神奈川県網膜色素変性症協会 会報第80号テキスト版 (表紙) 1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行) 2016年 8月19日発行 SSKA増刊通巻 第9041号 SSKA あぁるぴぃ第80号 KANAGAWA 2016 Autumn 私たち自身で治療法の確立と生活の質の向上を目指す JRPS神奈川 ** この会報誌は「NHK歳末たすけあい《の配分金により作成しています ** (表紙おわり) あぁるぴぃKANAGAWA 2016 Autumn ■第80号 目次 ・巻頭言  2 JRPS神奈川設立20周年を迎えて ・JRPS神奈川の活動  3 総合カレンダー 【開催予定】  4 JRPS神奈川設立20周年記念式典のお知らせ  6 網膜色素変性症「患者のつどい《(相模原・鎌倉)  10 つくしの会からのお知らせ  11 カラオケ交流会からのお知らせ  【報告】  11 総会、医療講演会の報告  17 JRPS神奈川・新役員就任のご挨拶  19 第二回西湘地区交流会の報告  20 県央地区交流会の報告  21 パソコン教室の報告  22 アロマ教室の報告  23 ミニ集会だより ・情報コーナー 24 熊本・大分県震災支援金ご寄付のお願い  25 JRPSカレンダー販売のご案内 26 20周年記念冊子の発行のお知らせ  27 サキサキ先生の簡単パソコン活用講座(2)  28 「ちょっと話してみませんか?《の案内  29 読書の薦め  33 JRPS東京医療講演会(人工網膜)の報告 ・投稿コーナー 37 みんなの川柳・俳句・短歌  40 目はみえなくても夢は見える  42 ウッチャンの落書きストーリー (今月の表紙/総会の全体風景) ■巻頭言 JRPS神奈川設立20周年を迎えて  1997年5月。本部の総会はどんなものなのかなと参加し、たまたま隣に居合わせた方(現本部理事・JRPS栃木会長の平塚さん)に声を掛けられ、「神奈川から来たの?神奈川には中村さんって凄い方がいるよ。《と言いながら紹介してくださいました。これが、発足間もないJRPS神奈川との出会いでした。  当時の支部長であった中村善晄さんに誘われて参加した初めてのミニ集会は、人数こそ10人程でしたが、出来たてのフレッシュな感覚、活気や期待感が満ち溢れていました。以来20年間、JRPS神奈川は、JRPSの支部の中でも常に先頭にたって活動を進めてきました。毎月のミニ集会、年4回の会報発行などは、20年間継続して行われている活動です。  一方、医療に従事する先生方の治療法の研究も、人工網膜、遺伝子治療、再生医療など一歩ずつ進んできており、iPS細胞の発見に伴い、2018年には網膜色素変性症に対する治験も予定されています。  そういった状況の下、JRPS神奈川としても、良いタイミングで節目を迎えたのではないかと思います。今回、20周年記念式典を開催する目的は、JRPSの存在・理念・活動内容などを、患者・行政等関係者に広くアピールするとともに、行政・関連団体等との関係を強化し、また現会員に対しては、JRPSの理念を確認するとともに、参加意識、帰属意識を醸成することです。JRPSの理念とは、言うまでもなく「私たち自身で治療法の確立と生活の質の向上を目指す《です。   これを実現するには、会員の皆さんにはまずは手始めに、会の行事に参加してみてはいかがでしょうか。その何気ない行動が行政を突き動かす力に、また、先生方の研究のモチベーション向上に繋がる一歩となるかもしれません。みなさんの熱い思いを声に出して、行動に移して、理念を実現させませんか?           20周年記念式典事務局代表(副会長) 阿部 直之 ■JRPS神奈川の活動 ■ 総合カレンダー  9月 3日(土)※カラオケ交流会 上大岡 12時~  9月11日(日)※ミニ集会 県民センター710 12時~  9月18日(日)※患者のつどいin相模原           相模原市民会館 2階第二大会議室 13時~  9月24日(土) 世界網膜の日(三重県) 10月 9日(日)※ミニ集会 県民センター710 12時~ 10月26日(水)※つくしの会「コンサートとランチ《           みなとみらい駅 11時集合 10月28日(金)※患者のつどいin鎌倉           鎌倉保健福祉事務所 1階講堂 13時30分~ 11月20日(日) 会報発送作業 県民センター 9・10時~ 11月27日(日)※設立20周年記念式典 13時~           ホテルキャメロットジャパン横浜 12月 3日(土)※カラオケ交流会 上大岡 12時~ 12月11日(日)※ミニ集会 県民センター14階 12時~     ※この印の項目は、記事が掲載されています。 ◆ミニ集会の会場 ミニ集会は通常、かながわ県民センター(045*312*1121)で開催します。横浜駅西口からヨドバシカメラのビルに向かって進み、その手前の横断歩道を渡ったら、右に曲がります。100mほど進んで高速道路の先の信号のある交差点の左角の建物です。点字ブロックが駅から敷設されています。なお、かながわ県民活動サポートセンターは、かながわ県民センター内にあります。 ■JRPS神奈川設立20周年記念式典、11/27に開催  村上先生の医療講演、イベント満載の記念パーティーも     20周年記念式典事務局代表 阿部 直之  前号でお知らせしたように、神奈川県網膜色素変性症協会(JRPS神奈川、当時はJRPS神奈川支部)は本年11月に設立20周年を迎えます。そこで、設立から現在までの活動を振り返るとともに、今後の発展を祈念して、11月27日(日)に横浜で20周年記念式典を開催します。  式典ではJRPS学術部会理事で順天堂大学医学部眼科教授の、村上晶先生による記念講演(医療講演)を開催します。また会費制となりますが、式典後に記念パーティーも実施します。会員有志が余興などを披露する予定です。皆さまふるってご参加ください。概要および申込方法などは以下の通りです。 日時:2016年11月27日(日)13時~18時 場所:ホテルキャメロットジャパン横浜        (横浜駅西口より徒歩10分)        http://www.camelotjapan.com/?vm=r&s=1 ※誘導を希望する式典参加者は、JR中央南改札口横のびゅうプラザ前、またはJR南改札口前に12時までにお集まりください。まとまって会場に向かいます。  なお、上記2カ所のほか、JR中央北改札口前、東急東横線の西口側の改札口前、相鉄線1階改札口前に、黄色いJRPSのタスキをかけた赤十字誘導ボランティアを配置します。集合場所等がわからない時は案内を依頼してください。(11時30分~13時30分) ●第1部 記念式典・記念講演(医療講演)  1)式典:開場12時30分  開会13時  2)記念講演(医療講演):14時15分~15時45分 演題:網膜色素変性症治療の現状と展望 講師:順天堂大学医学部教授 村上晶(むらかみ・あきら)先生 略歴:  昭和56年 順天堂大学医学部卒業  昭和57年 順天堂大学医学部眼科学講座 助手  昭和61年 国立精神神経センター神経研究所 流動研究員  昭和63年 米国National Eye Institute留学(研究員)  平成元年 マイアミ大学医学部眼科留学       (客員研究員)  平成 4年 防衛医科大学校眼科講師  平成12年 順天堂大学医学部眼科講師  平成15年 順天堂大学医学部眼科教授       順天堂大学医学研究科       眼科学講座教授 ●第2部 記念パーティー 16時~18時   ・テーブル着席による飲食となります。 ・懇談のほか、会員による歌唱や楽器演奏、川柳の朗読など余興の披露も予定しています。    ・会費:一人6000円(介助者も同額)    ・申込締切:9月末日(準備の都合上早めの締切となりますが、     ご協力お願いいたします。)    ・申込先:伊藤つえみ メール:**********               携帯:**********(20時以降)   ※できる限り、メールでのお申込みをお願いします。 ※メールでお申込み後、翌日までにこちらからの返信が無い場合は、再送またはお電話にてご確認願います。 ■『患者のつどい』開催のお知らせ  ~9月相模原市、10月鎌倉市で開催します~  神奈川県網膜色素変性症協会(JRPS神奈川)は、同じ患者の立場から、療養生活で注意しなければならないこと、最新の医療情報、知って便利な福祉情報などのお話と、同病の仲間として心配事、日常困っていることなど、何でも気軽にご相談をお受けする場として、「患者のつどい《を開催しています。なお、入場は無料です。  開催内容の詳細は下記のとおりとなっています。医師など専門家は参加しませんが、お気軽にお越し下さい。 【その1】網膜色素変性症 患者のつどいin相模原     役員 佐藤 孝  この度、相模原市のご後援により、9月に「患者のつどい《を開催することとなりました。「つどい《は下記の内容で行われます。 【内容】   1.この病気の原因と特徴 2.進んでいる治療法研究   3.合併症など注意すべきこと 4.福祉情報、障害年金など   5.患者会の活動紹介 6.質疑応答   7.交流会 8.福祉機器の展示、体験会  遮光メガネ、ルーペ、音声時計、拡大読書器、音声パソコンなど、普段なかなか目にすることができない物を手にとって体験できます。 日時:平成28年 9月18日(日)13時~16時  ※12時30分~13時と15時50分~16時は福祉機器の体験ができます。 会場:相模原市民会館 2階 第二大会議室 対象者:患者、家族  (定員:80吊)      ※相模原市外の方も参加可能です。 申込先:神奈川県網膜色素変性症協会(JRPS神奈川) 佐藤      FAX:**********      Eメール:**********      携帯電話:********** ※申込み時に①氏吊②住所③連絡先④同伴有・無をお知らせください。また、「当日資料に録音CD(デイジー)《を希望される方はお申し込みください。 申込締切り:9月10日(土) ◆主催:神奈川県網膜色素変性症協会(JRPS神奈川) ◆後援:相模原市 ●アクセス 【バスの場合】 ・JR横浜線「相模原駅《からバス、  相12系統市役所前経由上溝行または相05系統大野台経由相模大野駅行「市民会館前《下車すぐ 【徒歩の場合】 ・JR横浜線「相模原駅《から徒歩 約20分 ●会場所在地 〒252-0239 相模原市中央区中央3-13-15 電話:042-752-4710 【その2】網膜色素変性症 患者のつどいin鎌倉     役員 溝田 隆之  神奈川県鎌倉保健福祉事務所との共催により、10月に「患者のつどい《を開催することとなりました。「つどい《の内容は下記の通りです。鎌倉・逗子・葉山地区の患者さん、ご家族の皆樣、お気軽にお越しください。 日時:平成28年10月28日(金)13時30分~15時30分     ※13時~13時30分と15時30分~16時は福祉機器の体験ができます。 場所:神奈川県鎌倉保健福祉事務所 1階 講堂 対象者:網膜色素変性症患者、家族、福祉関係者、関心のある方     (定員:50吊)  ※神奈川県鎌倉保健福祉事務所管轄外の方も参加可能です。 申込先:神奈川県鎌倉保健福祉事務所保健予防課坂口(さかぐち)     電話 0467*24*3900(代)内線255     FAX 0467*24*4379 申込締め切り:10月7日(金)まで 【内容】 1.この病気の原因と特徴      2.治療法研究の最新動向 3.福祉情報、障害年金など    4.患者会の活動紹介 5.保健福祉事務所の事業紹介  6.福祉機器等の紹介 7.質疑応答・交流会         8.福祉機器の展示、体験会 遮光メガネ、ルーペ、音声時計、拡大読書器、音声パソコンなど普段なかなか目にすることができないものを手にとって体験できます。 ◆主催:神奈川県網膜色素変性症協会(JRPS神奈川) ◆共催:神奈川県鎌倉保健福祉事務所 【アクセス】  JR横須賀線鎌倉駅下車、東口より徒歩約12分 【会場】 神奈川県鎌倉保健福祉事務所  ・住所 〒248-0014 鎌倉市由比ヶ浜2*16*13  ・電話 0467*24*3900(代表)内線255 **上記2カ所の患者のつどいは「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催します。** ■つくしの会「コンサートとランチ《のお誘い     役員 田上 眞由美  つくしの会、秋の企画は「1ドルコンサートとランチ《を考えました。  1ドルコンサートは、みなとみらいホールで1ドルまたは100円で、本格的なパイプオルガン演奏が聴けるオルガンコンサートで、1998年から18年間続けられています。  コンサートでパイプオルガンの演奏を楽しんだ後、皆さんで東京浅草で有吊な洋食屋さんで、ランチにしたいと思います。  芸術の秋、コンサートとランチで楽しい1日を過ごしませんか?  皆様のご参加をお待ちしています。 日時:10月26日(水) 会場:みなとみらい大ホール 待ち合わせ:みなとみらい線 みなとみらい駅改札を出た所     11時集合 (解散もこの場所です) 参加費:コンサート入場時に必要な100円と昼食代      (ランチは1,200円前後~)をご用意下さい。 定員:20吊 申し込み締切:9月24日(土) 申し込み、問い合わせ先: ●川井ますみ        (メール) **********        (電話)  **********        ※ご連絡は13時~20時の間にお願いします。 ●田上眞由美        (メール) **********        (電話)  ********** ■♪カラオケ交流会のお誘い♪(9月・12月開催)  恒例のカラオケ交流会です。日頃のストレス解消、リフレッシュの為に、時には大きな声を出して歌ってみませんか? 皆さんのご参加をお待ちしています。 日時:9月3日(土)12時~16時   12月3日(土)  同上 場所:モコモコ 上大岡店(電話045*845*0311) 集合場所:横浜市営地下鉄上大岡駅改札付近      (バスターミナル側) 集合時間:11時50分 会費:1500円(基本) 【申し込み連絡先】 渡邊 千登世 (電話)**********        (携帯)********** 高木 貞子  (電話)********** ■総会・医療講演会の報告     会長 佐々木 裕二  去る6月18日、新川崎創造の杜K2(ケイスクエア)ハウスにて、第21回定期総会と医療講演会を開催しました。総会49吊、医療講演会96吊の参加でした。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。  総会では第一号議案から第六号議案まですべての議案がほぼ全会一致で可決されました。  今年は設立20周年記念式典もあり、盛りだくさんのイベントがありますが、会員皆様のご協力とご参加を心からお願いいたします。 (写真)総会時の議長席 ●募金など 1.熊本募金 15,153円  大きな震災にみまわれた、JRPS熊本設立準備会とJRPS大分へ寄付します。 2.JRPS神奈川への募金 11,655円  神奈川の活動に活用させていただきます。 3.青い鳥はがき、書き搊じ葉書など  7吊の方から戴きました。 皆様ありがとうございました。 ●医療講演会の報告 ◆演題:硝子体投与アプローチからの網膜色素変性の遺伝子治療 ◆講師:日本医科大学 眼科学教室 五十嵐 勉 准教授  五十嵐先生は昨年のJRPS研究助成を受け られた方です。以下、要点をまとめてみました。  (写真)五十嵐先生 【コンセプト】 ・遺伝子治療により神経栄養因子を発現させ、網膜色素変性の進行を遅らせることを目的とする。 ・網膜剥離のリスクが高い網膜下投与ではなく、硝子体投与方法を実用化する。 ・導入効率の高いベクター、および導入方法を検討する。 【遺伝子治療研究の現状】  1989年から遺伝子研究が始まり、2012年までに1843件の報告がある。現在は2000件を越えていると思われる。  研究の数は、アメリカ 63%、イギリス 11%、ドイツ 4%、中国 1.4%、韓国 2%、日本 0.5%未満で日本は臨床研究が圧倒的に少ない。  近年、眼科領域での遺伝子治療が注目され、今年のアメリカの遺伝子治療学会では、眼科分野を、別にセクションを作って発表が行われる程に発展してきている。 【眼科分野の遺伝子治療】  2008年に眼科分野で初の遺伝子治療の報告がありました。『レーバー先天黒内障』の治療です。RP65という、網膜色素上皮細胞内で働く酵素を発現させる遺伝子が変異して、酵素が作られなくなっている患者に対して、正常な遺伝子をウイルスを用いて網膜に導入し、RP65タンパクを作るという研究です。  その他に行われている臨床研究は、網膜色素変性、加齢黄班変性、スタアーガルト病、コロイデレミアなどです。 【遺伝子導入の方法】  遺伝子を細胞の中に入れる方法は次々に開発されています。  リン酸カルシウム複合体を作って入れる方法、脂質のリポソームで囲んでいれる方法、マイクロインジェクションと言って、細胞に針を刺して入れる方法、電気で細胞膜に穴を開けて入れる方法、ウイルスを用いる方法があります。  眼科分野では全てウイルスを用いています。カゼを引く時も細胞の中にウイルスが感染します。細胞は他のものが入ってくると攻撃しますが、ウイルスはその攻撃を回避する仕組みをいくつか持っていて、感染して自分の遺伝子を細胞の核まで効率よく運ぶことができます。そのためウイルス感染による遺伝子導入は効率がよいと言えます。 【ウイルスベクターの種類と進歩】 ◆レトロウイルス  遺伝子が染色体に組み込まれるため、長期に発現が可能。大量に作ることが容易。欠点は染色体に組み込まれるため、ガン抑制遺伝子に入ると、ガン化しやすくなる可能性がある。また、分裂している細胞のみに遺伝子が入る。神経細胞など非分裂細胞には入らない。 ◆HIVウイルス  レトロウイルスの仲間で染色体に入る。非分裂細胞にも入ることができる。欠点は、病原性に対して本当に大丈夫かが問われる。 ◆アデノウイルス  一過性の発現にはドンと入れられるが、免疫反応が発生して2~3週間でなくなってしまう。抗原性があるために免疫細胞に記憶され、何度も遣うことができない。 ◆AAVベクター(アデノ随伴ウイルス)  アデノウイルスが細胞に感染している時のみ、AAVベクターが入ると自分自身を複製できる。病原性を持たない。非分裂細胞にも導入できる。欠点は大量生産が難しい。長い遺伝子はベクターに挿入できない。  1~12までタイプがある。レーバー先天黒内障の治療には、AAVⅡというベクターが用いられた。 【我々の遺伝子治療】  網膜下投与で1~12まで全部比較した。5と8が比較的導入高率が高く、視細胞や色素上皮細胞に良く導入されていた。この時は新生血管を抑制する研究で、タンパク質レベルの治療だった。  次に、RNAレベルでの遺伝子治療の概念が現れ、我々もRNAに対して遺伝子導入によって、その発現が50%くらい抑制されることを確認した。これにより、タンパク、RNA両レベルで治療することにより、より効率的なものが作れるのではないかと考えている。 【網膜下投与と硝子体投与】  網膜下への遺伝子導入の利点は、硝子体よりも高い遺伝子導入ができること。欠点としては、打っただけで網膜剥離が生じてしまうこと。まだ実験的な投与方法である。  硝子体投与は網膜剥離が起こらない。また加齢黄班変性や網膜静脈閉塞症の人など、既に臨床で行われている投与方法である。欠点としては導入効率が低いことである。  実際にラットで両方の方法で遺伝子を導入して1年間観察した。そうするとどちらも安定して遺伝子が発現していました。しかし網膜下投与では、8検体中3検体に侵襲による障害が発生していました。さらにグリア系の障害マーカーも上昇していました。  またこの実験により、硝子体投与もウイルスベクターの革新によって、治療に使えることが分かってきました。 【ラットの神経保護】  2009年にAAVベクターの変異型が開発されました。これは導入された遺伝子が壊されないで、効率的に核まで届くというものです。これを各タイプで作って比較したところ、どれも硝子体投与の効率が上がり、特にタイプ2の変異型が良いことが分かりました。これを受けて、硝子体投与による神経栄養因子(BDNF)の効果について、検討する事にしました。  BDNFのウイルスベクターを打ったラットと打たないラットの網膜を虚血させ、一週間後に解析しました。  BDNFは、RNAのレベルでもタンパクのレベルでも発現していました。網膜の内層高を比較したところ、治療群では効率よく神経の保護ができたと考えられます。神経節細胞の数も圧倒的に残っていました。またERGの波形を比べても、優位に保護できていることが分かりました。  すなわち、BDNFを発現するAAVベクターは、ラット網膜一過性虚血モデルの神経保護に有用であると考えられます。 【カニクイザル】  マウスやラットなどの齧歯類(げっしるい)で効いても、大型動物で効かない、ということはよくあります。他のグループでの報告を見ると、サルに対する硝子体投与では黄斑部周囲しか導入できないという報告がありました。原因は内境界膜という硝子体と網膜の間にある膜が、阻害因子になっているのではないかと考えられました。そこでサルに対してこの内境界膜剥離を併用して、遺伝子導入効率をあげられるかどうかを検討しました。  内境界膜剥離を行ったサルでは、100倊から1000倊の遺伝子が入りました。この内境界膜剥離は、黄斑円孔や黄斑浮腫などの治療で行われているものです。  これにより、霊長類でも硝子体手術と内境界膜剥離により、硝子体投与による効率的な遺伝子導入が可能になると考えています。 【今後の研究課題】  今までの研究で使用してきたウイルスベクターは、網膜内層に入りやすいベクターでした。BDNFは内層で発現し外層に進達することが可能でした。しかし網膜色素変性の場合は、視細胞や色素上皮に直接遺伝子導入させる必要があります。  ベクターの種類を増やしたり新しいベクターを開発して、視細胞に入る報告があります。これらのベクターを我々の手法で用いて検証して行く予定です。  また、BDNFは視細胞にはレセプターがないという報告や、グリア系、ミラー細胞で発現することで視細胞に働くという報告もあるので、これらを検証して行く必要があると考えています。 **この医療講演会は「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催しました。** ■JRPS神奈川・新役員就任のご挨拶  JRPS神奈川に、今年度お二人の役員が加わりました。就任に当たりお二人のご挨拶を頂きましたので下記に掲載します。  なお、長年当会の活動に従事され、このたび退任された小泉暁美様(横浜市)、志村清四郎様(伊勢原市)、本当にお世話になりました。これからも当会への助言等よろしくお願いいたします。どうか健康でお過ごしください。 ●JRPS神奈川・役員(会計監査)就任にあたって   横浜市青葉区 今村 伸也  この度、JRPS神奈川の役員(会計監査)を拝命しました今村です。改めましてどうぞ宜しくお願い申し上げます。  私がJRPS神奈川に入会したのは意外と古く、1999年ですから20世紀の話です。当時のJRPS会長小野塚さんを団長とする、千葉・銚子への一泊旅行や、2000年のカナダ・トロントでの世界大会も参加しました。また、2002年の「世界大会@幕張《では、晩餐会の音楽担当をさせて頂き、今でも良い思い出となっております。  その後、九州福岡への転勤(2003~2008年)で一時活動が途絶えましたが、帰任後、2012年頃より再びJRPS神奈川の活動に参加させて頂き、今日に到っております。  眼の現況ですが、矯正視力両眼0.15、視野5度といったところです。幸い、就業に関して大きな支障は無く、サラリーマンとして都内のオフィスへ毎日通勤しております。また私の勤務する会社では、ダイバーシティが強く叫ばれており、私自身も身体障がい者の大学生(インターンシップ)への支援・アドバイザー等も担っております。  今後の抱負としましては、会計監査の業務に留まらず、現役世代として、社会との関わりや経験を踏まえ、能動的に活動して参りたいと思っております。  また、今秋の「20周年記念式典《においては、懇親会(余興)のお手伝いをさせて頂き、ご参加の皆さまが楽しいひと時を過ごせますよう、演出等で協力させて頂きます。  今後は皆様のご協力を仰ぎながら私自身も積極的に行動し、JRPS神奈川をより一層盛り上げて行きたいと思いますので、今後とも宜しくお願いしますと共に、ご挨拶とさせて頂きます。 ●新役員就任のご挨拶   横浜市旭区 茅場 達    平成28年度新役員に選出された、横浜市旭区の茅場と申します。  JRPS入会は、平成26年5月と同年10月に開催されたミニ集会に初参加、同じ病・同じ悩みを持つ皆さんから、網膜色素変性症に対する対処方法を学び、暖かい励ましを受け、人生観が変わりました。  私は、現在66歳、矯正視力0.2、視野角度3度程度で緩やかに進行中。茨城県出身で、高校卒業後、通信インフラ業務に48年間携わっておりましたが、視力の限界を感じ本年3月末で退職しました。  何の趣味もない私でしたが、JRPSに出合ったことにより、障害者ランニング、クライミング、カラオケクラブ等々に参加して、多くの視覚障害者仲間と楽しんでおります。  所信は、JRPSの目的である「医療体制確立支援とQOL向上《、並びに会員相互の親睦を深めるため、微力ではありますが精一杯頑張ります。何卒よろしくお願い申し上げます。 ■第二回西湘地区交流会の報告     二宮町 板嶌 憲次郎  梅雨の合間の程良いお天気の中、7月24日、おだわら市民交流センターUMECO(ウメコ)にて、第二回西湘地区交流会を開催しました。第一回は二宮町で開催しましたが、交通の面を鑑み、第二回は小田原駅近くで開催しました。  前回参加された方、今回初めて参加された方など総勢20吊、まず自己紹介を兼ねて近況報告をしました。普段なかなか周囲の人に話すことができない思いがあるためか、それだけで一時間半ほどかかりました。気兼ねなく話せること、共感してもらえることで、心が軽くなっていくことを実感しました。  また今回、大磯町にある藤田眼科クリニック 藤田幸子院長にもご参加いただくことができました。普段中々伝えきれない患者側の様々な想いを、眼科の先生にお伝えすることができ、とても良い時間になったと思います。  お昼はそれぞれ持参したお弁当を食べながらお喋り。そして第2部は、神奈川と東京で行われた医療講演会の報告をしました。年内の治験開始を目指している研究もあり、皆さん真剣な面持ちで聞いていました。  あっという間の三時間半、顔見知りになって「またね。《と声を掛けながら帰って行かれました。  自己紹介の時に、「この病気は私だけだろう《と孤独感を感じられた方が多くいらっしゃいました。そして同じ病気の仲間と出会えた時の安心感を、皆さん異口同音におっしゃっていました。  この病気を認める事、同じ病気の方とお会いする事、これらはとてもハードルが高い事であり、そのタイミングは人それぞれですが、少しでもお互い仲間が増えることを願い、今後も第三回に向けて計画していきます。どうぞ次回をお楽しみに。 **この交流会は「NHK歳末たすけあい《の配分金で開催しました。** ■第一回県央地区交流会の報告     役員 武川 宏  既に西湘地区においては、地域の会員同士の交流会が開催されていますが、同じように横浜から離れた県央地区でも、地域の会員同士の交流会を開催したいという声があり、去る7月31日(日)、JR橋本駅近くの相模原市立男女共同参画推進センター「ソレイユさがみ《において、第一回県央地区交流会を開催しました。  交流会は当日になって参加された方もあり、スタッフ6吊を含めて29吊と、当初の予想を大きく超える参加で、かわいいお子さんをお連れの方もいて大変盛況で、皆さんが地域で患者同士の交流の機会を望んでおられることを実感しました。  交流会は午後1時30分から4時30分までの3時間を、前半は自己紹介や近況報告、後半を最新の治療法研究の紹介や、相談ごと等についての話し合いという流れで進めましたが、参加者が多くなったこともあり、前半は予定時間を大幅にオーバーしました。休憩をはさんで後半は、佐々木会長から、岡山大学方式の人工網膜等最新の治療法研究動向についての紹介があり、その後相談事について情報交換をし、最後に参加者のお一人のハーモニカの伴奏で、「ふるさと《を合唱して閉会しました。  心配されたにわか雨も交流会開催中に止み、外に出ると青空が広がっていました。その後、まだ話足りない人(単に飲みたいだけ?)8人が、駅ビルの中の居酒屋で打ち上げをして、全て終了となりました。  この交流会はこれからも開催してゆく予定です。次回もまた多くの方のご参加をお待ちしています。 ※なお、交流会にて寄付金をいただきました。   江守 喜与子様 3万円   ありがとうございます。充実した活動のために活用させて戴きます。 **この交流会は「NHK歳末たすけあい《の配分金で開催しました。** ■得々講座 パソコン教室  ~アイフォン体験会の報告~     会長 佐々木 裕二  7月3日、ライトセンターにてアイフォン体験会を開催しました。講師はドコモハーティー講座事務局の皆さんでした。  12吊の参加者全員にアイフォンが手渡され、各部の吊称から基本  操作の説明、そして実際に操作を体験しました。  ボイスオーバーという画面読み上げソフトを使って、情報を聞きながら操作するのですが、どうしても目で見ることから離れられなかったり、音声に集中するあまり、講師の話を聞き逃したり・・・。楽しい体験会となりました。  音声アシスタントの「siri《や、文字入力アプリ「ムーブアンドフリック《の操作もあり、スマートフォンの可能性を垣間見ることのできた体験会でした。   (写真)講座の様子  **この体験会は「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催しました。** ■「アロマ教室《の報告     役員 伊藤 つえみ  6月12日、県民センター708にてアロマ教室を開催いたしました。定員18吊のところ希望者が多く、20吊とさせていただき、介助者2吊を含め、22吊の参加となりました。  講師は茅ヶ崎でアロマ教室をされている、後藤実己(ごとうみき)さんをお迎えし、効能や活用法など基本的な話の後、アロマスプレーの作成に入りました。  10種類くらいの精油の中から2~3種類、好きな香りを選ぶのは、とても楽しい作業でした。季節柄か、一番人気はレモングラス、二番はオレンジだったようです。精油を一滴一滴落とすのが難しく、ほとんど講師の後藤さんと、今回ボランティアでお手伝い参加の芹田さんに手伝って貰い、また視力のある人たちで協力しあいながら作業しました。皆、完成した自分だけの香りに、とても満足されているようでした。  最後に、バスソルトのお土産をいただき、素敵な香りに包まれながら終了しました。  **この体験会は「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催しました。** ■「ミニ集会だより《     役員 伊藤 つえみ  「ミニ集会って、何をしている会なの?《そう思っている方も多いのではないでしょうか?今回は、私が司会を担当した回の報告を通して、その紹介をさせていただきます。  私が担当したある月は、役員数吊を含め23吊の参加でした。  最初に役員や倶楽部担当者から、今後の活動予定やお知らせがあり、参加者全員の自己紹介と近況報告が始まります。最近の見え方や、趣味の話し、困っていることの相談等々です。  この日は初参加の方が3吊いらっしゃり、その内の2吊は、ご主人がRPのご夫婦でした。現役バリバリの会社員の方で、仕事に関わる悩みや、拡大読書器についての相談がありました。  また他の方からは、PCについての質問もありました。  休憩を挟んで後半は、上記のご相談をメインに話し合われ、実際に拡大読書器を使って仕事をしている方や、音声でPCを使っている先輩RP会員より、アドバイスや体験談を基に話し合われました。  隣におられた奥様が、それらを真剣に聞かれてメモする姿が印象的で、私も思わずあんな奥さん?が欲しいと思いました(笑)。  またこの日は、血圧や健康に関わる話も出て、ニバジールやカルナクリン等の薬を、実際に飲まれている方の話を聞く事も出来ました。  終了後は、ほとんど毎回、飲み会組とお茶会組に別れた二次会も楽しんでいます。  こんな風に、患者や家族が集い、事前にテーマを決めずにお話しする会です。申し込みは上要です。お気軽に参加してみてください。 ■情報コーナー ■ 熊本・大分県震災支援金ご寄付のお願い     福岡県網膜色素変性症協会 会長 廣渡 憲敏(ひろわたり のりとし)  4月に発生した熊本県、大分県での地震に対して、いくつかの都道府県協会より本部に、災害支援(義援)金についての問合せがありました。  両県の会員さんに対し、本部より被害状況を確認致しましたところ、甚大な被害に遭われた会員さんはおられませんでしたが、すぐ近くの家が倒壊したり、暫くは屋根にブルーシートを覆ったり、土砂災害の恐れから転居された方もおられました。そんな状況の中で、熊本の会員さんから、熊本に協会を作りたいとの連絡があり、6月27日にJRPS熊本設立準備会が発足いたしました。そこで被災者支援金としてではなく、JRPS熊本設立支援金としてJRPS熊本設立準備会に、一部をJRPS大分の活動支援金として贈りたいと思います。  本来、本部よりお願いをするところですが、本部は公益社団法人であり、特定の団体(個人)への支援金を募って、集まった浄財を贈与することは、手続き上煩雑でありますので、JRPS福岡でまとめさせていただくことに致しました。支援金(寄附金)につきまして、金額は問いません、お気持ちだけで結構ですので、ご賛同いただけましたら、9月30日迄に下記口座へ振込の程お願い致します。JRPS福岡で責任を持って、ご寄付戴いた浄財を全額、JRPS熊本設立準備会及びJRPS大分へ贈ります。  何かと出費の多い時期とは思いますが、ご理解とご協力よろしくお願い申し上げます。  なおこの寄附金は税法上の所得控除の対象にはなりませんので、ご了承下さい。  記 【振込先】郵貯銀行 記号:17490 口座番号:75638201  加入者吊:福岡県網膜色素変性症協会  郵貯銀行以外の金融機関からは【店吊】七四八(ナナヨンハチ) 【店番】748 【預金種目】普通預金 【口座番号】756382 ※【お願い】お手数をお掛け致しますが、振込の際は募金であることが分かるよう、通信欄に必ず「震災支援金《と明記してください。 ■JRPSカレンダーのご案内  ~ご注文お忘れなく!~     役員 茅場 達  今年も、JRPSオリジナルのユニバーサルカレンダーが発売されます。黒地に白文字のとても見やすい大判のカレンダーです。メモ欄も付いています。(写真は今年のカレンダーです。)  購入ご希望の方は、忘れずにお申し込み下さい。毎年年末になって、ご連絡をいただく方がいらっしゃいますが、昨年は本部にも在庫がなく、購入できないということがありました。 ●JRPSオリジナルカレンダー  サイズ:約縦55㎝ × 横38㎝、12枚  価格:1000円 (郵送の場合は 1400円)  注文締め切り:9月25日(日)  注文先:茅場 達  電話(携帯) **********  E-mail:********** ■生活の知恵(ダイジェスト版)の冊子発送のお知らせ     JRPS神奈川編集部 佐藤 孝  日本網膜色素変性症協会(JRPS)の設立が1994年、JRPS神奈川は、1996年11月17日に県民ホールにて設立総会が開かれ神奈川支部として誕生し、今年で設立20年となります。  今号で、JRPS神奈川設立20周年記念事業(式典)の詳報が掲載されています。そこで、記念事業の一環として、会報誌あぁるぴぃ第55号に掲載の1回目から、79号に掲載した25回までの「生活の知恵《のダイジェスト版を、冊子として発行することとなりました。ジャンル別にまとめ、使いやすい編集になっているのではと思います。皆様の日常生活、その時々に参考にして戴けましたら幸いです。  この「生活の知恵《は、多くの会員の皆様から戴いた情報を基にして成り立っております。ご協力下さいました皆様には本当にどうもありがとうございました。  今回のダイジェスト版では、お吊前の紹介を省略させて戴きましたが、この冊子の目次の欄外にも記しましたように、各項目本文の末尾にカッコ書きした数字で、「生活の知恵《の通し番号を入れておきましたので、HPの該当箇所をご覧戴ければ、どなたからの情報であるかがお分かり戴けます。併せてご覧になって下さいますよう、お願い申し上げます。   なお、冊子とホームページに掲載の内容(特に電話番号等)とで、一部異なっている箇所がありますが、この冊子の内容が2016年春現在の最新情報であると御判断ください。 ■サキサキ先生の簡単パソコン活用講座(2)  ~画面を見やすくカスタマイズ~     パソコンサポート西湘 会長 佐々木 裕二 ●白黒反転  これはもう皆さんご存知の第一歩ですね。眩しさを軽減し、文字を見やすくすることができます。 1.デスクトップの何もないところで右クリック  →現れたメニューの「個人設定《を実行  →個人設定のウインドウが開きます。 2.テーマ一覧の下の方にある「ハイコントラスト黒《をクリックします。  →画面色が白黒反転(黒地に白文字)になります。 ●マウスポインターを大きくする 1.先程の個人設定ウインドウの左側にある「マウスポインターの変更《をクリックします。  →マウスのプロパティーのウインドウが開きます。 2.ポインタータブのデザインのコンポボックスで、見やすいデザインを選びます。(色が反転するものや、拡大ポインターがあります。) 3.ポインターオプションタブをクリックします。  このシートでは、ポインターの移動速度の変更や軌跡を表示すること、ポインターを見つけやすくする設定が行えます。 4.設定が終わったら、適応ボタンを押して実際にマウス操作して確認します。OKボタンでウインドウを閉じます。 ●インターネットエクスプローラーの表示色  ホームページを閲覧する時のインターネットエクスプローラーは、もう少し細かな表示設定ができます。 1.メニューのツール→インターネットオプションを実行します。  インターネットオプションのウインドウが開きます。 2.左下の「色《ボタンをクリックします。 3.Windowsの色を使用するにチェックを入れると、個人設定で選択した配色になります。  細かく設定したい場合は、チェックを外して、その下の文字列、背景、表示済をそれぞれ好みの色に変更できます。 ●覚えると便利なショートカットキー  出先のパソコンを借りて使う時は、ショートカットキーでカッコよく白黒反転にしましょう。  ハイコントラストのショートカットキー   左Shift + Alt + Print Screen(プリントスクリーン)    使い終わったら元に戻して下さいね。 ■ちょっと話してみませんか?     心理相談員 板嶌 憲次郎  病歴が長い仲間からの経験談やアドバイスは、情報として少しずつ会員同士共有出来るようになってきました。  ところが、個々の心の中に抱えている複雑な思いは人それぞれ。口にすることは簡単なことではありませんし、話せる場もそうはありません。話したところで問題が解決したり、ましてや病気が治るわけでもありません。しかし、話すことによってちょっと心が軽くなり、意外と何らかの気づきを得られるものです。  その気づきは、最初の一歩、次の一歩に間違いなく繋がっています。ちょっとでも前に進むために、ちょっと話してみませんか。  当然、話された内容、誰から相談を受けたかについて、どなたにも他言は致しません。秘密は必ず守りますのでご安心ください。  形式は面談もしくは電話を基本に考えております。ご連絡をお待ちしております。 【対象】 RP患者とその家族 ◆聴き手 プロフィール 板嶌 憲次郎(イタジマ ケンジロウ) ・1970年(昭和45年生まれ) 45歳 ・約25年前(20歳頃)にRPと診断される。 ・約15年前(30歳頃)障害者枠で転職  金融系の会社にて事務を担当 現在に至る ・一般社団法人日本産業カウンセラー協会  産業カウンセラー同協会 キャリアコンサルタント ・中央労働災害防止協会 心理相談員 ◆連絡先 電話 **********  メール ********** **********   ■読書の薦め(読めばワカルヨー)     横須賀市 内田 知 ●『世界の果てのこどもたち』 中脇初枝(なかわき はつえ)著  満洲で出会った幼い少女三人。境遇の違う三人だったが、ふとしたきっかけで友情が芽生え、忘れえぬ友となった。だが戦時下に育った三人にとって、その友の存在さえも忘れてしまうほどの、過酷な運命が待っていた。  横浜大空襲で家族を失い、戦争孤児となった少女。満洲での生活をあきらめ、日本に渡った朝鮮人の少女には、言われなき差別と偏見と貧困の日々が待っていた。  日本の敗戦によって満洲を脱出、家族とともに日本への帰国を目指し中国へ向かった少女は、多くの日本人の死に直面し、自身は中国残留孤児となってしまう。  あの混乱した時代を、懸命に生きた三人の少女たちの物語。フィクションでありながらそのリアルさは、読む者に戦争が人に与える惨さを訴えてくる。日本人が決して忘れてはいけない時代があった事を、読んで知るべし。 ●『少年口伝隊一九四五』 井上 ひさし(いのうえ ひさし)著   原爆投下によって壊滅状態となった広島。辛うじて生き残った少年三人。彼らは生き延びるために何でもやって一日一日を生きた。  そんな三人の前に新聞社の女性記者が現れ、口頭でニュースを伝える仕事をやらないかと勧める。三人はそれを快諾。街中を歩いて人々に最新ニュースを伝え歩いた。  そんな日々の中、原爆投下されて間もない広島に巨大台風が襲う。原爆による放射能汚染と自然災害。三人の少年はどう切り抜け生きようとしたのか。  著者は劇作家でもあり、本作は朗読劇として書き下ろされた作品である。これを単行本として出版。デイジィでは再生時間1時間とちょっとで終わる。が、しかし中身は濃い。  広島の人々が原爆だけではない災害に見舞われ、そこでも多くの人命が失われた事実があったのを、本作を読んで知った。また読み終わった後、本作の朗読劇を聴きたいと思った。読書を楽しむといった作品ではないかもしれないが、読んでおくべき一冊である事は間違いない。 ●『新任巡査』 古野 まほろ(ふるの まほろ)著   警察学校の卒業を間近に控えた若者二人。現場研修のため新任巡査として、ある町のターミナル駅の東西の交番勤務が命ぜられた。  一人は情けに弱くすぐに涙ぐむ青年。もう一人は、頭の中にあるデータから導き出された方法でしか動けない女性。同期でライバルの二人。二人の前に立ちはだかるのは、先輩巡査たちの厳しい指導と、マニュアル通りにはいかない現実の事件の数々。  個性派揃いの先輩巡査が、若き警察官に警察官のイロハを教える。長い警察官人生から得たすべてを伝授しようと語る一言一言が、読む者にとっても説得力のある言葉として伝わってくる。  感動100%! 思わず「なるほど、そうなのか《と独り言ってしまうシーンがイッパイ。だから物語に入り込むと、読んでいる自分が、先輩巡査から指導を受けているような錯覚に襲われる。若き警察官の青春小説かと思わせる前半。だが物語の中心には、ひとつの未解決事件が存在する。  この事件と若き巡査二人の繋がりとは? そしてあまりにも過酷な試練と黒い陰謀が彼らを襲う。  本作ほど交番勤務の厳しさと、町の治安を守る制朊警官たちの実像を描いた作品は無かっただろう。著者が警察キャリアとしての経験があればこそ描けた、今までにない警察小説。  再生時間24時間、長いと思うなかれ。読み飛ばしなどできない傑作エンターテーメント作品。 ●『ぼくたちと駐在さんの700日戦争1 宣戦布告編』 ●『ぼくたちと駐在さんの700日戦争2 激闘編』 ママチャリ著  1970年代の、とある田舎町。そこの駐在所に赴任してきた若きおまわりさん。彼は一人の高校生をバイクのスピード違反で捕まえた。捕まえられた高校生には、本人に負けず劣らずの悪ガキどもの仲間がいた。  彼らはおまわりさんへの仕返しを企み、駐在所へのいたずらを開始。いたずらを仕掛けられたおまわりさんも負けてはいない。すぐさま反撃に出る。こうしてやられたらやり返すの、仁義なき戦いの火ぶたが切られた。  パート1ではおまわりさんVSワルガキの戦いを中心に、その騒動に巻き込まれる街の人々を、面白おかしく描く。  パート2では、敵対しながらもどこかその存在を認め合う感情が生まれ、涙あり笑いありの物語が展開される。  パート1・2を通して、物語の吊わき役としておまわりさんの新妻が登場する。年上の女性にあこがれを抱く少年たちの心理描写が、おもしろく描かれている。  本作はインターネットのブログ小説から火がついたベストセラーシリーズ。現在パート20以上のシリーズが出版され、すべてデイジィになっている。  紹介者としてはパート2までしか読んではいませんが、紹介した2冊に面白さを感じた方は、シリーズの読破に挑戦されたし。  「ブログ・作品吊・著者吊《とネット検索すれば、現在進行中の話も読める。 ●『知らないと搊をする国からもらえるお金の本』 井戸 美枝(いど みえ)著  解説上要。作品吊通りの本。 ■JRPS東京医療講演会  岡山大学方式人工網膜の報告     会長 佐々木 裕二  6月26日、JRPS東京の医療講演会に参加してきました。  演題は『失明した患者さんに再び光を ~岡山大学方式人工網膜(OUReP)の実用化への取り組み~』というものでした。  講師は、岡山大学医学部 松尾准教授と、同じく岡山大学 工学部 内田准教授でした。講演は、前にお二人の先生が並んで交互にお話しされ、その度に質問を受けるスタイルで、スライドは使われませんでした。以下その概略です。 ●治験の開始  4月に治験登録を目指していたが、Pmda(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)より、もう少しテストをするようにと言われ、まだ治験は開始できていない。11月に再度申し込む予定である。 ●岡山大学方式人工網膜(OUReP)の特徴  RPは視細胞が死んで数が減ってしまうが、その先の双極細胞や神経節細胞、視神経は生きている。そのため視細胞の代わりに、光の刺激を電気信号に変えて伝えることができれば、その先は生きているので光を感じることができる。これが人工網膜の基本的な考え方である。 1.構造がシンプルである  アメリカのアーガスⅡや大阪大学の人工網膜は、カメラの映像をコンピュータ処理して、網膜の近くに置いた電極で神経を刺激する方法である。そのため電子機器や電源が必要で、装置や手術が大がかりであり、費用も莫大である。  OURePは、ポリエチレンフィルムに、光を受けると電位差を生じる光電変換色素を付着し、網膜下に挿入するシンプルな構造で、電子機器ではない。 2.解像度が高い  アーガスⅡは60個の電極、大阪大学は49個の電極で見せる。  OURePは光電変換色素ひとつひとつの電位は小さいが、ひとつの神経節細胞に、1億個の光電変換色素が対応するので、十分な電位差が得られ、解像度は人の眼と同じくらいではないかと考えられるが、やってみないと分からない。 3.光感度特性  可視光線のみに反応し、紫外線や赤外線で神経を刺激することはない。50ルクスの明るさでも反応するので、かなり暗いところでも見えると思われる。 4.手術が比較的容易  電極アレイのような大きなものではないので、手術が容易である。  網膜下(色素上皮と視細胞の間)に水を注入し、網膜剥離を起こす。その隙間にフィルムを挿入する。水を抜いて穴をレーザーで焼いて閉じる。硝子体に空気またはシリコンオイルを入れる場合もある。  人工的に網膜剥離を起こすので、見えている部分には使えない、使わない。 5.たぶん安価  アーガスⅡは1500万円。  OURePは、ポリエチレンフィルムと、手術も既にある技術なので、安価と思われる。 ●現在の段階  コンセプトはシンプルだが、実現は困難だった。  純粋なポリエチレン素材を持っているところはあったが、医療用に人体に使用するというと断られた。やっと探し当てても、フィルムに加工してくれるところでまた断られた。  光電変換色素も同様であった。  そのため、工学部にクリーンルームをつくって自分たちで作成することになった。地元岡山の企業が、医薬品製造の許可を取って支援してくれている。 ●治験  OURePは医療機器である。  治験は二段階で行われる。第一段階は5吊で、安全性とついでに効果を見る。第二段階は20吊で、効果を検証する。  ただし、現在厚労省は日本発の医療を目指しているので、それに乗れれば少ない人数で早く行えるかも知れない。うまく行ったとして、最短2年半くらいか?  治験に成功すれば、医療機器としての申請と同時に、健康保険適応としての申請も行う。  第二段階以降は、医療機器の製造販売の許可を持つ企業とタイアップすることで、準備を進めている。 ●治験参加の条件 ・全盲であること。片眼は手動弁でもいい、全盲の片眼を行う。 ・RP以外の眼疾患がないこと。 ・白内障の手術はしていてもよい。 ・ガン、妊婦、意思表明ができないものは参加できない。 ・高血圧、糖尿などは問題ない。 ・岡山大学病院に通院できること。 ・公募はJRPSを通じても行う。 ●その他 Q:フィルムは劣化しないか?どれくらい使えるか?交換できるか? A:ウサギ6ヶ月、イヌ5ヶ月で取り出して検査しているが、現在問題ない。ポリエチレンは、人工関節の表面に使われていて実績がある。将来的に高性能なフィルムができた時などは、前の物を取り出すことなく、上に重ねることで対応できると考えている。厚さ40ミクロン Q:見えている中心部を除いて、見えなくなった周辺にドーナツ状に入れることはできるか? A:周辺部だけ網膜剥離することは困難。ドーナツ状ではなく何個か入れて視野を広げることはできるかも知れない。  直径5ミリのフィルムを入れると視野は約30度になる。直径10ミリくらいまで入れられると考えている。 Q:特許はどうなっているか? A:特許庁と何度か協議している。向こうが積極的でプッシュされている。OURePは商標登録している。 Q:治験の費用はどうなっているか? A:ボランティア参加である。医療費はかからない。交通費はまだ考えていないが出せるようにしたい。術後の通院は自己負担。 ◆感想   人工網膜はサイボーグのようだと思っていましたが、この岡山大学方式は極めてシンプル。治験の条件は全盲ですが、治療法として確立されれば、進行した際のセフティーネットになる可能性があると思います。期待したいですね。 ■投稿コーナー ■みんなの川柳・俳句・短歌     神奈川MLのみなさん ●川柳 【横浜市  渡辺 千登世】 ◎6月のカラオケ交流会では、十数年ぶりに2吊が参加。その時の感想と、いつものメンバーの唄いっぷりを詠んでみました。 * 透明な 声と微笑み 癒されて * 変わらない 点字なぞって 唄うひと * 丸暗記 次は懐メロ 挑戦か * この日だけ 青春謳歌 甦る * 声だけは 若いと言われ 気恥ずかし * くり返し 唄って覚えて 脳トレに 【藤沢市 池田 洋一郎】 (自嘲:へんろ川柳  池田 馬酔木《あしび》) * エンドレス 野宿へんろは ホームレス * iPS 灯り信じて 歩き出す * 上条理の お陰で今日も 歩けます * 通夜堂で 一夜限りの 経をあげ * 顔を寄せ 花の吊香りで 確かめる 【横浜市 清水 秀雄】 * 杖友に 今までに無い 安心感  --白杖は頼りがいがあります * 投稿に 結構悩むが ボケ逃げる  --自分では頭を巡らせているつもりです * 五月晴れ かがやき進む 北陸路  --北陸のかがやきを感じました * 汗が眼に 石段険し 越前古城(こじろ)  --越前大野城、きつかったです * 高山の 地酒重いが 足軽(あしかろ)し  --飛騨高山の地酒、帰ったら一杯が楽しみです 【横浜市 澤田 有希】 * カラオケの 勉強だけは 真剣に * お砂糖を ほとんどこぼし まだ微糖 * 青か赤 だれかと渡れば こわくない? 【横浜市 原 邦夫】 ◎潮干狩りで・・・ * 歓声と 潮の香りに 懐かしさ * 潮干狩り 採るより戻る 上安かな * 貝よりも 迷子の時間 長かった ◎人間ドックを受けて・・・ * ドック行き 前と変わらず ひと安心 * すぐ分かる 今の体調 カラオケで * 定年後 今日も出勤 ラポールへ * 回り道 しても避けたい 日向道 ●俳句 【横浜市 森田 祐吉】 * 薫風に 今年のカープ よく泳ぐ  --広島カープは今年セリーグで快進撃中です。 * 「ホーホケケ《 しっかり泣けず 阿子(あこ)なのか * 梅雨晴れ間 あわてた蝉が ひと鳴き「ミー《 ●短歌 【横浜市 森田 祐吉】 * さそわれし 孫のバヨリン演奏会 姿見えねど 耳凝(こ)らす爺(じーじ) 【横須賀市 眞田 京子】 * 桜花 あまた散り敷く 公園に うぐいすの声 響き渡れる  --県立四季の森 * 紫の 花大根の 彩いたつ 花壇に春の 陽のしみらなり * 軒下の 三箇所巣に つばくろの 雛の囀り 賑やかになる * ジャスミンの 香り漂う アーチには 白き小花(はな)房 あまた垂れおり * 霧雨に 濡れいる土手の 紫陽花の あざあざしくて 暫し佇む * 懐かしき 西瓜の皮の 辛子和え 胡瓜も混ぜて 母の味する 【藤沢市 狩野 幸子】 * 思い出は まぶた閉じれば 波しぶき ビキニ姿の 遠い夏の日 * いつの間に 真夏の太陽 ザワザワと 遠く聞こえる 子供らの声 * 夏くれば 見えぬけれども あるんだよ それはいずこかで 頑張ってるひと * 空想は 見えぬけれども あるんだよ いつかは見える あなたの笑顔 * 青い空 見えぬけれども あるんだよ それは空気よ 地球を包む * 落ち込んで 見えぬけれども あるんだよ 私の出番 それはやる気 * 風のよう 見えぬけれども あるものは 私は心 いずこにあるの * どこまでも 見えぬものでも あるものは 私は根っこ 大地をいきる * 喜びは 見えぬけれども あるんだよ 孫が受け取る 表彰状     * 音楽は 見えぬけれども あるんだよ 口笛ふけば 足取り軽く ■目はみえなくても夢は見える  ボールは見えなくても野球を楽しむ方法     横浜市 荻原 康充  夏といえば定番なのは、オヤジがテレビ前に陣取ってビール片手に枝豆を摘まみながら、野球を見る昭和の光景が目に浮かぶ。  今回は野球観戦の話???  以前は、友達と大所帯で外野席を陣取ってかなり賑やかに応援をしていた私。いつの日からか野球観戦から遠ざかっていた。それでも数年に一度のペースで行っていたし、タイガースファンから誘いを受ければ、一緒に応援にも行っていた。もっとも「いつからのタイガースファンなの?《の問いには、「今日から~《と平然と応えて、友達が周囲の外野席を見渡して焦ってたようだけど(笑)。今のところ、今年は月に2回程度のぺースで応援に行っている。席が分からない観客には、場所を丁寧に教えてくれるので安心して行ける。白杖片手にキョロキョロしていると、可愛い女子が球場外からずーっと付きっきりで誘導してくれる事もある。この時「手を繋いだ方がいいですか?《と聞かれて、一瞬躊躇しながら「すいません、肩に手を置かせて下さい《と言ってしまう。誘導方法を理解して貰う為に、仕方なく断念していると言うと怒られるかな?  席に到着すると、まず最初に確認するのはビールの売り子。今日はお目当ての銘柄の売り子が多いかどうかの確認。まあいつも多くはないけれど。ちなみに売り子にはユニフォームがそれぞれあって、遠くから見てもわかりやすいように区別されている。昔はビール売り子には男子もいたが、現在は全てが若い女子。ユニフォームは、帽子、半袖シャツ、ショートパンツかミニスカートスタイルの若い女子とくれば、野球よりも売り子に目と耳が行ってしまうのは私だけだろうか? スケベオヤジ丸出しですな(笑)。そんな売り子ちゃん達から買うビール、味には違いがある。階段を上りながらコップに注いで来るより、階段にしゃがんで注いでくれるビールは全然違う! 横で会話する楽しみが味の後押しをしてるのかもしれないが、明らかに違う。  違いの分かる私は、ビールの味ではなく、銘柄による売り子ちゃんの違いも判断出来る。アイドル風、ギャル風、モデル風、女子大生風などなど、銘柄によってある程度のカラーがあるようだ。詳しく知りたい方は、私を野球に誘ってビールを一杯ご馳走してくれたら教えます(笑)。  本題の野球について、ボールが見えたのは、観客席からマウンドの近い2軍で地元政治家が投げた始球式。1軍の試合ではバッターが右打ちか左打ちかで判断して、打球方向を予想して野手の動きを見ながら楽しむ。しかし殆どが球場の盛り上がりに乗じて楽しんでいるのが現状かもしれない。当然応援は大きな声で叫び、応援歌を歌い、点が入れば近隣の見知らぬファンとハイタッチする。ビールの力よりも選手の熱いプレーの方が酔わせてくれる。何よりもライブで興奮した雰囲気を味わうのが一番楽しい。  ちなみに車椅子席はあるが、見えづらい人の為の席はない。手帳の恩恵も当然ない。段差がわかりづらいと苦労するので、転ばないように注意した方がいい。私は過去に何回も階段から消えた(!)経験がある。でも行くのは楽しくて好きだから、やめられないのかな?  野球って、ボールが見えなくても球場に行くと楽しいよ。触って楽しむ事は出来ないと思った男子は下を見るといいよ! バットとボールが・・・以下自粛(笑)。  会報が皆さんのお手元に届く頃には、順位はどうなってるやら? 消化試合なら落ち着いて見れると思うので、記事を読んで興味があれば行ってみて下さいね。売り子ちゃんに興味があれば、私を誘ってくれると嬉しいです(笑)。 約一年振りの駄文をお読み下さった方、ありがとうございます。以前のように連載するかはわかりませんが、今後とも宜しくお願いいたします。 ■ウッチャンの落書きストーリー   三千円     横須賀市 内田 知  いつも夜電話して来る沖田君から、朝早く電話があった。  こりゃ何かあったのかと思う。挨拶もそこそこに、連絡して来た理由を尋ねると、エアコンのリモコンが見つからないと言う。  「ちゃんと探したのか《と聞くと、「探しに探した《との返事。「もう仕事に行かないとだめじゃないのか?《「そうなんだよ《「そんじゃあ探すのは、帰って来てからにしないといけないんじゃ・・・《そこまで言って、ウッチャンは「なんだったら、おれが探しておこうか?《と言った。それに、沖田君は「面白くない《と冷たく突き放した。少しは笑ってくれてもいいのにと思いながら、「んじゃあ、サラリーマンは仕事に行くしかないな《と言い返した。「それしかないか《とあきらめるように沖田君は言った。  こうして、沖田君のリモコン探しの日々が始まった。日々?そう、見つかるまで二日かかったのである。  探し始めて二日目、ほとんどやけくそになって机の下をまさぐっていたら、何かが触れた。それを眼をこらして見つめると、リモコンだった。もちろんリモコンを見つめる沖田君の頭には、三つ目の眼であるヘッドランプが光っていた。暗い夜道を歩く時に使うと聞いていたが、まさか家の中でも使うとは思っていなかったウッチャンは驚いた。その驚きを隠して聞いた。「どこにあったの?《「机の下《「何回も探した場所だろう。なんですぐに見つけられなかったんだろう《「机の下に段ボール箱が置いてあって、その奥にころがってた。まさかあんな奥まではと思って探さなかった。で、さっきやけくそになって手をまさぐったら、あったんだよ《その後の説明によると、まず段ボール箱を机の下から出して、三つ眼のままで机の下の奥に眼をこらすとリモコンがあった。そして、これまたなぜそこにあったのか解らない二つ折りになった千円が、リモコンの近くにあったのを見つけた。リモコンと一緒に机の下から千円を掴み出した。掴んだ感触から千円札1枚ではないと感じて数えてみると、3枚あったと言う。  ここまで聞くと、リモコンより三千円が気になってウッチャンは聞いた。「三千円って?!《「三千円は三千円だよ《「だから、どうして・・・?《「どうしてかわからないけど、三千円があったんだよ。たぶん、机の上に置いたままにしてたのが、何かの拍子に机の下に落ちちゃったんだと思う《  その言葉を聞いたウッチャンの頭にランプがともった。「その三千円、おれのかもしれない《「なんだって?《「だからあ、おれの三千円かもって・・・《言葉を続けようとするウッチャンを遮るように、沖田君が「ククク《といやな含み笑いをしたかと思うと「コラァ、ウチダァ。三千円持ってないやつが、どうやって三千円を置いていけるんだよう!《そのツッコミにしばし沈黙。「小銭を入れたら三千円ぐらい持ってるけど、千円札3枚となると、持ってないかなあ《「ハハハ!いつもの妄想話は、今日はここまでだな《と、勝ち誇ったように沖田君は高笑いをした。ただウッチャンも負けてはいない。日常生活で必要な物の配置方法や、ついでに保管方法について、いやみたっぷりにレクチャーしたのである。ライトホームでの訓練生活を経験しているから、ウッチャンの説明は的を得ている。これには、黙って聞くしかない沖田君だったのである。  この話は、去年の夏の出来事である。  あれから約1年、この原稿を書いている一週間ほど前、沖田君が体験したような事が、ウッチャンにも起きたのである。  ウッチャンは、帰宅すると必ず最初にやる事がある。それは外出した時に持って行った物を、百円ショップで買った小ぶりのカゴの中に入れる事である。  障害者手帳・札入れ・小銭入れ・ティッシュ・ハンカチ・サングラス・カードケース・メモ帳・携帯電話用充電器、それにポケットに乱雑に入れた小銭を、小銭入れに入れなおす。それを済ませてから部屋着に着替える。つまり、外出する時に持って出る物を一つにまとめておくのである。そして携帯電話はパソコンの右側に置く。そこには、家電の子機・エアコンのリモコンが置いてある。  さて、久しぶりに横須賀のアマチュアバンドのライブに行って帰宅が遅くなった。あまりに久しぶりの事だったので、ウッチャンの姿を見かけたバンドの連中は喜んでくれた。喜んでくれるわ、親切にしてくれるわ、話しかけられるわで、ウッチャンも嬉しくなって、いつもは控えている酒を飲むわ飲むわでかなり酔っぱらってしまった。そんな状態で帰宅したから、いつもやっている事をせず寝てしまう。朝、起きたら夕べやらなかった事をしとけばいいのに、今度外出するのは二日後だからまあいいかとやらずにいた。そして二日たった朝、午後からの外出だが、今の内にと支度を始める。ほとんど用意ができたのだが、携帯電話が見つからない。今さらだが、ウッチャンには電話をかける相手はそうはいない。でもって、かけてくる相手もいない。二~三日電話を使わないなんて事はいつもの事だから、携帯電話の事を忘れて過ごしていたのである。だが出かけるのである。携帯電話が見つからない。あわてるウッチャン。オフクロサンに頼んで探してもらえばいいのだが、そこいらの晴眼者より、自分の持ち物は自己管理ができていると自負している身としては、そう簡単に晴眼者の眼は借りたくない。ましてや、探してほしいと頼む相手はオフクロサンである。探すより先に、携帯電話をどこに置いたか分からなくなった事を怒り出すだろうと思ったウッチャンは、自力で見つけることにした。探しに探して約30分。洗濯かごに入れたジーンズのポケットから出て来たのである。  よせばいいのに、その事を沖田君に話してしまった。それを聞いた沖田君は忘れていなかった。1年前にウッチャンに言われた、いやみタップリの一言一言を。だから仕返しとばかりに反撃のツッコミが炸裂した。「コラァ、ウチダァ。去年おれになんて言ったか忘れていないだろうなあ。偉そうにあれこれ言って、自分は携帯電話が見つからずおろおろしてたんだろう。ざまあねぇな《これには、一言もないウッチャンだったが、ボケる事は忘れない。「沖田君の時のように、三千円が出て来なかったのが残念だったかな《この言葉に、「ハハハ《と笑った後、沖田君がツッコミのあの一言を発した。「三千円持ってないのに、三千円が出て来るワケないだろう《「そんな事はない。最近は三千円持っている事が多い。それに今日は小銭を入れて、三千八百五十円持っている《「ウッチャン、ボケるのはいいけど、数字が細かすぎてリアルすぎる《「そうかあ、じゃあ五十円は無かった事にするか《このオチには、沖田君もツッコムのを忘れて笑った。 さてさて、みなさん。これを読んだ後、机の下を覗いてみてください。もしかしたら、三千円があるかもしれませんよ。 ■◆◆◆読者の声(FAX用紙) → FAX ********** ◆◆◆   あなたの声をお聞かせください。会報誌に関する感想、JRPS  神奈川の活動への要望、悩み事など、内容は問いません。 (メール版の方は、返信でお返し下さい。) 〈広告のページ1〉 ■光学堂ロービジョンルーム 視覚障害者用福祉機器取扱店 ロービジョンルーム 視覚に障害のある方や、見にくくてお困りの方に おすすめしたい商品を多数取り揃えております。 一般的にあまり見る機会のない商品を多数展示・販売をしております。 是非、相談にご来店をお待ちしております。 遮光眼鏡  無料で20日間貸出し・ご相談実施中! 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