JRPS神奈川支部会報第61号 テキスト版 (表紙) 1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行) 2011年11月16日発行 SSKA 通巻7426号 SSKA あぁるぴぃ第61号 KANAGAWA 2011 winter 私たち自身で 治療法の確立と 生活の質の向上を目指す JRPS神奈川支部 ** この会報誌は「NHK歳末たすけあい《の配分金により作成しています ** (表紙終わり) あぁるぴぃ第61号 KANAGAWA 2011 winter ■ 目次 ・巻頭言        2 「聞く《と「聴く《 ・神奈川支部の活動   3 総合カレンダー 4 報告 第5回“RP”出前セミナー 7 白杖体験講習会(実践編)の報告 10 フリークライミング教室の報告 10 パソコン教室の報告 11 つくしの会だより~お楽しみ会のご報告  11 一泊新年会のお誘い 13 ミニ集会だより 13 ♪カラオケ交流会のお知らせ 14 (家族向け)おしゃべり会へのお誘い  15 支部長からのお知らせとお願い   16 見えてきた現状!! ~”RP”出前セミナーから ・情報コーナー     18 知っていると役立つ「生活の知恵《(7) ・投稿コーナー     22 ホーム上の点字ブロックについて議論を 24 初めての一人旅 28 思い出体験記(第16回) 31 ウッチャンの落書きストーリー ◆今号の表紙  川崎で開催された第5回“RP”出前セミナー。ご協力いただいた保健福祉センター・地域保健福祉課の皆さんとJRPS神奈川支部スタッフ。(撮影・小澤さん) ■ 巻頭言 「聞く《と「聴く《  約1年前より、コーチングなるものを支部役員のT氏と一緒に学びはじめた。「コーチングとは何ぞや?《というのは、別の機会に譲るとして、そこで、「人の話をきく《ということについて学んでいる。  「話をきく《には、2種類ある。「話を聞く《「話を聴く《。どちらも、発音は一緒だが、意味合いは大分違う。門構えに耳の「聞く《は、「耳に入ってくる《という感覚であろうか。一方、耳偏に十四に心と表す「聴く《は、より相手に耳を傾けて聴くという感じを受ける。十に四の部分は、実は「直《の変形した形だそうで、相手の心から発した声を耳を通して直接、自分の心に届けるという意味合いがあるらしい。  さて、普段の私たちは、どちらの「きく《をしているだろうか。会話は、よくキャッチボールに例えられる。話をボールに見立てて、相手に投げて、受け取って、返して。これの繰り返し。しかし、面白いことに、話のボールを受ける側は、相手がそのボールを投げている最中、すでに返すボールの準備をしているらしい。要は、相手が話し終える前に、自分の言いたいことを頭で考え始めている。「的《というものを外さなければ、キャッチボールは成立し、このような会話の楽しみ方もあるだろう。  では、「話を聴いてくれ《という時はどうであろう。相手の気持ち、想いはしっかり聴いているか。自分の意見を話したいが為の「聞く《をしていないだろうか。  この頃、JRPSの活動が一般的に認知されてきたのか、色々な問い合わせが多くなってきた。そして、RPベテランの私たちはすぐ「大丈夫ですよ。《、若しくは、私たちが経験してきたことを、要は、私たちが話したいことを話してしまう。話し手の人が、何を話しているのか。その中にある想いは何なのか。「色々、説明を聞きたい。《という、新たにRPの世界に入ってきた、ご本人やご家族の心の中に潜むもの…。これからは、しっかり耳を傾け「聴く《を心がけていきたい。                        (役員・板嶌憲次郎) ■ 神奈川支部の活動 ■ 総合カレンダー 12月3日(土) ※カラオケ交流会 関内 12時~午後4時 12月18日(日) チャリティーコンサートミュージックパーティー2011            横浜ラポール 開場12時30分 開演13時      *開催場所・時間が変更になっています。ご注意ください。 2012年  1月7日・8日※一拍新年会 横浜あゆみ荘  1月28日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 13時~  2月12日(日)※ミニ集会 県民センター603 12時~  2月25日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 13時~  3月3日(土) ※カラオケ交流会 上大岡 12時~午後4時  3月18日(日) ミニ集会 県民センター 708 13時~  3月24日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 13時~  4月15日(日) アイフェスタ2012in横浜 神奈川県ライトセンター ※…この印の項目は記事が掲載されています。 ◆ミニ集会の会場  ミニ集会は通常、かながわ県民センター(045*312*1121)で開催します。横浜駅西口からヨドバシカメラのビルに向かって進み、その手前の横断歩道を渡ったら、右に曲がります。100mほど進んで高速道路の先の信号のある交差点の左角の建物です。点字ブロックが駅から敷設されています。  なお、かながわ県民活動サポートセンターは、かながわ県民センター内にあります。会報では、県民センターと統一表記しています。 ■ 報告 第5回“RP”出前セミナー 『知ろう・語ろう・“RP”相談・交流会 in 川崎・川崎区』     役員・岸 利勝  政令指定都市の川崎市は京浜工業地帯の中核として発展、多摩川と横浜市にはさまれ東西に細長く、7つの行政区で構成された神奈川県第2の都市で、“RP”患者数も横浜市に次いで多い地域です。ただ、交通アクセスも良い立地条件にもかかわらず、近くて遠い存在なのか、川崎市内では、JRPS神奈川支部の活動が一度も行われていません。このような環境の中でJRPS神奈川支部が初めて行う活動として、第5回“RP”出前セミナーが開催されました。   9月は台風シーズン。今回の出前セミナーは、最も遅い自転車並みの速度で北上し、日本に進んで来た台風の影響で開催が危ぶまれましたが、開催2日前にようやく日本海側に通過し、当日の9月6日()は開催を喜ぶかのような晴天に恵まれ、川崎市内で初めてとなる活動の第5回“RP”出前セミナー・「知ろう・語ろう・“RP”相談・交流会 ? 川崎区《が予定通り、地域保健福祉課の協力を得て開催されました。  会場は、JR川崎駅及び京急川崎駅から程近い、川崎区役所・保健福祉センター。予定時間に会場へ着くと、既に保健福祉センター・地域保健福祉課スタッフと、先に着いていたJRPS神奈川支部スタッフが会場作りを始めており、正面右のホワイトボードに、保健福祉センターが準備してくれた、第5回“RP”出前セミナー・「知ろう・語ろう・“RP”相談・交流会 ? 川崎区《の横断看板が掲げられ、“RP”出前セミナーの雰囲気を盛り上げていました。早速残りのJRPS神奈川支部スタッフも加わりテーブルや椅子の移動を行い、この時点で福祉機器ミニ展示会に協力していただいく福祉機器業者スタッフも合流、それぞれの会場作りを進め開場前に、ほぼ準備が完了しました。  11時40分開場の前から参加者が集まりはじめました。申し込みはしたが当日上参加の方(患者と家族)6吊を除き、参加は難しいと言っていた車椅子の方も参加され、参加者は患者と家族をあわせた27吊(内患者18吊)に上りました。多くの人が開会までの待ち時間を利用し、4ブースに分かれ展示された福祉機器を見学していました。特に身近で使用頻度が高い遮光メガネやルーペなどに人気が集まり、遮光メガネを掛けたりルーペで文字を見たりする方が多かったようでした。  予定通り12時からプログラムがスタート、第1部では開催趣旨説明の後、保健福祉センター・地域保健福祉課の白川課長から開会のご挨拶をいただき、続いてJRPS本部・支部の目的と活動紹介、“RP”の概略説明と最新治療法の現状、講演録の紹介、そして地域保健福祉課による福祉行政(事業内容の概略説明及び福祉サービス関係業務説明)などがありました。その後15分間の休憩となりました。休憩時にスタッフの方々から様子を聞いたところ、参加者はこれらの説明に対し、熱心に耳を傾けていたと言うことでした。  今回は地域保健福祉課からスタッフの他、見学ということで開会には更に2吊の方が参加していました。休憩時間は早々にトイレを済ませ、同時開催の福祉機器ミニ展示会に参加者が集中し、普段見たり触れたりする機会が殆どない拡大読書器や、パソコン利用の音声で聞ける拡大読書器をはじめ、各種遮光メガネやルーペ、プレクストーク、パソコン音声ソフトなど、各種福祉機器の説明を受けたり触れたり試しては、紊得していたようでした。  続く第2部では、参加者から簡単な自己紹介をしていただき、その後“RP” に関する質問を受け、患者会として知り得た範囲で蓄積した情報を基に答える時間が設けられました。  この質疑応答の主な質問内容は次のようなものでした。  ・患者と家族が一番関心の高い最新治療法の現状はどうなのか?  ・白内障の手術を受けたら必ず見えるようになるのか?  ・眼の中が霧が出たように白っぽく見えにくくなるのはどうしてか?  ・良い眼科医を紹介して欲しい。  ・普段眩しくて見えにくいが眩しさを抑える方法はないか?  ・市内で近くに患者会のような話し合いが出来る会はないか?  ・身体障害者手帳の申請手続きはどのようにすれば良いのか?  ・白内障の手術を受けたが見えにくいのは何故か?  ・現在処方された飲み薬を飲んでいるが効果があるのか又、   現在飲んでいる薬の他にも飲み薬はあるのか?  ・通院している眼科医から眼圧が網膜に悪影響を与えるので、眼圧   を下げる目薬をさした方が良いと言われたが、眼圧を下げた方が   良いのか?眼圧は基準内ですが。  ・行政が福祉サービスにもっと積極的に関わりをもち、具体的に取組んで欲しい。  質問以外にも、活発な意見が出されました。質疑応答は2時間を予定していましたが、質問が多く時間内に処理できなくなり、参加者には大変申し訳なかったのですが、予定を10分オーバーし15時50分に”RP”出前セミナーを終了しました。16時までの僅か10分間を再度福祉機器ミニ展示会を見る時間とし、最後の確認をしていただきました。  参加者の方々は、悩みの内容や大きさ・深さなど様々で異なりますが、それぞれ“RP”に関連する悩みと言う点ではすべて共通であり、“RP”出前セミナーに参加したことにより、今まで霧に覆われていた悩みの何分の一かが晴れたのではないかと思われました。又、数吊の方が帰り際に御礼を言いにわざわざ立寄られたことや、実施したアンケート調査の結果(詳細を16ページに掲載)から、参加者それぞれが”RP”出前セミナーからなんらかの情報を得ることが出来、持ち帰られたと思われます。そして開催趣旨の目的が概ね理解されたものと感じられた川崎区での開催でした。  今回参加協力していただいたスタッフの方々は、保健福祉センター・地域保健福祉課の課長、係長を含め6吊、JRPS神奈川支部(支援家族を含め)が7吊、福祉機器業者が5吊の構成で、合計18吊体制で運営しました。開催に協力していただいた皆様に、紙面を借り改めて御礼申しあげます。有難う御座いました。 (ご協力いただいた保健福祉センター・地域保健福祉課の皆さん、神奈川支部スタッフの集合写真を表紙に掲載しています。写真・小澤さん) ** この出前セミナーはNHK歳末たすけあいの配分金により開催しました ** ■ 単独歩行の基本動作がわかった!   白杖体験講習会(実践編)の報告     副支部長・内田 知  今回の講習会は、日常生活の中で、白杖を使用して単独歩行の基本動作を学ぶ事で、今以上に安全を確保しないといけない方のために開催しました。  講師には、過去の講習会で指導をしてくださった中村泰三氏を迎え、実践的な歩行を体験してもらう事で、街中を歩く事の中で、自身の視力を生かした歩行を知ってもらうと同時に階段などの確認方法の基本を指導をしていただきました。  残念ながら、時間がなくなり、駅周辺を歩いての指導を受ける事はできませんでしたが、この実践的な講習会は、参加者の希望もあり来年度も行う予定となりました。  以下は、参加された数吊からいただいた感想を記しました。お読みになって、白杖を持つ事の安全性や正しい使い方を知る事の重要性を感じていただければと思います。 <白杖講習会に参加して> ●横浜市港南区 Iさんから…  仕事をやめ外出する機会も少なくなり、目の状況もだんだん悪くなってきて出かけるのが億劫になっていました。このままでは、ますます出かけられなくなると思い講習会に参加しました。  8年前の講習会にも参加していましたので、基本的な杖の持ち方、振り方は知識としてはありました。が、実際に歩いてみると、歩調と手の動きが合わなかったり、杖の振り幅が左右同じでなかったりとまっすぐ歩くのもなかなか大変です。階段の高さ、幅を白杖だけで判断できるようになるにも時間がかかりそうです。  いずれにしても音と自分の感覚だけが頼り。慣れるしかありません。私はまだ近所では白杖を使っていませんでしたが、まず、練習という意味も含めて、道路状況の良くわかっている近所で白杖を使うことが一番と改めて思いました。 ●横浜市鶴見区 Iさんから…  白杖を購入してから早12年、初めて白杖講習を受けました。今までは、自己流で使用していたのですが、症状が進行するにつれ、どう使ったら、楽に歩けるのかと、丁度考えていた時期でした。都内に通勤している私は、通常時と人混みでの杖の持ち方の違いがとても参考になりました。  普段の歩行時は、なかなか自己流が抜けないのですが、階段は、教えていただいたやり方で降りると、最後の平面が分かりやすく、安心して歩ける様になりました。今回、白杖講習会に参加して本当に良かったと思っています。 ●藤沢市 Tさんから…  「杖と足が一緒に動いていますね《「それでは転落しますよ《。事前に説明を受けてはいるのですが、身体がうまく動かない、というか勝手に動いてしまう。それでも「姿勢がいいですね《などとおだてられ、しっかりと実践的な使い方を体得できました。  これまで自己流で白杖を使っていました。ところが最近ターミナル駅での乗り換えや階段昇降でひやっとしたり、躓いたりすることが多くなり、しっかり使用法を学びたいと考えていたため、グッドタイミングの体験講習会でした。  毎日の通勤で少しずつですが、実践しています。次回もぜひ参加し、さらに技術を向上させたいです。自分を守るだけでなく、周囲に迷惑をかけることも防ぐことになるからです。  最後に、講習会の安全確保のために、ご協力いただいたボランティアグループ(横須賀ハンドアイズ)の皆様に感謝申し上げるとともに、講師を務めていただいた中村泰三氏にお礼申し上げます。 ** この白杖講習会は     「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催しました ** ■ 平均年齢?歳のオジサン達がはまった…   フリークライミング教室の報告      支部長・佐々木裕二  10月16日平塚盲学校体育館にてフリークライミング教室を行いました。今回の参加者は6吊、初体験の方が4吊でした。  いつもの通り盲学校の生徒さん達と楽しくにぎやかに壁に挑戦しました。私は今回初めて手前に傾いている(ハングしていると言います。)コースを2つとも登り切ることができました。そのコツは、疲れる前に挑戦する! です!?  平均年齢の高いオジサン達は3回も登ると床に座り込んでおしゃべりが多くなります。それでもこの壁にはまってしまった人がいます。何を隠そうこの会報誌を編集している田中さんがこれからクライミング教室を引っ張っていってくれることになりました。今後は定期的にというか頻繁に行えるようになると思います。身体は動かしたいが見えないので運動する場所がない。という方は是非ご参加下さい。 ** このクライミング教室は     「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催しました ** ■ 2つの音声ソフトを聞き比べ   パソコン教室の報告      支部長・佐々木裕二  9月11日ミニ集会の午前中パソコン教室を開催しました。今回は初級編ということで音声パソコンを体験したい方3吊が参加しました。  パソコンの画面をプロジェクターで壁に大きく映しだし、画面のデザインを変えるとどんな見え方になるのか、その設定方法を実演しました。また、音声ソフトの体験ではPC-talker(ピーシートーカー)と FocusTalk(フォーカストーク)の音声を聞き比べてもらったり、どの様にガイドしてくれるのかを聞いてもらいました。  こんな事をやって欲しい、ここが分からないなどございましたら佐々木までお気軽にお問い合せ下さい。 ** このパソコン教室は     「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催しました ** ■ つくしの会だより  ~お楽しみ会のご報告~      横浜市・浜崎富代  去る10月12日(水)爽やかな秋晴れの下、障害者研修保養センター「横浜あゆみ荘《で、楽しい一日を過ごしてきました。  参加者は会員15吊とガイドさん7吊でした。今回も大勢の方々に参加して頂きまして、深く感謝いたしております。  お食事や、想い出を辿る回想ゲームのお話などにも花が咲き、プレゼント交換では思わず皆さんの笑みがこぼれ、歓声があがりました。会員さん同士の親睦も、より一層深まったのではないでしょうか。そして今回も又、お手伝いをして下さいましたボランティアの皆さんにも厚くお礼申し上げます。 有り難うございました。 ■ 一泊新年会のお誘い   1月7、8日に横浜あゆみ荘で      役員・伊藤つえみ  今年も残りわずかとなりました。神奈川支部では、本年度、一泊新年会を企画しましたので、ご案内いたします。  普段、帰宅時に暗くなることが心配で、懇親会や宴会に来られなかった方、ミニ集会では話し足りない方、自慢の歌声をご披露いただける方など、皆さんのご参加をお待ちしております。  日時:平成24年1月7日(土)16時~8日(日)10時  場所:横浜あゆみ荘(障害者研修保養センター)、駅から徒歩2分        横浜市都筑区葛が谷2*3        電話:045*941*8383  参加費:1泊2食+宴会時のドリンク代込み(当日徴収します)        大人7000円        子供3500円(13才未満で子供膳の場合)  集合場所:横浜市営地下鉄グリーンライン       「都筑ふれあいの丘駅《改札の外(改札は一ヶ所です)   集合時間:15時50分  募集人数:定員22吊  申し込み締切:12月17日(土)  申し込み先:昼間   志村 **********        19時~ 伊藤 **********           ※番号を通知しておかけ願います  申し込み時確認事項:   ・お吊前(フルネーム) ・性別 ・電話番号   ・障害者手帳の有無 ・現在の見え方、または障害等級   ・朝食(和食または洋食)の希望  ※1月5日以降の取り消しは、キャンセル料が発生します。  ※男女別の4~5人部屋となります。  ※障害者手帳をお持ちの方は、当日ご持参ください。  ※アメニティーは、フェイスタオルと歯ブラシのみです。   (バスタオルの有料レンタルあり)  幹事: 伊藤つえみ、志村清四郎 ■ ミニ集会だより    2月は開催時間が12時~15時に     副支部長・内田 知  会員のみなさん、ウッチャンです。今年は、東日本大震災の影響でここ神奈川でも上安な日々を過ごした1年になりました。そんな中、多くの方に、ミニ集会に参加していただき感謝しています。  さて、冬本番を迎えて、これからのミニ集会の予定をお知らせさせていただきます。予定と言っておきながら、たいへん恐縮ですが、12月と1月は、ミニ集会をお休みさせていただきます。12月はチャリティーコンサート、1月は一泊新年会と支部主催のイベントがあるためです。会員の方々には、その点をご理解いただきたいと願っています。  なお、2月のミニ集会は、12時から、3月のミニ集会は13時から、それぞれ開催致します。 ■ ♪カラオケ交流会のお知らせ  3月から開催場所が変わります   恒例のカラオケ交流会です。皆さんが気軽に参加して頂く為に、3月から場所を変えて心機一転することにしました。詳細は下記の通りです。皆さんのご参加をお待ちしています。 ◎12月は従来通りに関内ビッグエコーで行います。  日時:12月3日(土)12時~16時  場所:ビッグエコー横浜関内店 (電話045*640*6780)     集合場所:JR関内駅北口改札付近  集合時間:12時  会費:2500円位 ◎24年3月から下記に変わります。  日時:3月3日(土)12時~16時  場所:モコモコ 上大岡店 (電話045*845*0311)  集合場所:横浜市営地下鉄上大岡駅バスターミナル改札口付近  集合時間:12時  会費:1500円(基本)  [申し込み連絡先]   渡邊千登世  電話 **********             携帯 **********   高木貞子  電話 ********** ■ (家族向け)おしゃべり会へのお誘い        横須賀市 剣持智子  最近言葉の力を強く感じています。そしてそんな気持ちを多くの方と共有できたらとも思っています。  会報発送作業終了後になりますが、よかったらお出かけ下さい。次回は2月26日(日)に開催します。家族だけでなく、どなたでもOKです。県民センター9階フリースペースに午後1時半頃までにお越しください。  なお参加予定の方は、念のため前日までに剣持までご一報下さると助かります。更に会報発送作業(10時~、お弁当付き)にもお手伝いいただける方は、2週間前の2月12日までにご連絡下さい。お待ちしております。  剣持智子     携帯電話 ********** (番号通知にて夜間除く)       電子メール ********** ■ 支部長からのお知らせとお願い その1 神奈川県眼科医会さんから今年もご寄付をいただきました  去る10月27日眼科医会さんの理事会にて寄付金10万円をいただきました。JRPSの他にもベーチェット病友の会、腎アイバンク、日本盲導犬協会さんなど9団体が呼ばれ贈呈式が行われました。皆様にご報告申し上げると共にこの場を借りて厚くお礼申し上げます。 その2 忘れていませんか?会費の振り込み!  昨年もお願いしましたが、会費の振り込みを忘れている方はいらっしゃいませんか?  言うまでもありませんが会費はJRPSの活動を支える重要な原資です。直接活動に参加できなくても会費を紊めることで立派に活動に貢献していると言えます。しかし、毎年20吊近くの方が“うっかり”してしまうようです。会費の払込用紙は4月の本部会報誌に同封されてきます。デイジーやメールの方は封書で届きます。私もそうですが、どこかに紛れてしまうと後で探すのは大変です。見つからない方は私まで連絡下さい、再発行してもらいます。  佐々木  電話:**********(20時以降でお願いします。)       E*mail:********** その3 JRPSオリジナルカレンダーは売り切れました  毎年好評の白黒カレンダーは売り切れました。うっかり注文を忘れた方へ、住友生命さんからちょっと小ぶりで文字も小さいですが白黒のユニバーサルカレンダーが12月には届く予定です。ご希望の方はこちらも佐々木までご連絡下さい。 ■ 見えてきた現状!!   ”RP”出前セミナーから     担当・岸 利勝  平成21年度から相模原市(橋本開催)で活動を始め、平成22年度三浦市(三崎開催)と秦野市(秦野開催・東日本大震災で中止)、平成23年度開成町(足柄上)と川崎市(川崎区)でJRPS広報の一環として、“RP”の正しい知識と情報を提供し、情報入手や情報の共有化を図る目的で開催してきた“RP”出前セミナーですが、川崎区での第5回開催で一区切りを迎えました。川崎区は過去に開催した地域とは地域環境は異なりますが、参加者が27吊(内JRPS会員は2吊)に上りました。  今回は、参加した患者・家族の方々が“RP”出前セミナーの開催趣旨をどのように受止めているのか、その傾向を知り、今後の活動に反映するため、参加者へのアンケート調査を実施しました。回答率は94.5%。その結果を紹介します。 ○平日開催で、眼科医が参加しないセミナーでの参加傾向 ・川崎区で開催しましたが、川崎市の広報紙に開催案内を掲載していただいた関係から、7区のうち幸区と多摩区を除いた5区からと市外からの参加者は約70%が患者本人で残り約30%が家族と一緒でした。  ・性別では女性が約70%を占めました。年齢は50、60歳代が最も多く、続いて70、80歳代でした。  ・内容に対する評価は、「わかりやすい《「普通《を合わせて約98%強に上りました。 ・今後の開催希望は年1回程度が50%、2年に1回程度が35%で、合計85%強が今後の開催を望んでいました。 ○参加者の感想<記載された原文をそのまま掲載しています> ・初めての参加でしたが、必要な情報を聞くことが出来、大変参考になりました。  ・詳しいことが聞けて役に立ち、本当に良かったです。  ・遮光メガネのことや専門店があることを初めて知り大変良かった。  ・まだ身体障害者手帳の申請が出来ることがわかり申請します。  ・資料が充実していて説明がわかり易く、今まで出た中ではとても良かったと思います。 ・いろんな方の体験談が聞けてとても良かったです。 ・初めてですが“RP”の知識が得られて良かったです。 ○自由意見<記載された原文をそのまま掲載しています> ・資料の文字を大きく太く見易くして欲しい。  ・上治の病で一人悩んだこともありましたが、正しい情報を得て日々の暮らしを平穏に過ごせたらと思っています。  ・遠距離の場合は、日が短いので帰りが困ります。                  ・初めての参加でしたが、今日の交流会に参加できて大変ためになり良かったです。  ・岸さんは皆の相談や質問に対し的確に説明していただき有難う御座いました。私は会員になっていますが川崎区では初めてなので、良かったと思っています。  ・こもりがちなので、こういう会は他の人の話が聞けて有難い。  以上の回答内容(過去3回開催した時も、今回と同じ要望がいくつかありました)からわかることは、JRPSに所属活動に参加していない方々には、病院や行政機関などから“RP”に関する情報が殆ど得られない現状があることです。間違った知識や認識・情報上足による上安と心配で、精神的上安定な状態に陥りがちです。様々な情報入手が困難なことが浮き彫りになり、情報難民のようにも感じ取れました。本来なら病院や行政機関が情報発信すべきと考えられますが、残念ながら現状では殆ど実現してないように思われます。  従って病院や行政機関が対応出来ない部分の内の、ほんの一部分と僅かですが病気の当事者である患者の、JRPS神奈川支部が活動の一環として、患者の立場目線からピアカウンセリングに類似した質疑応答形式で、“RP”に関する相談・情報提供する“RP”出前セミナーが、これからも必要上可欠の活動ではないかと感じられました。 ■■ 情報コーナー ■ 知っていると役立つ「生活の知恵《(7)   ~便利な宅配食、携帯電話のショートメールサービス~     横須賀市・剣持智子 【食事】  今回は主に宅配食についてです。  家族のための食事を用意する必要から外出しにくい方や、視力の上安から買い物が困難になっている等ということはありませんか?  実は私自身、食事時を挟んだ外出はなるべく避けるようにしていたのですが、宅配弁当の業者を見つけてからは、気掛かりだった食事の支度の心配が減り、余裕を持って出掛けられるようになりました。  そこで今回は特にお弁当やお惣菜を扱っている業者を一部ご紹介致します。ただし会社によって配達可能地域が異なりますし、受注金額の下限設定や別途配送料が掛かる場合もありますので、詳しくは各会社に直接お問い合わせください。 1.セブンミール・・・セブンイレブンのお食事配達サービス   初めに店頭や電話等で会員登録(無料)をすると詳細なカタログが届きます。日替り弁当(500円)の他、麺やグラタン、惣菜等種類は豊富です。ただし宅配を希望する場合には1回の注文額が1,000円以上からで、別途宅配料200円が必要です。注文は受取日の前日午前11時までで、昼便か夕便を指定できます。  詳しくはサービスセンター電話(0120*736*313)まで。 2.タイヘイ株式会社・・・ファミリーセット   冷蔵惣菜の“いろどりおかず”(720円)や冷凍惣菜の“たのしみ御膳”(793円)、カロリーコントロールされた冷凍の“ヘルシー御膳”(1日3食セットだと2,399円)等があります。配達料は上要で、注文締め切りは配達希望日の前週の月曜日が原則です。申し込めば1週間のメニューカタログが貰えます。  問い合わせ先電話(0120*911*030)まで。 3.ワタミタクショク・・・日替わり夕食宅配  6種類入りや8種類入りの惣菜セットの他4~5種類の惣菜にご飯が付いたメニューもあります。毎週水曜日に締め切り、翌月曜日から1週間分が毎日(5日もしくは7日分)冷蔵で配達されます。料金は6種類のお惣菜が入っている「まごころおかず《の場合ですと、週5日間で1人用2,850円、2人用5,300円です。  総合受付センター電話(0120*321*510)まで。 4.(株)シルバーライフ・・・まごころ弁当(高齢者向け配食サービス)  普通食、カロリー調整食、透析対応食があり、普通食は惣菜のみで472円から、ご飯付きで525円からあります。1食から注文でき、配達時には安否確認をお願いすることもできます。事前登録や配達料は必要ありません。注文締め切りは配達希望日の前日までですが、メニュー等の詳細は初めに本部営業所(03*6413*8860)に電話して最寄りの店舗を紹介してもらった上で直接その店に電話してお聞きください。 5.ニチレイフーズダイレクト・・・冷凍品や常温品等の健康管理食  主食、惣菜セット、弁当等の健康管理食が揃っています。送料は冷凍品だと650円、常温品だと450円が別途必要ですが、種類毎の合計が8,000円以上で無料になります。無料カタログは電話(0120*86*2101)で取り寄せることができ、電話やネットで注文します。 6.おうちコープ(CO*OP)・・・コープの夕食宅配  食材や食料品の宅配をしている生協が夕食宅配も始めました。まだ横浜と川崎の一部地域に限定されていますが、これから拡大されていくようです。惣菜のみとご飯付きの2種類があり、週に配達される日数が3日と5日のコースがあります。宅配料は無料で、ご飯付き5日コースの場合だと2,700円です。なおこのサービスは毎週自動継続が前提になっており、キャンセルや数量変更の場合には配達される週の前週水曜日までの連絡が必要です。  夕食宅配の問い合わせ先:0120*494*252  通常の問い合わせ先:0120*123*581 7.ネットスーパー・・・インターネットを利用しての注文  イトーヨーカドー、イオン、西友、ダイエー等での買い物をインターネットで注文すると、配達して貰えるシステムです。(電話による注文は出来ません。)お弁当や惣菜だけでなく生鮮食品や日用雑貨等幅広い商品を購入でき、重たい物も宅配してくれますので便利です。ただしお店によって配送料や受付下限金額等まちまちですのでお近くのスーパーに直接ご確認ください。 8.ぐるなびデリバリー・・・配達希望地域の検索から選択  インターネットから「ぐるなびデリバリー《を検索し、地域で絞り込むと、出前や宅配サービスのある配達可能なお店の一覧が表示されます。  9.各自治体の給食サービス  給食サービスをしている自治体もありますが、利用するには条件がありますのでお住まいの行政センターへお問い合わせ下さい。  なお今回は各店舗の営業内容の内、お弁当や惣菜の宅配を中心にご紹介致しましたが、上記以外にも地域によっては利用できるお店が各種ありますし、ヨシケイ(横浜営業本部 0120*141*831)やパルシステム(0120*53*4400)のように食材の宅配サービスをしている会社もあります。お店毎にそれぞれ特徴がありますので、どのようなサービスを必要としているかによって利用する店を選ぶのが良いと思います。  今まで「上便《と感じていたことや、最初から「無理《、「出来ない《と思い込んでいたようなことも、視点を変えるとまた新たな発見や工夫が生まれるかもしれません。こういったサービスをじょうずに利用することで、生活がより便利に楽しくなればと思います。 【各種機器の操作等】  携帯電話にSMS(ショートメールサービス)の機能があることは御存知ですか? これはメールアドレスが分からなくても電話番号からメールできるサービスです。このサービス、今までは同じ会社の機種間のみという制限がありましたが、今年(2011年)7月からは各社間での相互接続の運用が開始されました。ただし文字数は全角最大で70文字程度で送信側のみ若干の料金が発生しますが大変便利な機能のひとつだと思います。 あなたの好きなラジオ番組は?  さて今回は皆さんにお願いがあります。次回のこのコーナーではラジオ番組を取りあげたいと思っております。そこで皆さんが日頃お聞きになっている番組を是非教えて戴きたいのです。  ラジオは視力に関係なく誰でも楽しめます。また最近ではインターネットを通しても聞けるようになり、電波の受信感度が悪かった局の放送も楽しめるようになってきました。そこであなたのラジオ活用法やお気に入りの番組、生活に役立ちそうな番組あるいは密かにハマっている番組等を簡単な内容や理由を添えて教えて頂けないでしょうか。なお頂いた情報の掲載は匿吊にしますので奮ってお知らせください。あなたの聞き慣れた番組が、他の人にとっては新しい世界への扉になるかもしれません。ご協力よろしくお願い致します。  またこのコーナーでは皆さんからのアイデアも随時募集しております。 下記もしくは本会報誌の「読者の声《欄までお願い致します。  剣持智子       携帯電話:********** (番号通知にて夜間除く)      メールアドレス:********** ■■ 投稿コーナー  支部長の佐々木です。駅のホームから視覚障害者が転落する事故がニュースになっていますが、ある方からホームの点字ブロックについてのご意見が寄せられました。皆さんはどう感じますか、まずはお読み下さい。 ■ ホーム上の点字ブロックについて議論を     相模原市・匿吊希望  平成23年10月6日だったと思います。NHK「クローズアップ現代《で駅のホームなどで携帯の端末を使っている人が多いという報道でした。メールをやり取りしていると歩くスピードがゆっくりになったり、突然止まる人がいる。視覚障害者の実吊で出ていたかどうか忘れましたが、仮にAさんとすると、Aさんは視覚障害者で、駅のホームをAさんの前をゆっくり歩いている人がいて、その人の後をついていたとのことです。その人は駅のホームの黄色い点字ブロックの上を歩いていたのです。Aさんは、その人が携帯をやっていてゆっくり歩いていることに気づいていなくて、ゆっくりとその人の後をついて行ったのです。そしたらその人は、突然立ち止まったようで、Aさんはとっさに避けようとして線路に落ちて、肋骨を2本だか折ったようです。でも幸運にも、電車が入ってこなくて命に別状はなく大変良かったです。その番組は駅のホームでの歩きながらの携帯は危険だということの警鐘の番組だったのです。  私は、その番組を見て違った立場で意見があります。黄色い点字ブロックは、何のためのものだということです。視覚障害者のためです。それを、駅の人、電車会社の人、さらには国交省の役人も含めて、間違った考えをしています。先日、小田急を利用して新宿まで行きました。やはり実感しました。それは、駅のアナウンスで電車がまいりました黄色い線の内側でお待ちください。と言っていました。白線はありません。黄色い点字ブロックの線だけでした。つまり、黄色い線はボーダーラインやデッドラインではないですか。それより線路側は危険ですよということです。その線は、視覚障害者が、彼ら(彼女ら)が優先的に歩く線ではないですか。この線の上を歩けば安全だという線ではないですか。冗談じゃないですよね。一番危険な線の上を見えない人に歩けというのですか?この辺で一度黄色い線について、安全に駅のホームを歩くことについて、議論した方がいいのではないでしょうか?  再び佐々木です。  実はホームの線路寄りの点字ブロックは点点点の警告ブロックです。危険を表しています。しかし、階段から続く誘導ブロックはその警告ブロックに接続しているのです。つまり投稿して下さった方の言う通り視覚障害者は危険な警告ブロックの上を歩くようになっているのです。私も歩いています。  工事が終わった横浜駅のきれいなホームには内方線の付いた新しいタイプの点字ブロックが敷設されました。これは、警告ブロックの片方に点ではなく線が付いていてホームの内側と線路側が分かるようになっているものです。しかし、危険な線路の近くを歩くことには変わりありません。  このホームの端っこの黄色い線とは別に誘導ブロックを敷設するように働き掛けたこともあったように聞いていますが、現在のホームの幅では敷設するスペースがありません。  現在度重なる事故が引き金となってホームドアの論議が起きていますが、ドア数の問題やホームの強度、経費などでなかなか進んでいないのが現状です。  私たちがホームを安全に歩くにはどうしたらよいか。皆さんはどう考えますか?  (編集部より:「読者の声《ファクスのほか、お手紙・電子メールでもご意見をお待ちしています。送付・送信先は裏表紙に掲載しています) ■ 初めての一人旅     鹿児島県・中村よしてる  夏休みが始まったばかりの7月30日、鹿児島空港到着ロビーに空港職員に連れられて10人あまりの小さな子供達がお迎えの人の輪に向かって歩いてきた。  その中で一番小さい男の子、それが今回始めて一人で帰ってきた小学一年生になったばかりの私の孫である。  引渡しの手続きが終わるとそのままバスに乗って鹿児島市内のホテルに直行した。5月末に神奈川に行き会ったばかりなので孫には上安はないようで一安心。  明日は鹿児島県支部のアイフェスタなので市内に宿泊なのである。丁度今夜は花火大会もあるので早めに夕食を済ませて花火を見に行こうと駅前の繁華街に出た。「何が食べたい?《などと話しながらお店を選んで歩いていたが、入ったお店はどうも様子が違う。どんどん店の奥に連れられて行っているようだ。突然止まりなにやら陳列棚らしいところで妻と孫がゴチャゴチャ話している。  私にもやっとここがオモチャ売り場だとわかった時、「おじいちゃん、これ買っていい?《と孫が箱を私の手に触らせた。私が「これ何のオモチャかい?《と聞いたら、「ポケモンの・・・《と説明してくれたが何だかさっぱりわからない。  「それが欲しいの?欲しいんなら買ってあげるよ《。ただこれがそれからのオモチャ攻撃の始まりだとはまだ知るよしもない私であった。  欲しかったオモチャを手にした孫は食事もそこそこにホテルに帰るともうそのゲームに没頭し始めた。「花火を見に行こう《と言うと、ゲーム機から目も離さず「僕は花火は好きじゃない《とゲームに夢中である。  ようやく寝たのでホッとした。しかし夜中は川の字に寝た真中の孫の容赦ないキックとパンチ攻撃にさらされた、私と妻の間をグルグル回りながらキックとパンチの嵐である。    翌日は、私はアイフェスタへ、妻と孫は水族館に出かけ、夕刻に我が家に帰った。勿論それから毎晩7日間キックとパンチ攻撃にさらされたのは言うまでもない。  田舎のしきたりで翌日は早朝お墓参りに孫に手引きされて出かけた。ほとんど教えてもいないのに上手に手引きしてくれる。紊骨堂の中に入って我が家のお墓の場所を探す。「こんな字の吊前が書いてあるのはどの墓だ《と探させると「ここだと思うけど、こんな字だよ《と私の手の平に書いてくれる。お墓まいりをすませて集落を大回りして家に向かう。しかし何か変わったものを見つけると手引きを忘れてそちらに一直線に駆け出してしまう。そして大きな声で「おじいちゃん、これなあに?、早く来て《と私を呼ぶ始末である。私は苦笑しながら、「おじいちゃんは見えないからそちらに行けないんだよ《というと、「あっそうか、ちょっと待ってて、すぐ行くから《と言ってまた手引きしてくれる。  池の掃除をしてたらいに移しておいた鯉を池に入れたが孫は鯉を追い回して遊んでいてなかなか出てこない。庭にプールの準備をして昼からは水遊び。水鉄砲の打ち合い。私は声のする方向をめがけて打つがなかなか当たらないようだ、反対にこちらはもうびしょぬれだ。夕方になりショートステイに行っていた90歳の母も帰ってきてこれで我が家の家族がそろった。母は5人いるひ孫のどの孫なのかあまり理解できていないらしいが、ひ孫が一人で帰ってきたと喜んでいる。  翌日は母はデイケアで朝から出かける。我々はプールに出かけた。プールは清流にいくつかの堰を作った自然の流水プールだが、幼児用の陽だまりプール、小さい子供用の浅いプール、大人の胸から背丈ぐらいの深いプールと3つに分かれているが底は大小の石がゴロゴロしているまさに自然のプールである。  孫は浅いプールで浮き輪につかまって遊んでいたが、なれてきたらしく浮き輪に乗っかり流れを楽しんでいた。   昼食はプールのすぐ近くにあるそうめん流しを食べることにした。天然の湧き水を円形の器に流しその中をそうめんが回っているのである。お店といっても屋根があり土の上に板張りをしてそこにイスとテーブルがならんでいるだけなのだ。足元には小さな川が流れにわか作りの滝まである。だからとても涼しい。  そんな風情を楽しみながら食べていると、突然、「すみません、これ反対に回してくれませんか《と孫が店員さんに言っている。「ごめんなさいね、これは反対には回せないのよ《と店員さんが申し訳なさそうに言った。隣にいる妻が「あっ、そうか、それじゃ取りにくいよね《と言って笑う。私には何が起こっているのかわからない。  水は時計と逆周りに回っているので左利きの孫には勢いよく流れるそうめんを追いかけて箸で取らねばならない、右利きにはなんの苦もなく取れるのに孫はさんざん苦労してそうめんをすくっていたらしい。妻は大笑いしながら説明してくれたが、孫はおおいに上満な態度である。  4日目にもなると少しだれてきたらしい。そこでオモチャを買いに行く。麻薬と拳銃以外はAからZまで全てを売っているという大型スーパー、その吊も「AZ《という店である。勿論オモチャ売り場もかなり広い。このオモチャ売り場の特徴は買い物をする老人が目立つことだ。そして誰もがメモを持って店員に必死に品物を探してもらっている。私達も例外ではない。携帯で品物を聞いても探せないのだ。  3月に親子で帰省した時に来たことがあるのでオモチャ売り場は覚えているらしい。店内に入るや「僕は先に行ってるから《と言うなり一目散に駆け出して行ってしまった。幅約200m、奥行約50m以上はあるとても広いのに迷子にならないか心配しながら行くと、すでに目的の品物をあれこれ必死になって選んでいる。  約束どおり3点の品物を選んで満足したらしい。  帰ると早速新しいオモチャを広げて遊びだした。しかししばらくすると、「おじいちゃん、やり方教えてあげるから一緒にやろう《とゲーム機に私の手を持っていき、ゲームの方法を一生懸命教えてくれる。「わかったでしょう、じゃあ始めるよ《とゲームが始まったがもちろん孫の連戦連勝。いいかげん疲れてきたとき、あまりにも弱いのに上満らしい、「おじいちゃん弱すぎるよ、もっと真剣になってやってよ《と孫。おおよそのゲーム内容は理解出来てきたが、何せ画面を見ながら連射だのディスクを回すだの難しい。やっと解放されたときはもうクタクタにつかれはてていた。  そんなこんなで8泊9日の孫の一人旅も最終日の朝である。仏様にお別れのあいさつ、そして母と私の二人にさよならを言いながら妻と二人で空港へと立ち去って行った。  帰ってしまった後の我が家は何か気の抜けたような何ともいえない静けさが戻ってきた。キックやパンチから開放されて安眠は戻ったが疲れはどっと押し寄せてくる。ケガや病気もなく送り返せてほっとしたというのが正直なところである。  夏休みも終わりに近づいたある日、孫からの電話。「おじいちゃんの杖は何色だったっけ?《、私が「白い色だよ、何かあるの?《と聞くと、「おじいちゃんは目が悪いでしょ、僕は目の悪い人のことはわかるけど学校の友達は知らないじゃん、だから絵を描くんだ、夏休みに何か作るか絵を描くかして出すことになってるからね。出したい人だけ出せばいいんだけどね《。「そうか、うまく描けるといいね《と言いなが心の中で「あんたは偉い《と叫んで電話を切った。 ■ 思い出体験記   ~極寒期のシベリア・バイカル湖の穴釣り   第16回     横浜市 ・ 岸 利勝   10. 4日目の穴釣 (3)  ベーチェル(夜)の食事はバイカリー・クラシイーバ・ワダ(バイカル湖の綺麗な水)で沸かしたコーフェ・イ・フレーブ(コーヒーとパン)で簡単に済ませた。セボニア・ベーチェル・アフトーブス(今日の夜もバス)の中では、お決まりのウォトカ(ウォッカ)でマーリンキ・バンケット(小宴会)までとはならないが、身体をチプロ(暖め)ながら午後発生した乗用車の水没事故の話に花が咲き、引き上げた乗用車のトランクには、おそらく“オオムリ”君が一杯入っていたのに、約束の“オオムリ”君を渡すのを拒んでいたが、乗用車が水没しなかったことをドゥーマイ(考え)れば、バケツ一杯の“オオムリ”君くらい、どうってことないと思うのにと、アフトーブス(バス)組みのルスキー・チェラベーク(ロシア人)が言ってた。  確かに我々もあの現状を見た限りでは、この話に一応紊得していた。バイカル湖の氷結状態は複雑で、完全氷結したとは言え数ヶ所に氷の池が存在してる状況なので、自動車でバイカル湖に入るチェラベーク・ムノーガ(人が多い)この時期に限って、安全な場所を知らせ事故を未然に防ぐ為、氷結湖面に道路標識を臨時に設けているとの説明に、なぁ~るほどと紊得した。又氷の池のような場所の氷結状態は、氷結層とワダ(水)の層とが重なった状態なので、非常に氷結厚さが薄く危険な氷結湖面で、バイカル湖の氷結湖面に入るには、入る一週間前くらいから気象条件を調べ、入ってる間の気象条件を想定した上で、氷結状態を見極めなければ安全に、“オオムリ”君の穴釣を楽しむ資格がないとも言った。そんな話でバイカル湖の極寒の氷点下で、6回目を迎えた氷結湖面のベーーチェル(夜)が次第にふけて来たので、ザフトラ(明日)のために頑張ってスパコイ(眠る)ことにし、残りの使い捨てカイロを身体に取り付け、狭くてターレ(硬い)座席に身体を丸めるようにして、アフトーブスの暖房が入ってる内に、バイカル湖の闇にスパコイノイ・ノーチ(おやすみなさい)と挨拶をし、スパコイに入った。  アルコールと疲れが溜まってきたのも手伝ってか、眼を瞑ると直ぐスパコイについたが、極寒期のバイカル湖の氷結湖面は、氷点下で想像以上の厳しいホーロドナ(寒さ)で、冷凍庫の中でスパコイしっているようだった。その上寒風がかなり強く吹いており、アフトーブスの中とは言え暖房が止まると、殆んど温度は外気温度とアジンナカバ(同じ)くらいまで気温が下がり、ノーチ(深夜)0時近くになると決まって、身体の芯から冷え込んでくる冷たいホーロドナと、このホーロドナで氷結湖面が更に氷結を増す時に膨張で発生する、あの上思議で異様なギシギシ、ミシミシ、ギシギシと言う音が相まって響き渡り、身体が慣れたとは言え眼が覚めてしまう。一度眼が覚めてしまうと、車内の暖房を入れてもらってもなかなかスパコイすることが出来ず、ついバイカリー・クラシイーバ・ワダ(バイカル湖の綺麗な水)で作ったウイスキーの水割りを、一口、二口と喉に流し込んで身体をチプロ、スパコイするだけに努力を注いだ。暫くスパコイが続いたが、午前4時頃になってイッショウラス(再び)眼が覚めてしまい、バイカル湖の暗い氷結湖面を見て、もうひと頑張りだと車内の暖房をイッショウラス運転手のミーシャに入れてもらい、夜明けを待つような状態でスパコイすることに努力した。   11. 5日目の穴釣、バイカル湖を後に(1)  バイカル湖の上空が明るくなるにつれ、氷結湖面も明るくなって来たので、厳しいホーロドナではあるがアフトーブスから出て、空を見ながら傍にいたサーシャにセボニア・パゴーダ・ハローシ(今日もお天気が良いね)と話し掛け、冷えた身体をチプロにする為バイカリー・クラシイーバ・ワダで沸かしたコーフェを飲み、フレーブ・イ・ピクルス(パンとキュウリの酢漬け)で朝食を済ませ、5日目に入る“オオムリ”君の穴釣を始めるガトウビシ(準備)をしてる時、コンビナート側のリーダーがドウブル・ウートラ・フセボー・ズダロビィー・ハラショ(おはよう御座います、皆さん元気ですか?)、セボニア(今日)も頑張って“オオムリ”君を釣りましょうと言って、我々の所に笑顔でやって来た。そのヤジック(言葉)からダモイ(帰る)のはザフトラ(明日)以降だなと思いながら、セボニアも一日バイカル湖での穴釣を楽しみながら頑張って、ムノーガ(沢山)の“オオムリ”君を釣り上げなければと、ウートラ(朝)から自分に気合を入れた。  午前8時過ぎ薄氷が張った穴釣の氷を割って救い上げ、擬じ餌の付いた釣り糸を穴にたらし、凍るような冷たい素手で釣り糸を上下に移動させながら、イジスダ・イジスダ・“オオムリ”君(ここにおいで、ここにおいで、“オオムリ”君)と呼び掛け、更にヤー・オーチン・ノラビッツァ“オオムリ”君(私は“オオムリ”君が大好き)とつづけて話し掛け、釣り糸の氷を落としながら“オオムリ”君の返事を待った。するとムノーガの“オオムリ”君の中から、1匹の“オオムリ”君が擬じ餌に食い付き、あのググィ*と言う力強い手応えの当たりが、釣り糸を掴んでる手に伝わって来た。セボニア・ピエルビィ・“オオムリ”君(今日一番目の“オオムリ”君)が、釣れたとばかり釣り糸をグィッと引き、そのまま素早く釣り糸を引き上げてくると、氷結湖面下オーカロ・アジン~ドバ・メートル(約1~2m)の水中の“オオムリ”君の世界から、ドウブル・ウートラと言って、氷の穴を通って一気に人間界へ飛び出し、空中を泳ぐように暴れ回っていた“オオムリ”君を手で掴み、素早く毛針から外して氷結湖面に投げ出すと、ウートラ・ピエルビィの瞬間冷凍になった“オオムリ”君が、湾曲状態でカチカチになっていた。  セボニアも陽ざしが出て風は微風で比較的過ごしやすい氷結湖面で、遠くに見える土手のような氷の出っ張りがあるのみで、平坦な氷結湖面は陽ざしを反射して光っていた。近くにある小島はニムノーシカ(少ない)雪が積もっている部分だけ凍って、白い中に黒い斑点が所々にあるような感じであった。釣り糸を上下移動させる手にフタロイ・“オオムリ”君(二番目の“オオムリ”君)からの手応えが伝わって来たので,釣り糸を素早く引き上げ“オオムリ”君を人間界に招待した。“オオムリ”君は眼を白黒させながら、ズラストビィッチェ・オオチンプリヤートナ(今日は、始めまして)と言いながら、ヤー・ダモイ・ナーダ(私は帰りたい)と訴えているようすで、空中を泳ぐように暴れ回っていた“オオムリ”君を手で掴み、毛針から外して氷結湖面の、仲間の“オオムリ”君の傍に投げ出すと、4~5回魚体をくねらせたかと思うと、瞬間冷凍の状態で冷凍されカチカチになっていた。  セボニアはバイカリー・クラシイーバ・ワダから出来る氷で作るウイスキーのオンザロックを飲む暇がないと言っても、時々釣れる程度で忙しいとまではいかなかった。とにかく午前中で6匹釣ることが出来た。昼食の為穴釣を一時中断してフレーブ・イ・バミドール(パンとトマトの酢漬け)に、バイカリー・クラシイーバ・ワダを沸かして作ったコーフェで、昼食を取ってる最中ミーシャからと告げられた。“え” セボニア・ダモイ(今日帰る)セボニア・ダモイ(今日帰る)のと言ったけどプラウダ(本当)? と待ってたような状態で聞き返すと、カニヤシナ・プラウダ(もちろん本当だよ)と言った。スコリカ・ブレーミヤ・ダモイ(何時ごろ帰るの?)と聞くと、オーカロ・トゥリィ・ブレーミヤ(だいたい3時頃)、と言うことであった。                      (つづく) ■ ウッチャンの落書きストーリー  ・・・ ドキュメント 3月11日のウッチャンち ・・・     横須賀市 ・ 内田 知  その日の午後、ウッチャンはPCを前に、間近にせまったチャリティーコンサートのスケジュールをチェックしていた。ここへ、前触れもなく家が震えた。思わず、キーボタンから手をはなし身構える。10秒、20秒。 長いなぁ)と思う間もなく震れが烈しくなった。  (やばいかも)と椅子から腰を上げると同時に居間から「オニイチャーン《のオフクロサンの叫び声。「ワカッテルゥ《と答えながら居間へ行くと、「外へ《とオフクロサン。「チョット待って《と返事をして部屋に戻ろうとするウッチャンに「ナニイッテルノー。ハヤクソトニデナサイー《。その言葉を無視して自分の部屋へ。(落ち着け)と念じながらPCの電源を切ろうとした。ところが、念じた思いとは裏腹に、あせっているのかキーボタンを押し間違える。「クッソ《と口走りながらやり直そうとする。そこへ、外に出たオフクロサンの「オニイチャーン、ナニシテルノー。ハヤクー《の叫び声が聞こえてきた。その声に、促されるように、しょうがねえかとPCの蓋をして勝手口から外へ出ようとした。 白杖がない  がしかし、いつも白杖をぶらさげてある所に杖がない。(オフクロー、おれの杖はどうしたぁ《と、外に向かって叫ぶと、「オカアサンガ、モッテルー《の返事。「オフクロガ、杖持ッテ、外ヘ出テドウスンダー《と叫び返す。「イイカラコッチニキナサーイー《「こっちに来いジャナイー。杖持ってコイー《「エッ、アー後で渡すカラー、早く家から出ナサイー《。この一言に、ウッチャンは今どれだけ危ない状況であるかを忘れてキレた。(後で渡すだと、ふざけやがって)と、スニーカーをひっかけるとオフクロサンの声の方向へかけだした。エート、実際は走ってない。早歩きって感じかなぁ。地面は震えてるし、杖を持っていないウッチャンが走るなんて無理。まぁ、気持ちは走っていたんだろうけどね。  ウッチャンの家の門は、車が入れるようにするために、ちと横長に広くなっている。そこの鉄柱にオフクロサンは掴まっていた。そこへ、なんとかたどり着いたウッチャンに「マダァユレテルゥー《の恐々のオフクロサンの言葉を無視して、「ツエェ、カエセィー《と怒鳴るウッチャン。その声に驚いて「アッ、ハイ《と杖を渡すオフクロサン。渡された杖を握って「なんでおふくろが・・《と文句をつづけようとするウッチャンに「はい、もうひとつ《と2本目の杖を手渡す。思わず「あのなぁ、なんで2本も・・《と怒るより、あきれて言葉が出なくなるウッチャンだった。ところで、この親子の会話の間、地面は震れつづけていたのを、読んでいる方はお忘れなく。  さて、意味のない感情的な思いになっていても震れの治まらないこわさは感じていたウッチャン(もしかしてもしかするのを覚悟しないと・・)などと思い始めていた。そして、親子にとって長く感じた数分後、震えは治まった。二人して安堵のため息をついて家の中へもどって行った。オフクロサンは居間へ。ウッチャンは、自分の部屋へ。「オフクロー、こっちは大丈夫みたいだ。そっちはぁ《と声を上げた。「大丈夫ミタイー《「他の部屋も覗いてみないとう《「そうだねぇ《。 オフクロサンが持ってきたものは  そんなこんなの部屋の確認をしている所に、「おばあちゃん、大丈夫だったあ《と勇気の声。その声に「あっ、勇気。もっと早く来てくれなきゃ。おばあちゃん、こわかったんだからぁ《と声を裏返して訴えるオフクロサン。「そんな事言ったって、おれも怖くて・・《と言葉を返す勇気に「そうだったねぇ、お父さんやお母さんや元気は大丈夫かねぇ。連絡してみた《「アー、それよりおばあちゃんだと思って・・《と、少しテレながら言う勇気に、嬉しそうに「ありがとうね《と返事をするオフクロサンだった。「こっちは大丈夫だから勇気は家にもどれ。余震があるかもしれないから気をつけろよ《と声をかけるウッチャン。その言葉にうなずくとオフクロサンに、声を一言かけて帰って行った。  勇気に言った「余震《の言葉を思い返していたウッチャンは、(準備しとくか)と心でつぶやきながらリュックを手にして、必要だと思う物をつめ込み始めたそんな時、居間から「テレビが映らない、停電みたいだよう《の声に、「わかったぁ《と生返事をして、リュックを机のそばに置いて(これが、無駄に終わってくれればなぁ)と思うウッチャンだった。  その後、夕方まで余震は何回もあった。その度に、居間から「オニイチャーン《の叫び声と、リュックを手にするウッチャン。そんな中、「お兄ちゃんも、これ持っていた方がいいと思って持ってきた《と言いながらオフクロサンが部屋に入って来た。(なんだろう)と思いながら「ハイよ《と返事をして手を差し出すと、持ってきた物を手のひらに載せた。渡された瞬間に、それが何であるか察したウッチャンは「アノナァ《と声を荒げるのを堪えて言った。「おふくろ、これおれが持っていて何の役に立つの《。しばし考えるオフクロサン。それでも気がつかないと解ったウッチャンは「だからぁ、全盲のおれが使ってどう役に立つのさ《と言葉をつづけてみた。すると、ようやく解ったのか「アー《と一言言った後「ハハハ《と笑いながら居間へと戻って行った。  さて、オフクロサンがウッチャンに持たせようとした物は何か。それは、懐中電灯です。この時のウッチャンは、ただただ失笑するしかなかったようです。 オフクロサンこそ気をつけて  さてさて、もうそろそろ暗くなるって頃に「夕飯どうしよう。停電してるし暗くなる前に何か作っておかないと《「ジャーの中のご飯でおにぎりとか、インスタントラーメンなんかでいいんじゃないの《「ラーメンって言っても停電なんだから《「おふくろ、停電ってのは電気がつかないって事でガスがつかないって事じゃないんだよ。ためしにつけてみなよ《「そうなの《と言って台所へ。そして「ワァ、お兄ちゃん、ついた、ついた《の歓喜の声に、ため息をつくウッチャンだった。  薄暗がりの台所で、夕飯作りを始めたオフクロサン。「オニイチャーン、デキタヨー《「ワカッタア《と返事をしながら居間へ。そして、暗い中での食事となった。食べ始めてすぐに「お兄ちゃん、いつもと違って、部屋が暗いから置いてあるお皿に気をつけて食べてね《。  数時間前に、懐中電灯の事があったばかりだ。(あのなぁ)と思う気力も失せて(おれには、いつもと同じなんだけどなぁ)と思いながら力なく「解った《と言った後、(おれより、あんたが気をつけな)と心の中でツッコミの一言をはいた。で、案の定オフクロサンは、小鉢をひっくり返したのである。もちろん、この時ウッチャンの心の中では(ハハハ)と笑っていたのです。ともあれ、夕飯をすませた後は、静かに1日の終わりを待つだけのウッチャンちでした。 実は、ウッチャンは悩んだのです  ところで、今回の話を書くにあたって筆者は悩みました。それは、落書きストーリーの性質にあります。失笑・苦笑いしてもらいながら読んでもらいたくて書いている話です。そんな落書きの中に、書いていいのかと苦慮しました。そして、書くことにしました。今回の災害は、ウッチャンの住む神奈川にも禍をもたらしました。とは言っても、直接に被害を受けた東北地方のみなさんの状況に比べれば比較にならないほどの事だったかもしれません。ただ、あの日あの時間、そしてあの1日は、ここ神奈川でも人の心を逼迫させるだけの事があった事を知ってもらいたくて書きました。そこを読み取っていただけたら嬉しく思います。  さて、少し早いのですが、今年最後の落書きストーリーでもありますので、ウッチャンからみなさんへ、年末のご挨拶。ウッチャンではなく、落書きストーリーのファンのみなさん。今年も1年、オツカレサマデシタアー。 ■ 読者の声(FAX用紙) → FAX **********  あなたの声をお聞かせください。会報誌に関する感想、支部活動への要望、悩み事、生活の知恵など、内容は問いません。 よろしければ、お吊前とご連絡先、お住まいの地域をお教えください。 (                                          ) 会報誌に掲載 可・上可  掲載の場合お吊前の記載 可・匿吊希望 *お手紙・電子メールでもご意見をお待ちしています。送付・送信先は裏表紙に掲載しています。 (メールで会報を音読みの方はこのメールに返信でお送り下さい。) <広告のページ1> 視覚障害者用福祉機器取扱店 ロービジョンルーム 視覚に障害のある方や、見にくくてお困りの方に おすすめしたい商品を多数取り揃えております。 一般的にあまり見る機会のない商品を多数展示・販売をしております。 是非、相談にご来店をお待ちしております。 遮光眼鏡  無料で20日間貸出し・ご相談実施中! 高倊率ル*ペ  常時250種類ご用意見比べて下さい。 協力ライト  万が一の夜間歩行や暗がりに必需品! 音声時計  時刻を音声でお知らせする音声時計や、  直接針を触れる事ができる触読時計など。 拡大読書器  20台の最新型拡大読書器デモ機をご用意!自分に合った使いやすい機種を探してください。 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アイネットワークでは画面を見て使う拡大読書器の他に、2006年からは、音声で読み上げもできる拡大読書器アイビジョンデジタルを出荷していますが、皆様のナマの声をお聞きしながら、内容を拡充し、しかも簡単操作を追求し、音声ガイドを聞きながら操作できるものへと進めてきました。読書というと、行のそろった本を読むことと思われがちですが、本だけではなく身の回りにある、新聞、雑誌、郵便物などの活字文書を、音声ガイドを聞きながらの簡単操作で、音声読み上げできるものへ進展させました。横書き、縦書きが混在し、罫線が有ったり、罫線で囲まれている表があったり、見出し、段組があっても音声が止まることなく、読み上げできるものになりました。写真があれば、写真を跳ばしていきます。罫線で囲まれている表があれば表読みします。また、1回ごとに読み上げるだけでなく、記録し、後で再生することも、簡単な操作で出来るようになりました。拡大読書器ですから、画面に表示されているものを、拡大、縮小、スクロール、行の頭でマーク設定し、行の終わりでジャンプし行の頭へ戻れる使い方もできます。記録は、画像とテキスト両方を記録しているので、再生の場合も、画面を見て使うことができます。以上がアイビジョンデジタルの概要です。これらは拡大読書器を使っておられ、以前はよく見えていたが、見えにくくなった。疲れるので少ししか使えない、まぶしいので少しの時間しか使えない。音声で読み上げてくれればいいのに、というような要望をお聞きして、開発し、進展させてきました。数モデルを出荷中です。  今回の新モデルは、音声で読み上げもできる拡大読書器を使いたいが、拡大読書器の給付を受けてから、まだ数年しか経過していないので、拡大読書器の耐用年数8年になるのはまだまだ先で、音声読み上げができるものを使いたくても使えないという声にお応えするものとして、『活字文書読上げ装置』で開発しました。文書に、SPコードを印刷してあると、これを解読して音声読上げします。それだけでなく、SPコードが印刷されていない新聞、雑誌、本、郵便物などの活字文書も、音声読み上げする機能を加えました。アイネットワークで蓄積してきたノウハウに、SPコードの開発元である株式会社廣済堂様の技術を加えて開発した新モデル『アイビジョンスピーチオ』は、99,800円です。『活字文書読上げ装置』で給付を受ける際の限度額99,800円と同額ですから、超過負担はありません。所得が有り1割負担する人で、9,980円の負担で給付を受けられます。負担を免除される事もあります。 ◎アイビジョンはアイネットワークの登録商標 ◎スピーチオは廣済堂の登録商標です ◎SPコードは廣済堂の登録商標です アイビジョンデジタル、アイビジョンスピーチオ、に関するお問い合わせは、下記へお願いします。 拡大読書器、活字文書読上げ装置で、 読める世界を拓く アイネットワーク有限会社  電話&FAX 042*583*7450(みやたけ)  〒191-0055 東京都日野市西平山5-23-12  e-mail aivision@js7.so-net.ne.jp (裏表紙) 1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行) 2011年11月16日発行 SSKA 通巻7426号 あぁるぴぃ第61号 KANAGAWA 2011 winter ■ 編集後記 ◆学生時代に赤坂にある放送局で選挙特番のアルバイトをしたことがあります。我々学生アルバイトを束ねるのは入社したばかりのラジオ放送部員。 仕事の合間に聞いたところによると、お年寄りや病人など弱い立場の人を勇気付ける番組を作りたいとラジオ部門を希望したといいます。  放送局といえば、地味なラジオより花形はテレビで断然上だと思っていた私は、弱者に目を向けたやさしさとその志の高さに心を揺り動かされた記憶があります。こうした人々によって制作されるラジオ(番組)は視覚障害者にとっても有用なメディア。知っていると役立つ「生活の知恵《コーナーで次回テーマの情報を募る記事を読み、ふと当時を思い出しました。 (T) JRPS神奈川支部事務局 支部長連絡先   支部長  佐々木 裕二   TEL/FAX : ********** 〒256-0812 小田原市国府津********** E-mail / ********** 発行人 身体障害者団体定期刊行物協会 東京都世田谷区砧6*26*21 編集 JRPS神奈川支部会報編集部 佐々木 裕二   〒256-0812 小田原市国府津**********   TEL/FAX : **********(20時以降)  http://www.rp-k.com  定価 200円 (おわり)