
 お蔭さまで今年も開催することになりました。視覚障害の日常生活や想いを川柳にしてご応募いただけますでしょうか。目の悪くない方も応募できますので、広く周りの方にもお勧めいただき盛り上げていただければと思います。未発表のものに限りますが、一度に5句まで、何度でも応募することができます。

●応募期間:2024年12月1日から2025年1月31日まで
     応募部門は3つ
     視覚障害に因んだ川柳をそれぞれの立場から募集いたします。

1.見えにくさを感じている方部門:
 視覚・色覚に障害のある当事者の方。
2.メディカル・トレーナー部門:
医師・看護師・視能訓練士・歩行訓練士・その他訓練施設等の先生方。
3.サポーター部門:
 家族、友人、職場の方、誘導ガイド、ヘルパー、商品開発、販売者などの支援者または一般の方。

 ご応募は、「ブラインド川柳」で検索して「第七回ロービジョン・ブラインド川柳コンクール」特設ホームページの専用フォームからお願いします。
URL: https://www.paris-miki.co.jp/lv-senryu/

最優秀賞と各賞、および入選作品は2025年3月下旬発表予定です。 問合せ先:ロービジョン・ブラインド川柳コンクール事務局
メール: lv-senryu@paris-miki.jp
※ホームページからの応募が難しい方はこちらへご連絡ください。
 今回も沢山のご応募をお待ちしております。

以下、第六回に寄せられた神奈川会員さんの作品です。(敬称略)

◎ 年とって 君の笑顔は 若いまま
作者解説 どんなに年をとっても、思い浮かぶのは、まだ見えていた頃の若い日のあなたです。
ロービジョン ダンゴダンゴ

◎ 見ないなら 私におくれ あなたの目
作者解説 歩きスマホなどで周囲を見ない歩行者が増えて困っている視覚障害者は多いはず。「こちらは見たくても見えないのに…」ちょっといじけた気持ちを詠みました。
ロービジョン みずたま

◎ エコテレビ 映像なしの 聞くテレビ
作者解説 とうとう見えなくなって2年が経ちました。昨今テレビは見るテレビから聞くテレビへ変わりました。今では55型のテレビの画像を消して、音声だけで聞いています。
ブラインド 井手章(いであきら)

◎ 耳澄ます マスク外して 良いものか
作者解説 コロナが明けて会合や会食の機会が増えましたが、参加者の皆さんがマスクをつけているのか外しているのか、直接には聞きづらいので、声のこもり具合を聞いて探っています。
ロービジョン 横浜のかっちゃん

◎ 完食です 残りかき込む 皿に口
作者解説 見えづらいとお皿に残り物があっても分からないものです。かき込んで完食と行きます。お行儀が悪いのですがご容赦を!
ロービジョン 清水秀雄

◎ 短歌詠み 言葉の遊び ボケ防止
作者解説 短歌を作ることで、いい刺激になっております。
ロービジョン 眞田京子

◎ おしゃべりは お薬よりも 良い薬
作者解説 健康には、薬よりも運動が大切といわれます。しかも、身体の運動以上にお口の体操が効果的だそうです。
医師 まだまだ花子

◎ 目になるよ どこでも行くよ 友だから
作者解説 そのままの気持ちです
友人 吉田明美

続きまして神奈川県外の方の作品。

◎ 光さす 仰ぎ見る空 日傘さす
作者解説 お天気は嬉しいけど、眩しさには耐えられず、冬でも遮光眼鏡と日傘は手放せない。
ロービジョン あき

◎ ほうれん草 どこにまいたか わからない
作者解説 野菜がとても高くてほうれん草の種をプランターにまいたけど、種が小さくてどこにまいたかわからなかった。でも1か月もしたらほうれん草が成長しておいしく食べたよ。
ロービジョン うぐいす

◎ 少し待って 降りる私に 声かかる
作者解説 バスを降りようとしたら運転手さんが「自転車が来るからちょっと待って」と言われた。前から猛スピードでやって来る自転車にぶつかりそうになった。危機一発!
ロービジョン こだぬき

◎ 回覧板 読んだと思えば 溝に落ちる
作者解説 回覧板を読んでいるかと思えば、白杖を持ちうっかり溝に落ちるロービジョンのわたしを近所の方は不思議に思っているようです。
ロービジョン まゆ

◎ 愛くるしい アイコンタクト いつまでも
作者解説 愛犬のチワワが大きな目をうるうるさせ、とても表情のある目で私の目をジーッと見つめます。網膜色素変性ですが、この可愛いアイコンタクトを少しでも長い間取れたら嬉しいと思ってます。
ロービジョン みん

◎ 進行し 心の視野は 広がった
作者解説 網膜色素変性症と言う進行性の病気で、視力が低下し視野も狭くなっていく中で、人の温かさに触れ、感謝を感じることが増え、心の視野が広がってきたと実感しています。
ブラインド モーリン

◎ どうするの 声を出してよ 運転手
作者解説 狭い道を歩いていると、前方に車の音がしているが、どうも停止しているようでもある。そんなとき、「そのまま右側を進んでください」などと、一声出していただけると助かるのだが、なぜか沈黙のままの運転手が多い。
ブラインド もぐら圭

◎ とりあえず すれ違う人に 「こんにちは」
作者解説 最近、視力低下がまして、相手を声で判断しているが、知り合いの方がいても、気づかずいることが多いので、とりあえず挨拶しています。
ロービジョン ロービジョンtoyoko

◎ ガイド付き 歌うあなたに 笑顔咲く
作者解説 カラオケで文字が読めなくなるも歌うことは欠かせない、そんな時、ガイドさんの先読みで和やかな一時に、目じりが下がります。
ロービジョン 遠藤道子

◎ ありがとう 素直に座る 満員車
作者解説 満員の電車で座席を譲ってもらった。断ったら、折角勇気を出して譲ってくれた人の顔をつぶすことになるので、素直に「ありがとう」と座らせてもらった。
ブラインド 山本進

◎ 避難所の 廊下に物を 置かないで
作者解説 物がなければ壁に手や杖をついて歩けるので
ブラインド 小池トキ子

 まだまだ紹介したい作品は尽きません。また、私の知る限りで会員さんを抽出して、その中から私の好みで作品を選ばせていただきました。見落としやお名前を存じない会員さんには大変申し訳ございませんがご容赦ください。
「第七回ロービジョン・ブラインド川柳コンクール」のご応募お待ちしております!!

■サキサキ先生の簡単パソコン活用講座(35)
〜キーボードショートカットを使おう〜

役員 佐々木 裕二

 前号ではスクリーンリーダー=画面読み上げソフトを紹介しました。これで文書やメニューなどは読み上げてくれます。
 さて次のステップは、様々な操作をマウスを使わないで行う事です。まだまだ見えている人もマウスポインタを見失っていらいらすることはありませんか?このキーボードショートカットを覚えればもうマウスは必要ありません?!キーボードから手を離すことがなくなるので、きっと作業効率もアップすることでしょう。
 今回は、代表的なキーボードショートカットをご紹介します。

●基本的なショートカット
・連続して選択:Shift + 矢印キー(→←↓↑)
 文書編集中に文字を選択したり、エクスプローラでファイルやフォルダを選択するときに使用します。連続して選択できます。
・エクスプローラで連続していないファイルを複数選択する:
 Ctrl キーを押したまま、矢印キーで移動して選択するファイルやフォルダで Spaceキーを押すとそのアイテムが選択状態になります。これを繰り返します。
・全てを選択:Ctrl + A
 作業ウインドウないの全ての文字列やファイル、フォルダなどを選択します。
・コピー:Ctrl + C
 選択した文字やファイルをクリップボードにコピーして保持します。
・カット(切り取り):Ctrl + X
 選択した文字やファイル、フォルダを切り取ってクリップボードに保持します。
・ペースト(貼り付け):Ctrl + V
 コピーやカット操作でクリップボードに保持している内容を貼り付けます。
・取り消し:Ctrl + Z
 直前の操作を取り消します。一段階戻る。
・やり直し:Ctrl + Y
 取り消した操作を元に戻します。一段階進む。
・保存:Ctrl + S
 編集中のファイルを上書き保存します。
・新規作成:Ctrl + N
 新しいファイルやウインドウを作成します。
・ファイルを開く:Ctrl + O
 ファイルを開くダイアログボックスを開きます。
・検索:Ctrl + F、または F3
 アプリの検索機能を呼び出します。
・印刷:Ctrl + P
 印刷ダイアログを呼び出します。
・名前の変更:F2
 ファイルやフォルダの名前の変更。エクセルのセル編集に用います。
・情報を更新する:F5
 ブラウザやエクスプローラなどで表示している情報を再読込します。

●デスクトップの操作
・タスクの切り替え:Alt + Tab
 複数のウインドウを開いている時、順番に切り替えます。
・タブの切り替え:Ctrl + Tab
 ブラウザやダイアログボックスのタブを切り替えます。
・アプリケーションを閉じる:Alt +F4
 アプリケーションを終了しウインドウを閉じます。
・作業ウインドウを閉じる:Ctrl + F4
 アプリケーションの作業ウインドウを閉じます。ブラウザではタブを閉じます。
・メニューを開く:Alt
 メニューバーやOfficeのリボンにフォーカスを移動します。
・システムメニューを開く:Alt + Space
 ウインドウのシステムメニューを表示します。

●Windowsロゴキー(Win)
・インジケータ領域へフォーカスを移動する:Win + B
 インジケータ領域とは、画面右下の時計や小さなアイコンが表示されている部分のことです。ネットワークやバッテリー、稼働しているアプリの状況を確認したり、コンテキストメニューから操作を行う事が出来ます。
・アクションセンターを開く:Win + A
 通知領域には、システムからのセキュリティーなどの情報が通知されます。また、クイックアクションはネットワーク接続や画面表示などの設定項目に素早くアクセスできます。
・クイックリンクを開く:Win + X
 電源オプションや設定などのシステムメニューを開きます。
・エクスプローラを開く:Win + E
 ファイルやフォルダを操作するエクスプローラを新規に開きます。
・設定を開く:Win + I
 PCの各種設定を行う設定を開きます。
・選択ウインドウの画面をキャプチャする:Win + Alt + PrintScreen
 画像は、ビデオ/Capturesフォルダに保存されます。
・ウインドウを最大化するWin + ↑
 選択しているウインドウを最大化します。
・ウインドウを最小化する:Win + ↓
 選択しているウインドウを最小化します。
・ウインドウを画面の半分に配置:Win + ←または→
 選択しているウインドウをモニターの左または右半分に表示します。もう一度操作すると元に戻ります。
・デスクトップを表示する:Win + D
 全てのウインドウを最小化しデスクトップを表示します。
・コンピュータをロックする:Win + l
 サインイン画面を表示します(ピンの入力画面)。
・タスクマネージャーを開く:Ctrl + Shift + Esc
 タスクマネージャーを表示します。

■ちょっと話してみませんか?(ピア相談のご案内)

心理相談員 石井 史子・板嶌 憲次郎


 ピア相談とは、病気などの悩みを同じ境遇の人が話を聞き、お互い前を向いていきましょうというものです。
 同じ患者同士、共感し合えることは多々あるはずです。なかなか周りの人に理解してもらえず困っている・・・。そんな気持ちをちょっと話して心を軽くしてみませんか。
 形式として、電話でのご相談を基本とし、40〜50分程度を目安としてお話を聞かせていただきます。
ご相談の内容・個人情報については「守秘義務」を厳守いたしますのでご安心ください。

【申し込み方法】
お申し込み窓口は電話、メール、ホームページのお問い合わせフォームの3つとなります。

●お電話:********** (留守番電話状態です)
  お名前と簡単な相談内容を留守番電話に録音してください。
●代表メールアドレス:***********
●JRPS神奈川お問い合わせフォーム:
https://www.rp-k.com/postmail/postmail.html

※メールとホームページからお申し込みの方は、お名前・電話番号・簡単な相談内容をご記入ください。
後日、こちらからお電話させていただきます。
●対象:JRPS神奈川会員の患者本人とその家族

■読書の薦め

役員 内田 知


■『君を守ろうとする猫の話』 夏川 草介(なつかわ そうすけ)著
 喘息の持病があるために、運動を控えないといけない日常を送る中学生女子。彼女は、身体を動かして遊べない換わりに、本を読む事が好きな女子であった。
 そして、いつも通っている図書館で、人の言葉を話す猫に出会う。猫は、女子に言った。「お前なら、きっと本を取り戻せるはずだ」と。こうして、女子は猫とともに本の迷宮の世界へ。
 喘息のため早歩きもしたことのない女子が、本の迷宮で全力疾走し階段を駆け上がる。そこまでして、女子は本を守ろうとする。女子は何から本を守ろうとするのか。
 本書は、シリーズ2作目。1作目はかなり以前に紹介した本を守ろうとする猫の話という作品。本を守ろうとする猫の話で、猫とともに、本の迷宮で冒険を経験した高校生男子が、本書の第二章で成長した姿を見せてくれる。主人公の女子と成長した高校生との出会いと交流がサイドストーリーとしても面白い。
 前作・本を守ろうとする猫の話は、世界40カ国以上で翻訳出版され、ロングセラーとなっているらしい。本を守ろうとする猫の話もサピエに登録されています。読んだ記憶はあるけど、どんな話だったか思い出せない方は、本書と合わせて読み返すことをお薦めする。

■『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』 
桜木 紫乃(さくらぎ しの)著
 キャバレーでバイトをする青年が主人公。彼の働くキャバレーに手品がへたなマジシャンにニューハーフの歌手。年齢不詳のストリッパーがやって来た。青年は、この3人と1か月暮らす事に・・
 苦労の多い人生を送りながらも毎夜ショーを沸かせる3人。彼らとの生活の中で青年は、人を思いやる心を取り戻していく。切ない事情を持ち寄って、不器用な四人が始めた同居生活。血のつながりはなくても、そこには家族があった。
 4人の泣き笑いに満ちた日々、物語の舞台は、真冬の北海道。北の国の暮らしの厳しさをユーモアに描く。そして、携帯電話もスマホも登場しない。その代わりに公衆電話が使われるシーンが後半に出てくる。10円玉を投入するシーンは、なぜか泣けてくる。
 青年と3人との別れのシーン、そしてラストシーンの青年の心の叫びが胸を打つ。
 サピエには、単行本と文庫化された2冊が登録されています。どちらを選ぶかご自身でお決めください。

■『邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき』 
伊藤 祐靖(いとう すけやす)著
 20XX年、北朝鮮でクーデターが勃発。北朝鮮軍部がミサイル発射を企んでいるとの情報が米国から入る。米国は自国保護のためピンポイント爆撃へと動き出す。だが、その標的近くで日本人拉致被害者6名が生存していることが発覚。日本政府は拉致被害者の奪還のため自衛隊特殊部隊の投入を決断するが、閣僚と特殊部隊を指揮する指揮官との見解の相違が生まれる。
日本憲法に自衛隊法の解釈の議論。おまえら、それでも大臣か、とむっとするシーンがある。そんなシーンの中で、特殊部隊の指揮官の日本における国防とはを語るシーンは胸を打つ。
 日本の政治家は、国民は、拉致被害者奪還の代償として生じる多くの犠牲を直視できるのか?海上自衛隊特別警備隊の創設者でもある著者が、政府の動きや作戦行動を完全シミュレーション。ミニタリー小説ファンは必読の一冊。

■『テミスの不確かな法廷』 直島 翔(なおしま しょう)著
 幼い頃、衝動性や落ち着きのなさから発達障害と診断されながらも裁判官となった青年が主人公。発達障害と言う障害を持ちながらなぜ裁判官になれる学力を彼は持っていたのか。
 学ぶという学力と、発達障害によって人には理解できない行動は別と本書を読むと理解できるかもしれない。本書は、主人公が自身の特性と向き合いながら3つの事件を裁く姿を描く。

■『有罪、とAIは告げた』 中山 七里(なかやま しちり)著
 人工知能は罪を裁けるのか。東京地方裁判所は、中国製のAI裁判官・法神2号のテスト運用を決めた。AIは裁判のデータを入力すると、実際の判決文とほぼ同じものを弾き出すという驚くべき精度だった。多忙を極める裁判官たちにとってAIの運用は喜ばれた。
 そんなとき、18歳少年による父親殺しが起きる。裁判長が、AIにシミュレートさせると、判決は死刑と導き出した。この答えは正しいのか?
 AIには導き出せない事件の真実が裁判中に明らかになる。罪は、数値化できるのか。裁判官の英知と経験はデータ化できるのか。
 目前に迫るあり得る未来に、人間としての倫理と本質を問う法廷ミステリー。大どん返しの帝王が用意したラストを期待して読まれたし。

■投稿コーナー 

■「最近思ったこと」

茅ヶ崎市 田上 眞由美


 私は小学生低学年の頃まで、岡山に住む祖父母の所によく遊びにいっていました。
 祖父は尺八が趣味で、時々吹いて聞かせてくれました。
 祖母は映画好きで、早めの夕飯を済ませると、「さあ、行くよ。」と私の手を引いてすぐ近くの映画館に連れて行ってくれました。
 よく覚えていませんが、上映されていたのは美空ひばりが街侍姿で活躍する時代劇や、波止場にたたずむ小林旭が主演のものだったと思います。
 見終わった後は必ず「ねぇ、おもしろかったじゃろ?」と言って暗くなった道を祖母と二人で帰ったのを覚えています。
 また、私の叔母は落語や演芸好きで時々一緒に浅草の演芸場に寄席を見に行きました。たくさん見て笑ったのでしょうが、ある日のトリをとっていた落語家の古今亭志ん朝の声や仕草ははっきりと覚えています。
 そして私の母ですが大の大相撲好きでシーズンが来るとテレビの前で、お客様がいようが窓が開いていようがおかまいなしで「大鵬!大鵬!」と手を叩きながら大声で応援していました。私が今音楽、映画、落語、演芸、相撲などなど大好きなのも自然なわけです。
 さらに、小さいお子さんは皆さんそうなのでしょうが、孫が遊びに来ると「ばあちゃん、お笑いみよう、お相撲とろう」と言うものですから思わずクスッとして面白いものだなと思ってしまいます。
 それからもうひとつ最近嬉しいと思ったことがあります。
 コロナの自粛期間が開けてJRPS神奈川の皆さんにお会いできるようになったことです。コロナの期間は随分長く感じました。もうお会いできないかもと思いましたが私も3年ぶりに横浜のミニ集会に参加して皆さんにお会いできたのは本当に喜びでした。その後世界網膜の日イン神奈川、講習会、総会などに参加し、懐かしい方々と久しぶりにお話ができ嬉しい時間を過ごせるようになりました。
 私がJRPSに入って20年がたちます。その頃出会った方々と今も変わらずお会いできるのは大変嬉しい事です。
 学生時代の友人と会うのも楽しいですが、患者会は何か少しホッとできる場所だと思っています。コロナの自粛期間があってさらにこの患者会が私の心のよりどころになっていると思いました。
 これからも皆さんにお会いするために色々なイベントに参加したいと思っています。

■同じ病の友達

横浜市 石井 史子


 私はJRPSに入会して、13年になります。この会で、様々な知識を得て、明るく前向きな視覚障害の仲間の存在を知りました。
 親族にこの病気の患者はおらず、同じ病の人を見たことがなかった私にとって大きな出来事でした。気持ちが楽になった瞬間を今でもはっきり記憶しています。
 そして何よりも良かったことは、同じ病のYさんと出会えたことです。
 彼女、Yさんは私より少し若いが、ほぼ同年代で家族構成も似ています。お互い専業主婦で、かつては家事育児に追われ、今は次第に視力が低下していく中で老親の問題に直面しています。
 家事も育児も親の老後も多くの人が向き合う課題ですが、見えにくさからくる不便さ、辛さを説明しなくてもわかってもらえるのは有難いです。何に困ってどこがしんどいか、あうんで伝わるので本当に話しやすいのです。
 ついつい話が弾んで4時間しゃべっていたとか、よくあります!
 先日もちょっとしたことでモヤっとしていましたが、彼女と話していたら、いつの間にかモヤはなくなっていました。
 あれ?しゃべりやすくて話しが弾んでモヤモヤが晴れるのは、同じ病で似たような状況だからだけ?いや、それだけではない!と気づきました。
 まず、彼女は私が話しているときは、じっくり聴いてくれます。そして感情を理解してくれ、ねぎらいの言葉をかけてくれます。そしてそのあとに前向きなコメントをくれたりします。これってカウンセリングマインドです。彼女は自然体でやっているからすごいです。
 私は今でこそ、ちょっと話してみませんか、のコーナーを担当させていただいておりますが、以前は全くと言っていいほど、人の話がきちんと聴けませんでした。
 カウンセラーの講習に通い、その後も学んでやっと人の話を聴くことができるようになりました。だから自然にそれができるのは、素晴らしいと思います。そして改めて話すことはストレス解消、カタルシス効果を実感です。だから、また会って話したい!ついでに美味しいランチやケーキも食べたいから、バスや電車に乗って白杖ついてヨタヨタ歩いてウキウキで外出します。
 難病になって嬉しいとは思えません。しかし同病の友達ができたことは本当に幸せ、人生が豊かになったことは間違いないです。だから、この病がわかったばかりの人、同じ病の友達がまだいない人はぜひJRPSの会合に参加して、一人でもお友達を作ってほしいと強く思います。

■編集スタッフとして感じること

横浜市 野尻 なぎさ


 3年程前よりRPの編集スタッフとして査読をさせていただいております晴眼者の野尻と申します。
 編集スタッフになったのは、横浜のオフィスで働いていた当時、同じオフィスで働かれていたJRPSの役員の佐々木さんから、お誘いいただいたのがきっかけでした。
 佐々木さんの軽妙なトークであれよあれよと流されるようにやることになった編集スタッフですが、普段からぼーっとしている私とは違い、スタッフの皆さんはきちんとされていて、仕事が早いです。
 多くのデータを扱う編集作業は、役割分担も明確で、締め切りも何のその。
 スタッフの皆さんと対面でお会いする発送作業も、おしゃべりをしながらなのに統率のとれたチームワークで、ただの紙の束だったものを冊子小包に綺麗にあつらえて、あっという間に郵便局まで運んで発送されるのです。
 毎回、その最初から最後まで淀みない流れに、ほうっとため息交じりに見ほれてしまいます。
 どこからか「うそコケ、ぼくはいつも苦労しているぞ」という声が聞こえてきそうですが、毎回楽しく、でも真剣に作成しているRPを皆様にも楽しんでいただけていたら嬉しいです。

■JRPS神奈川との再会と私に出来ること

支援サポーター 大神田 絵美


 思えば今から10年位前のこと。当時小学生だった音楽遊びの好きだった小さな全盲男児のお友達が、走りたい!と言うので、私は障害のある方々を伴走する都内伴走クラブに飛び込み、ガイドランナーの端くれとなりました。
 その伴走クラブは都内メインで活動されており、次第に足が遠のきつつあった頃、ちょうど同クラブ横浜在住かつJRPS神奈川支部所属のみなさんでもいらした数名のメンバーさんからお誘いいただき、実はかつて一度、会報紙の印刷ボランティアとしてコロナ前の数年間お手伝いをしていた時期がありました。
 その後(今も)親族介護やコロナ禍が重なりJRPS神奈川へ足を運ぶ機会もなくなり、それきりとなって数年が経ちました。
 そんな折り、奇しくも音楽を通してご縁を繋がせていただいていた、現代表の今村さんよりコロナも5類となり定例会も通常開催できるようになってきたので、別の形でまたボランティアしてみませんか?とのお声かけをいただき、お陰様で今また皆さんと再会できましたことを嬉しく思います。
 普段の私は、担当地域の小中学校の福祉教育や人権学習のご依頼を受けることが多く、中でも視覚障害の方の『見え方』、困り事、点字ブロックの上に物を置かないでほしいことなどを中心に啓発する機会や訓盲院から無料提供いただいた白杖を使っての誘導体験や車椅子指導を中心に港北区、都筑区、青葉区、旭区界隈の小中学校へ赴き、児童生徒さんへ当事者の皆さんの想いを稚拙ながらも代弁しております。
 今村さんからのお誘いがあり、またRPの皆さんとこうして交流する機会を得られた今、あらたにみなさんの困り事などにも触れながら全盲だけが全てではない視覚障害(をはじめとする各種障害)のことを、これからも、私なりに小中学生たちに伝え続けていく所存です。そのためにもどうか、皆さんからのご意見ご助言をいただき、ボランティアお当番の定例会参加の日は私にとりましても学びの機会とさせていただければ幸いです。
これからもどうぞよろしくお願いします。

■みんなの川柳・俳句・短歌

神奈川MLの皆さん


●川柳
【横浜市】 清水 秀雄
1)歓呼の声 メダルラッシュの パリ五輪
解説:五輪に関心なしと言っていた人も前のめりです。
2)スポーツ界 政経凌ぐ チームj
解説:五輪はじめスポーツ界は世界で目覚ましい活躍をしています。政治・経済界も見習ってもらいたいものです。
3)生き抜いた 重い言葉だ この猛暑
解説:身近に熱中症患者が発生すると現実味があります。
4)避難所無し 気候変動 地球人
解説:地球上何処へ行っても災害だらけです。避難場所はみあたりません。
5)古都の駅 鐘とお経が 耳かすめ
解説:北鎌倉駅昇りホーム、お昼前で人も少なく静かです。お寺の息吹が感じられます。

【横浜市】 RP80号
1)揺れる植木 気付いた夫 こんにちは
2)どう見えた 恥ずかしいけど 面白い
解説:夫の見え方に対する妻の反応が変わってきています。慣れてきたのでしょう。イライラされるよりいいですね!

【横浜市】 吉川 弘
1)裏金の 議員が担ぐ 新総裁
解説:自民党。自浄作用は働かない道理です。
2)物価高 年金暮らし 縮みこむ
3)猛暑日の シャワーの後の ビール無し
4)娘来る 旅の土産に 安芸の酒
解説:なんと明るい話しでしょう!
5)白杖で 歩く自分の 影を見た
解説:白杖を使いだして一年半。初めてのことです。リュック背に野球帽、右手に白杖を持つ姿が、不思議なほど黒くはっきり見えました。それだけのことですが、心に残っています。

【小田原市】 ちーちゃん(患者家族)
1)礼儀なし 親しき仲さ おならブー
2)返事きた なしにはなしで おならブー

【横浜市】 深水 晴海
1) 名優の 道をたどりて 星月夜
解説:大好きなアランドロンが亡くなりました。外出からの帰り道、バスの車窓から冥福を祈りました。
2) 太陽の 輝き消えて パリは泣く
解説:代表作の「太陽がいっぱい」は鮮烈なデビュー作でした。訃報を聞いて私も泣きました。

●短歌
【横須賀市】 眞田 京子
1) 夏まつり 孫らノリノリ ソーランの
 舞台で踊る 我も浮かれり
2) 梅雨晴れの 茂る上枝(ほつえ)の レモンの木
 蜂が飛び交い 巣を作りたる
3) 梅雨の間の 日差し眩しく 初鳴きの
 蝉の声聞く 暑さ厳しき
4) この良き日 芸術劇場 待ちきたる
 孫が出場 合唱披露す
5) 猛暑なる 患者の集う 健やかな
 久に会う 人懐かしきかな

*読者の声
 川柳の月見草さん、短歌の狩野さん、お元気でしょうか。また、あの独特の作品を発表して楽しませてください。期待しています。
  横浜市のファン

◆ 患者会員、医療従事者会員及び支援会員(患者家族を含みます)の皆様から広く募集しています。
締め切り:2024年12月13日(金)
投稿句数:5句以内(川柳・俳句・短歌含めて1ペンネーム当たりの句数)
 ただし、1人当たり2ペンネームまでとします。(応募状況によっては、掲載数の調整をさせていただくことがあります。)
送付先:

■ウッチャンの落書きストーリー
ライトホームの真面目に過ごした愉快な日常

横須賀市 内田 知


 今から30年ほど前、ウッチャンは全盲でも街を一人で歩けるようになりたい。視覚に障害があってもそれなりに日常生活を送れるように家事一般の技術を身に着けたいと、視覚障害者のための生活訓練施設に入所した。
 施設の名は(七沢ライトホーム・現七沢自立支援ホーム)という。七沢ライトホームは、神奈川県厚木市の山奥にある。駅前から路線バスに乗り30分以上かかる。なんといっても、この路線バスの終点は七沢温泉で、ライトホームがある神奈川リハビリテーション病院は終点の一つ前のバス停なのだ。ついでに言えば、神奈川リハビリテーション病院の一つ前のバス停は(馬場リハビリ・ばんばリハビリ)という。そう、競走馬のサラブレットたちのリハビリ施設があった場所だったのだ。今は閉鎖されているが、天然温泉が湧き出ていたらしい。馬のリハビリ施設があったほどの山奥に人のためのリハビリ施設ができた。社会福祉法人神奈川県総合リハビリテーション事業団によって、日本初の総合病院と障害者の支援を目的としたリハビリ施設を連携させたリハビリセンターが神奈川リハビリテーション病院である。

 病院内の1階と2階は外来で、整形外科・内科・外科・脳神経外科・泌尿器科・神経内科・小児科・眼科・耳鼻咽喉科・皮膚科・歯科があったような気がする。その他に、リハビリテーションのための理学療法室や運動療法室や作業療法室などがある。2階から上は、入院病棟や手術室などがある。
 病院は、たしか1階から10階まであった記憶がある。この病院のとなりにある7階建ての建物の3階が、ウッチャンが1年半を暮らした七沢ライトホームである。現在の自立支援ホームがどうなっているかは解らない。ウッチャンがいた30年前の記憶をたどると以下のようになる。

 病院の正面入り口を入ると総合受付があり、エレベーターホールにもなっている。このエレベーターホールを抜けると右側に廊下があって、それにそって進むと病院と隣接された建物に辿り着く。廊下の突き当りの右側が外に出るための自動ドア、左側にエレベーターと階段。エレベーターと階段の先にあるのが、施設で働く職員たちの事務室となっている。この1階には、大小の会議室と相談室と呼ばれる部屋がある。

 ウッチャンがいた頃は、4階から6階が更生ホームと呼ばれ、難病の発症や事故などで肢体不自由となった中途障害者が多く入所していた。
 3階のライトホームは、1号室から3号室までの4人部屋が女性入所者の部屋。4号室から7号室が男性入所者の部屋だ。その中の7号室だけは2人部屋でベッド使用となっていた。他の部屋は、畳敷きで広さは二十畳ぐらいだったか。とにかく4人が利用するには狭苦しい広さであった。
 女性の部屋3号室の隣が職員室で、男性部屋4号室と職員室の間にフリースペースがある。いわゆる、入所者たちの談話室、集いの場のような所である。
 職員室の壁側には、点字本やカセットテープの録音図書が置かれ、ベランダ側にテレビがある。
 4号室側は4人が座れるソファーが2つ並べられていて、ソファーテーブルも2つあり、1人用のソファーが2人用のソファーの前に4つ置かれていた。つまり、8人が座れるように配置されていた。
 テレビと4号室の壁側に並べられたソファーとの間にも4人が座れるソファーとテーブルが置かれていた。

 このフリースペースの廊下を挟んだ反対側に食堂があり、入所者24人が利用できるテーブルが2列に並べられていた。

 さて、7号室の隣が日常生活動作の訓練室。六畳ほどのキッチンと四畳半の畳の部屋がある。視覚に障害があっても創意工夫で家事一般をこなせるように指導してくれる部屋である。
 ウッチャンが眼が見えていた頃より安全に包丁が使えるようにしてくれた部屋である。

 この部屋の真向かいが歩行訓練室で、入り口のドアが2つもあってかなり広さがある部屋だった。

 歩行訓練室の隣が点字訓練室で、歩行訓練室と違いかなり狭い部屋である。
点字訓練室の隣がどんづまりの部屋で、通所で通ってくる視覚障害者の休憩スペースとなっていた。

 さて、入所者たちの反対側は、流し場とトイレにお風呂があり、全自動洗濯機が2台に、洗濯物を干す乾燥室があった。もちろん、男女別となっていて2か所あった。

 その他には防音設備のある部屋と倉庫として使用されている部屋があった。ウッチャンの記憶で覚えているライトホームの配置はここまで。
 ライトホームのある建物のベランダがある側に、中庭と呼ばれているスペースがあってこの中庭を挟んで、七沢学園と、七沢療育園という施設がある。

 知的障害児の医療と自立支援を目的とした施設で、確か5階建てぐらいだったか。この七沢学園と、七沢療育園に入所している子供たちと10代の若者たちとの出会いと交流の日々が、ウッチャンの物の考え方を大きく変えた。
 子供たちや若者たちとの交流がどんなものだったかいずれ書かせていただきます。

 ライトホームでの訓練は、歩行・点字・家事一般の他に「感覚訓練」というものがある。視覚以外の感覚をどう生かして生活するかを覚える。触覚や聴覚を使う訓練が中心になるのだが、難聴者もいる。  ウッチャンも難聴者の一人である。ウッチャンの難聴は、聞こえづらいのとはちと違う。音のする方向が正しく認識できないことと、音として聞こえているのだが言葉として聞こえない音域がある。この2つの欠点を補うではなく、2つの欠点を自覚・認識してどう動くのかを訓練によって身体に覚えさせる。

 耳鼻科で聴覚検査をする場合、ヘッドホンを使って大小の音や高温・低音の音やいくつかの合成音を合わせた音を聞いて検査をする。だが、ライトホームの聴覚検査はヘッドホンを使わない。防音設備の部屋で、部屋の真ん中に置いた椅子に座り、前後左右に設置されただけではなく、前後左右の上にもあるスピーカーに斜め前と後ろから聞こえる音を聞かされた記憶がある。聞こえた方向を答えたり指を注したりした。この訓練というか検査の結果、ウッチャンの耳は斜め後ろから出した音を正面から聞こえたり、左右から出した音を真後ろから聞こえたりすることがあった。
 通常30分もかからず終わる検査だったのが30分以上かけて音を聞かされた。

 また、何回かの感覚訓練の職員との対話の中で音として聞こえていても言葉として聞こえていない音域があるのがわかった。この2つの障害というか欠点を、どう補うかの訓練やリハビリではなく、2つの欠点を本人に自覚させる訓練を受けた。簡単に言えば、誰かと会話をしていて、言葉として聞こえない時があった時に、理解するまで聞き直す。
 何回も聞き直すことが相手に失礼だと思った時は、自分の耳の欠点を話して理解してもらう。耳の欠点を話すことは、恥ずかしい事ではない。それよりも、話してくれたことを理解できないままにすることは、後々自身が困ることになる。よく、「障害を受け入れる」って言葉が使われているが、障害を「自覚する」というのと、「受け入れる」ということの意味は違うかもしれないと、感覚訓練を受ける日々の中で感じていた。
 自分には、視覚障害の他にどんな身体的問題を抱えているのかを自覚することで、知らず知らずのうちに身体が欠点を補うような動きができるようになっていた。
 白状を使って街を歩く訓練の中で、歩道と車道の区別がつかない道を歩く訓練を受けていた最初のころは、音の方向を確認するために立ち止まり、耳をすませていた。それが、退所間近の頃には、立ち止まり、音を確認することもなくなっていた。歩きながら自然と自分の欠点を認識して、どう聞こえたらどの方向からの音なのかを身体が覚えてくれたようだ。知らず知らずの内に、自分の欠点を補う方法が身に付いた。

 何を言われたのかわからない時は聞き直す。2回聞き直してもわからない時は、自分の耳が悪いことを話して理解してもらう。そんなことが普通にやれている自分に驚くことがある。これは、ライトホームでの訓練とリハビリのおかげだと思うしかないだろう。人は、「ライトホームでの訓練のおかげだね」と言う。ウッチャンはこれに言い返す。

 「訓練のおかげじゃない。俺の努力の結果だ」
と。

 1年半のライトホームでの生活では、ウッチャンのひねくれた性格をまっすぐにはできなかったようだ。

 今回の「ライトホームの真面目に過ごした愉快な日常」は、プロローグです。次回からは、ウッチャンの出会った愉快な仲間たちも紹介しながらライトホームの1年半を書いていきます。

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■光学堂 ロービジョンルーム

視覚障害者用福祉機器 / メガネ・特殊メガネ 取扱店
目がご不自由な弱視の方へ
視覚に障害のある方や、見えにくくてお困りの方におすすめしたい商品を多数取り揃えております。
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是非、ご相談や情報収集にご来店お待ちしております。

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常時、店頭に450種類ご用意 実際に見比べてください。
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光学堂ロービジョンルーム
〒220−0051 横浜市西区中央2丁目6−5 めがねの光学堂内
毎週水曜日定休日 営業時間:am10:00〜pm7:00
完全予約制:ご来店の際は必ずお電話でご予約して下さい。
045−290−0048
詳しくは、http://www.kougakudo.jp/ 検索 光学堂 横浜市

■アイネットワークからのお知らせ

アイネットワークでは、見え方、使い方に応じて選べるよう、他社には無いもので、ご要望の有るモデルを開発して、お試しいただいています。

◎ 音声で読み上げして使えるモデル。
日常生活用具の活字文書読上げ装置という項目で、手帳1級と2級の方が、給付を受けられる アイビジョンスピーチオ99,800円が有ります。給付の要件であるSPコードという音声コードを解読出来るだけでなく、新聞、雑誌、本などを読み上げ出来るという、この項目では他社には無いものです。拡大読書器を使用中のかたも、項目が別なので給付を受けられます。所得の有るかたは、原則1割負担で 9,980 円の自己負担です。
地方税が非課税のかたは免除されますので無料です。

◎ 音声で読み上げ出来るし、画面を見て使う事も出来る拡大読書器のモデル。
15.6インチ画面の ノート型のモデル。Windows 11 で動いているものです。

◎ 画面を見て使う拡大読書器のモデル。
アイパッドなどに内蔵の、オートフォーカス式ズームレンズは高性能なので、これを使ったモデルが各種あります。
@ 10インチ画面、500グラムのアイパッド使用モデル。出先でも使える軽量、薄型。
A 4.7インチ画面、150グラムのアイフォーン・エス・イー使用モデル。出先で使えます。
B アイフォーン・エス・イー画面に、簡単操作板を貼り付けてあり、拡大、縮小、反転、基準ライン、などを簡単操作し、付属の21インチモニターの画面を見て使うモデル。

これらの拡大読書器はどれも 198,000 円(非課税)で、所得の有るかたは、原則1割負担で 19,800 円の自己負担。地方税が非課税のかたは免除されますので無料です。

お試しいただける方法、資料送付など。
◎ 毎月下旬に、日野市勤労・青年会館の集会室で、体験会を開催しています。
◎ ご自宅でお試しいただけます。送料、返送料を含め、すべて無料です。
◎ 大きな文字のカタログ、紹介のCDが有りますのでお送りします。無料です。

ご連絡は、下記へお願いいたします。
アイネットワーク有限会社 担当は みやたけ です。携帯電話 080-8034-1163
〒191-0055 東京都日野市西平山5-23-12      TEL&FAX 042-583-7450
メール miyatake@js7.so-net.ne.jp

◎ スピーチオ、SPコードは株式会社廣済堂の登録商標です。
◎ アイビジョンはアイネットワーク(有)の登録商標です。

(裏表紙)

1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行)
2024年 11月1日発行 SSKA通巻 第11390号

第113号 Kanagawa 2024 Winter
KANAGAWA 112 2024Autumn

■編集後記

JRPSかながわ丸<船長今村の航海日誌>
10年ひと昔… と言いますが、30年は、かなり長い年月ですね。日本経済では「失われた30年」と言ったりします。JRPSも今年が30歳? 10月に開催された30周年記念式典に参加して、設立当時の逸話や想い出話をお聞きし、年輪をヒシヒシと感じました。
そう言えば、私が神奈川県民になったのも30年前です。千葉県に生まれ、大学生で東京に出てきた私は、社会人7年目に「港ヨコハマ」にあこがれ、'94年に横浜市青葉区に転居して来ました。ミナトからは離れていて、汽笛は聞こえませんが(笑)。
そして、これを忘れたらカミサンに叱られる。今年は結婚30年。

◆JRPS神奈川会報は下記の3形式でお届けしています。

 変更を希望されるかたは、下記連絡先までご連絡下さい。
 1)墨字版:印刷物、大きめの文字
 2)デイジー版:デイジー形式の録音CD
 3)メール版:テキストメール

◆神奈川県網膜色素変性症協会(JRPS神奈川)連絡先

・会長(事務局兼務) 今村 伸也
 〒225−0001 横浜市青葉区美しが丘西****
 TEL:**********(留守番電話)
 E-mail:************

・編集 JRPS神奈川編集部

発行人 特定非営利活動法人障害者団体定期刊行物協会
〒157-0072東京都世田谷区祖師谷3-1-17
          ヴェルドゥーラ祖師谷102号室

https://www.rp-k.com
定価 200円
(裏表紙終わり)