●会報 第100号

(表紙)

1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行)
2021年 8月 9日発行 SSKA 増刊通巻 第10582号
SSKA
あぁるぴぃ 第100号 KANAGAWA 2021 autumn

令和3年度役員集合写真

私たち自身で
治療法の確立と
生活の質の向上を目指す

**この会報誌は「NHK歳末たすけあい」の配分金により作成しています。 **
JRPS神奈川

(表紙終わり)

あぁるぴぃ神奈川 第100号 目次

◆巻頭言
 2 会報誌100号発行にあたって
◆特別寄稿
 4 音声訳グループ「戸塚朗読会」
 5 進化する会報誌編集
◆特集記事
 7 会報誌の変遷【25年のあゆみ】

◆JRPS神奈川の活動
14 総合カレンダー
【開催予定】
15 得々講座「成澤 俊輔氏講演会」のご案内
18 第11回西湘地区交流会のお知らせ

【ご報告】
20 第26回定期総会の報告
21 医療講演会の報告
25 ミニ集会で『新型コロナウイルス感染体験談』をお聞きした報告

◆情報コーナー
26 JRPSカレンダー販売のご案内
27 会報誌編集部からのお知らせ
28 横浜戸塚西ロータリークラブ様の例会の報告と御礼
29 サキサキ先生の簡単パソコン活用講座(22)
33 ちょっと話してみませんか?(ピア相談のご案内)
35 読書の薦め

◆投稿コーナー
39 みんなの川柳・俳句・短歌
44 ウッチャンの落書きストーリー

◆編集後記
51 編集後記
       (表紙:令和3年度役員集合写真)

■巻頭言■

会報誌100号発行にあたって

会長 阿部 直之

 この度、JRPS神奈川の会報誌が100号を迎えることになりました。佐藤編集長に今までの会報誌の内容を変遷として纏めていただき、今回掲載しております。これを見ていただければわかりますが、1996年5月に創刊号を発行。そして1997年度からは年間4回の会報発行を24年以上もコンスタントに継続しております。
 会報の作成にあたっては、約2か月をかけて原稿の依頼から編集・校正、そして印刷と発送作業まで行います。そこには、編集長をはじめ、編集スタッフはもちろんのこと、原稿を投稿して下さる方々、編集した会報をチェックする役員たち、現在はコロナ禍で昨年夏からは印刷・製本を業者に外注していますが、それまでは県民センターにあるリソグラフを使用して印刷・製本も自分たちで行い、そして封筒への会報封入、郵便局への持ち込み、とすべてを自分たちの手で行っています。そこに携わる方々の熱意、努力、善意、協力などさまざまなベクトルが結集され、その地道な積み重ねが成し得た結果だと思います。会報発行に携わって下さった方々のご尽力に心から感謝を申し上げます。

 さて、会報誌100号はひとつの通過点でありますが、改めて会報誌の果たす役割はなんだろうかということを考えたときに、99号で佐々木さんが書かれていた「会報は会と会員・会員同士をつなぐ架け橋」は言い得て妙だなと思いました。治療法やQOLの情報はもちろんのこと、会の考えであったり、投稿者の思いであったり、そういう気持ち的な部分も共有できるような存在であればと考えております。
 JRPSのスローガンは「私たち自身で治療法の確立と生活の質の向上を目指す」ですが、「私たち自身の手で」という意味では会報発行作業は最たるものではないかと思います。実は私も初期のころに会報編集長として携わらせていただきました。会のスローガンに共感し、何か会に貢献できないかと思い、引き受けました。大変な作業ではありましたが、毎回無事に発行に漕ぎつけたときの安堵感、会員のみなさんにお届けした充実感は何物にも代え難い経験でした。

 神奈川の会員のみなさんにおかれましても「私たち自身の手で」会報に投稿して下さるでも良いですし、会報発行作業に携わってみませんか?ご協力いただける方、ご連絡お待ちしております。

●阿部編集長の担当期間
 ・1997年・4号〜2002年・25号


■特別寄稿■

音声訳グループ「戸塚朗読会」

飯村 さよ子・吹上 晴

 あぁるぴぃ100号 おめでとうございます。  ≪私たち自身で治療法の確立と生活の質の向上を目指すJRPS神奈川≫毎号この印象的な表紙の言葉から読み始めます。年4回発行で100号だと、25年ですね。編集担当の皆さま、お疲れさまです。素晴らしいですね。
 あぁるぴぃは、医療講演会の報告や、会員の体験談、情報コーナーの読書の薦めや、投稿コーナーの川柳・俳句など、内容がバラエティーに富んでいて、いろいろな刺激をいただき、勉強にもなり、すっかり楽しませていただいています。これからも、素敵な会報を期待しています。

 お手伝いを始めたきっかけなどを、とのことでしたが、そのころの担当者もすでに退会しているため、当会の会報「たより」や総会議事録などを調べたところ、20年前の2001年2月にあぁるぴぃ18号を60分カセットテープでお送りしたとの記録が残っていました。そして、2001年度から定期的にお送りし始めたようで、初回は25人、2003年には、30人の方にお送りしたとのことです。
 JRPS担当として岡本ひで子と堀内志津子が、その後、奈良富子も加わり、この3人で15年間お送りしていました。名前をお聞き覚えの方もいらっしゃることと存じます。とにかく1日でも早くと2人で半分ずつ読んで、すぐモニターして修正をし、4日以内にはお送りしていたとのこと。苦労したことといえば、内容によっては、涙をこらえるのが大変だったことくらいとのことでした。
 はじめは、カセットテープだけだったのが、2008年2月には、テープとデイジーCDの両方をお送りし始め、2011年にはテープ25人・CD20人でしたが、その後、現在の2人が担当になった2017年には、テープ10人・CD39人となり、今では、テープは3人だけになりました。
 実際の作業も、カセットデッキでの録音から、パソコンでのデジタル録音になり、モニターも、インターネットで自宅にいながらデータをやり取りできますので、格段に便利になりました。修正もカセットテープのころと比べてとても簡単になりました。20年の時代の流れを感じます。

 JRPS神奈川の皆さまからは、CDコピー機を貸与という形でご支援いただいたり、毎年お礼としてご寄付いただいたり、いつも本当にありがとうございます。
 風邪をひいてひどい声でご迷惑をかけないように、難しい医療用語で舌をかまないように、体調管理には十分気をつけて、これからも音声訳を通してほんの少しでもお手伝いできればと思っております。

■進化する会報誌編集

役員 田中 和之

 「しめた!これで完璧だ」と思った。
 佐々木さんから会報誌編集を引き継ぐために開いた最初の打ち合わせ。私とは別に編集に手を挙げた女性を紹介された。患者会員の守下さおりさん。聞けば、デザイナーであるという。守下さんがデザイン・制作、私が編集を担当することになった。編集長が交代したら、多くは誌面刷新を実施する。いわば自分のカラーを出すわけだ。私も引き継ぐに当たって、それまでの会報誌の良さを生かしつつ、おおまかなプランを描いていた。表紙デザイン・レイアウトの変更、コラムの新設・入れ替え、作業手順の見直しなどだ。なかでもっとも重要だと位置付けたのが、会報誌の「顔」ともいえる表紙デザイン。その意味で、守下さんは力強いパートナー。いや神様だった。

 新しい表紙は写真をメーンに置き、タイトルにはJRPSロゴをベースにあしらった。記事を掲載する中面も、コーナータイトルや見出しが強弱をつけてレイアウトされている。さすがの出来栄え。デザイン用ソフトを使わず、よくここまでできたと驚いた。
 表紙と合わせて少しずつリニューアルを進めた。だが私が担当するいわゆる編集作業は予想以上に大変だった。いただいた原稿は、文章の手直しのほか、事実関係の確認、表記揺れの修正などを実施する。しかし、細かい校閲作業が追い付かない。当時はまだ現役で働いていた。いまだから告白するが、なんで目の悪い自分がこんなに目を酷使してまでやるのか、と自問することも度々。そんなこともあり、校閲はピンポイントで済ませると割り切った。会員からの投稿は基本的にすべて掲載するように努めた。海外駐在時に体験した釣行記、NHK大河ドラマにまつわる幕末史解説など個性豊かな力作投稿が相次いだ。
 同じ病を抱える仲間のために役立ちたいと考えて引き受けた会報誌編集。力不足もあって苦労はしたが、やりがいがあり、楽しかった。
 守下さんの力作である表紙は文字通り会報誌の「顔」となっている。また他の都道府県支部の会報にも使われている。「みんなの川柳・俳句・短歌」「読書のススメ」「巻頭言」など、新設したコラムも続いている。
 反省点は多い。総ページ数が60ページを超え、印刷作業などで多くの迷惑をかけた。また、制作を担当していた守下さんが編集を離れたあと、私だけで編集・制作したことも。一人の力では限界がある。前述したように作業量が多いと誌面の質も保てない。私の後を引き継いだ佐藤さんは複数のスタッフによる分業化や誌面のスリム化などに取り組み、現在も改善を続けている。この記念すべき第100号から中面レイアウトデザインも見やすく、かつ制作しやすいように刷新した。ご自身がこれまで培ってきた知見とネットワークを生かして司令塔の役割を担っている。
 会報誌編集は進化を続けているのだ。今後、テクノロジーがさらに進展し、社会・経済も大きく変わることは間違いない。この後どんな人が編集にかかわり、どう変革していくのか。編集OBとして楽しみにしている。

●田中編集長の担当期間
・2008年・48号〜2015年・76号

■特集記事■

会報誌の変遷【25年のあゆみ】

編集部 佐藤 孝

 JRPS神奈川が発行する会報誌が100号の発行を迎えることになり、その発行を記念し、創刊から25年の歴史を皆様にお伝えできればと、主要なイベントなどを拾いあげてみました。誌面の関係で限られた記事しか掲載できませんでしたがお許しください。ご興味のある方は当協会ホームページでご確認ください。
                    (敬称略)

番号 発行年月 主たる活動記事
記事タイトル
代表・講師 所属等 編集長
創刊号 1996.5 第三回JRPS定期総会開催について 中村 善晄 支部長 須貝 守男
2 1996.9 神奈川支部設立集会(第一回総会)のお知らせ
3 1997.5 「視覚障害者への家族のサポート」講座開催 中村 泰三 七沢ライトホーム
4 1997.8 「中途視覚障碍者の進学と就労」講座開催 神崎 好喜 横浜市立盲学校 阿部 直之
5 1997.11 第一回JRPS神奈川杯(ボーリング)開催 交流会
6 1998.2 JRPS神奈川合宿交流会(inn石和温泉)開催 交流会 石和温泉
7 1998.5 コンピューター教室開催 日本IBM他の協力
8 1998.8 保健所開催の講演会・相談会開催 神奈川県、横浜市 各保健所
9 1998.11 ガイドヘルパー養成講座に支部から講師派遣 内田、小泉、坂上 支部役員
10 1999.2 視覚障害者総合福祉機器展開催(日本初) 企業出展 横浜ラポール於
11 1999.5 神奈川県ロービジョン連絡会設立のお知らせ
12 1999.8 神奈川県ライトホーム1日体験入所のお知らせ ライトホーム
13 1999.11 「網膜色素変性症と白内障」講演会開催 仲泊 聡 神奈川県リハ病院
14 2000.2 第2回視覚障害者総合福祉機器展開催 企業出展 ウィリング横浜
15 2000.5 第6回JRPS本部総会のお知らせ 本部 都高齢者就業センター
16 2000.8 「遺伝子治療のインターネット情報」講演開催 仲泊 聡 神奈川県リハ病院
17 2000.11 神奈川ロービジョンネットワーク発足のお知らせ 高野 雅彦 代表世話人
18 2001.2 JRPS神奈川支部合宿交流会のお知らせ 日光温泉
19 2001.5 ウッチャンの特別企画「陶芸一日体験教室」 内田 知 役員
20 2001.8 第7回世界網膜の日開催(世界大会のプレ) 神奈川支部 横浜市健康福祉総合センター
陶芸クラブ発足のお知らせ 内田 知 役員
21 2001.11 第12回国際網膜世界会議参加の募集 千葉幕張プリンスホテル 神奈川支部
22 2002.2 ロービジョンケアルームがオープン 梅の木眼科
23 2002.5 国民年金・厚生年金保険障害認定基準の改定 支部会報誌
24 2002.8 カラオケ交流会からのお誘い ピアッツア「ミカド」 関内店
25 2002.11 神奈川支部女性部「つくしの会」設立 山内 則子 女性部代表
26 2003.2 アイフェスタin横浜開催のお知らせ ウイング横浜 上大岡 佐々木 裕二
27 2003.5 「白杖歩行体験講座」開催 中村 泰三 七沢ライトホーム 佐々木 裕二
28 2003.8 七沢ライトホーム1日体験入所のご案内 ライトホーム 厚木市
29 2003.11 第9回神奈川ロービジョンネットワーク研修会開催 横浜アーバンカレッジ
30 2004.2 「第9回中途視覚障害者のつどい」開催 県ライトセンター 県視覚障害者福祉協会
31 2004.5 萩生田千津子さんの講演と民話の語り 萩生田 千津子 女優
32 2004.8 知って得する年金セミナー開催 社会保険事務所 県民センター
33 2004.11 「アイフェスタ2004in横浜」開催 企業出展 ウィリング横浜
34 2005.2 「誘導の仕方・され方」講座開催 中村 泰三 七沢ライトホーム
35 2005.5 支部設立10周年記念チャリテーペリカン寄席 柳家小満他 関内ホール
36 2005.8 ホームページ作成チーム募集のお知らせ 佐々木 裕二 役員
37 2005.11 「日常生活で困ること・・その工夫」セミナー開催 赤塚 亜矢子 七沢ライトホーム
38 2006.2 ロービジョン研修会開催 西田 朋美 聖隷横浜病院 宮村 聡
39 2006.5 「眼の難病今できること」講座開催 簗島 謙次 国立リハビリテーションセンター
40 2006.8 神奈川支部ホームページ公開のお知らせ 岩佐 浩司 役員
41 2006.11 第3回関東地区リーダー研修会の報告 佐々木 裕二 支部長
42 2007.2 「網膜色素変性研究の現状と諸問題」講演開催 森 圭介 埼玉医科大
43 2007.5 パソコン教室のご案内 佐々木 裕二 支部長
44 2007.8 秋の盲導犬体験講座のお知らせ 日本盲導犬協会 神奈川訓練センター
45 2007.11 支部会報誌デイジー版受付のお知らせ
46 2008.2 お知らせ「支部会計・細則」制定について 佐々木 裕二
47 2008.5 チャネルロドプシンを用いた視覚再生の現状と今後の課題 富田 浩史 東北大学
48 2008.8 「知って得する障害年金」講座開催 新井 愛一郎 NPOタートル 田中 和之
49 2008.11 網膜色素変性症の白内障手術に対する考え 林 孝彰 東京慈恵会医科大学
50 2009.2 インターネットの「治療法詐欺にご注意」 情報コーナー
51 2009.5 網膜色素変性症 京都大学眼科の取組み 大谷 篤史 京都大学
52 2009.8 世界網膜の日横浜開催 支部事務局 県民ホール
アッシャー症候群の医療講演会を開催 中西 啓 浜松医科大学
53 2009.11 初めての出前“RP”セミナーを相模原市で開催 支部役員 橋本於
54 2010.2 つくしの会「県立四季の森公園散策」
55 2010.5 網膜色素変性治療に向けての最近の進歩 菅原 岳史 千葉大学病院
56 2010.8 第2回クライミング体験会のお誘い 平塚盲学校
57 2010.11 患者と家族のセミナーを1月に開催 森 旅宇子 和田町眼科クリニック
58 2011.2 カラオケ交流会のお知らせ 3月・6月に開催 ビッグエコー 関内
59 2011.5 人工網膜世界の現況 不二門 尚 大阪大学
60 2011.8 単独歩行のための実践的基本動作を(白杖講習)学ぶ 中村 泰三 七沢ライトホーム
61 2011.11 一泊新年会のお誘い 横浜あゆみ荘
62 2012.2 アイフェスタ2012in 横浜』開催のお知らせ 企業出展 ライトセンター
63 2012.5 iPS細胞を用いた網膜再生医療 高橋 政代 理化学研究所
64 2012.8 「アイキャラバンin沖縄」応援ツアーのお誘い 沖縄支部
65 2012.11 神奈川支部のメーリングリストができました 佐々木 裕二 役員
66 2013.2 視覚障害者の防災を考える会(3.11当日) ニッポン放送報道部 日本点字図書館
67 2013.5 網膜色素変性に対する新しい治療法開発 池田  康博 九州大学病院 田中 和之
68 2013.8 第2回働く世代のおしゃべり会開催 伊藤 つえみ 役員
69 2013.11 第11回 “RP”出前セミナーの報告 幸区 川崎市
70 2014.2 当協会顧問の青木先生による講演会開催 青木 繁 眼科医院長
71 2014.5 網膜色素変性に対する臨床試験について 山本 修一 千葉大附属病院
72 2014.8 セミナー「全盲弁護士の夢のかなえ方」 大胡田 誠 弁護士
73 2014.11 ロービジョンセミナー開催のお知らせ 県ライトホーム 県民センター
74 2015.2 アイフェスタ開催のお知らせ 企業出展 県ライトセンター
75 2015.5 最近の網膜変性疾患に対するアプローチ 小沢 洋子 慶應義塾大学
76 2015.8 「子育て世代の女子会」の報告 伊藤 つえみ 役員
77 2015.11 知っておきたい視覚障害者の法律知識全盲弁護士) 竹下義樹 弁護士・日本盲人会連合 会長 佐藤 孝
78 2016.2 アロマ教室(アロマで生活の質の向上を) 後藤 実己 県民センター於
79 2016.5 硝子体投与アプローチからの網膜色素変性の遺伝子治療
※2016年4月28日日本網膜色素変性症協会(JRPS)が公益社団法人として内閣府から認可される。
五十嵐 勉 日本医科大学
80 2016.8 JRPS神奈川設立20周年記念式典、11/27に開催 ホテルキャメロットジャパン横浜 横浜
記念冊子「生活の知恵(ダイジェスト版」発行 剱持 智子 家族会員
81 2016.11 網膜色素変性症の白内障手術に対する考え 林 孝彰 東京慈恵会医科大学
もうまくサポーター募集 JRPS本部
82 2017.2 アイフェスタ2017in横浜開催のお知らせ 企業出展 県ライトセンター
83 2017.5 網膜色素変性症に対する、新規神経保護治療法開発研究 池田 華子 京都大学病院
84 2017.8 網膜色素変性症に対する眼科医たちの挑戦 菅原 岳史 千葉大附属病院
85 2017.11 ミュージックパーティー2018(チャリティー) 内田 知 役員
86 2018.2 会報誌文字サイズが変わりました(16p→14p) 佐藤 孝 編集部
暗所用電子メガネが開発されました HOYA(株)
87 2018.5 網膜色素変性症の治療戦略の開発に挑む
※JRPS神奈川会長の佐々木裕二氏がJRPS(本部)理事長に就任
渡辺 すみ子 東京大学
88 2018.8 地区交流会(西湘地区、県央地区)開催 役員 小田原、相模原
89 2018.11 視覚障害者向け防災セミナー開催 白崎 正彦 支援会員
90 2019.2 「全盲の私が家族を作る時」講演会開催 大胡田 亜矢子 歌手等
91 2019.5 網膜色素変性に対するリードスルー薬の開発 前田 亜希子 神戸アイセンター病院
92 2019.8 つくしの会「落語観賞&ランチ会」開催 塚本 理恵子 代表世話人
93 2019.11 『患者のつどいin川崎市幸区』の報告 役員 幸区
94 2020.2 ※新型コロナウイルス感染拡大により予定事業中止
95 2020.5 ※新型コロナウイルス感染拡大により墨字版発行中止
働く世代のセミナー&懇親会の報告 東京・ユース共済 東京於
96 2020.8 「社会モデルの考え方を知っておこう!」 小泉 暁美 View-Net神奈川
97 2020.11 遺伝子検査のメリットとデメリットについて 堀田 喜裕 浜松医科大学
98 2021.2 分岐鎖アミノ酸を用いた網膜色素変性症の新規神経保護治療に向けた取り組み 長谷川 智子 京都大学
99 2021.5 「網膜再生医療の動向」講演会開催 高橋 政代 (株)ビジョンケア
100 2021.8 3歳でRPがわかった僕の人生と働き方のとらえ直し 成澤 俊輔 (株)YOUTURN取締役
(変遷の表終わり)

■JRPS神奈川の活動 

総合カレンダー

◆9月予定
9月9日(木) 令和3年度 横浜市瀬谷区難病講演会【中止】 
   ★新型コロナウイルスの感染拡大により、講演会は中止となりました。
9月12日(日) オンライン(ZOOM)ミニ集会 13時〜
◆10月予定
10月9日(土)※得々講座「成澤 俊輔氏」講演会 13時30分〜        神奈川歯科大学附属横浜研修センター 7階大会議室
       (オンラインも併用)
       ※申込制になります。詳細は本文をご覧ください。
10月23日(土)※第11回 西湘地区交流会 10時〜
          おだわら市民交流センターUMECO(ウメコ)1階

◆11月予定
11月14日(日) ミニ集会 13時〜 711ミーティングルーム
11月28日(日) 会報発送作業

◆12月予定
12月12日(日) ミニ集会 13時〜 711ミーティングルーム
 ※この印の項目は、記事が掲載されています。

★コロナ情勢により、予定は変更される可能性があります。詳しくは当協会 のホームページをご確認いただくか、下記連絡先まで照会願います。
<連絡先>阿部 *******
     溝田 ******

●ミニ集会および会報発送作業の会場
(かながわ県民センター:電話045−312−1121)は、横浜駅西口からヨドバシカメラのビルに向かって進み、その手前の横断歩道を渡ったら、右に曲がります。100メートル程進んで、高速道路の先の信号のある交差点の左角の建物です。点字ブロックが駅から敷設されています

得々講座「成澤 俊輔氏講演会」のご案内
〜3歳で網膜色素変性症がわかった僕の人生と働き方のとらえ直し〜

役員 佐藤 孝

 皆様、JRPS神奈川が主催する講演会のお知らせです。幼少期に網膜色素変性症を患い、病気を受け入れその後、学生時代に独立し、現在も経営者として社会の一線で活躍されている若きリーダーの成澤 俊輔氏をお招きし、講演をお願いしました。
 この講演会で、病気に対する向き合い方、困難を抱えて社会に貢献する勇気と行動力などについてお話が聞けると思います。是非、皆様の参加をお待ちしています。
 新型コロナウイルスの感染拡大により、今後どのような状況になるのか予測はつきませんが、10月に講演会を予定しています。講演開催の準備は感染対策を講じ、皆様の安全・安心を第一に考え、会場での参加とオンライン参加の選択制で開催します。
 詳しくは、下記をご確認いただきご参加くださるようお願いいたします。

【日時】令和3年10月9日(土)
【受付開始】13時
【講演会】13時30分開始
【閉会予定】15時

【会場】神奈川歯科大学附属横浜研修センター 
7階大会議室(120人収容)
※講演会は、会場参加とオンライン(Zoom)参加を予定しています。参加方法の説明は下段でご確認ください。

【演題】
「3歳で網膜色素変性症がわかった僕の人生と働き方のとらえ直し」
【講師】成澤 俊輔(なりさわ しゅんすけ)氏
<成澤 俊輔氏・プロフィール>
・佐賀県出身
・学生時代より株式会社ジェイブレインで経営コンサルティング・人材ビジネス全般を経験
・2011年12月より就労困難者の雇用創造に取り組むNPO法人FDAに参画し、約8年半経営をする中で2016年ハーバードビジネスレビュー「未来をつくるU40経営者」に選出
・2017年日本で一番大切にしたい会社大賞実行委員会特別賞を受賞
・2018年株式会社YOUTURN取締役に就任

◆成澤さんからのメッセージ
 現在僕は36歳で、十数年前に色や字がわからなくなり、視力を失いました。3歳で病気がわかり、どんどん障害は重くなっていますが、周りの人に助けられ、自分の人生や働き方に多様な選択肢が生まれてきました。
 一人でアフリカに出張したり、複数の会社の経営をしたり、自分では想像もつかなかったような人生を歩ませてもらっています。僕の考え方が、人との出会いや経験を通じてどのように捉えなおされたかをみなさんに共有しながら、みなさんの人生が前進するきっかけになることを願っています。

●参加費 会員無料 非会員500円(ヘルパー等介助者無料)
●定員  ・会場参加 先着60名(収容人員の半数)
     ・オンライン参加 先着80名
※オンライン参加(会員限定)
●申込方法
 次のA)かB)のいずれかをお選びください。
A)JRPS神奈川のホームページからの申し込み
◆ ホームページからは 「JRPS神奈川お問い合わせフォーム」より、以下の必要事項をご記入の上、送信してください。

※申込時の記載内容です。
------------------------------------------------
【タイトル】 得々講座の申し込み
10月9日参加希望
【本文】
1)会場参加 もしくは 2)オンライン参加
※1)会場参加の場合、誘導の要否をお知らせください。
誘導を希望される方に待ち合わせ場所、時間をお知らせします。
2)お名前、電話番号、居住地(例えば:横浜市)
------------------------------------------------

B) 電話でのお申込み
事務局(溝田:********)までお電話ください。

●参加方法
 お申込みいただいたメールアドレス宛に、当日にZoomのアクセスURLをお知らせいたします。3日経っても連絡がない場合は、お手数をお掛けしますが、お問い合わせフォームから確認してください。
◆オンラインに不安のある方
Zoom会議システムの利用が初めての方、不安のある方は10月2日(土)までにご相談ください。(JRPS神奈川会員のみ対応します。)

●申込締切日:令和3年10月2日(土)

◆注意事項◆
・本イベントは新型コロナウイルス感染症拡大等の関係で変更をする可能性がございます。当協会ホームページ等で最新の情報をご確認ください。
・会場は、可能な限り換気を行い、定員の半数を最大参加人数としています。
・手洗い、マスク着用の上、入室いただくようお願いいたします。
・当日、体調が悪い、微熱がある場合は、ご自身のため、周りの方にご迷惑をおかけしないためにも参加をお見送りください。
・参加人数多数の場合、付き添いの方の入室に関して、事前にご相談をさせていただく場合がございます。

**この講演会は「NHK歳末たすけあい」の配分金により開催します**

第11回西湘地区交流会開催のお知らせ

小田原市 井手 章

 新型コロナウイルスのワクチンの接種を皆さん済ませて終息を期待してのご案内です。今回も協会の指導により、お楽しみの「昼食」の時間はありません。昼食は交流会終了後に各自おとり下さい。
 第一部は、前回同様「講師佐々木さんによる勉強会」の続きです。また第二部は、3年前に企画した「回遊バス・うめまる号」を利用して(石垣一夜城・鎧塚ファーム・早川漁港・かまぼこ通りなど)の見学コースを企画していますのでご参加をお待ちしております。

◆開催要項
【日時】令和3年10月23日(土)10時〜12時30分
【会場】おだわら市民交流センターUMECO(ウメコ)1階
 【HP】 http://umeco.info/
【電話】0465−24−6611
     小田原市栄町1丁目1番27号
     小田原駅東口駐車場1階
     (小田原駅東口を右折100m先)   ※直接、会場へ行かれる方は、10時までに会場に入場下さい。
【お世話が必要な方の集合場所と時間】
 JR小田原駅東口の改札口前、集合9時50分
 (お世話役:田上さんがお待ち致します。)
【定員】先着20名
  ※会場の新型コロナウイルス対策の都合上、現時点では先着20名の予定ですが解禁の場合は先着36名になります。

◆交流会の内容
【第一部】
・10時〜12時30分(会議室7)
(1)10時〜11時10分
・挨拶、自己紹介、近況報告など
・医療関連、活動内容報告、行事予定、トピックス
(2)11時10分〜12時30分
・「講師:佐々木さんによる勉強会」
 患者と家族のハンドブックより、「網膜色素変性症」について
<目次>
●視覚障害者の概要(原因や原因疾患、症状について)
●福祉制度(日常生活用具や同行援護について)
●障害年金について
 前回同様、質疑応答のスタイルで進めますので日頃疑問に思っていることがありましたら是非ご参加下さい。
●12時30分 解散
 会場のレイアウト変更に前後10分ずつご協力をお願い致します。
 ※ご参考(昼食会場):昨年12月にオープンした、「ウメコ」横の総合ビル14階建て「ミナカ小田原」の3階に、フードコートがあります。ご利用下さい。

【第二部】13時30分〜16時00分(自由参加)
・(石垣一夜城・鎧塚ファーム・早川漁港・かまぼこ通りなどの)見学コース
回遊バス(うめまる号)(身体障害者手帳をご提示の方は無料、介助同行者の方は500円)
NPO法人小田原市ガイド協会様サポート

●16時 小田原駅 解散

◆事務局からのお願い
・当日はマスク着用でおねがいします。また、発熱・体調不良の方は参加をご遠慮下さい。
・会場には消毒用アルコールを準備していますが、ご自分用の携帯アルコールをお持ちの方はご持参下さい。
●新型コロナウイルスの蔓延による、自治体、協会より催事中止の発出の場合は、ML又は個人メールにてお知らせ致します。
連絡・申込先:井手 章
  こちらのフォームからご連絡下さい。

**この交流会は「NHK歳末たすけあい」の配分金により開催します**

第26回定期総会の報告

会長 阿部 直之

 新型コロナウイルス感染の影響がまだまだ収まらない状況ではありますが、今年は6月19日(土)、県民センター近くの神奈川歯科大学附属横浜研修センターとオンライン(Zoom)を併用して、午前に医療講演会、午後に定期総会を実施しました。コロナの影響が続く中、参加者がどれくらい来られるか読めない状況でしたので、今年も事前に会員の皆さまに議決行使書を送付し、回答いただいた分について議案毎に承認か否かを集計した上で、当日はその賛否結果について発表しました。

 今回は、議長に光法学さん、副議長に森研紀さん、議事録署名人に石井史子さんになっていただき、以下の通り全ての議案が可決承認されました。
 新型コロナウイルス感染がいつ終息するのかわかりませんが、会員の皆さまの安全に配慮しつつ、当協会の活動がスムーズに行われますよう、JRPSのスローガンを胸に邁進する所存です。引き続き、宜しくお願い申し上げます。

【審議結果】
 議決行使書回答数132名(過半数67)
 第一号議案 2020年度事業報告       賛成132、反対0
 第二号議案 2020年度収支決算報告 監査報告 賛成132、反対0
 第三号議案 2021年度事業計画(案)    賛成132、反対0
 第四号議案 2021年度収支予算(案)    賛成132、反対0
 第五号議案 代議員の選出(案)        賛成132、反対0

 なお、第四号議案につきまして下記の通り誤植がありましたので、総会の場でも申し上げましたが、この場をお借りして改めて訂正申し上げます。大変申し訳ありませんでした。

【2021年度収支予算】
 支出の部 2020年度決算
 次年度繰越金(誤) 571,095(正) 647,212
 支出合計  (誤)1,406,296(正)1,482,413

医療講演会の報告

役員 田中 和之

 定期総会に先立ち医療講演会を開催しました。ご登壇いただいたのは、株式会社ビジョンケアを設立し代表取締役社長に就任された高橋政代先生です。神奈川での講演は2012年以来。安全性だけではなく効果を判定する第2ステージに入ったiPS細胞による網膜再生医療についてご講演いただきました。紙幅が限られるため、その現状と今後の取り組みを中心にダイジェストしました。

「網膜再生医療の現状とこれから」
 株式会社ビジョンケア代表取締役社長 高橋政代先生

 思いもよらず社長になってしまいましたが、これは研究者として治療を作り出すにはどうすればいいのかを真剣に考え、たどり着いた結果です。
 会社をつくったのはなぜか。例えば、網膜色素上皮の治療をするというと、普通の創薬では製品から考えるので1種類の製品をなるべく多くの人に使ってもらおうとします。でも、それでは様々な状況の患者さんを治すことができません。同じ病名でも、患者さんによっていろんな病気のパターンがあります。
 私たちは網膜の外層の病気の患者さんならどんなタイプの疾患でも治したい。会社は、「すべての患者のためにあらゆる解決策を」というビジョンを掲げる神戸アイセンターの一部で、すべての網膜外層疾患の治療法を10年でつくることを目指しています。

 ここでまず網膜の外層とは何かを説明しておきましょう。網膜は眼球の奥にあって光を受け取り脳に伝えるところですが、最初に光を受け取る視細胞と、それをメンテナンスして生かしておく網膜色素上皮細胞の2種類の層を外層と呼んでいます。視細胞が受けた光のシグナルを網膜の内側の層である神経細胞にリレーして、さらに視神経を経由して脳まで伝えます。
 網膜の外層の視細胞と網膜色素上皮の層は血管もなく、2種類の細胞だけでできていて、網膜の内層に比べて単純です。最初に視細胞と色素上皮で着手したのはこのためです。
 2014年にiPSでつくった網膜色素上皮を加齢黄斑変性の方に移植し、自家移植の可能性とiPSの安全性を世界に示しました。第2弾として、他人のiPS細胞を使って網膜色素上皮細胞をつくっておけば、いつでも治療ができます。ここまでは網膜色素上皮でしたが、本丸ともいえる視細胞移植が去年始まりました。
 2014年の色素上皮の移植は加齢黄斑変性で実施したため、網膜色素変性の人は関係ないと思ったかもしれませんが、そうではありません。網膜色素変性は視細胞の数が減っていく疾患ですから、視細胞を補う視細胞移植が必要ですが、視細胞と網膜色素上皮はいわば持ちつ持たれつの関係で、片方が悪くなるといずれもう片方も悪くなる。どちらが始まりかは別として、最終的に両方悪くなる。ですから、網膜色素上皮の移植は網膜色素変性にもかかわるものなのです。1種類の細胞だけでは解決しないため、視細胞と色素上皮の臨床試験を平行して実施してきました。
 いま臨床研究では病名自体を見直しています。網膜色素変性や加齢黄斑変性はその昔、眼の奥を外から覗いて決めた病名です。その後、原因がわかってきて、例えば網膜色素変性でも視細胞が原因なのか、網膜色素上皮が働かないことが原因なのか、が遺伝子診断でわかってきています。
 病気や医療はジャングルの木のようにからみあい、複雑なのです。複雑ですが、網膜色素上皮が原因の人は病名にかかわらず治したい。実際の移植について少し詳しくお話しましょう。

 2014年の一例目は患者さんの皮膚からiPS細胞をつくって、そこから網膜色素上皮をつくって移植しました。いまは皮膚でなく、血液からiPS細胞を作ることができます。
 移植は、網膜の裏側に細胞を入れます。網膜の裏側(視細胞)と網膜色素上皮細胞の間に水を注入して水膨れ状態を作り、そこに移植細胞を注入するのです。細胞がいくらよくできても手術がうまくいないとだめですね。
 1例目はすでに6年たっていますが、移植した細胞は生き残っていて視細胞を維持していることがわかっています。視力も変わらず維持しています。この患者さんは手術までは注射の治療を続けても視力が下がっていましたが、手術で視力が維持できたと喜んでいます。  これまで合計で7例を実施していますが、いずれも予想通りの効果を上げています。
 2例目の臨床研究は他人の細胞ですが、免疫抑制剤を飲むと高齢者は副作用がでる可能性があるので、飲まなくてもよいように、骨髄移植のように白血球の血液型(HLA型)を合わせる方法で、他人の細胞でも拒絶反応がでないように予想してやりました。2番目の臨床試験も安全性を確認する研究だったので、視力に関してはそんなに上がることはないですが維持できています。
 加齢黄斑変性の場合は注射による治療がありますが、再発が多いので通常注射を繰り返すのですが、1例目のシート状の自家移植の場合は注射は不要となりました。2番目の臨床試験ではシートではなくばらばらの細胞(懸濁液・けんだくえき)を移植しましたが、多くの人で注射の回数が減っています。
 いまは第3弾の網膜色素上皮の移植をしていて、これは加齢黄斑変性ではなく、網膜色素上で治せる様々な病気をすべて対象とするという大規模なものになってきます。ここに網膜色素変性が含まれています。網膜色素上皮が悪いから網膜色素変性になる人がいます。網膜色素変性の中では稀ですが、そういう人が対象に入っています。

 網膜の外層すべてを治すというのは、網膜色素変性のためだけなく、網膜色素上皮が悪い人と視細胞が悪い人、すべてが入ります。いろいろな病気の人が入ってくるわけで、例えば、RP65などが原因遺伝子である網膜色素変性の方は網膜色素上皮を移植することで進行を抑えることができます。これまでの臨床研究と異なり、今回は5年間をかけて患者さんを募集しています。慌てる必要はありません。
 対象となるのは網膜色素上皮が悪い方、それと視力0・3以下がひとつの指標となっています。実際に今当てはまる方は、最初は0・01などかなり悪い方になります。
 このように何回も臨床研究をやるのは、再生医療は細胞あるいは製品ができても、それを医療にしていかなくてはならないからです。手術の手技、患者さんの選び方も大きく影響してきます。いわばトータルで医療にしなければならないのです。
 5年間かけて実施する臨床研究でもまだまだどういう方に最も効くのか、どのような細胞を移植すればいいのか、など日々一例一例で学びながら取り組んでいます。まだ治療と呼べる段階ではないのです。ですから研究に協力するという意識を持った方に参加していただきたい。ともすると、移植して落ち着いたら、「検査にはもう来ません」ということがしばしばおこる。そうなるとその方のデータは使えなくなります。そういう研究への協力ではなく、本当の治療をしてほしいという方は10年待っていただきたい。

 新しい技術が出現した際の期待と失望について考察した「ハイプ・サイクル」(米調査会社ガートナー)によると、あらゆる技術は想定よりも期待が高まってしまう。それに気づくのが10年あとで、バッシングの時期がきます。  iPSも山中伸弥先生がノーベル賞を受賞したあと期待が頂点に達し、現在はiPSはお金がかかるだけで思ったほど治療はできないという失望の声が聞こえ始めています。私はこういう状況はやがてくると予想していました。研究費は減らさせるかもしれません。ただし本当に必要な技術は生き残ります。かつて遺伝子治療もそうでした。iPSによる再生医療も必ず生き残り、成果を上げると確信しています。

**この講演会は「NHK歳末たすけあい」の配分金により開催しました**

ミニ集会で『新型コロナウイルス感染体験談』を お聞きした報告

役員 萩原 徹

 去る5月9日(日)に開催しましたミニ集会において、第2部として新型コロナウイルスに実際に感染された方の生々しい体験談を、皆さまとお聞きする機会を持ちました。
 当日は、東京においては緊急事態宣言、神奈川県においては蔓延防止等重点措置発出中で、オンラインでの開催となり、27名の参加となりました。
 第1部は、いつもの「かながわミニ集会」で、参加者の皆さまの自己紹介、近況報告、目の見え方の状況などについて、お話をいただきました。4月に入会され、初めてミニ集会に参加された会員の方もいらっしゃいました。  続いて第二部として、「コロナ体験を聞く会」の時間を持ちました。お話いただいたのは、逗子市を拠点とする音訳ボランティアグループ「やまばとの会」の佐藤様です。
 約33分のインタビューの録音をお聞きした後で、オンラインでの質問にお答えいただきました。発熱や発症の様子、頭痛や味覚嗅覚の消失、そして当初は陰性だったこと、病院での対応のやりとり、感染経路と家族の感染、時間の経過とともに増大する恐怖と鬱、後遺症への対応、神奈川県から生活用品の給付、自宅療養でも医療保健の入院給付金が支給されたことなどなど、生々しいお話でした。また、自分の感染経路から特に視覚障害者が気をつけなければならない点も話されています。
 個人的には、発症した際に検査のため病院に行くとき、公共交通機関を利用せず、自家用車がない私などはどうなるのかなと思いました。また、PCR検査も療養が終了するときは行わないというのはビックリしました。
 現在もJRPS神奈川のホームページの会員専用ページで録音をお聞きすることができます。聞き逃した方は是非お聞き下さい。

JRPSカレンダー販売のご案内
〜締め切りは、9月26日です〜

役員 伊藤 つえみ

 今年もJRPSオリジナルのユニバーサルカレンダーが発売されます。黒地に白文字のとても見やすい大判のカレンダーです。メモ欄も付いています。購入ご希望の方は忘れずにお申し込みください。

●JRPSオリジナルカレンダー
黒字に白文字のカレンダーの写真です。
【サイズ】
 約縦55cm×横38cm、12枚

【価格】1部=1,000円
 (郵送の場合は1,610円)

【注文締め切り】9月26日(日)

【注文先】伊藤 つえみ
  こちらのフォームからご注文下さい。
【お渡し日程】
 10月以降の当会の会場開催イベントで、代金引換にて手渡し(要事前連絡)。
 郵送は、11月末を予定しております。
 ※新型コロナウイルス感染拡大状況によっては、全て郵送となる可能性があります事、ご承知おき願います。

会報誌編集部からのお知らせ
〜会報誌の文字フォントの変更・編集スタッフのご紹介〜

編集部 佐藤 孝

 皆様、JRPS神奈川が発行する会報誌をご愛読いただき、ありがとうございます。
 今回、会報誌書式の変更、会報編集のスタッフのご紹介についてのお知らせです。詳しくは下記でご説明します。

●会報誌書式の変更について
 会報誌を墨字版(印刷物)でご覧になる方にお知らせです。会報誌の変更内容は以下の通りです。
1)文字フォントの変更
 文字がより見やすくなるよう今までのMSPゴシックからメイリオに変更しました。メイリオは「明瞭」が名前の由来となっているフォントであり、視認性、判読性が評価されて、鉄道のサインシステムや、高速道路の案内標識に採用されています。
2)会報誌レイアウトの一部変更について
 編集作業の容易性を高めるため、目次や各記事のタイトルの表示を、簡略化しました。また、目次下の見出しは廃止しました。

●会報誌編集スタッフのご紹介
 99号会報編集時での、編集のお手伝いをしていただいているスタッフをご紹介します。森沖実央さん(ボランティア)、吉田明美さん(支援会員)、剣持智子さん(家族会員)、小田勇人さん(患者)と私、佐藤の5人体制でした。今号から長年お手伝いいただいていた剣持さんが引退され、新たに齋藤雅之さん(家族会員)に加わっていただいています。なお、小田さんも今号を最後に引退されます。お二人には長年お手伝いいただき、本当に感謝申し上げます。ありがとうございました。

◆齋藤雅之さんの自己紹介です。
 2019年4月に会員になりました。ボランティア活動やこういった団体に所属することは初めての新米です。よろしくお願いいたします。
 なかなかイベントにご参加することできない方は会報誌で繋がっていると思います。会報誌を待ち望んでいる方のためにも少しでもお役に立てられればと思い、この度、会報誌編集スタッフに加わらせて頂きました。今後は、日常において道案内等サポートできるスキルを身につけたいと思っています。

横浜戸塚西ロータリークラブ様の例会の報告と御礼

中郡二宮町 板嶌 憲次郎

 2008年から長きにわたり当協会をご支援いただいております横浜戸塚西ロータリークラブ様(以下、戸塚西RC)の4月12日(水)の例会に参加させていただき、本年も多大なるご寄付を頂いてまいりました。
 戸塚西RC様におかれましては、2009年の世界網膜の日 IN 神奈川2012年に横浜ラポールで行われたチャリティーコンサートの際にも物心共にご支援いただきました。例会では現在の治療方法の状況をお話しさせていただきました。iPS細胞をはじめとする再生医療や遺伝子治療、投薬による進行抑制治療などについて、報道ではとても前向きなことが書かれていますが、「実は私たちの目が元通りになるほどの治療ではないこと」、「しかしながら、着実に前進していること」、「JRPSが発足した約30年前には全くのゼロスタートだったのがここまで様々な治療方法のアプローチが進んでいること」、「それは間違いなく皆様のご支援のおかげであること」をお話させていただきました。またちょうどその時期は、iPS細胞を用いた新たな再生治療のアプローチが発表されたこともあり、戸塚西RC様の会員様より質問をいただきました。
 このように、私たちの疾患に対して意識を向け心を寄せていただけていることは本当に心強くありがたいことだと感じました。
 最後にこの場をお借りして、横浜戸塚西ロータリークラブ様に対し深い感謝の意を表すとともに今後ともご支援ご鞭撻賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 患者の皆さん。このように私たちを応援してくださっている方々は実は周りにたくさんいらっしゃいます。日々いろいろなことがあるでしょうが、みんなで頑張っていきましょう。

サキサキ先生の簡単パソコン活用講座(22)
〜Microsoft EdgeをPC-Talkerで使う〜

役員 佐々木 裕二

 2月の記事で「Internet Explorerから新しいブラウザーへ乗り換えが必要になります」と書きましたが、今回はMicrosoft Edge(エッジ)の音声環境=キーボード操作による基本的な使い方についてご紹介します。ただし、Edgeのバージョンや設定によって操作が異なりますのでご了承ください。

●Edgeのキーボードショートカット

  

機能操作
メニューを開く Alt + F
または、F10 →  Enterキー
アドレスと検索バーに移動F4 または Ctrl + L
お気に入りメニューを開く
(このショートカットがない場合があります)
Ctrl + Shift + O
お気に入りに登録 Ctrl + D
新しいウィンドウでリンクを開くリンクで Shift + Enterキー
ウィンドウを閉じる Ctrl + F4
履歴を開く Ctrl + H
表示を拡大 Ctrl + +
表示を縮小 Ctrl + −
拡大・縮小をリセット Ctrl + 0(ゼロ)

●PC-Talkerの便利なコマンド(マニュアルはマイサポートをご覧下さい)

  

テキストを選択 Ctrl +Shift + 左右矢印キー
選択文字列をコピー Ctrl + C
読み上げた項目をコピー Ctrl + Alt + M
次の見出しに移動H
(見出しをジャンプでき便利です)
次のテキスト入力
E
(検索ボックスなどへジャンプでき便利です)

●Internet Explorerの設定を引き継ぐ方法

 使い慣れたInternet Explorerのお気に入りやクッキー(Cookie)、パスワードなどをインポートして引き継ぐことができます。

 @Ctrl + Shift + O キーを押してお気に入りメニューを開く
 A上矢印キー で その他のオプション を選択→ Enterキー を押す
 Bお気に入りのインポート→ Enterキー を押す
 Cインポート元○○ で Enterキー を押す
 DShift + 上下矢印キー → Microsoft Internet Explorer → Enterキー を押す
 Eインポートする項目を選択してください で希望の項目にチェックを入れる(通常は全てチェックしてかまいません。)
 Fインポートの確認 で Enterキー を押す
 G完了と読み上げたら、 Ctrl + F4 でタブを閉じて終了

●WEB検索の方法

 @F4 または Ctrl + L でアドレスと検索バーに移動する
A キーワードを入力し、 Enterキー を押す   →既定の検索エンジンでWEB検索される

●既定の検索エンジンの変更方法

 @Alt + F で 設定など を開く
 A設定 を選択
 Bプライバシー、検索、サービス を選択
 Cアドレス バーと検索 を選択
 Dアドレス バーで使用する検索エンジン で検索エンジンを変更
   →検索エンジンを変更することができる

●現在のページをお気に入りに追加する方法

 @Ctrl + D → お気に入りの追加ウインドウが開く
 A名前とフォルダーを確認する
 ※フォルダーは Alt + 上下矢印キー で変更できる
 ※新しいフォルダーを作成する場合
  詳細ボタンを押す → フォルダーを作る場所を指定→ 新しいフォルダーボタンを押す → フォルダーに名前を付けて保存する
 B完了ボタンを押す
  →現在のページをお気に入りに追加することができる

●お気に入りのページを開く方法

 @Ctrl + Shift + O でお気に入りメニューを開く
A 下矢印キーで進むと作成したフォルダーが読み上げられる
  (フォルダーは Enterキー で開き、お気に入りが表示される。
  開いているフォルダーは Enterキー を押すと閉じる。)
 Bお気に入りのページを選択
 CEnterキー を押す
  →選択したお気に入りのページが表示される。

●お気に入りを整理する方法

 登録したお気に入りが増えてくると探し出すのに時間がかかるようになります。そこで、フォルダーを作って分類し、見つけやすくします。

・マウスを使用する手順
 @お気に入りボタン→お気に入りをクリック
 Aお気に入りのフォルダーツリーとリストが表示される
 Bドラッグ&ドロップで整理
    (新しいフォルダーの作成や名前の変更、削除もここから行える)

・キーボードのみで操作する手順
 @Ctrl + Shift + B でお気に入りバーを表示
 AAlt + Shift + B でお気に入りバーを選択
 B左右矢印キー でフォルダーを選択
 C下矢印キー でフォルダーの中に入る
  (フォルダーの中に更にフォルダーを作っている場合は、右矢印キーで開くことができる)
 D操作したいお気に入りを選択
 Eアプリケーションキー(注釈1)を押し、コンテキストメニュー(右クリックで開くメニュー)を開く
 Fコンテキストメニューの中に、切り取り、コピー、貼り付け、削除、フォルダーの追加などのコマンドがあるので、目的の操作を実行する
  →これを繰り返してお気に入りを整理する

 注釈1)アプリケーションキーとは、四角の中に横線が3本入っているイラストのキーのこと。PCによってはアプリケーションキーがないこともある。
・右側の Ctrl キーの左隣にある
 ・ノートパソコンではFn キーと組み合わせることが多い
 ・ Shift + F10 キーで代用できる場合がある

★Windows11が発表されました!

 6月25日、年内後半に「新しいWindows11がリリースされる」と発表されました。タッチ操作でより使いやすくなったデザイン、Teamsの統合、アンドロイドアプリが使えるようになるなど大きく進化しているようです。Windows10からのバージョンアップは無償ですが、お手持ちのPCが対応しているかどうかは以下のサイトのチェックアプリを使って確認してください。
  新しい Windows 11 OS へのアップグレード
    https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-11


ちょっと話してみませんか?(ピア相談のご案内)

心理相談員 板嶌 憲次郎

 ピア相談とは、同じ境遇の人が悩みを抱えている人のお話を聞かせていただき、少しでも心を軽くお互い前を向いていきましょう、というものです。
 同じ病気だからこそ共感しあえることがたくさんあるはず。そしてそれは次への一歩につながると私たちは信じております。あなたも心の奥底にある悩みを言葉にして吐き出して、少しでもこころを軽くしてみませんか。

 私は、現在特定非営利活動法人 神奈川県難病団体連絡協議会(神奈川難病連)のピア相談員を行っております。ここでの「ちょっと話してみませんか」の活動は、私がJRPS神奈川内で個人的に活動させていただいておりましたが、今後は「ちょっと話してみませんか」の活動を神奈川難病連のピア相談事業(予約制)に一本化させていただきます。
 また、神奈川難病連のピア相談員には私のほかにJRPS会員でRP患者である石井史子さんも在籍しており、今後は2人体制でお話を聞かせていただきます。
 予約方法は下記に示す申し込み先にご連絡下さい。追ってこちらからご連絡差し上げます。その際、相談員の希望がありましたらご遠慮なく申し伝え下さい。なるべくご希望に沿った形にできればと考えております。
 皆様からのご連絡をお待ちしております。

※ご相談の内容・個人情報については「守秘義務」を厳守いたします。
【対象】RP患者とそのご家族
■ピア相談員
・石井 史子 病歴約30年
・板嶌 憲次郎 病歴約30年
【ピア相談 申し込み先】 神奈川難病連事務局
  受付日時:月〜金 11時〜16時
  電話:045−651−0258
  (緊急事態宣言発令中は不在が多いため下記携帯電話にお願いします)
  携帯番号:080−9039−5428

 また、神奈川難病連では、難病患者同士のおしゃべり会「難病カフェ」を開催しております。こちらもお気軽にご参加ください。お待ちしております。

■難病カフェ
 かながわ県民センター15階、県社協第一相談室をお借りして開催の予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の為現在は対面での開催を控えています。そのためオンライン(Zoom)で実施しています。
日時:毎週火曜日・第3土曜日 13時〜15時
申込:難病連HPの「難病カフェ・ピア相談 オンライン申込」のコーナーから申し込んでください。
 前日までにオンライン招待状をお送りします。お気軽にご参加ください。お待ちしております。
 対面・オンラインの実施は新型コロナウイルス感染症の状況により、今後変更する場合があります。HPをご覧いただくか、電話でお問い合わせください。

読書の薦め

横須賀市 内田 知

■『空の轍と大地の雲と』 山田 深夜(やまだ しんや) 著
 自衛官だった伯父に憧れ、陸上自衛隊に入隊した若者。だが、自衛隊の現実に幻滅して除隊を決め、辞表を出した直後にあの東日本大震災が起きる。
 未曾有の大災害を目の当たりにしながら、何も出来ずに除隊した後ろめたさを抱えた日々を送る若者に、バイク好きだった叔父の知り合いから北海道に来ないかと誘われる。叔父の形見とも言うべきバイクで、北海道へ向かう若者。
 北海道を旅するライダーたちと出会い、何気ない言葉を投げかけられる。旅先で起こる何気ない出来事やキャンプ場でのライダーたちとの一夜が、若者の心に変化を与えていく。ライダースーツに身を包み、見た目はワイルドでも、心の中は優しく自然を愛する者たちが、明日への道に迷った若者に何を教え何を伝えたのか。物語の中のライダーたちの飾らない言葉が、読む者の胸を熱くする。

■『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』
桜木 紫乃(さくらぎ しの)著
 北海道のとある町にあるキャバレーに、日々をなんとなく生きる若者が働いていた。そんな彼の働くキャバレーのショーに出演する3人がやってきた。「世界的有名マジシャン」「シャンソン界の大御所」「今世紀最大級の踊り子」。キャッチコピーだけは一流の売れないタレント3人。それぞれに切ない事情を持ち寄って、不器用な4人の1か月間の同居生活。若者は、初めて経験する笑いと暖かさに満ちた1か月を過ごす。
 だが、その生活も思いがけない事件とともに終わりを迎える。そして、物語のラストシーン。一つの情景描写に、重なる若者の繰り返される同じ言葉は、読む者に感涙の涙を流させる。

■『どてらい男(どてらい やつ) 第7巻 利殖篇』
■『どてらい男 第8巻 闘商篇』
■『どてらい男 第9巻 友商篇』
■『どてらい男 第10巻 雄飛篇』
■『どてらい男 第11巻 決算篇』 花登 筐(はなと こばこ) 著
 前号で紹介した本シリーズ。完結編となっていたので終わったと思ったらサピエに7巻目が登録された。そして、次々とシリーズが登録され11巻まできた。
 てことで、第二部のシリーズの紹介です。終戦後、モーヤンは商店の再建に取り掛かる。そして、モーヤンの前に立ちはだかる危機の連続。その危機をどう乗り切って行くのか。モーヤンの活躍を楽しまれたし。
 そして、どてらい男シリーズの最終巻となる11巻目、どてらい男の真の姿が描かれる。自分を支え続けて来た妻の急死。泣き叫び、もがき苦しむモーヤン。どてらい男が、どてらい男と呼ばれるようになるには妻の存在失くして語られない。妻を亡くして苦しむモーヤンの姿が描かれた11巻目。どてらい男を愛し続けた妻の姿を描いてシリーズは完結する。

■『聖の青春』 大崎 善生(おおさき よしお) 著
 難病のネフローゼに発症してしまった少年。少年は小学校にもまともに通えず、自分と同じように死と直面している仲間と闘病生活を送っていた。
 そんな彼の前に将棋というゲームが現れた。少年は夢中になって将棋を覚えた。こうして、少年はプロ棋士となる。プロ棋士となった少年の実力はあの天才棋士・羽生善治のライバルとなるほどの力を持っていた。
 純粋さの塊のような生き方と、ありあまる将棋への情熱。難病を抱えながら将棋界に入門し、名人を目指し最高峰のリーグ「A級」での奮闘のさなか29年の生涯を終えた天才棋士村山聖。ライバルたちとの友情・師匠と弟子の関係を超えた師弟愛。そして一番近くから彼を支えた家族を通して描く哀哭のノンフィクション。わが子が抱えてしまった病気は我が身のせいだと、すべての日常を犠牲にして天才棋士を支え続けた父と母。
 特に、原爆症の後遺症に苦しみながらも献身的な愛を注ぎ続けた母の姿が胸を打つ。将棋に興味がなくても一読の価値あり。
 
■『アンブレイカブル』 柳 広司(やなぎ こうじ) 著
 1925年、治安維持法成立。悪名高き特攻警察が、罪を捏造してまで捕まえようとした者たちがいた。「蟹工船」の取材と執筆に熱中するプロレタリア文学の旗手・小林多喜二。軍事政権下ともいうべき世相の中、反戦を訴える川柳を発表し続けた川柳作家・鶴彬。天才的な論考を発表し続ける稀代の哲学者・三木清。国家権力の非道にも屈せず、自らの信念を貫き通した者たちの戦いの物語。
 テーマも重たい、ラストも重たい。それでも、ウッチャンが最後まで読めた一冊として紹介させていただきました。日本の文学を、ジャーナリズムを、哲学を学問として学んだ経験のある方は一読の価値あり。

■『刑事に向かない女』
■『刑事に向かない女 2 違反捜査』
■『刑事に向かない女 3 黙認捜査』 山邑 圭(やまとも けい)著
 警察行政職員を目指していたはずが、意図せず警察官となったしまった女。仕事に身が入らないはずが、交通課で思わぬ優秀さを発揮して主人公は刑事課に異動となってしまう。
 そんな彼女の初仕事は、都内で女性の刺殺体が発見された事件の捜査だった。刑事の仕事がいやでたまらない主人公が事件の裏にある闇を暴くのが1作目。
 そして2作目は、杉並区のマンションで起きた絞殺事件に駆り出された主人公。殺害された被害者の左耳が切り落とされていた。こんな現場に遭遇するから刑事はイヤだと思う主人公。さらに、コンビを組まされた若手刑事が身勝手な動きを見せる。相棒となった刑事の行動に困惑しながらも主人公は、事件の真相を追う。刑事になりたくない女刑事が掴んだ事件の真相とは?
 3作目、元警察官の首吊り死体が発見された。元警察官は、強制わいせつ罪で服役し、出所したばかりだったという。現場の状況から自殺として処理しようとする警察。だが、主人公は言葉で説明できない違和感を感じて他殺を疑い捜査を開始する。同時期に、警視庁副総監に呼び出された捜査一課の刑事は、ある人物を内偵調査することを命じられる。
 二人の捜査が交錯し始めた時、事件は思わぬ方向へ展開していく。刑事の仕事がいやでたまらない主人公。果たして、そんな主人公が見い出した事件の真相とは?
 シリーズ4作、刑事になりたくなかった主人公の観察眼の鋭さを楽しまれたし。

■『あずかりやさん』
■『あずかりやさん 2 桐島くんの青春』
■『あずかりやさん 3 彼女の青い鳥』
■『あずかりやさん 4 まぼろしチャーハン』
大山 淳子(おおやま じゅんこ)著
 一日百円で何でもあずかってくれる風変わりなお店「あずかりやさん」。
店を訪れる客たちは、さまざまな事情を抱えて品物を預けていく。そんな不思議な店の店主は、全盲の視覚障害者の若者だった。
 2作目は、店主の若者が、なぜこんな奇妙な店を開いたのか?その理由を 描いた店主の盲学校時代の物語。2作目以外は、店に訪れたお客たちとの交流を描いている。この描き方がなんとも胸に沁みる。
 物語を語るのは、店に置かれている品物たち。店先でかかげられているのれんが、流れ流れて日本に辿り着いた古いオルゴールが、店主が座っている座布団が、預けられたままの猫が、古い黒電話が、などなど…
 物言わぬ者たちが店主を語り、物語を作っていく。ちょっとしんみり、心が温かくなる連作短編集4作。最新作の4作目は、品物を預けに来たお客がすごい。高倉健、緒形拳、石原裕次郎。この3人が預けに来たある物とは?
 最新作の、3人の大スターが登場する短編を読んでから1作目を読んでも胸に沁みる感動は変わらない。

■『天に星 地に花』 帚木 蓬生(ははきぎ ほうせい) 著
 時代背景は江戸時代、物語の舞台は九州。
 九州は久留米藩領のある村で、大庄屋の次男として生まれた少年が生死に関わる病気を発症。その病気から救ってくれた医者に弟子入りして、独り立ちできる医師になるまでを描いた歴史時代小説。
 藩主の悪政に苦しむ百姓たち。百姓一揆を命がけで食い止めた若き家老。日照り続き、大雨続きと悪天候に不作続きで苦しむ百姓たち。周囲の者たちのわずかな喜びと、多くの苦しみを抱えながら生きる姿を見ながら少年は成長していく。
 作品名(『天に星 地に花』)の言葉は父から伝えられ、二人の人物から言葉の意味を教えられる。オランダから伝わった西洋医学・中国と日本で生まれた東洋医学と薬学。出産から歯の治療まで、病気と名の付く病気を治療していた医者がいた。それも貧困に苦しむ者たちのために。そんな、師の姿の後ろ姿を見ながら少年は、師の心を学んでいく。
 再生時間20時間、長いと思う前に物語に引き込まれて読み進めることになるだろう。主人公が「天に星 地に花」という言葉の意味を心に刻んだ時、物語は大きく動き出す。

■投稿コーナー 

みんなの川柳・俳句・短歌

神奈川MLのみなさん

祝:会報100号【川柳】
◎ 感謝です 四半世紀の 積み重ね
解説:100号は年4回発行ですから、25年の歴史です。編集関係者の皆様には心から感謝申し上げます。引き続き会員相互及び会員と会報との架け橋として頑張って下さい。

●川 柳
【横浜市】 渡邊 千登世
<会報誌100号達成!おめでとうございます>
1)会報は 未来を拓く 道しるべ
解説:これまで会報誌作りに携わってこられた大勢の皆様に深く感謝申し上げます。
2)コロナワクチン 振り廻されて 予約する
解説:初めてのワクチンだから国中が混乱の極み、改善を求めます。
3)巣篭もりは ここまで来れば 気も萎える
解説:すべてコロナ次第の日常が疎ましい。
4)効果なし 緊急事態 繰り返す
解説:同じことを何度も繰り返すと人は耳を貸さなくなって自粛が疎かになる。ずっとこのままでいいわけがない。
5)片言で トトロトトロと 孫はしゃぐ
解説:孫はトトロの大ファン。親子二代に渡って楽しんでいるようだ。

【横浜市】 清水 秀雄
1)巣ごもりの どっぷり感に 腹囲増す
解説:「福井かー、行ってみたいなー」どころではありません。
1年半のステイホームで成長したのは腹の周りだけです。運動不足解消と言っても口だけです。
2)二度三度 カラスのチュウに 声震え
解説:求愛ではありません。巣作り、子育ての時期、住宅地でも電柱に巣造りしてカラスは警戒感を強くしています。被害者は何も悪い事をやっていないのに涙目でした。皆さんもお気を付け下さい。
3)また変異 コロナも必死 種の保存
解説:イギリス株、南アフリカ株、インド株等コロナウイルスも生き残るために進化しているのでしょう。今後は共存していくと言われていますが、人間も進化して対抗しなければいけません。
4)二刀流 一足先の エキサイト
解説:大谷選手はやはり「持っている」選手です。米球宴で史上初、投手と野手の二刀流で先発出場し、勝利投手になりました。リーグ後半の活躍が楽しみです。これから始まるオリンピック・パラリンピックもしっかり楽しみます。
5)喜寿通過 傘とお米が 手で招く
解説:人生100年と言われている時代です。喜寿はまだ先がありますので楽しく過ごしていきたいですね。健康に留意して頑張ります。ご同輩も一緒に頑張りましょう。

【小田原市】 井手 章
<100号記念/世相川柳あれこれ>
1)会報誌 百号記念 おめでとう
解説:私はJRPS神奈川20周年の記念すべき年に入会しました。そしてまた会報誌100号記念にも参加できて光栄です。後30年、100歳まで頑張ります。
2)梅雨空の 降水帯は 要注意
解説:7月3日伊豆山の土石流(山津波)、3年前の広島の土石流、昨年の熊本(球磨川)の氾濫災害など、二酸化炭素による地球温暖化が影響していると言われています。また、脱炭素(カーボンニュートラル)はどこまで進むのでしょうか?
3)官僚の 道徳観は どこへやら
解説:経済産業省のキャリア官僚の役員の二人が「中小企業給付金」を騙し取り逮捕される。また、国税庁の役人7人が夜遅くまで会食していた。倫理・道徳観の欠如に呆れてしまいます。
4)水際の 泡対策は 吹けば飛ぶ
解説:政府の「安心・安全」対策のオリ・パラ選手団はバブル方式での移動で問題ないとのこと、穴だらけの「吹けば飛ぶような泡」でなければ良いのですが、心配です。
5)止まらない 記録更新 ショータイム
解説:大谷翔平の7月13日HRダービーは再延長のフルコース、翌日のオールスターゲームは1番DH/先発投手の二刀流、アリーグ5−2で8連勝、大谷が勝利投手に。前半戦HR33本、後半戦の活躍に応援しましょう。
ご参考:DH(指名打者、Designated Hitter、デザイネイティド ヒッター)

【横浜市】 吉川 弘
<本誌100号記念ということで、記念日をテーマにしました>
1)海の日を こっちに移し さあ五輪
2)過ぎた頃 そうだ父の日 いつだっけ
3)虫歯デー 無視して今は 総入れ歯
4)忘れたら 無事では済まぬ そうあの日
5)白寿まで 頑張れ手術 目が治る
解説:白寿まで20年。無理でしょう。ただ、皆さんと顔を見ながら乾杯出来る日は、もっとずっと早く来ると楽しみにしているのですが。

【相模原市】 武川 宏
1)継続の 力を示す 百号だ
解説:この会報も100号の発行を迎えたとのことです。これは歴代の編集スタッフの方々、会報発送作業に参加された方々、そして投稿された方々のお力によるものですが、またJRPS神奈川が発足以来力を合わせて、たゆみなく歩き続け発展してきた歴史でもあると思います。
2)梅雨空は まぶしさもなく 散歩でき
解説:梅雨はうっとうしいものと言われますが、RPの私たちにとってはまぶしさもなく外出しやすい季節でもありますね。
3)ワクチンの 予約は孫の 手を借りて
解説:「ワクチン予約は電話では何度やっても繋がりません。」と言ってる高齢者の多くは、スマホやPCでの予約は難しく、「お小遣いをやるから」等と言って孫に頼んだりするようです。
4)副反応 無くて心配 また増える
解説:副反応がちょっと心配だなと思ってワクチンを接種しますが、接種後にまったく副反応が無くても、これはこれで本当にワクチンが効いているのか?と心配になります。

【横浜市】 森田 祐吉
1)コロナ禍で いつもどこでも 扇風機
2)扇風機 感染帽子に 金メダル
3)コロナ禍に 蝉の声にも 元気欠け

【小田原市】 佐々木 千代子(患者家族)
1)振り返り 後悔多き 事ばかり
2)でも今は 前を向いてと いいきかす
3)電話鳴り 大事ないかと 母は言う
解説:テレビで報道されるような大災害が近くでおき、故郷の90歳の母が心配して電話してくれました。
4)梅雨明けて 昨日と今日は 空違い

【横浜市】 原 邦夫
1)間に合った 記念の号に 詠みし句を
2)スイカ食べ 花火の音に 夏が来た
解説:味覚と聴覚で夏を感じた1句
3)また変わる みなとみらいの この景色
解説:大学の移転やロープウェイとどんどん増えて追いつけない
4)家こもり 高原の風 思いつつ
5)リニアカー 狭い国土で なぜ急ぐ
6)フルムーン 二十四年後 また見たい

【横浜市】 佳純目 譲司
1)杖に足が お互いオッと すみません
解説:お互いが驚きました、双方同時に「すみません」と謝りました。これで争いになりません。歩行時は杖側も気をつけなければいけないです。
2)生放送 エートアノーが 耳障り
解説:コロナ禍でのラジオやテレビではゲストの電話、リモート出演が多くなりました。話の間にエートアノーがよく聞かれます。無意識に出るのでしょう。少し聞きづらいです。自分も話の間で出ているでしょうから、仕方ないですね。
3)チクンウーッ 片目開けたら もう終わり
解説:新型コロナワクチン接種です。けっこう痛かったな。ニュースで「ゼンゼン」なんて言っていたが「やせガマン」であると判明しました。しかし、感染した苦しさを思えば、なんのこれしきの事です。
4)自由だと メディアの取材 程々に
解説:報道の自由を楯に、外国の報道陣の選手や一般人に対する行き過ぎた取材が心配です。取材活動は程々にして感染拡大防止に配慮願いたい。
5)無観客 丸く収めた 想定値
解説:オリンピックは最後の落としどころ「無観客」で決着したようです。でも納得していない関係者もいるでしょう。一般の人は国内外ともステイホームのテレビ観戦で応援します。

●俳 句
【横浜市】 浅井 進
1)海風に 揺るる紫陽花 八景ブルー
解説:八景ブルーは八景島にだけ咲いている品種の名前です。
2)雨を待つ 紫陽花の毬 風に揺れ
3)紫陽花の 葉裏に眠る 蝸牛

●短 歌
【横浜市】 森田 祐吉
1)会ができ 発行重ね 今となり 誰が百号 予期したろうか
2)会員の たゆまぬ努力 実を結び 開発速度 早まり嬉し
解説:会創立時、治療法は遅くとも21世紀初頭と言われていたが、やはりRPは、難病であることを再認識し、同時に、治療法の開発も着実に進んでいることを実感した次第であります。

【横須賀市】 眞田 京子
1)五月晴れ ふうわりと浮く 綿雲は 夏めく日光(ひかり) 受けて耀う
2)新緑の 一際映える 山吹の 垂れ咲く花に 蝶の飛び交う
3)目覚めては 今朝も鳴くかと 耳すます 夜明けとともに オオルリの声
4)珍客の 鈴を鳴らして 白猫は 菓子(あまい)匂いに 誘われ来たる

ウッチャンの落書きストーリー
 自画自賛

横須賀市 内田 知

 会報100号おめでとうございます。
 ここまで来るには、編集担当をされた役員、編集スタッフとしてお手伝いしてくださったボランティアのみなさんのお力があってのことだと会員の一人として感謝の思いです。多くの方のご協力があって100号まできました。
 しかし、会報が100号まで来た真の功労者はなんと言ってもウッチャンなのです。ウッチャンなくして、会報が100号を迎えることはできませんでした。何でかってか?わからないかな〜。
 わからないなら教えてあげましょう!
 JRPS神奈川の会報創刊から、100号まで一度も休載することなく投稿文を掲載し続けてきたんですよ〜。
 凄いです!ウッチャンは偉いんです!!
 ウッチャンが休まず100号まで投稿してきたことを誰も気づかず褒めてもくれません。なので、ウッチャンは自画自賛するしかない。

 会報の創刊号を作ることになった時、いきなり
 「ウッチャン、原稿を書いてもらうよ。タイトルは、あんなこと・こんなことで、ウッチャンの体験した面白いことを書いてくれ」
と言われ、軽く「はい」と答えてしまった。
 ウッチャンは、全盲である。墨字で文章は書けない。さてどうするか?と悩んだ結果、ホームヘルパーさんの力を借りる事にした。
 週に2回、家事全般をしてもらうヘルパーさんに、自分の話を書き取ってもらう。文章や文法のおかしいところを指摘してもらって、頭の中で話を組み立て直す。ヘルパーさんを使用できる時間は2時間。1回で終わるはずもなく、週2回のうち、1回は原稿作成に費やされる。ヘルパーさんにしてみれば、家事をしないでウッチャンの話を笑いながら書き取って、文章的におかしいところは変更するように指摘する。これほど楽な仕事はなかったに違いない。
 原稿が出来上がるのに1か月ほどかかる。調理を主にした家事一般の作業が月4回もつぶれてしまうのである。そんな日々が、厚木で一人暮らしをしていた6年間つづいたのだ。

 そんな暮らしも終わり、横須賀の実家に戻った頃、パソコンの需要が増え、視覚障害者の日常生活用具の中に、IT関連の補助金が出るようになっていた。補助が出るなら、とパソコンの購入を考えたウッチャンだった。しかしパソコンの使い方を知らない。
 そこで、佐々木パソコンスクールに無理矢理入学し、佐々木先生に優しく丁寧に、ウッチャンのオヤジギャグを相手にしない厳しい指導を受けたのである。

 ウッチャンは理由はわからないが、左半身が軽いマヒを起こして産まれたらしい。そのためか、左手の指がうまく動かせない。指をキーボタンに置いてもキーボタンに触れている感覚が鈍いのである。てことで、フルキー入力で文章を書けない。余談であるが、点字は左手の人差し指を使って読む。だが、ウッチャンは点字の上に指を置いても、点字の凹凸を感じ取れない。なので、右手の人差し指で読むようにして点字を覚えた。感覚マヒと、5本の指をキーボードの上ですべらせることができない。かろうじて動かせる3本の指を使うしかない。よって、点字入力で文章を書く。
 左手薬指S・中指 D・人差し指Fに右手人差し指J・中指K、薬指Lとキーボードのホームポジションの一列にあるキーボタン6つだけを使って、英数・カタカナ・ひらがな・あらゆる記号を書く。漢字変換は、PC-Talkerの設定を詳細音訓に設定してより詳しく調べて、間違いのない漢字を探す。
 ローマ字入力で10本の指をフル活用して文字を書くのより、点字入力の方が6つのキーボタンを使うだけで済む。文字入力に関しては、自分は楽をしているのかなと思ったりしていた。ただ、長くキーボードを叩いていると、左手の指が動かせなくなるのが難点だろうか。そんなこんな苦労みたいなことをしながら原稿を書く。

 そして、キーボード操作より困ったことが起こる。ネタが浮かばなくなって、編集担当者に休載を申し出ることだ。ところが、ウッチャンの苦労も知らず、休載は却下された。
「ウッチャンの投稿を楽しみにしている会員は多い。そんな会員をがっかりさせるような事はしないよな」
 などと言われたら書くしかない。だが、書きたくても書くネタがない時もある。それでも、小さな脳みそを働かせて、1回も休まず100号まで書いてきた。そんなウッチャンを「偉い!」「凄い!」と思わずして、会報は100号を迎えられるはずはないのである。
 自画自賛である。

 投稿文のタイトルは、「あんなことこんなこと・ウッチャンの体験記」から、みのもんたの人気にあやかって「おもいきり体験記」に変更。そして、現在の「落書きストーリー」へと変わってきた。タイトルは変わっても100回も原稿を書き続けてきた。これは、やっぱ凄いのである。これまた自画自賛である。
 ウッチャンの投稿文は、実際に大人気であった。会報発送後のミニ集会では、集会に参加した会員さんたちから
「面白かった」と声をかけられる。
「ありがとうございます」と遠慮深く答えながら、心の中では
 (面白くて当然、誰が書いたと思っているんだ!)
と胸をそり返していた。そり返すほどに面白い。これまた、自画自賛である。会員の家族からも「毎回楽しみに読んでいる」と言われる。

 会員である母親の同伴者としてミニ集会に参加していた娘さんから、ウッチャンのファンだと言われた。それじゃあって事で、デートに誘ってみた。答えは 「デートするのはいいけど順番待ちだよ。これでも私モテるからね」と笑った。
「おれの順番は何番目?」と尋ねると
「50番目くらいかな」
「そこをなんとか、ベスト10の中に入れてくれないかな」と頼むと
「ウッチャンのファンだけど、デートの相手となるとちょっと考えちゃうなぁ」
と言われてしまった。
 ミニ集会後の飲み会での事である。酒の席での与太話のようなものなのだが、そんな与太話でも、ウッチャンはデートの相手にはならないらしい。
 もう一人、娘がファンだという会員さんがいた。でもって、こりもせずデートの話をした。会員さんからの返事は
「ウッチャンの書いた話には興味はあるけど、書いた本人には興味がない」と娘が言っていた。
と言われた。二人の若いおねぇちゃんに、おもいきり肘鉄を食らった。肘と言うより、膝蹴りを食らったようなもんだ。

 そんな悲しい経験をしながらもウッチャンは投稿文を書き続けた。フラれたのは、ウッチャンの性格の問題で投稿文を書き続けたのとは関係ない。それでも声高らかに、自分を褒める。
 「ウッチャンはエラーイ!」
 誰も褒めてくれないので、自画自賛するしかないのである。

 どこかにいるであろうウッチャンファンのみなさんへ。新型コロナウイルス感染症は続いています。ワクチンを2回接種したからといって、気を緩めず、身体の安全に留意しながらお過ごしください。
 いるかいないかわからないファンを気遣う言葉をかけるウッチャンは優しい人なのである。これも、自画自賛なのである。
 神奈川の会報作成に携わってくださったすべての人に感謝!そして、ウッチャンに感謝!

 最後まで自画自賛である。

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メール aivision@js7.so-net.ne.jp
〒191-0055 東京都日野市西平山5−23−12
商標に関して、スピーチオ、SPコードは株式会社廣済堂の登録商標です。
しゃべるテレビは三菱電機の商品名です。
アイビジョンはアイネットワーク有限会社の登録商標です。

(裏表紙)

編集後記

◆神奈川県網膜色素変性症協会(JRPS神奈川)が発行する会報誌が、創刊から25年の歳月をかけ、100号の節目となります。今号には「会報 誌の変遷」をまとめてみました。当協会は様々な活動を通し、その時点での最新情報や治療法をお伝えしたり、患者やご家族、行政機関や医 療・福祉関連機関に対し、疾患の理解、啓発を行ってきました。併せて患者同士の交流の機会を提供する情報も発信しています。誌面の関係 で十分にまとめられなかった点については、ご容赦頂ければと思います。
 また、創刊から継続して記事を寄稿しているウッチャンこと内田知 さん。記事タイトルが変わっても、毎号書き続けてくれているからこそ、会報誌のラインナップが充実し、読む楽しみが提供されています。 今号「ウッチャンの落書きストーリー(自画自賛)」で今までのご苦労が読み取れます。(佐藤)

◆JRPS神奈川会報は下記の3形式でお届けしています。
 変更を希望されるかたは、下記連絡先までご連絡下さい。
 1)墨字版:印刷物、大きめの文字
 2)デイジー版:デイジー形式の録音CD
 3)メール版:テキストメール

◆神奈川県網膜色素変性症協会(JRPS神奈川)連絡先

・事務局 溝田 隆之
     〒237−0067 横須賀市鷹取******
     TEL・FAX:******

・会長 阿部 直之
     〒213−0011 川崎市高津区久本******
     TEL:******
     E-mail:********
・編集 JRPS神奈川編集部
     E-mail:********

発行人 特定非営利活動法人障害者団体定期刊行物協会
〒157-0072東京都世田谷区祖師谷3-1-17
          ヴェルドゥーラ祖師谷102号室


http://www.rp-k.com
低下 200円
(終わり)