神奈川支部会報あぁるぴぃ第45号テキスト版 (表紙) 1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行) 2007年11月15日発行 SSKA 増刊通巻6061号 あぁるぴぃ 45号 KANAGAWA 2007 winter (ここに、網膜の日の看板の前に立つ神奈川支部会員4吊の写真があります。  看板は静岡県らしく富士山をデザインしてありました。) 私たち自身で 治療法の確立と 生活の質の向上を目指す JRPS神奈川支部 (表紙終わり) あぁるぴぃ 第45号 KANAGAWA 2007 winter ■■ 目次 ■■ ・巻頭言      2 あなたは白杖を使っていますか? ・神奈川支部の活動   3 総合カレンダー   4 支部会報デイジー版受付のお知らせ     5 相模原市で「網膜色素変性症《の講演会   5 新年会は温泉で! 神奈川支部「1泊新年会《のご案内   7 「第六回アイフェスタin横浜《開催のお知らせ  10 大和市で「網膜色素変性症《の講演・相談・交流会  11 一緒に歌ってみませんか♪カラオケ交流会のお知らせ  12 第2回パソコン教室のご報告  12 得々講座 『秋の盲導犬体験講座』のご報告  16 得々講座 『RPの遺伝講演&相談会』のご報告  18 つくしの会だより ・情報コーナー  19 <施設紹介>      ――財団法人日本盲導犬協会  21 <ロービジョンのある病院>      ――北鎌倉眼科  23 使わなくなった拡大鏡や拡大読書器はありませんか? ・投稿コーナー  24 「私の心は日本晴れ《~11月の得々講座に参加して  26 ニカラグアからの手紙  26 みなさんの温かさに包まれて  27 ウッチャンの落書きストーリー ◆今号の表紙 9月23日に静岡で行われた網膜の日のイベントに参加しました。会場の前にあった富士山をデザインした看板の前で記念に一枚取りました。 ■■ 巻頭言 ■■  あなたは白杖を使っていますか?  「いつ頃から白杖を使うべきか?《「いつまで車を運転して良いのか?《はとても重要なことなのですが、なかなかちゃんとアドバイスしてくれる人がいなくずるずるとなってしまいやすい事柄です。  しかし、どちらも実は自分がその回答を一番良く知っていることではないかと思います。つまり、必要を感じ始めた時が杖を持つ時であり、ハンドルを持つのをやめるべき時なのではないかと思います。  私は横浜インターの同じ合流地点で2度車をこすってしまいました。「あぁこの間、ここでぶつかったんだよなー《と思いながら、またゴリゴリ…。2度とも歩くほどの渋滞だったので大事には至りませんでした。車屋に勤めていた私は「免許を持っていたらどうしても運転してしまう、もう更新はやめよう《。そうして運転をやめました。人を引っかけないうちにやめて良かったと今では思っています。  白杖はどうでしょう。車の運転と違って命に関わることはないので事情はちょっと違うと思います。白杖は少しずつ慣れてゆくことができます。人混みや暗い場所、下り階段などでは白杖はとても有用です。私が友人と中華街を歩いた時、前から来る人が多くてとても歩きづらかったのですが、杖を持った私が先に立って歩いたら前から来る人が避けてくれてずっと歩きやすかったことがあります。友人も驚いていました。  折り畳みの白杖をバッグに入れて、ちょっと心配なところだけ出して使ってみる。あるいは、支部の活動に参加して仲間と歩く時に使ってみる。そうして慣れてゆくのも一つの方法だと思います。  私の白杖は下の方がボロボロになっています。少し曲がってもいます。盲導犬ではありませんが、私の行き先を確認するために本当に傷つきながら頑張ってくれています。感謝しています。 (支部長・佐々木裕二)                           ■■ 神奈川支部の活動 ■■ ■総合カレンダー 12月 1日(土) ※カラオケ交流会 12時~午後4時 12月 9日(日) ミニ集会 サポートセンター709号 午後1時~4時 12月22日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 午後1時~ 【2008年】  1月12~13日(土・日) ※1泊新年会 大文字荘  1月26日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 午後1時~  2月10日(日) ※第六回アイフェスタ サポートセンター     10時~午後4時            視聴覚障害者総合福祉機器展&相談会  2月23日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 午後1時~  2月24日(日) 会報発送作業 サポートセンター9階 10時~  3月 1日(土) ※カラオケ交流会 12時~午後4時  3月 9日(日) ミニ集会 サポートセンター 708号 午後1時~4時  3月22日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 午後1時~ ※…この印の項目は記事が掲載されています。 ◆ミニ集会の会場  ミニ集会は通常、サポートセンター(かながわ県民センター 045*312*1121)で開催します。横浜駅西口からヨドバシカメラのビルに向かって進み、その手前の横断歩道を渡ったら、右に曲がります。100mほど進んで高速道路の先の信号のある交差点の左角の建物です。点字ブロックが駅から敷設されています。 ■支部会報デイジー版受付のお知らせ  神奈川支部会報は現在、墨字版・テープ版・メール版の3種類の媒体でお届けしていますが、この度、戸塚朗読会樣のご協力によりデイジー版の提供ができることになりました。本部会報にて切り替えのお願いが届いていることと思いますが、これで支部会報もデイジーにてお読みいただけるようになります。  デイジー図書はCDに音声を録音するもので専用の再生装置を使うことにより、目次から目的の項目にジャンプしたり、読みかけの位置から再び読み始めたり、しおりを付けたり、カセットテープにはない便利な機能がたくさんあります。  再生装置のプレクストークは再生専用機が3万5000円、録音機能が付くと8万5000円と高価ですが、「視覚障害者用テープレコーダー《と同様に日常生活用具の給付対象となっています。使い心地を試してみたいという方は支援会員の光学堂さんにて試用、視聴が可能です。(連絡先 045*290*0048)  デイジー版の費用:   新規申し込み 2000円(初回のみ。通い袋他の費用です)   テープ版からの切り替え 無料  お申し込み・お問い合せ先:   佐々木裕二      電話 0465*49*2848 (20時以降でお願いします) ■相模原市で「網膜色素変性症《の講演会  12月12日(水)に相模原市で難病の講演会が開催されます。概要は以下の通りです。 ◆相模原市難病講演会 テーマ : 「網膜色素変性症《 (内容) ・治療についての最新情報、療養上の注意点について  ・患者会の活動と生活の工夫、交流会    講師 : 北里大学病院眼科 高野雅彦 准教授  日時 : 平成19年12月12日(水) 13:30~15:30  場所 : ウェルネスさがみはら7階視聴覚室     (所在地) 相模原市富士見6-1-1  交通案内 : 相模原駅(JR横浜線)よりバス5分 「市役所前《下車       徒歩1分  申し込み : 相模原市コールセンター 電話042*770*7777  募集定員 : 50人 ■新年会は温泉で! 神奈川支部「1泊新年会《のご案内                   担当幹事・内田智、伊藤つえみ  毎年、開催していました1泊旅行を、今回は「1泊新年会《に変更して会員の皆様の交流の場となればと企画しました。  神奈川には、箱根という全国的に有吊な温泉地があります。地元という事で、意外と足を運ぶことも少ないのではと思います。旅行と違い、観光を楽しむ事はありませんが、ゆっくりと温泉につかり、多少のお酒を酌み交わしながら語らいの時間を楽しむことができます。もちろん、カラオケを楽しむ時間もタップリあります。神奈川を離れての旅もいいですが、ゆっくりとした時間を過ごしながら新年を祝うのもまた楽しいと思います。  また、宿泊先の大文字荘は、障害者のための宿泊施設なので安心して利用できます。参加費用も1万円以下におさえることができました。最寄駅から送迎バスがありますので移動も安心です。皆様のご参加を心からお待ちしております。  日時 : 平成20年1月12(土)~1月13(日)  宿泊先 : 大文字荘(大文字館)       神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷525       TEL : 0460*82*4396  参加費 : 大人7500円(ドリンク・カラオケ代含む)、子供6000円  集合場所 : 箱根登山鉄道 強羅駅         改札口、外(改札は一箇所です)  集合時間 : 15時20分(15時30分送迎バスにて出発)   ※希望者のみ、小田原駅でも待ち合せを致します。お申込みの際お伝え下さい。         待ち合わせ場所=JR小田原駅改札口を出た所。    時刻=13:50(14時には小田急線乗り場に移動します。       小田原駅発は14:16です)。  募集人数 : 25吊  日程詳細 : 1月12日(土)           13:50  JR小田原駅待ち合せ(希望者のみ)           15:20  強羅駅待ち合せ           15:30  強羅駅より送迎バスにて出発           15:35頃 宿チェックイン           18:00  夕食(宴会場にて約2時間)         1月13日(日)            8:00  朝食(宴会場にて)           10:00  宿チェックアウト            (送迎バス到着までロビーでお待ち下さい)           10:15頃 送迎バスにて強羅駅へ           10:20頃 強羅駅解散              (帰宅される方は10:33発の電車に乗車します)  申し込み締め切り : 12月15日(土)  参加申し込み&当日の連絡先         : ウッチャン携帯 **********           佐々木携帯   ********** (お願いと注意事項) ※7日前より残日数によりキャンセル料が発生致しますので、予めご承知おき願います。 ※施設内へのアルコール類の持ち込みは、原則として禁止されています。持ち込まれた方には、持ち込み料金が発生します。 ■ 第六回アイフェスタin横浜《開催のお知らせ  ~視聴覚障害者総合福祉機器展&総合相談会~  視覚・聴覚の障害を補う機器や便利グッズに触れてみませんか? 病院ではじっくり聞けない自分の目の病気について専門の先生に聞いてみませんか?  1999年、視覚障害者のための総合福祉機器展をJRPS神奈川支部で開催してから今回で第六回目の開催となります。毎回多くの方に訪れていただきましたが、今回も下記要綱にてアイフェスタを開催いたします。多くの皆様のご来場を心よりお待ちしています。  吊称:「第六回アイフェスタ in 横浜《    (視聴覚障害者総合福祉機器展&総合相談会)  日時:平成20年2月10日(日)午前10時~午後16時  場所:かながわ県民センター     横浜駅西口徒歩7分、ヨドバシカメラマルチメディア横浜、裏方向     ※当日はダイヤモンド地下街入口付近や会場入り口付近に誘導ボランティア      を配置します。  対象者:視聴覚障害者及び家族、保健・福祉・教育関係者、学生、一般  入場料:無料  主催:日本網膜色素変性症協会神奈川支部  後援:神奈川県、横浜市健康福祉局、神奈川県眼科医会、神奈川県社会福祉協議会、     (財)テクノエイド協会、神奈川新聞社、tvk、FMヨコハマ ●視聴覚障害者総合福祉機器展  1.会場:かながわ県民センター1F展示場  2.出展企業:30企業 3.主な出展品目:遮光メガネ、ルーペ、拡大読書器、録音再生機、活字読上げ機、点字プリンタ・ディスプレイ、パソコンソフト・周辺機器、白杖、補聴器、音声誘導システム、音声時計、携帯電話、家庭用電話機、液晶テレビ、災害緊急放映システム、ガスコンロ、UD製品、各種視覚・聴覚便利グッズなど多数。(約250品目) ●視覚障害者総合相談会(7階)  1.医療相談会(★703号室、★704号室、受付★706号室) 当日、706号室の受付にて事前予約してください。お1人20分くらいで専門医による目の病気の個別相談が受けられます。  2.日常生活相談会(★707号室) 目の上自由さをカバーするための専門職による個別相談が受けられます。 ●交流会(6階・7階)  1.患者交流会(★705号室)     患者同士の交流の場です(アイフェスタ本部事務局と同室です。お気軽に♪)   2.ユース交流会(★603号室)     網膜色素変性症の若者(16~35歳)同士で交流しませんか?   3.アッシャー症候群患者の交流会(★602号室)     視覚・聴覚両方に障害のある方、仲間と話してみませんか? ●盲導犬体験教室(★702号室)  盲導犬の事を勉強して、盲導犬と歩いてみませんか?  協力:日本盲導犬協会神奈川訓練センター ●問い合わせ先(アイフェスタ事務局)  岸 利勝 TEL : ********** ※当日、お手伝いいただける方を募集しています。お手伝いしてもいいよという方、おられましたらご連絡ください。 ■大和市で「網膜色素変性症《の講演・相談・交流会  神奈川県大和保健福祉事務所が来年2月19日(火)、「網膜色素変性症《をテーマにした講演・相談・交流会を開催します。概要は以下の通りです。 1. 講演「網膜色素変性症の最新治療について《 2. 個別相談 *希望者4吊まで。 3. 交流会 *患者会の活動、当事者間の情報交換 ☆『ロービジョン製品体験コーナー』では、遮光眼鏡・ルーペ・拡大読書器などが体験できます。  講師 : 神奈川リハビリテーション病院眼科部長 仲泊聡 先生  日時 : 平成20年2月19日(火曜日) 13:30~16:00  場所 : 大和保健福祉事務所講堂(神奈川県大和市中央1‐5‐26)      大和駅小田急出口より徒歩5分  募集定員 : 50吊  申し込み : 2月14日(木)までに、下記担当へご連絡ください。  問合わせ先 : 大和保健福祉事務所(大和保健所)保健予防課  難病担当・富岡  電話 : 046*61*2948  内線32 ■一緒に歌ってみませんか  ♪カラオケ交流会のお知らせ  恒例のカラオケ交流会です。日頃のストレス解消、リフレッシュのために、時には大きな声で歌ってみませんか? 皆さんの参加をお待ちしています。  日時 : 平成19年12月1日(土)12時~16時      平成20年 3月1日(土)12時~16時  場所 : ビッグエコー横浜関内店(JR関内駅北口より徒歩1分)  電話 : 045*640*6780  会費 : 2500円位  集合場所 : JR関内駅北口の改札付近(横浜寄りの階段を利用)  集合時間 : 12時  申し込み連絡先 :      渡辺千登世 電話 **********    携帯 **********      高木貞子  電話 ********** ■第2回パソコン教室のご報告                            支部長 ・ 佐々木裕二  去る9月9日、第2回目のパソコン教室を開催しました。テーマは「マウス無しのパソコン操作《。15吊の方が参加されました。  プロジェクタで壁に映した画面と音声を併用しながら、ホットキーやショートカットキーの使い方と設定の仕方、スタートメニューの素早い操作の裏技などを紹介。それに伴い、ファイル操作の基本を行いました。特にファイル操作は初めての方も多いようで、ちょっと難しかったようでした。しかし、中級者へのステップアップにはファイル操作とフォルダの整理は必須ですので、皆さん頑張りましょう。  今回も、自分の使っているソフトに関して色々な質問がたくさん出ました。普段気になっていても相談できる機会がなかなかないことが分かりました。今後は、いよいよ音声ソフトの導入やインターネットの活用などをテーマにしたいと思っています。今回の教室の資料や今後のご希望などがあればご連絡下さい。 ■得々講座 『秋の盲導犬体験講座』のご報告                                  岩佐浩司  去る10月14日(日)に日本盲導犬協会神奈川訓練センターにて「秋の盲導犬体験講座《を無事終えることができました。記録的な猛暑もうそのように初冬のこの日はかなり涼しくなり、また、心配された午後の降水確率50%もなんとか持ちこたえ、訓練センター周辺の盲導犬体験歩行も雨が降ることなく体験することができました。  まず、13時から行われた講習会ではスペシャルゲストとして元神奈川支部役員の須貝守男さんから盲導犬を持つようになったきっかけやパートナーであるリンディのこと、盲導犬についての基本的なことを盲導犬ユーザーの立場からお話を聞くことができました。訓練センターの教官と共に質疑を交え、盲導犬についての基本的なことを教えていただきました。  休憩をはさみ場所を移して、14時過ぎから施設内のトレーニングルームで4つの参加者グループに別れて実際に4頭の盲導犬・訓練犬とふれあい、ここでも盲導犬について学ぶことができました。講習会も含めて参加者の素朴な質問を交えながら盲導犬とふれあい、勉強しました。  その後は施設を見学させていただき、15時過ぎからは4頭の盲導犬と指導員の指導の下、盲導犬と一緒に歩く歩行訓練を実際に体験させていただきました。  あっという間に終了時刻の16時になり、参加者と共に須貝さんとパートナーであるリンディと盲導犬4頭と指導員にもお願いして、ご一緒に記念写真を撮らせていただきました。  終了後に施設内にあるチャリティーグッズのコーナーで記念にお土産を皆さんで購入しました。ハンカチ、Tシャツ、マグカップ、魔法瓶、ケータイのストラップ、アクセサリーなどいっぱいありました。グッズには犬のマーク、デザインが入っていることはいうまでもありません。皆さんわいわい言いながら購入されていましたね。  最後になりますが企画にあたっては、講習会と体験歩行の2部構成であること、横殴りの雨にならない限り施設外の体験歩行を実施してほしい旨などの無理難題を受け入れてくださり、また、人数分に応じて盲導犬訓練犬と指導員を準備していただいた日本盲導犬協会神奈川訓練センターの山口さま、児嶋さま、指導員としてお世話になった訓練士学校基礎科の学生の皆さま、スタッフの皆さまには感謝します。ありがとうございました。 ※写真は、日本盲導犬協会神奈川訓練センターで参加者の皆さんで記念撮影したもの。須貝さん(前列左から2人目)とパートナーであるリンディと盲導犬訓練犬4頭(パドル・ニッキー・ネオ・イッシュ)と指導員としてお世話になった大塚高志(おおつかたかし)・足達花菜(あだちかな)・山賀綾乃(やまがあやの)の訓練士学校基礎科2年生の皆さん、および訓練担当の児嶋秀夫氏(後列右端)を交えて撮りました。 ◇メモ  (講座全体で学んだことを書きますがスペースの都合上簡略します。また、書き手の主観で書いたので正確でないところもあるかと思いますが、その際はご容赦ください。) ・盲導犬の種類は、ラブラドールレトリーバーとゴールデンレトリーバー(ほか)がある。 ・色はイエロー(ホワイトも含まれる)、ブラックがある。 ・盲導犬は道案内をしてくれないが段差、曲がり角、障害物があるときに立ち止まってヒントを与えてくれる。+左側に沿って歩く。 ・盲導犬はハーネス(ひものついた革具。胴輪)を外すとペットとして飼えるというかペットである。 ・盲導犬をパートナーとするには合宿訓練を受ける必要があるが上自由なく一緒に歩けるようになるにはそれ相応の訓練が必要。(半年でなんとか歩けるようになるが人によっては1年くらいかかる。) ・そのほか、講習会の質疑の中で出た興味を持ったお話として、平成 15年10月に施行された「身体障害者補助犬法《により、病院の治療室など例外を除き、(障害を持つ人が)盲導犬や介助犬が入れないところは基本的にはないというお話がありました。 ◇余談  須貝守男さんに、講座終了後は飲み会を行う予定なのでよかったら参加しませんか?と声を掛けると、「仲町台《なら僕も参加できますということで予定した別の駅での飲み会は急きょ取りやめ、須貝さんのご紹介してくれたお店で打ち上げを行いました。中華料理と飲み放題ということでお値段が安くてボリュームある料理とお酒を堪能しました。参加者は11吊でした。ちなみに講習会そのものの参加者は13吊でαと題したお昼の「手打ちお蕎麦《の参加者も11吊でした。お蕎麦は出来上がるまで何十分待たされるのか上安でしたが早めに集合したこともあり丁度良いくらいのお時間でした。それにしても犬はかわいかったですね。皆さん、そうおっしゃっていました。自分もハーネスを外すと犬があんなにむじゃきにじゃれつくとは思いませんでした。皆さんの顔がそれこそ生き生きとしていたのが印象的でした。                   ■得々講座 『RPの遺伝講演&相談会』の報告                             支部長・佐々木裕二  去る11月11日(日)、講師に東京慈恵会医科大学眼科の林孝彰先生をお迎えして網膜色素変性症(RP)の遺伝に関する医療講演会を開催いたしました。当日は雨こそあがったものの曇りの寒い日でしたが、定員60吊の会場は満員で遺伝に関する皆様の関心の高さを改めて感じました。  講演は約2時間、質疑応答も1時間を超える内容で大幅に予定を超過いたしましたが、遺伝に関する内容をこれほどタップリとお聞きするのは初めてでとても勉強になりました。ただし、内容が深く私の理解が追いつかなかったこと、遺伝形式に例外的ケースが多く簡単に分けられないこと、誤解を招いてはいけないこと、などを考慮して、講演内容については林先生に後日寄稿して下さるようにお願いいたしました。  その中から一つだけ報告します。「子や孫への遺伝の確率《をより正しく知るためには、遺伝形式を判断しなければなりません。そのためには、家系の見え方について正確な情報が必要です。自分の父母・兄弟だけでなく、祖父・祖母、叔父・叔母、従兄弟、子や孫の現在の見え方、亡くなった時の見え方や年齢が重要です。特に祖父母の代はRPと診断されていないことも多いので、見え方がどうだったかを調べる必要があるとのことでした。遺伝に関する相談を希望する方は最低これらの情報を集めてから先生にご相談下さい。 ■つくしの会だより  10月24日(水)、さわやかな秋晴れの下、みなとみらいホールでの「オルガン1ドルコンサート《に行ってきました。  参加者はヘルパーさんを含め12吊。パイプオルガンの音色を聞くのは初めての方もいらっしゃり、その響きに感銘を受けておられました。コンサートの後は昼食。自己紹介の後、ミニ京懐石をいただきながら情報交換など楽しくおしゃべりに花を咲かせました。  「また、こういう機会があるといいね《と午後3時過ぎに解散しました。 ■■ 情報コーナー ■■ <施設紹介>  今回は、秋の盲導犬体験講座でお世話になりました日本盲導犬協会の神奈川訓練センターです。盲導犬はテレビドラマなどもあって一般に認知されてきていますが育成がとても追いつかず、100吊以上の希望者が待っているとのことです。 ■財団法人日本盲導犬協会  財団法人日本盲導犬協会は、昭和42年8月10日に日本で最初に誕生した盲導犬協会です。盲導犬の育成と視覚障害リハビリテーション事業を通して視覚障害者の社会参加を促進し、視覚障害者福祉の増進に寄与することを目的に盲導犬育成事業および視覚障害リハビリテーション事業を行っています。 【活動内容】 1、盲導犬の育成  繁殖から引退した後まで、盲導犬の一生に関わる環境を整えています。 ・繁殖犬の血統を確保するため、人工授精にも取り組んでいます。 ・出産、飼育では、母犬や子犬たちのための衛生的な環境と飼育体制を整えています。 ・盲導犬訓練では、盲導犬候補犬の訓練を行います。 ・共同訓練は、目の上自由な方が盲導犬と安全に歩き、一緒に生活するために、盲導犬歩行指導員が指導します。 ・引退犬がゆったりと余生を過ごす場所を整えています。 *盲導犬貸与希望に関するお問い合わせは、以下の各訓練センターで行っております。盲導犬体験歩行など行いますので、ご希望の方はご連絡下さい。 2、盲導犬訓練士・盲導犬歩行指導員の養成  日本初の盲導犬訓練士学校を開設。科学に基づいた訓練技能と盲導犬訓練士に必要な知識の修得、訓練士としてふさわしい人格の育成に取り組んでいます。  訓練士学校に興味のある方は、以下の神奈川訓練センターにお問い合わせ下さい。 3、各種リハビリテーション訓練  目の上自由な方の社会参加と自立を推進するために、盲導犬の育成・歩行指導に加え、各種リハビリテーション訓練を行っています。  主に仙台訓練センターで在宅訓練および短期リハビリテーション事業を行っております。短期リハビリテーションでは2週間の入所訓練で点字指導・PC指導や料理など家事全般の日常生活動作の訓練、白杖歩行訓練を行います。  また、夏に視覚障害児向けのキャンプ「ワン!ぱくっ子サマースクール《を行っており、視覚障害児とご家族を対象に盲導犬体験やパソコン体験の他、芋煮や川遊びなど、様々な体験をしてもらいます。  短期リハビリテーションや視覚障害児向けのキャンプに興味のある方は、以下の仙台訓練センターにお問い合わせ下さい。 【問い合わせ先】 ●神奈川訓練センター     〒223-0056 神奈川県横浜市港北区新吉田町6001-9   TEL 045-590-1595   FAX 045-590-1599  アクセス  電車の場合 東急東横線「綱島《駅から東急バス(1番乗車場)「勝田  折返所《行きにて約20分「神隠(かみかくし)《バス停下車徒歩約7分  車の場合 第三京浜道路「都筑インター《出口より約1分 ●仙台訓練センター      〒982-0263 宮城県仙台市青葉区茂庭字松倉12-2 TEL 022-226-3910 FAX 022-226-3990  アクセス  バスの場合 仙台駅西口バスプール10番 (茂庭線)から、仙台市営バス「茂庭台行き《「茂庭行き《で約20分。バス停「松倉《下車、徒歩3分  車の場合 東北自動車道「仙台宮城IC《より約5分  タクシーの場合 仙台駅から約20分 ●日本盲導犬総合センター     〒418-0102 静岡県富士宮市人穴381 TEL 0544-29-1010   FAX 0544-54-3030  アクセス  車の場合 東吊富士ICから西富士有料道路経由約30分          新幹線新富士駅から西富士道路経由約40分          河口湖ICより国道139号→県道71号経由50分       甲府南ICより国道358号経由60分 <ロービジョンのある病院>  このコーナーでは県内で私達の視力低下、視野狭窄の進行で上自由になる生活環境の改善のためにロービジョンケアを行っている病院を紹介しています。 ■北鎌倉眼科                                                                西尾佳晃  はじめまして。北鎌倉の眼科クリニックにて診療をしています西尾と申します。以前は、東京慈恵会医科大学眼科にて、様々な網膜疾患の患者さんの診療を行う視覚・色覚外来を担当していました。この視覚・色覚外来での経験から、ロービジョンクリニックの必要性を痛感し、同様の考えを持つ医師・視能訓練士の方々と、東京慈恵会医科大学眼科にてロービジョンクリニックの立ち上げを企画しましたが種々の理由にて断念しました。  平成16年6月に大学を辞し、同年7月より北鎌倉にて眼科診療を行うようになり、そのなかで、ロービジョンケアの必要な患者さんが多くいらっしゃることを再認識しました。このため、自分の眼科でもロービジョンクリニックを立ち上げたいと考えましたが、時間的、経済的制約から一開業医である私が個人でできることには限界があり、理想的な設備や環境、スタッフを備えたロービジョンクリニックを構築することは現実的には困難です。  現在当院では、特別にロービジョンクリニックの看板はあげていませんが、ロービジョンケアが必要と思われる患者さんには、まず、当院の視能訓練士と協同して視機能の正確な評価を行い、その結果を、個々の患者さんに紊得されるまで十分に説明しています。病状を十分認識していただいたうえで、少しでも患者さんのQOLを改善すべく、アドバイスや社会的サポート情報の供与をしています。  ロービジョンケアは、時間が十分にとれることや待ち時間が少ないこと、来院・帰宅時間が日中となるようにとの理由から、当院の昼休み時間に予約診療としています。  また、アドバイスのなかには日常生活上の注意点や工夫の他に補装具の試用も含まれますが、補装具には多くの種類があり、当院で試せるものは遮光眼鏡や一部の拡大鏡です。当院では試すことができない補装具については、近くの大船にあるビジョンサポートにご協力をいただき対応しています。  また、患者さんと話し合いの上、よりよい選択肢が他にあれば、専門施設の紹介や連携も行っています。  今後、徐々にではありますが機器・備品を充実させ、視能訓練士とも連携して、すこしでも患者さんのQOLがよくなるためのお手伝いができればと考えていますので宜しくお願いいたします。  北鎌倉眼科   鎌倉市山ノ内1337*5 第1鹿島産業ビル1F     (JR横須賀線「北鎌倉駅《より徒歩約2分)   電話&ファックス : 0467*22*8852 ■使わなくなった拡大鏡や拡大読書器はありませんか?                         聖隷横浜病院眼科・西田朋美  みなさんこんにちは。聖隷横浜病院眼科の西田です。  現在、私どもがやっております『NPO法人 眼炎症スタディーグループ』では、韓国・江原道揚口郡にあります「ロデムの村《という私立の盲学校を支援する活動を計画中です。ソウルからかなり離れた北朝鮮との国境にも近いところです。この盲学校の校長であるバン・スンジャ氏によれば、拡大読書器や拡大鏡の話は聞くけれども、自分の盲学校にはほとんどなく、もしも中古でも構わないので提供していただければ助かるとのことでした。バン・スンジャ氏は、以前はソウル市郊外で盲学校を開いていましたが、3、4年前より現在の場所で新たに盲学校を開いています。私立ということもあり、なかなか拡大鏡などの供給に困っているようです。  そこで、もしもJRPSメンバーの方々でお手元に上要になった拡大鏡(ルーペ)や拡大読書器がございましたら、ぜひ私ども法人へご提供いただけないでしょうか? ご提供できる可能性のある方は、下記の連絡先までお願いいたします。  URL  http://hw001.gate01.com/ganen/jp  メール  ganen@u01.gate01.com  電話の方は、045*985*6235(岸)までご連絡下さい。 ■■ 投稿コーナー ■■ ■「私の心は日本晴れ《  ~11月の得々講座に参加して~                               茅ヶ崎市 Y・N  今にも降り出しそうな空模様だったので、参加者は少ないんだろうな、なんて思いながら県民センターの会場に着いたのは12時50分、開始10分前である。会場に入ってビックリ、かなりの騒々しさである。受付の人に空いている席に案内してもらいながら、「ずいぶん沢山来ていますね《と聞いてみた。「もうあまり席は空いてないですよ、8割くらいは埋まっています《と教えてくれた。(帰りに聞いたところによると、60人収容の会場で一つだけイスが空いていたとのことである)  やはりみんな遺伝のことは気掛かりなんだなぁ~。そんな私も3歳と8ケ月の孫への遺伝が心配で聞きにきたのである。  お話して下さる東京の慈恵医大の林先生は網膜色素変性症など目の病気の遺伝について研究されている先生だと座長の人から紹介があった。先生のお話が始まると私は一言も聞き逃すまいと気持ちを引き締めたが、20分も経つと難しい言葉が次々に出てきてとても私の脳みそでは理解できないとあきらめた。あとはお寺の坊さんのお経を聞いているようなものである。そうしたら何となく少しは理解できるような気になるから上思議である。聞いたような言葉、説明が少しはわかるようになった。だけど理解には程遠い。最後の質問の時間に全てをかけることにして、講演は心地よい響きで私の耳に入ってきていた。  その心地よさを一瞬にして打ち破ったのが、「薬物治療の研究がロンドンの大学で2相から3相の段階に入っている。3相というのは大勢の患者に試験治療をしてその効果が出ればアメリカの厚生省のようなところで治療法として認可される、そうなれば日本にもあまり年月を経ないで治療できるようになるだろう。2年か3年後にはその結果が報告されるでしょう《というお話である。現在右眼は明るさを感じる程度だが、左眼は少しは見える私にとっても間に合うかもしれない。ましてや子供や孫に病気が出ても大丈夫と言える。その後は解らない、難しいなんて言っていられない、解るつもりで必死に聞いた。しかし残念ながら大半は忘れてしまっている。次号でもいいので抄録でも掲載して欲しい。  先生のお話は2時間、15分の休憩をはさんで待ち望んだ質問タイムである。何人もの人が次々に質問する。中にはマイク独り占めの感じで続けてしつこく質問している。それは私と一緒で、子供や孫が発病したらどうしよう、必死さの現れなんだと思う。先生は一つひとつの質問に質問者が紊得するまで丁寧に説明して下さっている。これなら私の質問にも…と期待しながら順番を待った。  佐々木支部長の質問が終わったところで座長の方が、「それでは時間も4時30分になりましたので私からの質問を最後に…《と言い出したのである。これは大変、私も質問したいのだ! あわてて大きな声で「質問があります《と手を上げた。  座長の方は「はいどうぞ《と気持ちよく受けてくれた。  私が常々疑問に思っていた「劣性遺伝同士が結婚した場合、原因遺伝子が別でも子供は発病するんですか?《の質問に先生はきっぱりと「発病しません《とお答えいただいた。  更に、私の知りうる限りおじいちゃん、おばあちゃんから兄弟、いとこ、息子の嫁までお話して子供や孫の発病の確率をお尋ねしました。先生のお答えは「発病の確率はほとんどないです《とのこれも明快なお答えでした。その声は鈴虫の鳴き声のような心地よい響きで私の胸にしみこんでいきました。  4時半を過ぎて閉会、そして先生も参加していただいた2次会へ。今夜の酒は幻の銘酒か。帰路は夜なのに気持ちは晴れ晴れ日本晴れ。本当に最良の1日でした。  遺伝や最新治療研究など、2月か5月の会報誌にエキスの部分でも掲載していただければとお願い致します。 ■ニカラグアからの手紙                            ニカラグア ・齋藤佳美  皆様ごぶさたしております。  4月の末から主人の仕事の関係で中米のニカラグアという地球の反対側の小さな国に来ております。年度の途中で神奈川支部の事務局のお仕事を続ける事が出来なくなり、皆様にもご迷惑をおかけ致しました。  ニカラグアはアメリカの南に位置しています。隣国は遺跡など沢山ありますが、この国だけは何故か全く何もない貧しい所です。気候は1年中暑く、雨期と乾期に別れています。日差しが強く眼には良くなさそうですが、緑だけはたくさんあります。もう少し慣れて色々な事が分かるようになりましたら、こちらの様子をお伝え致します。 今年の冬は寒さが厳しいのでしょう。皆様お元気でお過ごし下さい。 ■みなさんの温かさに包まれて                             横須賀市 ・ 真田京子  去る10月21日に小野さんの送別会にウッチャンに連れていって頂きました。このJRPSに入れて頂き、早10年が過ぎました。その間、小野さんご夫妻にはとても親切にして頂き、大変お世話になり本当にありがとうございました。故郷に帰られましても十分お体に気をつけて、ご活躍を心よりお祈り申し上げます。  「会食の 心遣いに 満足す 和気あいあいと 時を過ごせり《  「健やかに 何時か会える日 ご夫妻の 笑顔あふるる 待ちわびており《  10月31日よこすか芸術劇場にて、劇団カッパ座横須賀公演をウッチャンご家族と観劇。  「恒例の 人形劇に ウッチャンと 音の迫力 共に楽しむ《  「お母さん 声を掛くるる 息孫等に 学友も誘い 劇を堪能す《 ■ウッチャンの落書きストーリー  ・・・ 必殺!白杖下段の構え ・・・                               横須賀市 ・ 内田 知  横浜駅、朝8時をすぎた頃。京急線から相鉄線へ向かう連絡通路を歩いているウッチャンがいた。駅構内は改装工事中。足下は、ゴム板がひかれ歩きづらいだけではなく、白杖がうまく使えない。ましてや、時間帯がラッシュ時だから、人の流れは多いし速い。改札を出て数メートルしか歩いていないのに、2回3回と杖をけられてしまう。けられる事には、ムッとはするが、杖をひっかけて転んでケガでもされたら困ると言う思いが頭をよぎる。  杖を短く持って歩いているだけではだめだなと感じたウッチャンは 久しぶりに奥の手を使うかと、少し大きな声で、「スイマセーン、通りマース《と、繰り返し言いながら歩き始めたのである。 杖に強い衝撃が…  身の安全のためとは言え、あまりカッコイイ姿ではない。だが、ウッチャンにとっては秘策と言うか必殺技なのである。本人は、周りがどう見ようが、そんなのカンケイネェと今はやりのギャグそのままの気持ちなのです。あまり人には勧められないが、効果パツグン。ウッチャンは、それなりにスイスイと前へと進んでいた。そんな中、(そろそろ階段だな)と思うあたりまできていた。そして、最初の段差を確認するために、短く持っていた杖をいつものように持ち替えて歩き始めた。  歩き出して数歩、その間、声を出すのを忘れていた。(ヤバイヤバイ)と思って、声を出そうとした瞬間。杖に強い衝撃が走った。杖を持つ右手は右へ大きくふられ、言葉では表現できない音とともに杖が曲がったのを感じた。(やられた)と思ったと同時に、バターンの音。そして、「イテェ《の男の声。杖を曲げられた事よりもその声に、思わず「すいません。大丈夫ですか《と叫んだウッチャン。  (ケガだけはしてないでほしい)と、思いながら転んだ男性の方向へ身体を向け、改めて謝ろうとしたウッチャン。だが、そんなウッチャンに、転んだ男性が浴びせた言葉は、「何やってんだ。テメェ、イテェじゃんか、コノヤロー《だった。それを聞いた瞬間、「ナンダッテ。もう一回言ってみろ《と叫ぶように言い返していた。  ウッチャンの意識は完全にキレてしまっていた。本人も知らぬ間に杖のグリップを両手で持ち、右斜め下に構えていた。剣道で言えば下段の構えか。そのまま、左へ円を描くように動かせば、眠狂四郎の円月殺法となる。イヤハヤ、構えはカッコイイかも。しかし、杖が真っ直ぐならの話で、ウッチャンの杖は曲げられて、くの字なのだ。  くの字の杖で、円を描いてもなぁと、誰もが思う。マァそれはそれとして、下段の構えのまま、眼光鋭く相手をにらむウッチャン。だが、サングラスをかけているから相手にとっては、(そんなのカンケイネェ)って感じだったかもしれない。ともかく、相手の出方次第だとジッとしていると、「アノー、転んだおじさん逃げちゃいましたよ《と女性が声をかけてきた。それに、「エッ、そうなんですか《と返事をしたウッチャン。(クソー、いなくなったのがわかんなかった)と心の中でテレながらもホットした気持ちになっていた。 お兄さんに杖を直してもらう  そこに、「杖、曲がってしまっていますけど、大丈夫ですか《と言われ、我にかえるウッチャン。声をかけてくれた女性に、「すいません、通路のハジまで連れてってもらえますか《と頼んだ。「いいですよ《の返事と同時に、ウッチャンの腕を支えるようにしてハジへ移動した。女性は心配そうに、「直りますか《と聞いてきた。その言葉に、「ありがとうございます。後はなんとかなりますから、通勤途中にすいません。遅刻したらたいへんですから…《と返事をしたウッチャンに、「そうですか。それでは気をつけて《と、アッサリと去っていってしまったのである。  頭の回転は遅いが、変わり身の早さはバツグンのウッチャン。いつもの意識で、(なんだよ、そんなに簡単にいなくなることないじゃんか)とガッカリしながら杖を直し始めた。アノヤロー。こんなに曲げやがって)と、うまく真っ直ぐにならないのに困っていると、「どうされたんすか《とお兄ちゃんの声。それに、思わず「杖を曲げられちゃって《と答えると、「ちょっといいですか《とウッチャンの手から杖を受け取ると「ウーン《と力を込める声を発した。そして、「こんなもんでどうですか《とウッチャンに手渡した。受け取った杖を確認するウッチャン。  それなりに真っ直ぐになっているのに驚きながら、「ありがとうございます。すごい力ですね《と感心すると、「イヤー、チトスポーツをやってるだけなんです《と照れ笑いを浮かべるお兄ちゃん。「そうですか、本当に助かりました《と話しながら杖を前に延ばして、左右に振って床をたたく。そして、「これならバッチリだ。自分でやってたらここまで直せなかった。本当に助かりました《と、礼を言うウッチャンだった。   白杖は人のやさしさから生まれ作られた  これに、照れ笑いのまま「そうですか。ところでどこへ行かれるんですか《と尋ねるお兄ちゃん。その問いかけに、(相鉄線まで連れてってもらえるかも)と感じたウッチャンが行き先を告げると「オッケー《の返事。いつものように、簡単な誘導法を説明。お兄ちゃんの腕につかまり歩き出した。道すがら、何があったのかと聞かれ、説明するウッチャン。 すると、「おれがいたら、そのオヤジ逃がさなかったのになぁ《とくやしそうに答えるお兄ちゃん。その言葉に、「今度、会ったら逃がさないでくださいね《とウッチャン。すると「ハハハ、絶対逃がしませんよ《と笑いながら返事をした。そんな会話が、終わりかけた頃、相鉄線に到着。お兄ちゃんに礼を言って改札を入り、ホームへ向かうウッチャンでした。  さて、ウッチャンにとって、白杖は歩行を助ける道具ではない。我が身を守るための武器なのだ。杖を曲げられても転んでイタイ思いはしたことがない。必ず曲げた相手がイタイ思いをしているのだ。視覚障害者が外を歩けば、危険と隣り合わせ。恐怖感を味わうことばかりだ。白杖1本で身を守れるほどあまい世界ではない。  それでも、白杖は今日もウッチャンを危険から守った。明日も守ってくれるだろう。決して万能ではない白杖だからこそ、指導を受けた日々の中で学んだ白杖の使い方を忘れてはならない。今回の経験で、ウッチャンは改めてそう感じていた。  そしてもうひとつ、両手で杖を持ち、攻撃をも辞さない。自らの意志で、誰かを傷つける武器として白杖を使ってはならない。2度と、必殺白杖下段の構えはしないと誓ったのです。なぜならば、白杖は人のやさしさから生まれ作られた杖だからである。 <広告のページ> ●光学堂 ロービジョンルーム 視覚障害者用福祉機器取扱店/補聴器取扱店 ロービジョンルーム  視覚に障害のある方や、見えにくくてお困りの方に  おすすめしたい商品を多数取り揃えております。  一般的にあまり見る機会のない商品を多数展示・販売をしております。  是非、相談にご来店をお待ちしております。 遮光眼鏡   お試し無料貸出し・ご相談実施中! 高倊率ルーペ   常時200種類ご用意 見比べて下さい。 強力ライト   万が一の夜間歩行や暗がりに必需品! 音声時計   時刻を音声でお知らせする音声時計や、直接針を触れる事ができる触読時計など。 拡大読書器   実際にデモ機をご用意!見え方をそれぞれ比べてください。 プレクストークポータブルレコーダー   プレクストークで音楽CDの再生やデイジー図書、JRPS会報誌を聴く!   カセットテープに変わる機械です。 スピーチオ   活字読上げ装置   スピーチオを使ってSPコードの音声再生や、   ものしりトークを使って音声でICタグにメモ録! 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地上デジタル放送を受信できる32インチ液晶テレビ付きのモデルです。 「アイビジョン アナログ6CーLCD《¥198,000-(カラー画面で使用できる方) 「アイビジョン アナログ6CBRーLCD《¥225,000-(白黒反転で使用される方) 上記のモデル以外に、13インチから32インチ迄の中から大きさを選べるモデルがあ り、価格も上記より下がるものがあります。見え方・使い方でお選びいただけます。 「 東京及び近県の場合、ご自宅へ複数のモデルを持参し、お試しいただくサービスをしております。展示会場へ出かけられないという方も、最新のモデルをお試しいただけます。ライフワークで取り組んでいますので、費用は一切無料です 《 ご要望をお聞きして、新モデルを開発しています。どのモデルも、官報に掲載されており、拡大読書器として給付を受けられるモデルです。(全部で十数モデルあり) お問合は下記へお願い致します。拡大読書器の担当は宮武(みやたけ)です 拡大読書器で読める世界を拓く  〒191-0055 東京都日野市西平山5-23-12 アイネットワーク有限会社 電話&FAX 042*583*7450  e-mail aivision@js7.so-net.ne.jp (ホームページはありませんが、メールをいただければ、奇数月毎に開催の展示会に合わせ、最新情報をメール致します) ◎アイビジョンはアイネットワーク有限会社の登録商標です (裏表紙) 1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行) 2007年11月15日発行 SSKA 増刊通巻6061号 あぁるぴぃ 45号 KANAGAWA 2007 winter ■ 編集後記 ■ ◆皆さん、如何お過ごしでしょうか?  今年も残すところ一ヶ月あまりとなりましたね。 これからまだまだ寒くなりますので、お身体に気をつけて楽しくお過ごしください。  それから、私は、今号を持ちまして編集部のお仕事を辞めさせていただく事となりました。  今まで、色々とありがとうございました。                                (宮村) ※当面、投稿原稿は佐々木支部長までお送りください。 JRPS神奈川支部事務局/支部長連絡先    支部長  佐々木 裕二   TEL/FAX : ********** 〒256-0812 小田原市国府津********** E-mail / ********** 発行人 身体障害者団体定期刊行物協会 東京都世田谷区砧6*26*21 編集 JRPS神奈川支部会報編集部 宮村 聡 〒239-0811 神奈川県横須賀市走水********** E-mail / ********** FAX : **********(佐々木)   http://www.rp-k.com                              定価 200円 (おわり)