■神奈川支部会報第59号テキスト版 (表紙) 1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行) 2011年5月24日発行 SSKA 増刊通巻7265号 SSKA あぁるぴぃ第59号 KANAGAWA 2011 summer 私たち自身で 治療法の確立と 生活の質の向上を目指す JRPS神奈川支部 **この会報誌は「NHK歳末たすけあい《の配分金により作成しています** (表紙終わり) あぁるぴぃ第59号 KANAGAWA 2011 summer ■ 目次 ・巻頭言          2 今こそ非常時の備えを ・神奈川支部の活動     3 総合カレンダー   4 第16回定期総会&医療講演会のご案内   6 チャリティーコンサート12月開催決定のお知らせ   7 ♪カラオケ交流会のお知らせ 6月・9月に開催   7 (家族向け)おしゃべり会へのお誘い   8 つくしの会だより   9 開催中止報告 秦野市第3回“RP”出前セミナー ・情報コーナー      10 眼のツボを刺激しよう  13 知っていると役立つ「生活の知恵《(5)  17 「視覚障害と共に生きる者からのお願い《(転載) ・投稿コーナー      21 思い出体験記(第14回)  24 ウッチャンの落書きストーリー ◆今号の表紙  長崎に旅行した際のスナップです。大浦町にあるこの孔子廟は1893年に清国政府と在日華僑が協力して作ったもので、並んでいるのは孔子の高弟72賢人の石像です。 (田中) ■■ 巻頭言  今こそ非常時の備えを  3月11日に東日本を中心に日本を襲った未曾有の大地震、津波、そして原発事故。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。  さて、この地震の時、皆さんはどこで何をしていましたか? 私は佐渡の実家にいました。丁度ふすまを立てていた時でした。グラッ、そして長~い、ゆっくりとした横揺れ。まだか、まだか、まだ止まない…。そしてそれからは皆さんご存知の通り、信じられない光景がテレビで生中継されました。横浜でも盛り上がったビルの基礎が画面に映っていて驚きました。  もしあの場所に自分がいたら…。いや、確かにあの場所にも我々の仲間がいたし、多くの視覚障害者や体の上自由な人がいました。我々は災害弱者、情報弱者などと言われますが、このような緊急時にはやはり自分で自分の身を守らなければなりません。上自由ではあっても最低限自分でできることは最大限準備しておかなければなりません。それが自分自身を守ると共に愛する家族を守ることになります。  私のリュックにはいつも懐中電灯とラジオ、予備の白杖が入っています。地震に備えているわけではありませんが、もしもの時のために必要だと思うからです。しかし、このような大地震で電気、水、ガスが止まることを想定した準備はしていませんでした。  準備するものは物だけではありません。緊急時の連絡先や待ち合わせ場所などを家族と決めておくことも必要です。それに、避難場所や避難経路、危険な場所の確認も必要です。電話が繋がらなかった時、比較的使えたのが携帯メールだと言います。これを機会に、私も嫌ですが、覚えようかと考えています。  のど元過ぎれば何とやら…という悪い習性がありますが、そうならないよう、これを機会に忘れないうちに家族と話し合って準備しておきましょう。                              (佐々木裕二) ■■神奈川支部の活動 ■ 総合カレンダー  6月 4日(土)※カラオケ交流会 関内 12時~16時  6月 5日(日)※定期総会&医療講演会          神奈川歯科大学付属横浜研修センター          12時50分~16時40分  6月25日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 13時~  7月10日(日) ミニ集会 県民センター708 13時~  7月23日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 13時~  8月14日(日) ミニ集会 県民センター710 13時~  8月27日(土) 陶芸クラブ 横浜ラポール 13時~  8月28日(日) 会報発送作業 9時&10時~           ※家族のおしゃべり会 13時30分までに集合  9月 3日(土)※カラオケ交流会 関内 12時~16時  9月11日(日) パソコン教室 県民センター708 10時~12時  9月11日(日) ミニ集会 県民センター708 13時~     ※…この印の項目は記事が掲載されています。 ◆ミニ集会の会場  ミニ集会は通常、かながわ県民センター(045*312*1121)で開催します。横浜駅西口からヨドバシカメラのビルに向かって進み、その手前の横断歩道を渡ったら、右に曲がります。100mほど進んで高速道路の先の信号のある交差点の左角の建物です。点字ブロックが駅から敷設されています。  なお、かながわ県民活動サポートセンターは、かながわ県民センター内にあります。会報では、県民センターと統一表記しています。 ■ 6月5日(日)に開催、医療講演テーマは人工網膜  ~第16回定期総会&医療講演会のご案内~ 支部長・佐々木裕二  風薫る5月、皆様お元気でお過ごしでいらっしゃいますか?  第16回神奈川支部定期総会と医療講演会を6月5日(日)に開催します。神奈川支部が誕生して15年が経ったことになります。ほとんど聞くことのできなかった治療法への道も現在は様々な方向からアプローチされています。5年10年単位で見た時には確実に治療法確立への道が近付いてきていると確信します。来るべき時を一刻も早く実現するために研究者に患者の声を伝え、苦しむ同病の仲間と支え合ってゆくJRPSの使命をしっかりと皆様と共に果たして行きたいと思います。  会場は昨年と同じ神奈川歯科大学横浜研修センターです。一人でも多くの皆様の元気なお声をお聞かせ下さい。お待ちしています。  日時 : 6月 5日(日)  会場 : 神奈川歯科大学付属横浜研修センター 7階大会議室     会場は県民センターから高速道路に沿って50m先です。     県民センターの角と会場の入口に誘導員を配置します。     JR横浜駅西口から徒歩8分です。  【スケジュール概要】   1) 第16回神奈川支部定期総会   12時30分開場 12時50分開会     ※同封の議案書は目を通して当日ご持参下さい。  2) 医療講演会     14時00分開場 14時20分開会 16時40分終了予定。   演題 :「人工網膜世界の現況《   講師 :上二門尚先生 (大阪大学大学院医学系研究科教授)   座長 :高野雅彦先生 (国際医療福祉大学熱海病院眼科教授)   *入場無料、医療講演会は会員以外の方も参加できます。 【上二門先生からのメッセージ】  人工網膜は米国で開発されたARGUSIIが、欧州で認可がとれたということです。ドイツのグループもよい臨床成績を上げています。われわれも本邦独自の方法で開発した1号機で中期の臨床試験を行い、失明したRPの患者様が大きな物を認識できることを立証しました。このような人工網膜の世界の現況をお話しさせていただきます。よろしくお願いします。 【先生の略歴】  上二門 尚 (ふじかど・たかし) 大阪大学大学院医学系研究科・医用工学講座・感覚機能形成学・教授。医学博士  1978年 東京大学大学院工学研究科修士課程(物理工学)修了  1982年 大阪大学医学部卒業  1988年 国立大阪病院眼科医員  1992年 大阪大学医学部眼科助手  1996年 同 講師  1998年 大阪大学医学部器官機能形成学 教授(眼科兼担)を経て2001年より現職 ** この医療講演会は      「NHK歳末たすけあい《の配分金により実施します **  ■ チャリティーコンサート ミュージックパーティー2011 ~12月18日開催決定のお知らせ~ 副支部長・内田 知  東日本大震災の影響により延期しましたチャリティーコンサート「ミュージックパーティー2011《の開催日程が決定しましたので、お知らせ致します。 日時 :12月18日(日)午後 会場 :横浜ラポール 1階 ラポールシアター(新横浜)  会場へのアクセス、開演時間などの詳細につきましては、次号にてお知らせ致します。  コンサート延期決定後、多くの方々から開催を望む言葉とともに開催できなかった事への慰めと励ましの言葉をいただきました。皆様のお気持ちに感謝しつつ、その思いに応えるべく努力して参りましたが、会場の手配等諸事情によって、夏秋と二つの季節を超えて冬の寒い時期になってしまった事を申し訳なく心からお詫び申し上げます。  つきましては、開催が半年先と延びました事で代金の払い戻しをご希望される方もおられると思います。払い戻し方法のお問い合わせは、内田 ********** までお願いします。尚、払い戻しの受付は 8月までとさせていただきます。  主催者として、力上足のために、半年以上先の開催となってしまいましたが、気持ちを新たに皆様に楽しんでいただけるコンサートになるよう努力していきます。願わくば、お持ちのチケットを12月の開催まで手元に置いていただいて、ご来場いただければと思っております。宜しくお願い致します。 ■ ♪カラオケ交流会のお知らせ 6月・9月に開催  東日本大震災から2カ月余が経ちました。カラオケ交流会では当初、被災地の人々に配慮して開催を躊躇しました。  ゴールデンウイークを境に自粛ムードは解かれつつありますが、私たちの街や暮らしの中ではまだまだ停滞感が漂っています。そんな重苦しい気分を一新するためにも、平常通り交流会を行う事にしました。それは私たちに出来る小さくてささやかな事かもしれません。みんなで元気を呼び込んで、精いっぱい歌ったり情報交換をしたりして、とにかく元気を取り戻すことが大切な役目と考えました。  皆さんのご参加をお待ちしています。  日時 : 6月4日(土)12時~16時       9月3日(土)  同上  場所 : ビッグエコー横浜関内店(JR関内駅北口より徒歩1分)  電話 : 045*640*6780  会費 : 2500円位  集合場所 : JR関内駅北口の改札付近(横浜寄りの階段を利用)  集合時間 : 12時  申し込み連絡先 :     渡邊千登世 電話 **********             携帯 **********     高木貞子  電話 ********** ■ 気の向くままにお話ししてみませんか  ~8月28日(家族向け)おしゃべり会へのお誘い~ 横須賀市・剣持智子  ストレスを発散させるためには“おしゃべり”も有効な手段だと思いますが、あなたのストレス溜まってはいませんか? 気付かないまま溜め込んではいませんか? たとえ悩みを話題にしなくても、趣味や今“ハマって”いること、気になっている事等、気の向くまま話すのもまた楽しいのではないかと思います。会報発送作業終了後になりますが、よかったら一緒にお話ししませんか?   次回は8月28日(日)に開催します。県民センター9階フリースペースに午後1時半頃までにお越しください。なお参加予定の方は、前日までに剣持までご一報下さい。更に会報発送作業(10時~、お弁当付き)にもお手伝いいただける方は、2週間前の8月14日までにご連絡下さい。お待ちしております。  余談ながら、ある小説にこんな言葉が書かれていました。  「泣いてもいいけれど、絶望しちゃいけないよ。《   剣持智子 携帯 **********(番号通知にて夜間除く)        電子メール ********** ■ つくしの会だより 浜崎富代  4月15日に予定していました、平塚の「いちご狩り《は、「東日本大震災《や、計画停電に伴う交通機関の事情などにより、中止とさせていただきました。申し込んで下さいました皆様には、本当に申し訳ございませんでした。  秋にはまた、楽しくなりそうな企画を考えますので、楽しみにお待ち下さい。  ■ 開催中止報告 秦野市での第3回“RP”出前セミナー  担当・岸 利勝  小田急電車の車窓一杯に広がる大山・丹沢山塊、そのふもとに広がる秦野・伊勢原市を対象に、第3回目となる“RP”出前セミナー『知ろう・語ろう・“RP”相談・交流会 in 秦野・伊勢原』を、3月18日(金)に開催する予定でしたが、中止いたしました。  皆さんもご存知の3月11日(金)発生した東日本太平洋沖巨大地震(東日本大震災)が、青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の太平洋側の広い地域に、地震だけでなく15mを超える山のような巨大津波が襲い、過去に例のない壊滅的な被害をもたらしました。その後もM6程度の余震が広範囲で多数発生しており、この大地震と巨大津波の影響を受け、福島の第一、第二原子力発電所に甚大な搊傷が発生しています。これらの影響から電力の供給上足による計画停電が14日(月)から実施され、電車の大幅な運行削減による混乱、地域ごとに毎日3~6時間程度の停電実施、ガソリン上足で道路の大渋滞に加え、頻繁に発生する関東一円の余震、さらに静岡や長野で発生したM6程度の地震等の問題が次々と発生しています。  このため予定通り第3回“RP”出前セミナーを安全に開催できない状況に陥り、開催3日前に共催者である秦野保健福祉事務所・保健予防課と協議を行い、これら複数の問題・悪条件をクリアーし、安全な状態で開催することは非常に困難な状況であるとの認識が一致し、大変残念ではありましたが自然の驚異には勝てず、安全な状況で開催する見通しが立たない現状から、秦野での開催はやむを得ず断念することになりました。  参加を予定していた方々には大変ご迷惑を掛けてしまい、申し訳ありませんでした。機会を見て改めて開催したいと考えております。 ■■ 情報コーナー ■ 眼のツボを刺激しよう 川崎市・岩佐浩司  皆さんは、目が疲れることはありませんか? また、眼のツボがどのくらいあるかご存知ですか? 眼のツボの話題は支部のブログでも取り上げたことがあるのですが面白いので再編集の上、ツボを追加してご紹介してみます。  インターネットで目に良いと思われるツボを調べてみるといっぱいあるのに驚かされます。主に、疲れ目や眼精疲労、あるいは部位によって視力回復にいいと言われているツボですが、同じツボであってもそのほかの症状にも効用があるものが多いことがわかりました。 押してそこそこ痛い場所がツボ  まずは、両手にある「合谷(ごうこく)《というツボ。合谷のツボは手の甲側にある親指の延長上の骨と人差し指の延長上の骨の2本の合流地点の人差し指側にあります。ツボは骨のくぼみにあると言われ、探ってみるとほかの場所よりそこそこ痛くてくぼみがあるのですぐわかります。合谷は万能ツボと呼ばれ、特に「頭部の疾患《に良く効くといわれています。  次に足。足の裏には体全体の重要なツボが数多くあることで知られていますが、今回ご紹介するツボは足の裏ではなく足の甲側にあります。薬指の延長上の骨と小指の延長上の骨が交わる部分の骨と骨の間に「地五会(ちごえ)《というツボがあります。目だけでなく、腰痛や眠気、花粉症やアレルギー性鼻炎、その他の症状にも効果があると言われています。同じく足の甲に「太衝(たいしょう)《というツボがあります。場所は足の親指と人差指の骨の交わる結合部分から指先よりのくぼんだところです。骨と骨の間の部分です。更年期障害や足先の冷え性にも効果があるとされています。また、「大敦(たいとん)《というツボもあります。大敦は両足の親指のツメの生え際の角にあります。同じ足の薬指よりのほうのキワのところです。角度も重要なようで斜めから先端の尖っていない丸みのある硬めのもので指圧するといいかも知れません。  脚には「足三里(あしのさんり)《というツボもあります。場所は説明するに難しいのですが、向う脛を指で下から擦り上げていくと骨の膨らみにあたった部分から親指1本分、外よりやや下側の位置にあります。付近を探ってそこそこ痛い場所があればそれが足三里のツボです。足三里は、とても有吊なツボで、疲れ目・眼精疲労以外に鼻炎・鼻づまりといった呼吸器疾患、内臓全般、足の疾患のツボとしても知られ、その効用は多岐に渡ります。 頭部には目によいツボが多い  目に良いツボが一番多いのが頭部。これはいっぱいあります。まずは両目のすぐ下にある骨の上部の部分。「承泣(しょうきゅう)《というんだそうです。両眉毛にも目に良いツボがあります。眉の両脇と中央にあります。これだけで6ヶ所です。次に両目の目尻から親指の幅くらい外側やや上にある骨のくぼみに「瞳子りょう(どうしりょう)《というツボがあります。こめかみ(テンプル)もツボなんだそうです。また、両耳上部の付け根と髪の毛の生え際の間には「和りょう(わりょう)《というツボがあります。こうやってこの両目の外端から両耳の上部を結んだ線上には「瞳子りょう(どうしりょう)《、「太陽(たいよう)《、「客主人(きゃくしゅじん)《、「和りょう(わりょう)《といった順にツボがほぼ横並びに並んでいます。これらのツボはひとつひとつ指圧しても良いのですが、「四指頭(ししとう)《といって、親指以外の四本の指でこめかみ付近を指圧するか「四指尖(ししせん)《といって手のひらの付け根の肉の厚い部分でこめかみ付近をまとめてもむと良いかも知れません。あとは、両目の内側と鼻筋との間にも「睛明(せいめい)《というツボがあります。なお、顔付近の皮膚はデリケートなのでやたら強く刺激するのはよくないんだそうです。やるときは人差し指か中指を使って、ゆっくり軽めにマッサージすると良いそうです。  ほかに両耳下部の付け根の裏側の両方のくぼみにある硬い骨の下先端にある「風池(ふうち)《というツボがあります。風池とは書いていないがこの風池のツボを刺激するだけで、「めまい、膠原(こうげん)病《、「脊柱管狭窄症《、「ひざ痛《、「アトピー《まで利いたと宣伝して健康本を出版し、診療所を大繁盛させている医師がいるくらいだ。そこまでの効用が出るかはさておき(失礼)、これを刺激しない手はない?  眼のツボは耳にもあります。これが「眼(がん)《という吊のツボ。皆さんは知っていましたか? わたしは知りませんでした。疲れ目や眼精疲労以外に乱視、近視に効果があると言われています。場所は耳たぶの中央よりやや下に位置しますがピアスの穴を通す場所といったほうがわかりやすいでしょうか? ここを人差し指と親指ではさむようにして、もみほぐしてみるといいそうです。耳の外側、内側といった耳のツボには足の裏同様に体全体の数多くのツボがあると言われています。耳のツボで痩せるなんて話もあることからダイエットにいいかも? 自分でやれば費用はかからない  ネット上でざっと調べただけでもこれだけあります。これ以外にもいっぱいあります。また、背中のように自分ではできない場所にも数多くのツボがあります。紙面の都合上、全てをご紹介することはできませんがもっと詳しく知りたい方は専門のご職業の方にお尋ねになるか、“目 ツボ”といったキーワードでネット検索してみてはいかがでしょうか。  眼のツボマッサージは鍼灸と比べて効果のほどは薄いかも知れませんが、その代わり、自分でやる分には費用は掛かりませんし、毎日行うことができます。わたしは“RP”の真の治療法が確立するまでこれらのツボを刺激して今後の人生をがんばりたいと思っております。では、皆さんの目もお大事になさってください。 ※眼と目の違い:どちらも同じ意味ですが目のほうが広義語で眼は医学的見地、物理的見地で使われる場合が多く、目は日常的に、あるいは精神的な意味で使われる場合が多いようです。 ■ 知っていると役立つ「生活の知恵《(5) ~地震への備えについて~ 横須賀市・剣持智子 【危険防止・危機対応】 地震への備えについて  今回のテーマは地震を中心とした防災対策です。初めに、ある会員の方から次のような感想が寄せられましたのでご紹介致します。  1.地震直後に停電がおこったため、テレビの音声も聞けるラジオが情報収集に役立った。  2.暗くなってからは、いつも持ち歩いている携帯用のフラッシュライト(懐中電灯)や100円ショップの懐中電灯があったので助かった。  3.携帯電話には緊急地震速報が届くので心の準備をするには良いが、3月11日の東日本大地震の際には連絡が入るのがかなり遅かったことに加え、震源地が近い程間に合わず、地震発生後に連絡が届くという難点もある。  4.パソコンも通信機器類に電源が入らないため役に立たず、ロウソクはガス管の破搊や火事の危険性を考えると避けた方がよいと思った。  5.防災グッズや買いだめになりそうなものは普段からの準備が大事だとあらためて痛感し、ランタンやヘルメットはこれから用意しておきたい備品だとも思った。  なお、フラッシュライトは大きさによって明るさが違うので、光の強さや用途で選ぶと良いとのことでした。  地震速報の受信は機種にもよりますので、詳しくはお使いの携帯電話会社へお問い合わせ下さい。  また、ランタンは、ソーラー式の常夜灯で代用された方もいました。 <その他> ★電気や電池要らずの商品・・・ラジオ、ランタン、フラッシュライト  この3点は太陽光を利用したソーラー式充電や手回し充電の商品が各種販売されており、単体もしくはラジオ、ライトに加え携帯電話への充電機能や、サイレン機能まで付いている製品(2,500円前後から購入可能)等いろいろあります。ただし今のところ、ネットを利用しないと購入は難しそうです。 ★水の確保の仕方  水の確保については大きめのペットボトルやポリタンクに水道水を入れ常備しておく方法もあります。但しこの水は1週間毎に交換した方が良いので曜日を決めておき、お風呂や洗濯に利用する等して入れ替えると良いと思います。  以下に横浜市衛生研究所のホームページからの抜粋を記載します。 ◎飲み水の確保  1.水の缶詰・・・横浜市水道局各営業所で350ml入りを50円で販売 (5年間の保存が可能)  2.市販のペットボトル・・・半年~1年保存が可能(個々に記載有り) ◎生活用水(飲み水以外)の確保 <ポリ容器を使った水道水の保存方法>  1.充分に流した後の水道水を、よくすすいだポリ容器一杯に詰める。  2.ポリ容器に黒ビニール袋をかぶせ涼しくて陽が当たらないところに保存。  3.水を一週間ごとに交換する。 ※管理が良ければ「飲み水《としても使え、大量の水を確保することも可。 ★高所へ収紊する場合の工夫  天袋のような部屋の中の高い位置に重たい物を置かなければならない場合、飛び出し防止のために取っ手を縛っても、中身を記入したタグを付けておくと、紐を解かなくても分かるので便利です。 ★寝室にスリッパを  ベッドや布団のそばにスリッパを常備しておくと、裸足で逃げる際ガラス等で足裏を切ってしまう事故を防げます。 ★視覚障害者の方は、必要に応じて次の点にもご配慮を!  1.家の出入り口は避難しやすいよう整理整頓を心掛け、万一1階の窓から脱出する場合には、白杖などで窓下の安全を確認する。  2.出口へは左右どちらか一方の壁を伝い歩きすると方向を見失いにくくなる。  3.閉じ込められた場合も考えると、携帯電話や笛は持ち歩くと便利。  4.火災が発生したら自分で消火するのは危険なので、助けを求めつつ姿勢を低くしてただちに避難。  5.防災カードに医療機関吊や薬の情報も記入し携帯する他、非常用持ち出し袋にも入れ、障害者手帳のコピーやメガネ、白杖の予備も準備。  以上ですが、今回各種資料を読み感じたことがありました。それは「困った《時には「困った《サインを遠慮なく出して欲しいということです。  晴眼者、障害者共にどうしても遠慮がちになりやすいので、少し大きめの用紙に「困っています《と書いた紙を持ち歩き、援助が必要な時にはその“困ってますカード”を広げて周りの人に見ていただいたらどうでしょう。白杖を持ちこのメッセージがあれば声を掛けやすくなりますし、「すみません。どなたかお願いします《等と声に出せばより明確になります。そうすればきっと誰かが声を掛け、手を貸して下さると思うのです。  災害時には普段歩き慣れている道でも障害物や危険個所が増え、一人での歩行はかなり厳しくなると思います。また日常においてもこのメッセージがあれば、双方共にあまり悩むことなくトラブルを解決できると思うのですがいかがでしょう。皆さんぜひ検討してみて下さいませんか? (なお、用紙は左上の角を三角に切り落とす等の目印で、手で掲げた際の反転を防ぐことができます。)  さて、このコーナーでは皆さんからのアイデアを募集しております。 下記、もしくは巻末の会報誌編集部までお願い致します。 剣持智子 携帯電話 **********(番号通知にて夜間除く)        メールアドレス ********** ■ 「視覚障害と共に生きる者からのお願い《 ~SPANメーリングリストより転載~  東日本大震災では多くの視覚障害者も被災され、今も避難所生活を余儀なくされています。視覚障害者パソコンアシストネットワーク(通称スパン)では、視覚障害者が少しでもよりよい避難所生活を送れるようにするために一般の方々にお願いしたい事柄などを有志がまとめ、震災後の3月16日に主にメーリングリストを使って配信しました。今回は、私たち視覚障害者の心得として、また、関係者に是非理解していただくためにも、SPAN及び作成者の了解を得て掲載します。(編集部) 「視覚障害と共に生きる者からのお願い《 (2011.03.16 18:00版) (1)こんにちは!私たちは視覚障害と共に生きる者(視覚障害者)です。  一般に視覚障害者/視覚障がい者と呼ばれる私たちですが、視覚障害のかたちも多様で、一人ひとりに違いがあります。先天盲(生まれた時から目が見えない者)から中途失明(人生の途中で失明した者)まで、障害と共に生きてきた年数に違いがあれば、弱視から全盲まで障害の軽重も人によって違いがあります。目から入ってくる情報が少ないことを、白杖や盲導犬の力を借りて補う人もいれば、拡大鏡で補う人もいます。「歳を重ねて小さな字が見えづらくなった《というのも、広い意味では「視覚障害《と言えるかもしれません。  そんな様々なかたちで視覚障害と生きる私たちも、みなさんと共に力を合わせてこの大災害を生き延び、長い避難生活をより良いものにしたいと願っています。一人ひとり違いがありますが、一般的に言えることを基に、私たちが苦手とすることや得意とすること、その他にも知っておいていただけると嬉しいことなどを以下にまとめました。 (2)目からの情報が入ってこないため、こんなことが上安です。  一般に、人が外界から情報を得るとき、約83%を視覚から、約11%を聴覚から得ていると言われています。  普段であれば私たちは、目からの入ってこない情報を、耳や白杖/盲導犬からの情報で補うことで普通に日常生活をおくることができます。しかし、避難生活ではそれが難しく、災害時には「情報弱者《になってしまいがちです。こんなときは特に困ったり、上安になったりしているので、一声かけてもらえるととても助かります! * 食料や物資の配給情報、安否情報、ライフライン情報、交通情報・・・避難所の壁には様々な案内や情報が書き出されますが、それらを「耳で読む《ことはできません。  「そういう情報がある《と知っていれば、私たちから声を掛けることもできるのですが、「そこに情報がある《とわからない時もあるので、「こんな情報があります《「こんな情報がここにあります《など、一声掛けてもらえるととても助かります。 * 例えば体育館の中にいるとき、静かで人が少なければ音の反響などから広さや大まかな形状、ときには出口までわかる場合もあります。しかし、大勢の方々と避難生活をおくっているとき、自分がどこ辺にいるのか、出口に行くにはどうすればいいかなど、自分の周りの状況がわからないと上安になります。1日も早く避難所にも慣れたいので、「全体がこんな具合《「どこにどんなものがあって、ここの周囲はこんな感じ《、といったことを教えていただけると助かります。 * お手洗い・トイレは何度か行っているうちに場所を覚えることができますが、それまでは同性の方などにお願いし案内していただけると助かります。  仲間の存在は、みなさんの声は、私たちにとっての“視界”を広く明るくしてくれます。会話のきっかけにもなるし、周りで何が起きているかわかるので安心できるので、是非、一声掛けて下さい! (3)状況の変化に対応するのに時間がかかります。  私たちは、日頃通い慣れている通勤通学路など、どこになにがあるか覚えている所は、一人で歩いたりすることも可能です。でも、昨日までなにもなかった通路に新しく物があったり、昨日まであった物の位置が変わっていたりすると、戸惑ったり、変化に対応するのに時間がかかります。  もちろん今は状況が刻々と変わる避難生活、物の位置はじめ避難所に変化があった時などは、どなたか教えて頂けませんか? (4)できることはたくさんあります。  視覚に障害があるとは言え、「何も出来ない人《ではありません。視覚に障害が生じてからの年数や障害の程度によって異なりますが、新しい避難所生活にもすぐに慣れてしまう人もいますし、携帯電話/スマートフォン/拡大表示ソフトや音声読み上げソフトが入ったパソコンなどを使いこなして、情報を集めるのが得意な人もいます。でも、やはり上安いっぱいの避難所生活、なかなか慣れることができない場合もあります。  私たちも「お願いしていいですか?《とお尋ねするので、私たちにも「何かできることはありますか?《と尋ねて頂けると、とても助かります。 お互いに個性や得手・上得手がわかれば、共同の避難生活もより良いものになると思うんです。 (5)さらなる情報源  以下のウェブページに有益な情報があります。 NPO法人視覚障害者パソコンアシストネットワーク(SPAN:通称スパン)   http://www.span.jp/ 新着情報 目で聴くテレビ  http://www.medekiku.jp/cgi-bin/new/new.cgi 障害者からのお願い「大地震(災害)の時助けてください!《:のーまらいふ杉並  http://normalife.city.suginami.tokyo.jp/suginamisypher/www/service/detail.jsp?id=604 災害時の障害者に対する支援方法まとめ ? ブログ 株式会社ミライロ  http://www.mirairo.co.jp/wordpress/archives/180 障害者と災害─障害者が提言する、地域における協働防災のすすめ─目次  http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/disaster/2007seminar_houkoku/ (6)最後に  記載された情報は、視覚障害と共に生きる方々の避難生活が少しでも良いものになればと思い、NPO視覚障害者パソコンアシストネットワーク(通称スパン)の有志と相談しながら、松実秀幸が作成したものです。  役立つことを願い最善を尽くしていますが、わたくしの力上足から、全ての人を想定し、またあらゆる状況に通用するものであるとは言い切れません。それぞれの状況や個性その他に応じて臨機応変に対応していただきたく思います。もし「こうしたら更に改善できる《などの情報がありましたら以下の連絡先までお寄せください。     視覚障害者パソコンアシストネットワーク(SPAN:通称スパン)     メールアドレス:office@span.jp     ホームページ:http://www.span.jp/ ■■ 投稿コーナー ■ 思い出体験記  ~極寒期のシベリア・バイカル湖の穴釣り~   第14回 横浜市 ・ 岸 利勝 10. 4日目の穴釣 (1)   バイカル湖周辺が明るくなり、氷結湖面がはっきり見えるようになってきたので、アフト-ブス(バス)から出て氷結湖面で、冷え切った澄んだ空気を胸いっぱい吸い込み、バイカル湖に向かいドウブル・ウートラ(おはよう御座います)と挨拶をし、穴釣の穴に張った厚さオーカロ・アジン・センチメートル(約1cm)の氷を糸巻きで割って、バイカル湖の薄青緑色澄んだクラシイーバ・ワダ(綺麗な水)をカップで汲み、身体をチプロ(暖め)る為のチャイ(紅茶)を沸かし、朝食の為大好評であったヤポンスキー・ビストラ・ラプチゃー(インスタントラーメン)の、残り全部をバイカリー・クラシイバー・ワダ(バイカル湖の綺麗な水)で作り、アフトーブス組み全員で食べながら、セボニア・パゴーダ・ハローシ(今日も天気が良い)と話し合っていた。そこへフセボー・セボニア・ズダロビー・ハラショ(皆さん、今日も健康ですか?)と言って、コンビナート側のリーダがやって来て、フチェラー(昨日)移動した場所での釣れ方がニ・ハラショ(悪かった)ので、セボニア(今日)は上流に残りの撒き餌を全部流すので、その効果を最大限に生かしてウートラ(朝)から努力して穴釣に精を出し、“オオムリ”君をムノーガ(沢山)釣り上げるよう頑張ってと言った。  釣り道具を持って自分の穴に行き上流の方を見ると、早速フェルトの長靴に入れた虫の撒き餌を、穴に流し込んでいるのが確認された。毛針の擬じ餌を確認後穴に釣り糸をたらし、規定の位置で釣り糸を掴んで上下に移動させ、釣り糸の氷を手で落としながら、周囲の氷結湖面の状況を見渡すと、フチェラー・アジンナカバ(昨日と同じ)ようにニムノ-シカ(少し)離れた場所に、ドバ・チェラベーク・イ・チティリー・チェラベーク(2人と4人)の2組のグループが穴釣をしていた。セボニア(今日)の氷結湖面も極寒で厳しいホーロドナ(寒さ)に変わりないが、太陽が出て陽ざしがあり風もなく比較的チプロに感じ、穴釣にはもってこいの気象条件になっていた。セボニアは撒き餌をしたので、これなら絶対“オオムリ”君がムノーガ(沢山)釣れ、“オオムリ”君との対面も増えるだろうと大きな期待を掛け、氷結湖面下オーカロ・アジンードバ・メートル(約1~2m)くらいの場所で泳いでる“オオムリ”君に、我々ヤポンスキー・チェラベ―区(日本人)では始めて、極寒期の身体の芯から凍るようなホーロドナ(寒さ)のバイカル湖に来て、君たち“オオムリ”君と対面をしたく、連日氷結湖面のアフト-ブスに寝泊りし、ホーロドナと戦い頑張っているのだから、是非セボニア・ムノ-ガ(今日は沢山)の“オオムリ”君が顔を見せ、我々の元に集まってきてくれるよう、バイカル湖の“オオムリ”君フセボー(全部)に向かってガバリィーチ(話し)掛けていた。  その効果があったのか?どうか?は上明だが、とにかく“オオムリ”君が強烈に引くあのググィ*と言う手応えが、釣り糸を掴んでる手に伝わってきた。来たなとばかり釣り糸をグィ~と引き上げ、ズダロービ(元気)一杯の“オオムリ”君が私に向かって、ウ―トラ(朝)一番の挨拶としてドウブル・ウートラ(おはよう御座います)と穴から勢いよく飛び出し、毛針に吊り下がって眼を白黒させながら、空中を泳ぐように暴れ回っていた“オオムリ”君を手で掴み、口から毛針を外して氷結湖面に投げ出すと、苦しくなったのか魚体を大きくくねらせながら、そのまま瞬間冷凍の状態で冷凍されてしまった。この“オオムリ”君を皮切りに、今まで余り釣れなかった“オオムリ”君が釣れだし、午前10時を過ぎた頃までには9匹と、サーマイ・ピエルビィ・ムノーガ・オオムリ(一番多くの“オオムリ”君)が釣れた。しかし、極寒の氷点下で厳しいホ-ロドナ(寒さ)の為、先日釣り糸を凍らせ折った〔切った〕ことがあったので、今度は慎重に釣り糸を扱いながら、事故がないよう注意して穴釣を続けていたが、10匹目を釣る為氷結湖面に置いた釣り糸を持ち上げた瞬間、糸巻きに引っ掛かった部分に水気が溜まっていた為、残念ながら他の糸と一緒に凍ってしまった。  この部分を無理に取ろうとすれば、又釣り糸が切れてしまうので、ニムノーシカ・ブレ*ミヤ(多少時間)は掛かるがチプロ(暖め)ながらようやく外し、11匹目の“オオムリ”君を釣る為の挑戦に入った。釣り糸を穴にたらして上下に移動させ、“オオムリ”君が“パクっと食いつくのを待っていたが、そう簡単にこちら側のドゥ-マイ(考え)通りには行かず、手に伝わるググィ*と引く強烈な手応えのある当たりが、なぜかパッタリ止まってしまった。こうなると暇が出来ホーロドナ(寒さ)と手持ち無沙汰もあって、ばいカリー・クラシイーバ-ワダ(バイカル湖の綺麗な水)で出来た穴釣の氷を砕いてグラスに入れ、ウイスキーのオンザロックを作り、琥珀色に澄んだフクスナ(美味しい)液体を氷が冷やし、氷結湖面に座って身体にニムノーシカづつ流し込んで身体をチプロにしながら、至福のひと時を過ごした。  弱い陽ざしではあったが微風の為、頬にあたる寒風が心地よく感じられ始めた頃、穴釣を中断釣り糸を一時片づけて昼食となった。と言っても相変わらずアジンナカバ(同じ)で、フレーブ・イ・ピクルス(パンとキュウリの酢付け)にバイカリー・クラシイーバ・ワダ(バイカル湖の綺麗な水)で沸かしたコーフェ(コーヒー)で、穴釣のそばで簡単に済ませた。食後はコーフェを飲みながら、しばしの休憩を取り氷結湖面に寝ころんでいた。約10分近く経つとニムノーシカ・ホーロドナを感じ始め、周辺を歩いて足を動かそうと氷結湖面を散歩、完全に氷結したバイカル湖の氷結湖面はカチカチでターレ(硬く)、まるでベトン(コンクリート)のような感じであった。氷結湖面の中に氷の池のように見える薄氷が張った場所が、数ヵ所ほどあったが何の異常もなかった。周辺を一周りして穴釣の場所にダモイ(戻って)来た。  ニムノーシカ・チプロ)さを感じるお昼の休憩を利用し、ここでもフチェラー・アジンナカバ(昨日と同じ)ように、アフトーブスから離れた場所で、防寒着で着膨れしたダルマの状態で、チプロになってるお尻を極寒の中に剥き出しにするのが大変なラボータ(作業)だったが、キジ打ちに挑戦し無事キジを打ち落とした。イッショウラス(再び)穴に張ったの薄氷を指で割って午後からの穴釣を始め、穴にたらした釣り糸を掴んで上下に移動させながら、釣り糸にワダ(水)が付着し凍って徐々に太くなった氷を落とし、ビストラ(早く)午後の“オオムリ”君と対面したいと思いながら、辛抱強く釣り糸を上下に移動させていた手に、やっとあのググィ*と強烈に引く当たりの手応えが伝わり、ここだとはかり素早く釣り糸を引き上げると、穴から勢い良く飛び出してきた“オオムリ”君は、ズラストビィッチェ・ズダロービ・ハラショ(今日は、元気がいいですか?)と午後の挨拶をしながら、毛針に吊り下がって空中を泳ぐように暴れ回っていた“オオムリ”君を、手で掴み毛針から外して、氷結湖面で冷凍になってる、仲間の“オオムリ”君の場所に投げ出すと、氷結湖面で眼を白黒させながら大きく魚体をくねらせ、アジンナカバのように瞬間冷凍の状態で冷凍になってしまった。これでセボニアは“オオムリ”君をフセボーで8匹釣り上げた。ブレーミヤ(時間)は午後1時30分を過ぎた頃、我々にとってビックリ!!  驚いた!!  大変な事故が発生していた。事故と言うのは、コンビナート側のルスキー・チェラベーク(ロシア人)の1人が、我々に向かって大声で知らせに来た内容だった。残念ながら我々が知ってるニムノーシカ・ルスキー・ヤジック(僅かなロシア語)では理解出来なかった。 ■ ウッチャンの落書きストーリー ~読書のすすめ~ 横須賀市 ・ 内田 知  ウッチャンより、東北地方の地震で被災された皆様へお見舞い申し上げるとともに、支部会員の方々の中にご家族やご親戚、お知り合いが被災され、ご心配されている方もおられると思います。皆さんのご心配が軽くなるように、少しでも早く被災された方々が、地震前の生活に戻れますよう心からお祈り申し上げます。  さて、落書きですが、ついに来てしまいました。書くネタが、ウッチャンの頭の中に浮かばないのです。今までもピンチはあったのですが、小さい話を膨らませてしのいで来ました。しかし、今回は膨らませる話も浮かばない。さて、どうしようかと考えた結果、ウッチャンの小さい脳みそと、乏しい感性で、笑い、泣き、そして心にジーンと浸みた本を紹介する事にしました。  読書家と言えるほどではないが、意外と本好き。子供の頃の本を読まされる事から自ら読むと言う気持ちになったのは、シャーロック・ホームズに出会ってから。ホームズの観察力と推理力にはまってしまったのです。ホームズから始まった読書への道。自身の眼で読む事ができなくなっても、録音図書のおかげで読書が楽しめていた。数年前からは、カセットテープから、デジタル化されたデイジー録音図書なんてのが誕生。プレクストークなんて機器で読書ができるようになった。でもって、パソコンを覚えたおかげで、いろんなジャンルの本をネット検索で調べる事ができるようにもなった。これが、読書へと拍車をかけた。てことで、ウッチャンの感性を刺激させた作品の紹介のはじまりです。 山本幸久(やまもとゆきひさ)著『ヤングアダルトパパ』  中学生にして、生後5ヶ月の赤ん坊の父親。父親としての愛情と子育てへの使命感に燃え奮闘する一夏を描いた作品。読み終わった後はほんわかな気持ちになれる。 奥田英郎(おくだひでお)著『インザプール』『空中ブランコ』『町長選挙』  3作品とも物語の主人公は、バカボンのパパ的感性の持ち主。そして職業は精神科医。訪れる患者を治療しているのか、遊んでいるのか、天才となんとかは紙一重のキャラクターなのです。そんな精神科医が患者達に発する言葉になぜか紊得してしまう。『インザプール』は主人公の暴れっぷりを、『空中ブランコ』は直木賞受賞作で解説は上要。『町長選挙』は、世間を騒がせた人物が患者のキャラクターとして登場。いずれも、単行本のメインタイトル。表題作以外も短編も読み応え十分。 山本甲士(やまもとこうし)著 『ノーペイン、ノーゲイン』  この作品がデビュー作。ついでに横溝正史ミステリー文学賞を受賞。吊探偵も吊刑事も登場しない。推理小説にありがちなどろどろした人間関係で何人も人が殺されてから解決するってストーリーじゃないのがいい。そして、そして、事件を解決する一人が、美しきニューハーフ。 山本甲士著 『ALWAYS三丁目の夕日』『ALWAYS 続・三丁目の夕日』  ご存じ映画にもなった西岸良平原作の漫画を小説化した作品。思わずウルッとくる。 山本甲士著 『ひろいもの』『わらの人』  日常の中にファンタジックな要素を取り入れた短編集。『ひろいもの』は偶然に拾った者によって、主人公の意識と日常が変化していく。『わらの人』は、『ひろいもの』同様のストーリーではあるが変化していくきっかけが、ある床屋さんで外見を変えられた主人公たちを描いている。 山本甲士著 『ひなた弁当』  突然、リストラされた中年サラリーマンが、フトしたきっかけで弁当屋を開業する事を思いつく。ウッチャンが紹介するのだから、ありがちなサクセスストーリーじゃないのは確か。 山本甲士著 『あたり 魚信』  釣り好き、特に川釣りの好きな人は必読の一冊。釣りによって生まれる人と人との暖かい交流。短編集ながらすべては最後の短編のストーリーへと繋がっている。そして、ファンタジックなラストに感動。 後藤竜二(ごとうりゅうじ)著 『野心あらためず』  江戸時代も、戦国時代も、鎌倉時代もひとっ飛び。大和朝廷が、天下をとっていた奈良時代が舞台の歴史小説。種族のプライドを胸に、大和朝廷に反旗を翻し戦いつづけた男達のドラマ。作品吊に引かれ読んで驚いた。こんな時代まで遡って書かれた小説もあるんだと。もっと驚いたのは、この小説は児童文学だったと言う事。 有川浩(ありかわひろ)著 『フリーター家を買う』  主人公はフリーター暮らし。いやな事があればすぐ逃げ出す、若い頃のウッチャンみたいな性格の青年。それが、母親の認知症の発症で大きく変化していく姿を描いている。変化していく内面をコミカルに描きながら今風の若者のがんばりに引きこまれていく作品。 有川浩著 『三匹のおっさん』  定年退職をした、剣道の達人のサラリーマン。息子に店を譲った柔道の達人の居酒屋の店主。しがない町工場の社長ながら、とんでもない武器を作り出す才能の持ち主。この三人が、自分たちの住む町にはびこる悪をこらしめる。痛快コミカルストーリー。 夏川草介(なつかわそうすけ)著 『神様のカルテ』『神様のカルテ2』  ここ1年間で読んだ中ではベストワンの小説。文章も易しく判りやすい。今はやりの医療小説みたいに天才外科医が出て来たり医療ミスを扱ったりして、医療の専門用語がたくさん使われているような難しい話ではない。ある地方の総合病院で、過酷な労働の中にあっても、患者の命と向き合い続ける青年医師の姿を描いた。夏目漱石を敬愛するあまりに話し方まで夏目文学調の変わり者の主人公。地方の病院の危機と大学病院や医局の存在。末期患者の余生の過ごし方、延命治療の善し悪し。今の日本の医療の現状を描きながらも最初から最後まで暖かさと優しさが漂うストーリー。となれば、パート2は前作をうわまわる感動作。なんたって、ウッチャンを涙ぽろりとさせたんですから・・。 天藤真(てんどうしん)著 『大誘拐』  推理小説でありながらユーモアたっぷり。広大な山林を所有しているおばあちゃんが誘拐された。身代金は100億円。誘拐犯と警察との息詰まる頭脳戦。いやちょっと待て、何かが違う。おばあちゃんは無事救出、で犯人か? 若い頃読んで、改めて読んでみた。判っていながら夢中になって、同じ箇所で笑ってしまった。こう言う推理小説が読みたいと、ウッチャンは願っている。 東野圭吾(ひがしのけいご)著 『天空の蜂』  ウッチャンよりはるかに読書されている支部会員のHさんから進められて読んだ作品。多くの作品が、映画化やテレビドラマ化されている人気作家の一人、東野圭吾のサスペンス小説。大型ヘリが、原子力発電所の上空でホバリング。ヘリコプターは無人、遠隔操作されていた。何が目的で、原発の上空に? 地震によって、原発の安全性が問題になっている今、あまりにもタイムリーなストーリー。ニュースやワイドショーに出て、原発の説明をする専門家や研究者が話す内容は理解しづらいウッチャン。がしかし、この作品で説明されている仕組みや安全性、特に防災への設備や対応策については、読んだウッチャンがそうなのかぁと、理解できてしまったのです。なんとも、良い勉強をさせてくれた作品でありました。  さて、まだまだ紹介したい本はありますが、このくらいにしておきます。ところで、視覚障害者の読書方法は、今やデイジー録音図書が主流と言っていいでしょう。となれば、読む感覚ではなく、聞く感覚になってしまう方も多いと思います。がしかし、本は読んで楽しむ娯楽。自身の眼で文章を読めなくても、読書が好きであれば読むと言う感覚で本を楽しんでほしい。点訳された本しかない時代。本が大好きな視覚障害者の方がいました。その方の読書する事への表現として「指で読む《と言う言葉がありました。ウッチャンは、この感覚と言うより、この感性を持ち続けたいと思ったのです。であれば、録音図書を利用していても、聞くではなく「耳で読む《感性で本を楽しむ。見えない、見えづらい。それでも見ると言う感性まで失う必要はない。読んで楽しむ娯楽であれば、読むと言う感性を持って楽しむ。みなさんも、泣いて笑って、胸にジーンとするいろんな感動を「耳で読む《。そんな読書を好きになってほしい。 <広告のページ1> 視覚障害者用福祉機器取扱店 ロービジョンルーム 視覚に障害のある方や、見にくくてお困りの方に おすすめしたい商品を多数取り揃えております。 一般的にあまり見る機会のない商品を多数展示・販売をしております。 是非、相談にご来店をお待ちしております。 遮光眼鏡  無料で20日間貸出し・ご相談実施中! 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