●会報 第101号

 音声ソフトでご利用の皆様へ
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JRPS神奈川会報第101号

(表紙)
1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行)
2021年11月14日発行 SSKA増刊通巻 第10641号

SSKA
 あぁるぴぃ 第101号神奈川  2021 Winter

成澤俊輔氏の講演会の写真です。

私たち自身で
治療法の確立と
生活の質の向上を目指す

**この会報誌は「NHK歳末たすけあい」の配分金により作成しています。 **
JRPS神奈川

(表紙終わり)

■目次

◆巻頭言
 2 会報発送作業の風景

◆特別寄稿
 4 JRPS神奈川会報誌100号に寄せて
 5 多くの支援者に感謝です!

◆JRPS神奈川の活動
 8 総合カレンダー

【開催予定】
 9 東京・神奈川・ユース共同企画「働く世代のイベント」
10 つくしの会【オンライン開催】日本酒セミナー&ほろ酔い落語会

【ご報告】
11 成澤俊輔氏講演会の報告
13 第11回西湘地区交流会の報告

◆情報コーナー
15 「神奈川ハーネスの会」が発足しました
16 第四回ロービジョン・ブラインド川柳コンクール開催のお知らせ
18 会報編集部からのお知らせ
19 特定医療費医療受給者証 受給者数
20 サキサキ先生の簡単パソコン活用講座(23)
24 ちょっと話してみませんか?(ピア相談のご案内)
25 読書の薦め

◆投稿コーナー
28 【トピックス】令和3年度赤い羽根街頭募金in桜木町
29 みんなの川柳・俳句・短歌
34 ウッチャンの落書きストーリー

◆編集後記
40 編集後記

■巻頭言
会報発送作業の風景

役員  内田 知

 1996年、神奈川の会報の発送がスタートした。
 作業は県民センター9階のワーキングスペースと言われる場所で行われるようになった。そこには印刷機が設置されていた。創刊号の印刷はスムーズに終わった。会報のサイズはA4、テーブルの上にあるのはA3である。A3の用紙を二つ折りにしてA4にしなければならない。ワーキングスペースに紙折り機が導入されるまで、二つ折りは手作業となった。では、紙折り機が設置されたことで、作業は楽になったかというとそうでもない。使いこなすことに慣れていなかった頃、紙を折る方向を間違えて結局手作業で折り直すなんてことがしばしばあった。印刷作業も、原稿の向きを間違えたり、印刷し終わっている原稿をまた印刷してしまったりと、機械の故障だけではないトラブルを何度も経験した。
 さて、作業は午後までつづく、となれば昼食をとらなければならない。今ではお弁当を配達してもらっているのだが、当初は11時ごろになると、亡くなった中村さんの奥さんと、数人の女性が近くのコンビニにお弁当を買いに行く。人数分を買うために、ダイヤモンド地下街にあるお弁当屋さんまで行くこともあった。そして、お弁当代はタダではない。みんな自腹だったのである。今は補助金のおかげで参加者に無料で用意できるようになっている。
 会報を郵送するためには、郵便局に運ばなければならない。最初の頃は、ページ数も部数も少なく、横浜駅東口にある本局まで運ぶのは3人もいればよかった。だが、ページ数も部数も増えてくると運ぶ人間も増やさなければならない。紙袋を二重にして両手に袋を持って、県民センターから運ぶのである。白杖を必要としない視力があっても、RP患者である。人通りの多い駅構内を横断するのだから、たいへんというより危険なのである。重い紙袋の取っ手が手のひらにくいこむ痛みに耐えながら運ぶ。手のひらにくいこむ痛みに、途中で紙袋をおろして休みながら運ぶ。出かけて行った仲間が無事に戻ってくるのを、毎回心配しながら待つのが当たり前の数年間であった。
 県民センターに郵便局員が集荷に来てもらえるようになっても苦労はある。指定された時間までに、すべてを終わらせておかなければならない。準備を整えて待っているのに、郵便局員が来ない。来るまでじっとがまんで待つ。2時間近く待たされたことは、一度や二度ではない。郵便局員に料金を支払い終わって、やっと会報発送作業は終わる。
 今は、郵便局員の集荷も無く、家族会員の方の車を使用させてもらって、郵便局まで会報を運んでいる。
 会報発送作業は、今も昔もたいへんなのである。がしかし、神奈川の会員たちの憩いの場でもある。和やかな雰囲気の中での作業。そんな風景を見られる日が、早く訪れることを願う。
 早くこいこい!コロナ終息宣言!

      イラスト

■特別寄稿
 JRPS神奈川会報誌100号に寄せて

理化学研究所  仲泊 聡

 JRPS神奈川会報誌100号おめでとうございます。
 1995年に神奈川リハ病院に私が赴任して間もない頃から、初代支部長の中村善晄さんや、当時七沢ライトホームに入所されていたウッチャンこと内田知さんとのお付き合いが始まりました。
 1999年に発足した現在の神奈川ロービジョンネットワークでも、たびたび貴会のお世話になりました。2004年からの米国留学中には、人工眼の最前線レポートをウッチャンを介して私は貴会に報告し、2005年6月の貴会10周年の会では「脳機能解析から人工眼の可能性」というお題で、何と現在の上司である高橋政代先生と並んで講演をさせていただきました。
 2011年から2013年にかけて、私は弱視教育という雑誌に12回にわたる連載記事を書きました。
 【URL】https://www.shikakuriha.net/topics-shikaku.html

 その第8回に中村さんの思い出を書いています。そして、2016年11月には20周年の会にもお招きいただき、そのとき私は、国立障害者リハセンターを経て、神戸の理化学研究所の高橋先生の研究室に異動していました。このように、私の眼科医としての人生は、JRPS神奈川の歩みとともにありました。100号記念として、弱視教育に当時私が書いた文章の一部(第8回の「おわりに」より)をここにお届けさせて頂きます。

 『中村氏は,私を県内のあらゆる保健所に紹介した。網膜色素変性症は、平成8年から厚労省の特定疾患として認定され、その管轄が保健所なのだ。
 そして、保健所では所轄の対象患者とその家族に対して「難病講演会」なる勉強会を数年に一回開いている。その後私は,その講師として神奈川県内を走り回ることになった。(中略)網膜色素変性症の方の診察もそれほど多くは経験していなかった。それにも関わらず、中村氏は、私を保健所に売り込んだ。網膜色素変性症の専門家として講師をさせようというのだ。当時、神奈川ロービジョンネットワークを立ち上げようと様々な分野の人と接し、それぞれにお願いした。お願いした人からのお願いを断るのはたやすいものではない。そういうわけで、私は中村氏からのお願いとしてその講師を次々に引き受けることとなった
 。人間、人前で話をするとなると、どうしても準備をしないわけにはいかない。恥をかきたくないからだ。私も講師を引き受けてからというもの、網膜色素変性症についてずいぶんと勉強した。もちろん眼科医として日常診療の範囲での対応はできているつもりだった。しかし、書物で学ぶだけではなかなか人にわかりやすく説明できるレベルには届かない。そこで、中村氏をはじめ、当時急増した私の周りの同病の患者たちに話を聞いて回った。その結果、日常生活で感じる不自由なこと、症状の個人差、白内障手術についての感想などさまざまな情報が入ってきた。そして、気がついたら、それなりに人前で話ができる状況になっていた。
 さらには、このようなことが繰り返されることによって、その幅が広がり視覚障害そのものに対してもいろいろ知らない訳にはいかなくなった。こうして、どんどんとこちらの業界にはまっていった。「豚もおだてりゃ木に登る」とはよく言ったものだ。
 日本網膜色素変性症協会は、患者が中心になって同病の治療の確立を目指す全国組織で、地域での活動も活発だ。眼科患者が作っている組織にとってそのパートナーとしての眼科医の存在は重要だ。しかし、一般病院では同病の患者を診察する機会は少なく、同病に造詣の深い医師がどこの地域にもいるとは限らない。
 組織として、その様な医師を捜すということはとても重要だと思うが、それだけでなく、私のような医師を造ってしまうというのもひとつだろう。』

■多くの支援者に感謝です!
  〜JRPS神奈川会報誌は支援者と会員の手作り作品〜

役員  佐藤 孝

 私が会報誌編集に関わったのは、会報誌での編集スタッフの募集記事を見て応募したのがきっかけで、2012年(平成24年)のことです。私は現役を定年退職して間もない時期で、退職後のあまりある時間を少しでも患者会のお役にたてればとの思いからでした。
 私の作業は、当時の編集長である田中和之さんの手元で投稿原稿の校正・編集、その時もう一人、鄭晶晶さん(中国籍の女性)が編集スタッフとして活躍されていて、私は田中さんからのメールにより送られてくる原稿を待つだけの気楽な立場でした。鄭さんは会報誌の編集をされており、田中さんが会報記事のラインナップの策定や、原稿執筆者との連絡調整や記事の査読、会報誌の役員への確認のための手続きなど、それぞれの役割分担が決められていました。
 その後、私は2014年(平成26年)に神奈川県網膜色素変性症協会(JRPS神奈川)の役員として活動のお手伝いをさせていただいています。そして、2015年(平成27年)の会報誌77号から田中さんに代わり、編集の責任者を受けることになりました。その時の編集スタッフは鄭さんと剣持智子さん(家族会員)です。編集のお手伝いを始めてから3年後のことです。
 その時の私の見え方は、パソコンは白黒反転で拡大鏡を利用し編集の作業をしていましたが、細かい所で見落しや見間違いが見られ、不安を抱えていました。その他、刊行物の編集など全く経験のない私が、いざ編集を任されると不安だけが募っていた状況でのスタートでした。そんな不安を解消してくれたのが鄭さん、剣持さんでした。実は、剣持さんは会報誌に「知っていると役にたつ生活の知恵」を長年投稿してくださっていましたので、その経験と文章能力をお借りしようと、私が編集担当を引き受ける条件として田中さんに説得していただいていました。
 3人体制でスタートした後、当協会設立20周年の記念事業の一つとして特別編集を組むことになり、20周年記念冊子として「生活の知恵(ダイジェスト版)」を発行することになりました。内容は剣持さんが会報誌55号から79号に連載されていた記事を再編集し、ダイジェスト版として、会員の皆様が活用しやすい内容に編集されています。剣持さんが編集をしてくれました。会員の皆様に大変お役に立てる冊子ができたと自負しています。
 その後、編集スタッフは鄭さんが引退されましたが、患者の小田勇人さん、フリーライターの堀内さん(故人)が加わっていただき、現在、吉田明美さん(支援会員)、齋藤雅之さん(家族会員)とボランティアの森沖実央さん、今号から野尻渚さんにお手伝いいただいています。剣持さんは99号の発行をもって引退されました。編集作業は、現役で仕事をされている皆様の負担を軽減するため、役割を分担し作業を行っています。皆様が私の目の代わりとしてお手伝いいただきながら会報発行が続けられています。皆様のご支援に深く感謝申し上げます。
 最後に会報誌は、情報ツールの多様化と氾濫の時代に、より身近な情報と正確性を念頭に編集に当たっています。会報誌は、見えづらい見えない私たちは、移動が困難となってしまう中で重要な情報源であるとともに、頑張っている仲間たちの様子が分かり、皆様自身の活力になるような情報をお伝えできるよう、編集スタッフ一同、献身的に取り組んでいただいています。
 前述しましたように、多くの支援者がボランティアで支援下さることにより、継続して発行ができています。併せて、会報誌の記事を投稿くださる会員の皆様のご協力による手作りの会報誌です。
 創刊号から、記事を寄稿してくださっているウッチャンこと内田知さん、記事のテーマは時代の変化に合わせ変わってきていますが、「落書きストーリー」「読書の薦め」の筆者です。また、会員の皆様にお役に立てばとの思いで連載の「サキサキ先生の簡単パソコン講座」執筆の佐々木裕二さん、読者を楽しませてくれる神奈川MLの皆様による「川柳・俳句・短歌」などなど、たくさんの連載記事が投稿されています。多くの方の熱意と努力により、バラエティーに富んだ情報を発信できているのだと思います。また、会報誌100号の節目に記念特集号として発行できましたこと、編集スタッフの皆様、記事を提供してくださった皆様、本当にありがとうございました。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

(生活の知恵ダイジェスト版:表紙)と(100号記念特集号:表紙)を掲載
       生活の知恵ダイジェスト版  会報誌100号の表紙 

■JRPS神奈川の活動 

総合カレンダー

◆12月予定
12月12日(日) ミニ集会 13時〜 711ミーティングルーム

◆令和4年1月予定
1月 9日(日) ミニ集会 13時〜 710ミーティングルーム
1月29日(土)※東京・神奈川・ユース共同企画「働く世代イベント」
        13時30分〜 オンライン(Zoom)による開催

◆2月予定
2月 5日(土)「得々講座」の開催
        講師: 創価大学駅伝部 嶋津雄大氏・永井大育氏
        ●開催時間、会場、参加申し込みなど詳細は、当協会ホームページでお知らせします。
2月23日(祝) ※つくしの会「日本酒セミナー&ほろ酔い落語会」
         13時30分〜 オンライン(Zoom)による開催
2月27日(日) 会報発送作業

※この印の項目は、記事が掲載されています。

★コロナ情勢により、予定は変更される可能性があります。詳しくは当協会のホームページをご確認いただくか、下記連絡先まで照会願います。
 <連絡先>
  溝田 046−***−****
  阿部 080−***−****

●ミニ集会および会報発送作業の会場(かながわ県民センター:電話045−312−1121)は、横浜駅西口からヨドバシカメラのビルに向かって進み、その手前の横断歩道を渡ったら、右に曲がります。100メートル程進んで、高速道路の先の信号のある交差点の左角の建物です。点字ブロックが駅から敷設されています。

■東京・神奈川・ユース共同企画
 「働く世代イベント」のお知らせ

役員 伊藤 つえみ

 神奈川から始まった働く世代企画も、東京・ユースと共催する様になり5年目となりました。今年度は、東京主催となります。
 働く世代の皆様、一緒に参加しましょう!

〜以下、JRPS東京からの案内です〜
 秋の深まりとともに、冬の足音も感じられるようになってきた今日この頃です。新型コロナウイルスとの共存は今年も続くようで、依然として感染終息には至っておりませんが、インフルエンザもこの時期本格的に流行り始めますので、皆様どうぞ、お体にはご自愛ください。
 今回は、恒例企画となりました、JRPS東京・神奈川・ユース部会合同企画のご案内をいたします。本合同企画は、5年前から毎年行っていますが、各組織の持ち回り制にて、今年度は東京の主催となります。
 以下に企画内容を記載いたします。

◆開催要項
【イベント名】働く世代イベント
【テーマ】コロナ禍での働き方の変化 テレワーク編、出社編
長期間になってきているコロナの状況の中で、RPとして困ったこと、工夫してきたこと、そして現状
【日時】令和4年1月29日(土)13時30分〜16時30分
【開催方法】オンライン/Zoomにて開催
【定員】先着60名
【概要】第1部 パネリストによる講演
      第2部 グループに分かれてトークタイム
【申し込み方法】以下、URLからアクセスの上、お申込みください。または、JRPS東京都協会ホームページからもお申込み可能です。
申し込みフォームURL:https://ssl.form-mailer.jp/fms/6f3f9ef6722185
JRPS東京サイトURL:http://jrpstokyo.sakura.ne.jp/info/
※フォームからの申し込みが難しい場合やエラーなどの影響により送信できない場合は、以下のメールアドレスへ必要事項を入力し送信してください。
 info@jrpstokyo.sakura.ne.jp
【申込締切日】令和3年12月31日(金)

■つくしの会【オンライン開催】
 「日本酒セミナー&ほろ酔い落語会」のご案内

横浜市  塚本 理恵子

 マスクで始まりマスクで終わりそうな一年となりましたが、皆様どのようにお過ごしだったでしょうか?
 つくしの会も「いつになったらお外に出られるんだよー」とつぶやいておりましたが、なかなか叶わぬまま月日が流れておりました。このままでは冬の寒さの中、ますますおうちでぬくぬくが続きそうな気配です。
 そこで今回は祝日の午後のひと時、おうちでぬくぬくしたまま外出気分を味わえたらとオンラインによる日本酒セミナー&落語二人会を企画しました。
 山形県の酒蔵さんによる「あなたの知らない日本酒の世界」を味わいながら、ほろ酔い気分で東西の落語を堪能して、感心したり感動したり飲んでわらってにぎやかな楽しい時間を一緒に過ごしていただけたらと思います。
 日本酒セミナーは、山形県の米鶴酒造の梅津陽一郎さんによる日本酒の工程と様々な日本酒の味の違いなど酒蔵さんならではのお話をしていただく予定です。
 落語寄席は、西代表 半丸亭寿近(せみまるていじゅにあ)さん、東代表 腰医亭もんだ郎(こしいていもんだろう)さん、による二人会をお披露目いただきます。お二人とも、視覚障害のある落語家さんの方々です。山形、東京、大阪とおうちにいながら安心安全な旅気分を、皆様と共にたっぷり堪能していただけたらと思います。
 多くの皆様の参加お待ちしております。もちろんお酒を飲まない人も大歓迎です!
 募集案内や参加方法等詳細につきましては、12月1日以降ホームページとメーリングリストにてお知らせする予定ですが、まずは心のご準備をどうぞよろしくお願いいたします。

◆開催要項
【イベント名】日本酒セミナー&ほろ酔い落語会
       (日本酒セミナー、その後飲みながら落語鑑賞会)
【日時】令和4年2月23日(祝 水)
【開催方法】オンライン/Zoomにて開催
【定員】特に定めていませんが申し込みは会員の方に限ります
【受付開始】13時
【イベント開始】13時30分
【イベント終了】16時
(※16時終了予定ですが、お時間のある方は少しの時間おしゃべりしましょう。)

 最後にうれしいお知らせです。今回から上海道 洋子さんがつくしの会の担当に加わっていただけることになりました。また今回のみ神田さんにもお手伝いいただけることになりました。皆様どうぞよろしくお願いします。

■得々講座「成澤 俊輔氏講演会」の報告
〜3歳で網膜色素変性症がわかった僕の人生と働き方のとらえ直し〜

役員  佐藤 孝

 去る10月9日(土)、神奈川歯科大学附属横浜研修センターで得々講座を開催しました。講師に成澤俊輔氏をお迎えし講演をしていただきました。講演会は、会場とZoomによるオンラインを利用したハイブリットで開催しました。
 新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言が解除されて間もない時期での開催で、会場の参加申込みが心配されましたが、35人(講師を含め)の参加がありました。また、オンラインでの参加者が36人で、合計71人の参加者でした。
 講演は予定通り午後1時30分に始まり、講演はおおむね1時間。その後30分の質疑が交わされ午後3時に閉会となりました。
 講演内容は、演題「3歳で網膜色素変性症がわかった僕の人生と働き方のとらえなおし」をテーマに話が進みました。
 成澤さんは、小中高は地元佐賀県の学校に進み、目の病気を隠しながらも楽しい学校生活を送られました。しかし、徐々に視力が低下し、高校2年の修学旅行前日にクラスの同級生に目の病気であることを話したそうです。それを機に対人関係や自分のこれからの人生、世の中の様々な出来事に対するとらえ方が変ったようです。
 23歳でほぼ視力を失いながらも、複数の会社の経営に携わり、一人でアフリカに行かれるなど、凡人の私には想像もできない行動力です。現在も60社余りの会社の役員をされているとの事です。成澤さんの生き方の根本は「失われたものをあきらめ、新たに得られるものを見出すこと。それは、人との交わりにより多くの知識を得て前向きに生きる心構えである」と話されました。具体的な事例を交えながらテンポの良い語りに引き込まれ、あっという間の1時間でした。
 成澤さんの生き方は誰でもできることではないと思いますが、病気を受け入れられず足踏みしている方にとって、一歩前に踏み出せるヒントがあるように思います。
    講演会場の写真です。
 講演内容は神奈川県網膜色素変性症協会(JRPS神奈川)のホームページに掲載しています。ご都合がつかず講演会に参加できなかった方は、ホームページから入り聴講ください。
 最後に、お忙しい中講演を頂いた成澤さん、ご参加いただいた皆様、運営のお手伝いを頂いた皆様、ご協力本当にありがとうございました。誌面を借りましてお礼申し上げます。
  **この講演会は「NHK歳末たすけあい」の配分金により開催しました**

■第11回西湘地区交流会の報告

小田原市 井手 章

開催日:令和3年10月23日(土)
会場:おだわら市民交流センターUMECO(ウメコ)


◆交流会の内容
【第一部】10時〜12時30分(会議室7)
(1)挨拶、本部・神奈川活動報告、行事予定、トピックス、自己紹介、近況報告等
(2)「世界網膜の日イン岩手」の報告
(3)「講師:佐々木さんによる勉強会
 ●白内障について
 ●障害年金について
 ●12時30分 解散

【第二部】13時30分〜16時00分(自由参加)
 ●(石垣一夜城・鎧塚ファーム・早川駅・かまぼこ店など)の見学コース
  箱根登山回遊バス(うめまる号)にて遊覧
 ●NPO法人小田原市ガイド協会様サポート
 ●16時 小田原駅解散

 今回の感想は前日までの冷たい雨も上がり、小田原は晴天の秋晴れに恵まれました。下記に概要を報告します。
 第一部は
(1)3名の方が初めてのご参加で新鮮な感じがしました。
(2)「世界網膜の日イン岩手」受賞者3名の方の講演を佐々木さんより録音版にて紹介して頂きました。
(3)「佐々木さんによる勉強会」は、事前に質問を頂いた中から「白内障」と、来年改定される「障害年金制度」について、深堀の説明をして頂きました。
 第一部参加者は合計:18名(役員/会員13名、介助ガイド者5名)(内訳男性5名、女性13名)でした。
 第二部参加者は合計:12名(役員/会員7名、介助ガイド者3名、支援会社2名)でした。
 第二部の行程は(石垣一夜城・鎧塚ファーム・早川駅・かまぼこ店など)の見学コース、箱根登山回遊バス(うめまる号)にて遊覧コース。ルートは、昼食〜一夜城〜早川・土岩蒲鉾店〜小田原駅の計3時間です。
 ウメコを12時30分に出発後、隣接の「ミナカ・フードコート」で昼食、または小田原駅構内のコンビニで買物をして「鎧塚ファーム」の屋外テーブルで昼食タイム(写真添付)、相模湾・三浦半島、富士山、伊豆大島を一望できる壮大なパノラマの中、鎧塚ファームのオーナーパティシエも来ていたそうで、店は混雑していました。
    一夜城鎧塚ファームの前、テーブルでくつろいでいる写真です。
 「石垣一夜城跡」をガイドさんの解説を聞きながら見学して、14時40分乗車、JR早川駅前の小田原で一番古い土岩蒲鉾店で、一番美味しいと言われる「さつま揚げ」の買物をしました。
 小田原駅に15時50分到着し、予定通り16時に小田原駅解散。大変お疲れ様でした。
 なお、解説並びにお世話頂いた「NPO法人 小田原市ガイド協会」様のお二人に感謝申し上げます。
 来春の交流会第2部は「小田原城三の丸見学会・お花見散策会」を予定しています。
**この交流会は「NHK歳末たすけあい」の配分金により開催しました**

■情報コーナー 

「神奈川ハーネスの会」が発足しました

役員  萩原 徹

 「神奈川ハーネスの会」って何の集まり?と思った方も多いと思います。
 神奈川ハーネスの会は「ハーネス」の名のとおり、神奈川県内在住の盲導犬のユーザーの集まりです。2021年8月1日に「神奈川ハーネスの会」が発足しました。
 活動の目的のひとつは、「盲導犬の受け入れ拒否」を減らしたいというものです。
 レストランやタクシー乗車で、いまだに受け入れ拒否が多い状況が続いています。そのまま放置することもあれば、解決に動く盲導犬ユーザーもいます。そのどちらでも、その人の中で済ませてしまいます。受け入れているところには行くけれども、そうでない所には足が向きにくく生活の幅が広がらない。これを、多くの盲導犬ユーザーで情報を共有できれば、もう少し楽しい外出になるのではないかと考えています。
 具体的な活動として、受け入れ拒否について、「データ化」と「見える化」をしていきたいと考えています。
 もう一つの目的は、最近は台風や地震なども多く、日ごろから神奈川県内の盲導犬ユーザーで情報連携し、楽しく仲良く結束することが重要と考え、そういった場を提供したいというものです。
 JRPS神奈川の会員のみなさまのうち、盲導犬ユーザーで「神奈川ハーネスの会」の活動に興味がある方、入会を希望される方は、以下の連絡先にご連絡をお願いします。
 コロナ禍ではありますが、オンラインでのおしゃべり会など開催していますので、ご興味がありましたらお気軽にご連絡をお願いします。
 【本件にかかる連絡先】
 「神奈川ハーネスの会」
 ●会長 大堀 悠佳 Eメール:********
 ●事務局 三浦 広行 Eメール: ********
 ●JRPS神奈川 萩原 徹 ********
              Eメール:********

■「第四回ロービジョン・ブラインド川柳コンクール」開催のお知らせ

役員  神田 信

 JRPS神奈川では「みんなの川柳」「ロービジョン川柳」などで川柳を楽しませていただいていますが、私の勤務する会社が主催する「ロービジョン・ブラインド川柳コンクール」にもこれまでにたくさんのご応募をいただき感謝しております。
 お蔭さまで今年も開催することになりました。視覚障害の日常生活や想いを川柳にしてご応募ください。今年はオリパラや、収束しない新型コロナなどの要素も盛り込めそうに思います。目の悪くない方も応募できますので、広く周りの方にもお勧めいただき、盛り上げていただければと思います。未発表のものに限りますが、一度に5句まで、何度でも応募することができます。
 今回も沢山のご応募をお待ちしております。

   主催:株式会社三城
   後援:公益社団法人NEXT VISION
   協力:公益社団法人日本網膜色素変性症協会 他
   視覚障害に因んだ川柳をそれぞれの立場から募集いたします。
   応募期間:令和3年12月1日から令和4年1月31日まで
応募部門は以下の3つです
1. 見えにくさを感じている方部門
   視覚・色覚に障害のある当事者の方。
2. メディカル・トレーナー部門
医師・看護師・視能訓練士・歩行訓練士・その他訓練施設等の先生方。
3. サポーター部門
家族、友人、職場の方、誘導ガイド、ヘルパー、商品開発、販売者などの支援者または一般の方。

ご応募は、「第四回ロービジョン・ブラインド川柳コンクール」特設ホームページの専用フォームからお願いします。
   URL:https://www.paris-miki.co.jp/lv-senryu/

最優秀賞と各賞、および入選作品は令和4年3月下旬発表予定です。
   問合せ先:ロービジョン・ブラインド川柳コンクール事務局
   メール:lv-senryu@paris-miki.jp

 最後に、すべての方を把握できていませんが、昨年度応募いただいたJRPS神奈川の会員の方の作品をご紹介させていただきます。

清水 秀雄さんの作品
   散策に 杖では足りず 細腕も
解説:困ったものです。妻の助けも必要になりました。感謝しなければいけません。頼りにしています。

吉川 弘さんの作品
   空の皿 つつくのを見て 妻笑う
解説:そんなこんなの繰返しで、少しずつ分かってくれているようです。

渡邊 千登世さんの作品
   コロナ禍で 難病さえも 影薄く
解説:コロナウイルス一色の世の中で様々な病気を抱えながら生きている人々の事を忘れてはいけないと思います。

井手 章さんの作品
   コロナ禍の 優しい声に 安堵する
解説:三密のコロナ禍でも、行く先や方角が分からなくなり困っているときに、何かお困りですか?の声が聞こえて来たときの喜びに感謝しています。感謝、感謝です。

ペンネーム nobia★kawaiiさんの作品
   こんにちは! ワンちゃん目当てに この方も
解説:盲導犬との生活で、以前より大幅に、いろいろな方にお声をかけていただけるようになりました。会社では、仕事で接点のない他の部署、他のフロアーの方も、ワンちゃん目当てに遠目で見ていただいているようです。

■会報編集部からのお知らせ
〜編集スタッフ募集・前号記事の訂正のお知らせ〜

編集部  佐藤 孝

●会報誌編集スタッフの募集
 JRPS神奈川では、会報誌を年4回発行(墨字版)しています。会報誌はWordファイルを利用し、会員の皆様からの投稿を記事として編集を行っています。
 Word文書を経験された方や編集にご興味のある方を募集しています。是非、皆様からのご応募をお待ちしています。

【連絡先】    ◆ ホームページからは こちらのフォームから「会報編集」と書いてご連絡下さい。

●前号(100号)記事の訂正
 8月に発行しました会報誌100号の記事で「会報誌の変遷(25年のあゆみ)」の一部に誤りがありました。下記により訂正させていただきます。お詫び申し上げます。
【訂正前】
 ・26号(会報誌番号)「アイフェスタin横浜開催のお知らせ」
 (会場名)ウイング横浜
【訂正後】
 ・上記の会場名が誤っていました。
 (会場名)ウイリング横浜

 以上訂正をお願いいたします。

■特定医療費(指定難病)医療受給者証受給者数(網膜色素変性症)

会長 阿部 直之

 令和2年度(令和3年3月31日時点)と令和元年度を比較しました。
48人の増加となり、ここ数年の減少傾向に歯止めがかかりました。コロナ禍により、病気と向き合う時間が増えたからでしょうか。

市区町村 R2年度 R1年度
横浜市 666 637
 鶴見区 52 52
 神奈川区 36 35
 西区 15 15
 中区 22 18
 南区 34 28
 港南区 41 40
 保土ヶ谷区 29 31
 旭区 66 64
 磯子区 34 36
 金沢区 49 45
 港北区 50 44
 緑区 34 35
 青葉区 36 33
 都筑区 22 20
 戸塚区 49 46
 栄区 23 23
 泉区 43 39
 瀬谷区 31 33

川崎市 178 163
 川崎区 30 28
 幸区 26 23
 中原区 27 23
 高津区 20 19
 宮前区 32 30
 多摩区 23 20
 麻生区 20 20

相模原市 183 186
 緑区 75 73
 中央区 57 61
 南区 51 52

 横須賀市 76 77
 平塚市 49 48
 鎌倉市 31 31
 藤沢市 76 77
 小田原市 42 41
 茅ケ崎市 44 43
 逗子市 14 15
 三浦市 9 12
 秦野市 37 34
 厚木市 60 60
 大和市 31 30
 伊勢原市 21 21
 海老名市 23 23
 座間市 27 26
 南足柄市 5 5
 綾瀬市 11 10
 三浦郡葉山町 3 3
 高座郡寒川町 6 5
 中郡大磯町 6 6
 中郡二宮町 4 4
 足柄上郡中井町 4 3
 足柄上郡大井町 1 1
 足柄上郡松田町 1 0
 足柄上郡山北町 3 3
 足柄上郡開成町 2 2
 足柄下郡箱根町 2 2
 足柄下郡真鶴町 1 1
 足柄下郡湯河原町 6 5
 愛甲郡愛川町 9 9
 愛甲郡清川村 1 1

県合計 1632 1584

■サキサキ先生の簡単パソコン活用講座(23)
〜スマホは見えないと使えないの?〜

役員  佐々木 裕二

 これまで何度かiPhoneの読み上げ機能や便利なアプリについて紹介してきました。しかし、未だに「スマホは見えないと使えないですよね?」と聞かれることが多々あります。
 そこで今回はiPhoneの読み上げ機能について、少しくどくお話ししてみたいと思います。また、見やすくする設定もご紹介します。既に使いこなしている方は読み飛ばしていただいて結構です。
 これからスマホにしようという方、読み上げ機能に関心のある方、ご家族やサポートして下さる方、是非お読み下さい。

●どうしてアイフォーン(iPhone)なの?
・読み上げ機能が標準で搭載されていて、しかも優れているからです。
・視覚障害者をサポートしてくれるアプリがたくさんあるからです。
・使っている視覚障害者が多いので、分からないことを聞くことができるからです。

●ボタンがないのにどうして使えるの?
 画面を触ると、そこにある文字やボタンなどを読み上げてくれます。そして、そこから前後にカーソルを移動して読ませる操作、指で画面をこするジェスチャーが準備されているからです。
 基本は、1回タップで選択、選択した後2回タップで実行です。
(タップとは画面を軽くトンッと叩く動作のことです。)
 カーソルを前に進めるには、1本の指で画面を左から右にサッと擦ります。そうすると移動先の項目を読み上げます。反対に右から左へ擦るとカーソルが後ろに戻り、その項目が読み上げられます。
(擦る操作をスワイプと言います。)
 指のジェスチャーは1本指から4本指まで様々な機能が割り当てられています。詳しく知りたい人は、サピエ図書館でiPhoneと検索してみて下さい。
※お勧め図書:
 見えなくても使えるiPhone VoiceOverでの操作解説

●ボイスオーバー(VoiceOver 読み上げ機能)を有効にする方法
 ボイスオーバーはどのアイフォンやアイパッドにも標準で搭載されています。
 設定アプリ → アクセシビリティー → VoiceOver
 → VoiceOverをONにします。
(操作解説:「設定アプリ→アクセシビリティー」とは@設定アプリを実行、次にAアクセシビリティーを実行することを表しています。操作の段階を「→」で表しています。項目の選択や実行の操作は、ボイスオーバーがオンの状態とオフの状態で異なりますのでそれぞれの環境に合わせて操作して下さい。)
 これで、ホームボタン3回押しで、ボイスオーバーのON/OFFが切り替わります。アクセシビリティー機能を2つ以上使用している場合は、機能を選択する画面が表示されます。
 また、Siriに「ボイスオーバー、オン(オフ)」と話しかけても操作することができます。

ご注意
 ボイスオーバーがオンになるとスマホの操作方法が完全に換わります。見えていても操作できなくなります。家族など、画面を見て操作する人に渡すときにはボイスオーバーをオフにしましょう。

●画面表示を見やすくするあれこれ
 パソコンと同じように画面を白黒反転したり、文字を大きくすることができます。

 設定アプリ →アクセシビリティー → 画面表示とテキストサイズ
で以下の機能を設定できます。
・文字を太くする
・さらに大きな文字
 (スライダーを上下フリックすると文字の大きさを変更できます。)
・コントラストを上げる
・反転スマート
 (画面色が反転し白い背景が黒くなりますが、画像の色は反転しません)
・反転クラッシック
 (全ての色を反転します)

●ズーム機能
 画面全体を拡大表示することができます。
 設定アプリ → アクセシビリティー → ズーム → ズーム機能をオンで拡大表示ができるようになります。
ズーム機能の操作方法
・3本指でダブルタップすると表示が拡大
・ズーム倍率を変更するには、3本指でダブルタップしてドラッグ
・画面を移動するには3本指でドラッグ

●壁紙を変更する
 壁紙を変更して、ホーム画面のアイコンを見やすくすることができます。
 設定アプリ → 壁紙 → 壁紙を選択 → 静止画の壁紙 → 単色の黒の背景 を選択するとホーム画面の背景が黒になります。自分の好きな写真に変更することもできます。

●JRPS神奈川 サキサキ先生のパソコン教室
 このコーナーのバックナンバーや、便利なアプリの紹介を掲載しています。
 http://www.rp-k.com/pc/index.html

●おしゃべり勉強会のご案内
 やっと緊急事態宣言が解除されましたが、まだまだお喋りする機会が少ないので月1回オンラインで勉強会をやっています。今のところ、iPhoneの使い方についてですが、医療や福祉の情報についてもやりたいと思っています。
 開催のお知らせは「かながわML」というJRPS会員のメーリングリストでお知らせしています。ご興味のある方は佐々木までご連絡下さい。
  ◆ ホームページからは こちらのフォームから「かながわメーリングリスト希望」と書いてご連絡下さい。

■ちょっと話してみませんか?(ピア相談のご案内)

心理相談員  板嶌 憲次郎

 実は他人だからこそ話すことができる。そんなこと結構ありますよね。
 私たちが抱えているこの病気の悩みも、身近にいる人だからこそ話しづらいことも意外とあるものです。その様な困りごとをちょっと話して心を軽くしてみませんか。
 話す前と話した後では、実際の物事は変わらないけれども心は変化するものです。前回の会報誌でお知らせしました通り、受付窓口を難病連に一本化させていただきました。下記の連絡先よりご連絡をお願いします。また難病連では難病カフェも開催しております。
 ほかの難病の方と話すことは、これまたいろいろな共感が生まれ前を向いていこうという原動力にもなると思います。
 みなさまのご連絡ご参加をお待ちしております。
※ご相談の内容・個人情報については「守秘義務」を厳守いたします。

【対象】RP患者とそのご家族
■ピア相談員
・石井 史子 病歴約30年
・板嶌 憲次郎 病歴約30年

【ピア相談 申し込み先】 神奈川難病連事務局
 受付日時:月〜金 11時〜16時
 電話:045−651−0258
 (緊急事態宣言発令中は不在が多いため下記携帯電話にお願いします)
 携帯番号:080−9039−5428

 また、神奈川難病連では、難病患者同士のおしゃべり会「難病カフェ」を開催しております。こちらもお気軽にご参加ください。お待ちしております。

■難病カフェ
 かながわ県民センター15階、県社協第一相談室をお借りして開催の予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の為現在は対面での開催を控えています。そのためオンライン(Zoom)で実施しています。
日時:毎週火曜日・第3土曜日 13時〜15時
申込:難病連ホームページの「難病カフェ・ピア相談 オンライン申込」のコーナーから申し込んでください。
 前日までにオンライン招待状をお送りします。お気軽にご参加ください。お待ちしております。
 対面・オンラインの実施は新型コロナウイルス感染症の状況により、今後変更する場合があります。ホームページをご覧いただくか、電話でお問い合わせください。

■読書の薦め

横須賀市  内田 知

●『傭兵代理店シリーズ』 渡辺 裕之(わたなべ ひろゆき)著
 金銭などの利益により雇われ、直接的に利害関係の無い戦争に参加する兵士の事を傭兵と言う。だが、日本に金銭を得るためではなく、国際的犯罪組織・極悪テロリストたちを撲滅するために傭兵となった男がいた。
 本シリーズは、主人公とともに世界を股にかけ犯罪組織と戦う傭兵チームの物語である。各国の傭兵たちを陰でサポートする「傭兵代理店」。そんな代理店が、東京で密かに運営されていた。そこへ主人公が訪れる。1作目は、こうして始まる。そして、ハードアクション満載の展開が読む者を待っている。
 出版は2007年。そして、本書が著者のデビュー作である。この1作で著者は一躍人気作家となった。それだけでも驚きなのだが、なんとシリーズは今もつづいている。2021年10月時点で26作にもなる。
 26作目は、コロナ感染が全世界に拡大するなか、中国・マカオ・インドを舞台に描かれている。
 さて、本シリーズの面白さもお薦めなのだが、一番のお薦めは、シリーズ6作目を除いて、すべて同じ朗読者が読んでいることにある。抑揚をつけたセリフだけではない。なんと、登場人物のセリフを声のトーンを変えて読んでいるのである。世界を股に掛けた話である。てことは、いろんな国の人物が登場する。それを、抑揚をつけるだけではなく、声のトーンを変えて読んでいる。もう、プロの技と言うしかない朗読である。ハードアクション小説なので、女性には不向きな作品。だが、男子なら絶対にヨムベシ。主人公の良き相棒とも言うべき特殊部隊デルタフォース出身のアメリカ人が登場する。この彼のアメリカンジョークが小気味いい。

●『池袋ウエストゲートパークシリーズ』石田 衣良(いしだ いら)著
 傭兵代理店シリーズ同様に、本シリーズの1作目が著者のデビュー作にして、テレビドラマ化までされた今も続く不動の人気シリーズ。
 池袋の街を背景に、社会からドロップアウトした若者たちの姿を描く。
1作目の出版が1998年。若者たちは、チーム、カラーギャング、ハングレと、その時代の世相によって呼ばれ方は変化した。そして、彼らのアイテムも携帯電話からスマホへと変わっていく。物語の中心人物二人が、池袋で起きるトラブルをどう解決していくのか。池袋のストリートを軽やかに疾走する若者たちの現在をクールに描く。中心人物の一人の若者が、母が営む果物屋で働きながらトラブルシューターとしての顔を持つ。この彼が、クラシック音楽ファンである設定が、なんとも面白い。
 2021年10月現在で、シリーズは16作となっている。シリーズすべてが、連作短編集。何冊かシリーズの外伝もある。1作目では十代だった主人公たちも、最新作では二十歳を過ぎた大人へと成長した姿で描かれている。

※上記の2つのシリーズは、作品名と著者名で検索。検索結果が出たら、検索結果一覧を並び替えるのリンクをエンターして、出版年の古い順で表示でまたエンター。検索結果が出版年の古い順で出てきます。
※池袋ウエストゲートパークシリーズはサピエに登録されていない作品もありますので、サピエの詳細検索のリンクに入って上記の方法で検索結果を出してください。ダウンロードできない作品は、ライトセンターかお近くの点字図書館に、貸し出し依頼してください。1作目から読む時間のない方はとりあえず最新作を読んでみてください。読めば、面白さに必ずはまってしまいます。

●『たとえ明日、世界が滅びても 今日、僕はリンゴの木を植える』
 瀧森 古都(たきもり こと)著
 とある雪の日、ショッピングモールの屋上から、ひとりの少女が飛び降りようとしていた。その様子に気づき、とっさに少女を助けたのは、関西弁のインド人とピエロのパフォーマーの若者。2人は、屋上で開催されるイベントにパフォーマーとして呼ばれていた。彼らによって少女の命は救われたものの、その瞬間、2人の若者の運命の歯車は動き出す。3人の過去と、現在を描きながら物語は進み、読む者に「マジかよ!」と思わせる展開が用意されている。
 日本へ来たインド人青年と、心に闇を抱える笑わないピエロの若者が、ひとりの少女との出会いによって、生きる上で最も大切なことに気づかされていく。涙腺の弱い方は、ティッシュを用意して読まれたし。

●『わんダフル・デイズ』 横関 大(よこぜき だい)著
 ミステリー小説に、ついに盲導犬訓練士が主人公として登場。風変わりな訓練士の男子と訓練士の研修生の女子が遭遇する盲導犬と盲導犬ユーザーの視覚障害者に関わる事件の数々。主人公2人と、人に寄り添い続ける盲導犬の姿を描いたハートフルミステリー短編集。
 何故か、読み終わったらたこ焼きが食べたくなる。

●『この歌をあなたへ』 大門 剛明(だいもん たけあき)著
 あなたへ問う。あなたのそばにいる人が、8人もの尊い命を奪った人間の家族の一人だと知った時、今までと変わらず接する事ができますか?物語のあらすじは、あえて書きません。主人公は、小学校の保健室で働く女性とだけ記します。警察小説の名手の一人である著者が贈る加害者家族の苦悩と救いを描く感動の物語。ぜひ、読まれたし。


●『臨床の砦』 夏川 草介(なつかわ そうすけ)著
 長野県にある感染症指定病院のコロナとの戦いを描いたドキュメンタリー小説。行政と周辺医療機関の無関心。医療従事者への偏見。院内感染の恐怖、高齢者施設でのクラスター、次々と起こる困難に、冷静に挑み続ける医師・看護師たち。彼らの手によって、コロナで亡くなった人が、どのようにして家族の元に帰るのか?コロナ感染の最前線で戦う医療従事者たちの苦闘の日々。著者の代表作「神様のカルテ」のようなエンターテーメント小説ではない。現役内科医である著者が、自らの体験から生み出した医療小説。ワクチン接種も進み、感染者数は減少し始めている。だが、コロナとの戦いは終わってはいない。読書が好きとか嫌いとかという次元の問題ではない。
 今もコロナと最前線で戦っている多くの医療従事者からの「気を弛めるな」というメッセージを、本書を読んで受けとめよ。

■投稿コーナー 

■【トピックス】令和3年度 赤い羽根街頭募金in桜木町

役員  溝田 隆之

 10月5日、神奈川県共同募金会横浜市支会のお声かけに応えて、神奈川県難病団体連絡協議会事務局長の大江さんと当協会からは高木さん、萩原さんと奥様、盲導犬ノビアちゃんと溝田の5名・1頭で参加してきました。
 夏日のような暑い晴天の中、コロナ禍故の大声での呼びかけは禁止となっており、パネルを持って静かに通る人に目力で訴えるばかりで達成感乏しく、寂しかったとの声もありました。
 平日の昼間を割り引いても、コロナ禍前の2年前と比べると、人出が比べ物にならない位、少なかった印象です。
 その中で本年の目玉は「ガチャ」の導入です。100円を寄付してくれた方には、「ガチャ」が1回チャレンジできるという新たな呼び込み策の試みもあり、高額を寄付して10回もチャレンジした方もいました。
 ガチャの中身にはサッカークラブの協賛を得て「三浦カズ」のサイン入りがあるとかで、それを目当てに頑張っていたようです。
 来年以降もガチャの継続を希望したいですし、大声を競い合って呼びかけするいつもの活動に戻れる日を期待するばかりです。
    募金を呼びかけるパネルを持って行いました。盲導犬も頑張りました!

■みんなの川柳・俳句・短歌

神奈川MLのみなさん

●川柳
【横浜市】 渡邊 千登世
   1)穢れなき まんまる月よ どこ照らす
   2)蝉の声 途絶えて今は 秋雨が
   3)コロナ六波 もういい加減 消えてくれ
   4)総裁選 誰がなろうと 同じこと
   5)いつのまに 季節は巡る やるせなさ

【横浜市】 清水 秀雄
   1)温暖化 火攻め水攻め 地球規模
   解説:地球温暖化は全人類の問題です。真鍋淑郎氏の地球温暖化予測モデル開発がノーベル物理学賞を受賞しました。受賞おめでと        うござい    ます。
   2)七年間 カオスの五輪 成せば成る
   解説:いろいろ障害がありましたが、日本の底力が発揮されて五輪は成功裏に終わりました。日本選手の頑張りが素晴らしかったです。
   3)まだ三年 耳を疑う 家こもり
   解説:尾身さんが言っていた高齢者の不安感は拭えません。まだまだ巣に籠ったかごの鳥です。旅に行ける迄元気にしています。
   4)ぶどう便 実りと香り 秋滲みる
   解説:シャインマスカットと巨峰が届きました。甘さと香りの秋を満喫しました。巣ごもり生活でも、良い事があります。
   5)さあ解除 あれやこれやで ドーパミン
   解説:緊急事態宣言が解除されました。解除を待ちわびた人は外に出て、あれ食べよう、これ飲もうとドーパミンがドバッ。でも程々に      !

【小田原市】 井手 章
 <令和3年秋 世相川柳あれこれ>
   1)晴れやかな 小室眞子さま おめでとう
   解説:4年越しの小室圭さんとの恋が、ようやく実りますね。
   2)秋深し つるべ落としの 時進む
   解説:デイケアから帰る夕方の5時には、もう真っ暗です。
   3)声で見る ヘルパーさんの 美人顔
   解説:自分の顔も、人の顔も見えてません。新しいヘルパーさんは美人?それなり?
   4)エンディング ノート書き込む 年輪を
   解説:今年も、会社OBや友人・知人の訃報が多くありました。百歳まで生きると言ったものの、そろそろ準備に入ります。
   5)第六波 コロナ対策 今のうち
   解説:12月にはコロナワクチンの3回目開始と経口型の治療薬の開発、病床・医療体制の強化は、この下火の内に準備できるでしょう      か?
【横浜市】 吉川 弘
   1)怪しい奴 ではないようだ 黒マスク
   解説:やっと慣れてきました。
   2)仲がいい 腕組み揺れる 干したシャツ
   解説:風のイタズラ。ベランダで腕を絡ませた二枚のシャツが楽しそうでした。
   3)手術かな 様子みましょう 白内障
   解説:だいぶ前から眼科の先生と相談しています。
   4)それいいね 料理番組 見てた妻
   解説:数日後、よく分からない味の料理を食べることに。
   5)辛口の 論評くれた 義弟逝く
   解説:義弟は私の川柳には、厳しい評論家でした。彼の趣味が水墨画だったので、作:吉川弘 、画:川田康夫の川柳画集が出来ればと思      っていましたが、叶いませんでした。

【相模原市】 武川 宏
   1)熱戦の パラアスリート 世を変える
   解説:今夏のパラリンピックではパラアスリート達が熱戦を繰り広げ、世界中の人々に感動と勇気を与え、障害者に対する認識を大きく変え、   共生社会の実現にも貢献したとおもいます。
   2)巷では ワクチンコロナ 競争す
   解説:オリンピック・パラリンピックではアスリート達が熱い競争を繰り広げていましたが、巷ではコロナの感染が拡大する中、ワクチ      ン接種も急速に進み、コロナの感染者は急速に減少してきています(令和3年10月中旬時点)このままワクチンが競争に勝ってく      れることを祈   ります。
   3)食欲の 秋は健診 避けておく
   解説:秋は食欲も増し、どうしても食べ過ぎてしまいメタボになりがちです。検査結果にも影響しそうなので健診は先送りしようか…等      と考えます。
   4)孫からの 電話で夫婦 仲直り
   解説:些細なことで夫婦げんかをしているところに、孫からの電話がかかってきて「おじいちゃんおばあちゃん元気?」等と言われると     、いつの間にか、けんかは収まっているものですね。
   5)髭ずらを マスクで隠し すまし顔

【横浜市】 森田 祐吉
   1)大谷は 超人的な 大リーガー
   2) まだかなあ コロナ終息 切望す
   3)虫の音に つられかなでる フルートの夜
   解説:この秋に40年ぶりに始めたフルートの練習を作句
   4)天高く 烏が交わす 獲物談
   解説:朝の散歩中に、烏の鳴き声を聞いて会話を想像したもの

【小田原市】 佐々木 千代子(患者家族)
   1)半額と 言われブルマン 買っちまう
   解説:いつも一番安いコーヒー豆だけどコロナのプチ贅沢
   2)二人がけ ソファー寝そべる 妻ひとり
   解説:ソファー買ったけど、妻が独り占め
   3)マスク下 気づかぬうちに 伸びている
   解説:うちの女房にゃ髭がある
   4)バカバカバカ ふざけんなよな クソッタレ
   解説:職場でたまるストレス!帰り車で窓閉めて叫びます!

【横浜市】 佳純目 譲司
   1)声かけを ヨーと呼ぶ友 もう昔
   解説:親しくなくても「ヨー」と軽く挨拶する仲を「よー友」と言うそうです…。この年になり、そのようなことはもうありません。昭      和は遠くなりにけりです。
   2)五輪あと 政局そして やな事件
   解説:我が国は忙しい国です、コロナ禍の最中次々と事件?が生じます。テレビのニュースで聞きますが、頭の切り替えが間に合いませ      ん。
   3)緩み生む 六波前の 静けさか
   解説:急な感染減に宣言解除の動き。これからの寒さに向かう季節に不安を感じます。終息に向かえば良いのですが
   4)世相ギャグ 耳に馴染まぬ 親ガチャが
   解説:あの「ガチャガチャ」から「親ガチャ」が。よく考えますね。でもその意味合いは複雑です。他にも上司ガチャ、部下ガチャが…      。皆さんどう思いますか。
   5)起きられず 揺れにまかせて 金縛り
   解説:突然の警報と激しい揺れ。何、これが震度4?(最大震度5強)寝ていましたが、終わるまでノーリアクション。震度7の直下型      だったららどうなるのだろう。

●俳句
【横浜市】 浅井 進
   1)台風の 行方は知らじ 独り酌む
   2)前を行く 猫たちどまる 秋の暮
   3)猫の名を 呼ぶ声ありて 秋の暮

●短歌
【横浜市】 森田 祐吉
   1)秋の色 見えねどにおい ただよいぬツンと高貴に 金木犀よ

【横須賀市】眞田 京子
   1)朝夕に 水をやりしも 鉢花は 猛暑続きに しおれはてたり
   2)猛暑日に 零れし種の ミニトマト 枝葉伸ばして 花咲かせたり
   3)鉢植えの 葡萄の房を 嫁と娘(こ)が 愛しみつつ 摘み取りている
   4)朝まだき フェンスに絡み 紅の 香り懐かし その葛の花

■ウッチャンの落書きストーリー
 笑ってこらえろ!ヤマーダ奮闘記[2]

横須賀市  内田 知

〜会報99号の続きである〜
 そば打ち体験を終えた一行は、帰り道の小田急線のホームで、電車が来るのを待ちながら談笑していた。その中の一人のおばちゃん会員が、ウッチャンに声をかけた。
「いつも一人で参加するウッチャンが、ヘルパーさんと来るって初めてだよね、どうしたの?」
「横浜駅で、寂しそうに立っていたからかわいそうに思ってナンパして連れて来たんだよ」
 その言葉に、大笑いするおばちゃん会員。だが、ヤマーダは声を荒げて言い返した。
「私は、ナンパされてません。だいたい、内田さんにナンパされても絶対ついて行ったりしません」
これを聞いたおばちゃん会員は
「ウッチャン、なんともさらっとふられたねぇ」と大爆笑。
その様子を見ていた他のおばちゃん会員たちが何事かと、ウッチャンたちの周囲に集まってきた。
 笑っているおばちゃん会員が、ワケを説明すると集まった。おばちゃんたちも大爆笑。ヤマーダは、ウッチャンの一言に怒っただけ、それがなぜ笑いに変化するのか判らずキョトンとしていた。

 さて、ホームでの爆笑が静まりかけた頃、電車がホームに入ってきた。ドアが開き、乗り込むウッチャンとヤマーダと、おばちゃん会員たち。車内は空席ばかり、乗り込んだメンバー全員が座席に座る。ウッチャンとヤマーダの真向かいに座ったおばちゃん会員が、ウッチャンに聞いた。
「ウッチャン、本当の所はどこで山田さんと知り合ったの」
その問いに、難しい顔をして言った。
「ヤマーダは、俺の元愛人なんだよ」
 この言葉に、一瞬静まり返り、そして爆笑が起きた。そんな中、一人烈火のごとく怒りだした人物がいた。むろん、ヤマーダである。ウッチャンのとなりに座っていたヤマーダは、突然座席から立ち上がり、体をウッチャンに向けて叫んだ。
「何をおっしゃっているんですか。人に誤解されるような事はおっしゃらないでください」
揺れる車内で仁王立ちしているヤマーダに
「山田さん、そのまま立っていると危ないからとにかく座って」
と苦笑しながらウッチャンは言った。
 その言葉に、体をよろけさせながら座るヤマーダに、おばちゃん会員の一人が言った。
「山田さん、ウッチャンの言う事を信じる人はここにはいないから」
と笑いながら言う。
そう言われても納得しないヤマーダは
「信じる信じないじゃないです。元愛人なんて誤解される事を言われたくないんです」
と怒りが収まらないヤマーダは、言葉をつづけた。
「だいたい、既婚者の男性とつき合っている女性の事を愛人と表現するんです。ウッチャンは独身でしょう。だから、愛人という表現はできません」
と、キッパリと言った。
「愛人の定義を教えてもらうなんて思わなかったなあ」
とウッチャンは驚きながら答えた。
「とにかく、元愛人なんて言わないでください」
と口調を強めて言われたウッチャンは、肩をすくめて「わかった」と答えた。そして、ヤマーダは怖いとウッチャンは思い始めていた。
そんな思いにかられていた時、
「山田さん、ウッチャンと知り合ってどのくらい」
と、おばちゃん会員の声がした。
「2か月ぐらいです」
「ウッチャンとどこかに行ったのは何回ぐらい」
「今日を含めて、4回ぐらいです」
「4回かあ、そのくらいじゃあ、ウッチャンのセクハラ発言をサラッと聞き流すことはできないか」
その言葉に別のおばちゃん会員が「私は、1回で慣れちゃったけど」と笑った。
「それは、私たちがおばさんだからよ。山田さんは若いし、生真面目そうだから、ウッチャンの言うことを真剣に受け取ってしまうのよ」
「私は、若くはないです。もう40は過ぎてますから」のヤマーダの言葉に、話をしていたおばちゃん2人は顔を見合わせて笑い出した。
「山田さん、自分から年を言うことないでしょ。それに40は若い若い」
「そうでしょうか」と首を傾げるヤマーダを見て
「こりゃ、ウッチャンのペースに乗せられてしまう真面目さだね」
とつぶやくおばちゃん。 「とにかく、ウッチャンの言うことは右から左に受け流すのよ。全部、真面目に受け止めて聞いちゃあだめだよ」
「わかりました」とうなずくヤマーダ。
この間の会話を聞いていた他のおばちゃんたちは、苦笑しながら、
(あの真面目さで、ウッチャンとつき合っていくのは大変だろう)
と思っていたに違いない。

 ヤマーダと2人だけになった電車で、ウッチャンは言った。
「俺がナンパしたって話おかしいと思わなかったか」
「おかしいです。ナンパされてませんから」
「そこじゃなくてさ。全盲の俺が、どうやってナンパできるのかって思わなかった」
「そう言われると、そうですね」
この答えに(こりゃ、本物の生真面目だ。普通に戻さなければ。)と普通じゃないウッチャンは、自分の性格を棚に上げて考え始めていた。

 さて、そば打ち体験の出来事からJRPS神奈川の会員の中でヤマーダの存在が、本人も知らない内に広がっていたのである。もちろん、ウッチャンの横暴にめげずに、ヘルパーとして仕事をする真面目で優しい人としてである。そば打ち体験から、JRPS神奈川の活動に参加するようになったヤマーダは、人気が急上昇!さて、そのワケは?
笑ってこらえろ!ヤマーダ奮闘記「3」へつづく。

■光学堂 ロービジョンルーム

視覚障害者用福祉機器 / メガネ・特殊メガネ 取扱店
目がご不自由な弱視の方へ
視覚に障害のある方や、見えにくくてお困りの方におすすめしたい商品を多数取り揃えております。
一般的にあまり出会う事のない商品を多数展示・販売をしております。
是非、ご相談や情報収集にご来店お待ちしております。

遮光眼鏡(医療用フィルターレンズ)
眩しくて見えにくい方に光の波長をコントロール!
無料で2週間貸出し個別に対応しますご相談実施中
高倍率ルーペ(拡大鏡)
常時、店頭に450種類ご用意 実際に見比べてください。
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時刻を音声でお知らせする音声式腕時計や置時計
指で直接針を触わる事の出来る触読式腕時計
拡大読書器 据置型や携帯型など最新型拡大読書器を店内25台用意
実物のデモ機をご用意!自分の眼に合った見え方、映り方をする使いやすい機種や用途で比べて探して下さい。
プレクストーク(視覚障害者用ポータブルレコーダ)
音声図書館で借りたデイジー図書などの再生や音楽CDを聴く、メモ録!最近はポケットサイズの 小型も大人気
タッチボイス(ICタグレコーダ)
触ってわかりにくい物にタグに音声でメモ録!
テルミ..(活字読み上げ装置)
SPコード付の手紙や案内を音声で読み上げます!
電子ルーペ
持ち運べる拡大機能がある簡易機で大変便利です。
音声体重計・音声血圧計
音声で誘導して体重などをお知らせ。
音声機器はいろいろ便利にございます。
単眼鏡 弱視眼鏡 など

光学堂ロービジョンルーム
〒220−0051 横浜市西区中央2丁目6−5 めがねの光学堂内
毎週水曜日定休日 営業時間:am10:00〜pm7:00
完全予約制:ご来店の際は必ずお電話でご予約して下さい。
045−290−0048
詳しくは、http://www.kougakudo.jp/ 検索 光学堂 横浜市

■アイネットワーク

アイネットワークからのお知らせ。
『自分の家で体験していただけます』
2022年も、2021年に続き、各モデルを貸出して体験していただくという方法を 基本にします。集まる場所へ行かなくても体験できるようにと、この方法にしました。
貸出の費用は送料、返送料を含め、すべて無料です。

『アイネットワークでは、交流会などに参加し、見えにくい、見えないという方々の、 ご意見、ご要望をお聞きし、他社に無いもので、新しいモデルを開発し、用具を 選ぶとき選択の幅が拡がることを目指しています。』

見えにくくなったので、ルーペだけでなく拡大読書器も使ってみたいが、大きな重い ものではなく、携帯できるくらいのものを試してみたいという方に、「高性能カメラ付き で画面10インチ(500グラム)で、使いたい所に持参、手で持って使う。家では付属の専用台(前後・左右動・傾き可変)に乗せて、書面を見る・書面に書く、に使えるモデル。
家に有る大画面のテレビに接続して、本体を専用台(100グラム)に乗せて、書面を 見る・書面に書く、に使えて、外出時には本体(画面4インチ、100グラム)を携帯し、 見たい所で、値札等を光学式ルーペのように拡大して見る使い方ができるモデル。
(ご希望の有る場合は、専用で使える32インチテレビを無償で付加します)

画面を見て使いたいが、新聞などの長い文章は音声で読み上げしたいという「見る」 と「聞く」が使えるモデルが有ります。15.6インチ画面で高性能本体のノート型。 本体と画面が分離で、画面として、家に有る大画面のテレビを使うテレビ画面型。
(テレビ画面型には、ご希望の有る場合は、専用で使える32インチテレビを無償で付加します)

これらの拡大読書器はすべて給付限度額内で、所得のある方は原則1割負担で、 19,800円の負担です。非課税の方は無料で給付を受けられます。

日常生活用具の「活字文書読上げ装置」という項目で給付をうけられるモデル、
「アイビジョンスピーチオ」があります。給付の要件であるSPコードを解読し読上げ が出来るだけでなく、新聞や本などの活字文書も簡単操作で読み上げ出来ます。
拡大読書器とは別の給付項目なので、手帳1級、2級の方は、拡大読書器の給付を 受けておられる方も、給付申請できます。給付限度額内の99,800円で、所得の 有る方は原則1割負担で9,980円の負担です。非課税の方は無料で給付されます。

資料は大きな文字のカタログ、写真入りの大きな文字の取扱説明書、読上げ機能 付きのモデルには紹介のCDが有ります。資料送付は無料です。
資料送付、貸出依頼のご連絡は、下記へお願いいたします。

読書器と活字文書読上げ装置で読める世界を拓く、 アイネットワーク有限会社。
電話&FAX 042-583-7450 携帯電話 080-8034-1163 担当は みやたけ です。
メール aivision@js7.so-net.ne.jp 〒191-0055 東京都日野市西平山5−23−12

商標に関して、スピーチオ、SPコードは株式会社廣済堂の登録商標です。
アイビジョンはアイネットワーク有限会社の登録商標です。

■編集後記

◆2021年(令和3年)は皆様にとってどのような1年だったでしょうか。国内では、57年ぶりに開催された東京オリ・パラ。新型コロナウイルス感染爆発の中での開催でした。私たちの日常は昨年から続く感染対策のための行動抑制や、人との接触制限など、今まで経験したことのない日常でした。当然ながら当協会の活動にも大きな制限を被り、毎月1回開催されていたミニ集会、対面での開催はほぼ2年近く開催できず、オンラインでの開催により交流を継続し、医療講演会なども同様な手法で開催してきました。また、会報誌が100号発行という節目の年でもあり、当協会創立時からご支援いただいている眼科医の先生方や会報誌の録音CDを長年作って頂いている団体からも寄稿をいただき、記念特集号として発行できました。ご協力いただいた皆様に心から感謝申し上げます(佐藤)

◆JRPS神奈川会報は下記の3形式でお届けしています。
 変更を希望されるかたは、下記連絡先までご連絡下さい。  1)墨字版:印刷物、大きめの文字
 2)デイジー版:デイジー形式の録音CD
 3)メール版:テキストメール

◆神奈川県網膜色素変性症協会(JRPS神奈川)連絡先

・事務局 溝田 隆之
     〒237−0067 横須賀市鷹取******
     TEL・FAX:046−865−****

・会長 阿部 直之
     〒213−0011 川崎市高津区久本******
     TEL:080−1301−****(携帯18時以降)

     E-mail:********

・編集 JRPS神奈川編集部
     E-mail:kanagawahensyubu******

発行人 特定非営利活動法人障害者団体定期刊行物協会
〒157-0072東京都世田谷区祖師谷3-1-17
          ヴェルドゥーラ祖師谷102号室

http://www.rp-k.com
定価 200円