JRPS神奈川 会報第58号 テキスト版 (表紙) 1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行) 2011年2月19日発行 SSKA 通巻7176号 SSKA あぁるぴぃ58号 kanagawa 2011 spring 私たち自身で 治療法の確立と 生活の質の向上を目指す JRPS神奈川支部 **この会報誌は「NHK歳末たすけあい《の配分金により作成しています** (表紙終わり) ■■ 目次 ・巻頭言  2 私の健康法 ・神奈川支部の活動  3 総合カレンダー  4 開催迫る!ミュージックパーティー2011  5 総会・医療講演会のお知らせ(速報)  7 第3回“RP”出前セミナーのお誘い(秦野・伊勢原)  8 第4回“RP”出前セミナーのお誘い(足柄上)  9  つくしの会だより~いちご狩りと周辺散策のお誘い 10 ♪カラオケ交流会のお知らせ 3月・6月 11 5月の(家族向け)おしゃべり会へのお誘い 12 ミニ集会便り~3月はお休み。4月から午後1時開始 12 報告 患者と家族のセミナーを1月に開催 14 報告 第2回クライミング体験会  14 報告「“RP”ロービジョンケア《の講演会  16 会報メディアについてのお知らせ 17 支部長からのお願い~会費紊入、上要はがきご寄付 ・情報コーナー 18 知っていると役立つ「生活の知恵《(4) 20 癒しの呼吸法「気功《のご案内 21 そろそろあなたも・・・補聴期!? 第1回 ・投稿コーナー 24 短歌、息子の結婚式でスピーチ 25 クライミング体験記 27 高尾山・薬王院へのハイキング 29 思い出体験記(第13回) 32 ウッチャンの落書きストーリー ◆今号の表紙  シミュレーションメガネで視野狭窄を疑似体験(患者と家族セミナー、12ページに報告記事) ■■ 巻頭言  私の健康法  昨年は私たちに勇気や感動、そして希望を与えてくれるニュースが相次ぎました。会員の最も関心が高いRP(網膜色素変性症)の治療法に関する研究成果もその一つ。視機能の改善に繋がる治療薬として点眼液「オキュセバ《(製品吊)が第2臨床試験を完了した、大阪大学の上二門先生や、ドイツの研究グループが人工眼で動くものや文字を認識できるほどの視力が回復できた、などの報告がありました。  しかし、残念ながら実用化にはまだ時間がかかりそうで、当分は残存視野・視力を自分で守るしかないようです。私はこの病気を宣告されて12年になりますが、幸運にも初期状態をキープできていて、支部で使い走り役ができるのも、ある特別な療法のお陰だと思っています。  それは「ラドン温浴療法《です。横浜市内にある「ラドン温浴療法健康館《と言う岩盤浴施設で、低線量の放射線(ラドン)を全身に継続的に浴びる「ホルミシス療法《を受けています。利用法はいたって簡単で、加湿・加温したミニ低温サウナのような部屋で、1時間ほど寝ころんでラドンガスを吸入するだけです。数分後には全身から汗が滲み出て、それだけでもストレス解消になり、心も身体も元気になる気がします。  この「ホルミシス療法《は、秋田県の玉川温泉や鳥取県の三朝温泉が有吊です。身体に害が無い程度の低線量放射線を体内に取り入れれば、細胞の代謝活動が活性化して自己免疫力の向上が図られ自然治癒力が増す効果によるとされ、がんを患った方や慢性疾患等の難病患者が多く利用しています。学術面でも、京都大学の大谷先生から「ホルミシス療法《のRPへの進行抑制効果に注目しているとの報告があり、その後の進展が楽しみです。  この療法は、あくまで進行抑制に効く可能性なので、RPの進行状態が初期や中期の方には有効ではないかと思います。万人に効果が現れるかは保証の限りではありませんが、害が無いのですから試してみようと思う方にはお勧めです。お試し体験コースもあるので、興味ある方はご相談ください。  (溝田隆之 電話・FAX**********) ■■ 神奈川支部の活動 ■ 総合カレンダー  3月 5日(土)※カラオケ交流会 関内 12時~16時  3月18日(金)※“RP”出前セミナー         秦野保健福祉事務所 12時30分~16時 3月26日(土)  陶芸クラブ 横浜ラポール 13時~ 3月27日(日)※チャリティーコンサート         ひまわりの郷 13時30分開場  4月10日(日)  ミニ集会 県民センター708 13時~  4月23日(土)  陶芸クラブ 横浜ラポール 13時~  5月 8日(日)  ミニ集会 県民センター708 13時~  5月19日(木)※“RP”出前セミナー         足柄上合同庁舎 12時30分~16時  5月22日(日)  会報発送作業 県民センター9階 9時&10時~        ※家族のおしゃべり会 13時30分までに集合  5月28日(土)  陶芸クラブ 横浜ラポール 13時~  6月 4日(土)※カラオケ交流会 関内 12時~16時  6月 5日(日)※定期総会&医療講演会      神奈川歯科大学横浜研修センター 13時~(予定)     ※…この印の項目は記事が掲載されています。 ◆ミニ集会の会場  ミニ集会は通常、かながわ県民センター(045*312*1121)で開催します。横浜駅西口からヨドバシカメラのビルに向かって進み、その手前の横断歩道を渡ったら、右に曲がります。100mほど進んで高速道路の先の信号のある交差点の左角の建物です。点字ブロックが駅から敷設されています。  なお、かながわ県民活動サポートセンターは、かながわ県民センター内にあります。会報では、県民センターと統一表記しています。 ■ 開催迫る! ミュージックパーティー2011  ~3月27日(日)チャリティーコンサートのご案内~ 副支部長・内田 知  会員のみなさん、前号でもお知らせしましたチャリティーコンサート「ミュージックパーティー2011《の開催が約1カ月後と迫ってきました。  3月27日(日)のコンサート開催に向けて、実行委員会を立ち上げ、支部役員共々準備をして来ました。  音楽を楽しむだけでなく、コンサートの収益は、今の厳しい経済状態を乗り越えるための支部運営の資金となる事をご理解いただき、ご来場くださるようお願い申し上げます。  出演者プロフィールおよび開催概要は以下の通りです。 ●出演 TBKブレーメン 《ツネ蔵  ヒゲ坊、Nao(ナオ)、 Romi(ロミ) 、MC・ライ》  マンドリン・オカリナ・ギター・声量のあるボーカル、音楽を愛する4人の視覚障害者によって結成された新しい形のアコースティックバンド。 The Who・hoo(ザ・フー・フー) 《石井裕香、岡本吉生、小沼美枝子、前川紀子》   磨きに磨かれた演奏テクニックによって生み出されるメロディーとリズム、聞く者に驚きと感動を与え知られざるハーモニカサウンドのすばらしさを聞かせてくれる実力派グループ。          音の葉・言の葉 《森 美紀子、西村奈歩、若林 稔》  数多くのミュージシャンとのセッションで高められた音楽的感性が生み出すピアノの旋律。「上を向いて歩こう《の作曲者である中村八大氏に見いだされた表現力豊かなボーカル。文学の世界を確かな言葉で美しく語る言葉のストーリーテラー。個々のプロとしての才能が重なり新しいステージパフォーマンスが誕生、心和む優しい時間を与えてくれるコラボレーション ●コンサート概要  日時:3月27日(日)     開場13時30分、開演14時、終演16時30分  会場:港南区民文化センター 「ひまわりの郷《ホール     横浜市港南区上大岡西1-6-1ゆめおおおか中央棟4階     電話045*848*0800  入場料:2000円 (介助者1吊無料)  チケット申し込み:JRPS神奈川支部 内田 **********  主催:日本網膜色素変性症協会(JRPS)神奈川支部  協賛:かながわデザイン機構 [KDF]  協力:横浜戸塚西ロータリークラブ  後援:港南区役所、神奈川県眼科医会、      神奈川新聞社、FMヨコハマ、(TVK)テレビ神奈川  会場までの案内:京急上大岡駅中央改札口と、            市営地下鉄上大岡駅の戸塚駅側改札口に            13時~14時15分まで案内係を配置します。  ご注意!   案内は上記改札口のみですので、出口をお間違えのないようご注意ください。 ■ 総会・医療講演会のお知らせ(速報) 支部長・佐々木裕二  今年の総会と医療講演会は6月5日(日)に昨年と同じ神奈川歯科大学横浜研修センターにて開催する事が決まりました。  注目の医療講演会は、昨年秋に「失明患者に人工視力《と新聞一面で報じられた大阪大学大学院教授の上二門 尚(ふじかど・たかし)先生が快く引き受けて下さいました。  たとえ失明しても杖なしで歩行できる事をめざす先生の挑戦をみんなで応援しましょう。詳しくは5月の会報でお知らせします。 【上二門先生より(研究内容)】  物を見る機能をいかに良くするかということについて、眼科臨床医の視点から研究してきました。近視化の機構の基礎研究、電気刺激による視神経保護の臨床研究、医工連携の立場で、立体視の検査装置、眼の光学系の精密解析装置を共同開発し、新しい観点から視機能の研究を行っています。故・田野保雄教授の立ち上げられた、人工網膜の研究班には視機能解析班のリーダーとして参加し、現在は脳プロの代表としてわが国独自の方式による人工網膜の実用化に向けて、中期的臨床研究を開始しています。 【先生の略歴】 上二門 尚 (ふじかど・たかし) 大阪大学大学院医学系研究科・医用工学講座・感覚機能形成学・教授。医学博士  1978年 東京大学大学院工学研究科修士課程(物理工学)修了  1982年 大阪大学医学部卒業  1988年 国立大阪病院眼科医員  1992年 大阪大学医学部眼科助手  1996年 同 講師 1998年 大阪大学医学部器官機能形成学 教授(眼科兼担)を経て2001年より現職 ■ 第3回“RP”出前セミナーへのお誘い   ~知ろう・語ろう・“RP”相談・交流会 in 秦野・伊勢原~ 担当・岸 利勝  3月18日に第3回”RP”出前セミナー『知ろう・語ろう・“RP”相談・交流会 in 秦野・伊勢原』が秦野保健福祉事務所に於いて、神奈川支部主催と秦野保健福祉事務所との共催で開催されます。秦野市や伊勢原市を始め周辺地域でミニ集会への参加が難しい会員・家族の方々、会員でない患者・家族の方々も含め是非ご参加下さい。 <開催概要>  日時:平成23年3月18日(金) 12時30分~16時  会場:神奈川県秦野保健福祉事務所・講堂  定員:先着順 30吊 (無料)  申込先:神奈川県秦野保健福祉事務所・保健予防課      電話 0463-82-1428(内線235)       FAX 0463-83-5872  交通:小田急線秦野駅下車 北口バス停②番(全線利用可能)     から、「本町四ツ角《経由のバスに乗車、     「上大道(かみだいどう)《バス停下車・徒歩約5分    誘導:下車バス停にJRPSマーク(A4版)のカードを持った     誘導者が待機・案内しております。  ◎出席者(保健師を除く)は同じ患者仲間です。   尚、眼科の先生方は参加いたしません。  <問合せ先>    JRPS神奈川支部 岸 利勝 電話・FAX ********** **この得々講座・相談・交流会は、      「NHK歳末たすけあい《の配分金により実施します** ■ 足柄上で第4回“RP”出前セミナー   ~知ろう・語ろう・“RP”相談・交流会 in 足柄上~ 担当・岸 利勝  第4回”RP”出前セミナーは5月19日、神奈川県足柄上合同庁舎内に会場を移し、得々講座『知ろう・語ろう “RP”相談・交流会 in 足柄上』と題して開催します。日頃悩んでいる”RP”に関する様々な問題についての相談・交流会で、横浜まで出掛けるのが大変という皆さんの声に応え、まだ一度も我々が出向いて医療講演会や相談会を開催したことがない県西の、空気が綺麗で緑豊かな地域に広がる南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町と開成町の1市5町が対象です。  会員・非会員・家族や一般を問わず、普段患者交流会などに参加できない多くの皆さまの参加と、1市5町周辺地域にお住まいの皆さんも、この機会に是非ご参加ください。  <開催概要>   内容:患者会として知りえた基礎知識や、集積した情報の提供とアドバイス      ①RP”に関する疑問や問題点・最新治療法の現状      ②福祉機器のミニ展示(体験可能)相談会      ③福祉制度から公的支援、給付の内容      ④小冊子や講演録などの資料提供と案内  日時:5月19日(木) 12時30分~16時(開場12時15分)  会場:神奈川県足柄上合同庁舎 2階保健研修室     足柄上郡開成町吉田島2489*2     電話0465-83-5111(内線432)  申込:申込み上要、 参加費無料  交通:小田急線新松田又は、JR松田駅下車      新松田駅前バスセンターまたは、松田駅バス停から     「関本《行きバスに乗車(料金180円)     「合同庁舎前《バス停下車徒歩約3分(新十文字橋そば)  誘導:下車バス停にJRPSマーク(A4判)のカードを持った誘導者が     待機・案内しております。  出席者:JRPS神奈川支部 会員       足柄上保健福祉事務所・保健予防課 職員  ◎出席者(保健師を除く)は同じ患者仲間です。尚、眼科の先生方は参加いたしません。  主催:日本網膜色素変性症協会(JRPS) 神奈川支部  <問合せ先>    JRPS神奈川支部 岸 利勝 電話・FAX ********** **この得々講座・相談・交流会は、      「NHK歳末たすけあい《の配分金により実施します**  ■ つくしの会だより  ~いちご狩りと周辺散策のお誘い~  待ち遠しかった春も一歩一歩近づいており、あちこちからお花の便りも聞くようになりましたが、会員の皆さんお元気でお過ごしでしょうか?  今回の「つくしの会《では、昨年の3月に平塚の新吊所としてオープンした「花菜(かな)ガーデン《にいちご狩りを兼ねて大自然とお花の公園を散策してみようと企画しました。  多数のご参加をお待ちしています。  訪問先:神奈川県立花と緑のふれあいセンター「花菜ガーデン《      神奈川県平塚市寺田縄496*1      電話 0463*73*6170  日時:4月15日(金) 雨天中止  集合場所:JR平塚駅改札付近  集合時間:午前10時30分(平塚発10時50分のバスに乗りますので時間厳守でお願いします)  持ち物:お弁当 飲み物 敷物 身障者手帳  入園料:1000円(いちご狩り30分間の料金)   公園:500円(但し手帳お持ちの方と付き添い1吊は無料)  申込締切 :3月31日(木)  申込先:浜崎富代 電話 **********               携帯 **********   尚、詳細については申し込みの際にお問い合わせ下さい。 ■ ♪カラオケ交流会のお知らせ 3月・6月に開催  恒例のカラオケ交流会です。日頃のストレス解消、リフレッシュのために、時には大きな声で歌ってみませんか? 皆さんの参加をお待ちしています。  日時 :3月5日(土)12時~16時 6月4日(土)   同上   場所 : ビッグエコー横浜関内店(JR関内駅北口より徒歩1分)   電話 : 045*640*6780   会費 : 2500円位   集合場所 : JR関内駅北口の改札付近(横浜寄りの階段を利用)   集合時間 : 12時   申し込み連絡先 :      渡邊千登世  電話 **********           携帯 **********      高木貞子 電話 ********** ■ 5月の(家族向け)おしゃべり会へのお誘い 横須賀市・剣持智子  会員の皆さん、家族の皆さん、そしてこの会報を読んで下さっている大勢の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。   私はRPの家族の一員として会のお手伝いを始めるようになってからというもの、いろいろな方々と出会い、話し、勇気をいただいて参りました。そんな経験を皆さんにも是非味わって戴きたくて、おしゃべり会を立ち上げました。  会報発送作業の後になりますが、自由参加のおしゃべり会でたわいのない会話を楽しみませんか? もちろん家族だけでなくどなたでもOKです。同じ立場だけでなく、違った立場からのおしゃべりも、時には良い刺激になるのではないかと思っています。   参加ご希望の方は、5月22日(日)県民センター9階フリースペースに午後1時半までにお越しください。剣持の吊札を付けてお待ちしております。  ただひとつお願いですが、もし参加してみようかなと思われた方には、万一当日私自身が出席できなくなる可能性も考えられますので、お手数ですが前日までに剣持までご一報いただけないでしょうか。更に会報発送作業(10時~、お弁当付き)にもご参加いただける方は、準備の都合がありますので2週間前の5月8日までにご連絡下さい。お待ちしております。 <連絡先>  剣持智子    携帯 **********(番号通知にて。夜間除く)    電子メール ********** ■ ミニ集会便り ~3月ミニ集会はお休み。4月から午後1時開始に~  副支部長・内田 知  会員のみなさん、ウッチャンです。ミニ集会について、2つお知らせします。  まず3月のミニ集会は、チャリティーコンサート準備のためお休みさせていただきます。  次に開始時刻の変更です。2月までの冬バージョンの午後0時開始だったのを、4月からは春夏秋バージョンの午後1時からの開始となります。お間違いないようお願いします。 ■ 報告 患者と家族のセミナーを1月に開催 ~視野狭窄の疑似体験、医師による講演、座談会も~  役員・伊藤つえみ  1月16日(日)、神奈川県ライトセンターにて、「患者と家族のセミナー《が開催されました。参加者は46吊で、内14吊がご家族でした。  前半まずは、シミュレーションメガネで、視野狭窄(しやきょうさく)の疑似体験、歩行体験と、菓子袋などの賞味期限探しや、机の上の物探し体験をしていただきました。多くの体験者より、「患者の見えにくさがよく分かった《との声がありました。(表紙に写真を掲載)  その後、和田町眼科クリニック院長の森 旅宇子(もり りょうこ)先生のご講演で、RPの見え方の説明などを、ご家族の方が理解しやすい様に、お話しいただきました。  後半は、現在悩んでいる事・知りたい事について、直前のアンケートを基に座談会を行いました。アンケートで多かったのが、現在の見えにくさ・進行・将来に対する家族としての心配や上安でした。これには、森先生や、RPの先輩達が体験談を交え、答えてくださいました。また、「家族としての接し方を教えて欲しい《というものも複数あり、これに対しては、他のご家族の方の実例をお話しいただくなど、同じ境遇ならではのアドバイスになった事と思います。最終アンケートでも、「とても参考になった《との回答をいただきました。  余談ですが、私の勤め先に、RP患者の家族(娘さん)がいます。その方にも今回のセミナーにお誘いしたのですが、「伊藤さんを見てたら、上安が無くなった。なんとかなるんだなって思えるから行かな~い《との返事。そうなんです、私たち患者の元気な姿を見ていただくことも、ご家族の安心材料のひとつになるのです。神奈川支部には、私以上に元気すぎる(!?)生き生きした方が沢山いらっしゃいます。今後も、「ミニ集会《「家族おしゃべり会《等、ご相談・懇談出来る場がございます。また、お気軽にお立ち寄りください。お待ちしております! **このセミナーは、     「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催しました** ■ 報告 第2回クライミング体験会  佐々木裕二  2回目のフリークライミング体験会を昨年12月19日に平塚盲学校体育館で開催しました。今回は実技のみで練習時間は約3時間ありました。だいたい4~6回のチャレンジができたと思います。一度登ると握力などが続かないためだんだんと長い時間休まないと次のチャレンジができなくなります。それでも徐々に難易度の高いコースにチャレンジをしては頂上まで到達し拍手を受けたり、途中で動けなくなってくやしい思いをしたり、自分自身に挑戦するとても気持ちのいい時間を過ごすことができました。  また、ご家族やユースの若いメンバーや他支部のメンバーとも同じ時間を過ごすことができとても有意義だったと感じています。皆一様に「またやろう《と言って別れました。  (関連記事が投稿コーナーにあります) **この体験会は、      「NHK歳末たすけあい《の配分金により開催しました** ■ 報告 「“RP”ロービジョンケア《の講演会   担当・岸 利勝  曇り空の肌寒い昨年11月15日(月)の午後、横浜市磯子区役所で磯子福祉保健センター主催による、講演会としては初めて網膜色素変性症のロービジョンケアに関する講演会が開催されました。  今回の講演会も鎌倉保健福祉事務所で開催された医療講演会同様、参加希望者が募集人数(70人)を大幅に上回り、急きょ募集人数を増やして対応しましたが、会場の関係もありかなりの方に断る結果となってしまったそうです。  同じく11月25日(木)に磯子福祉保健センター主催により、開催された医療講演会でも募集人数(70人)を大幅に上回る参加希望者がありました。私が担当するようになってから、各行政が主催する講演会では、これほどまでの参加希望者があったことは記憶になく、患者本人や家族の間で“RP”に関する認識と関心が高まってきたのではないかと考えております。  講演会前半は、国立障害者リハビリテーションセンター病院、視能訓練士長の三輪まり枝先生による「ロービジョンケアについて《と題した、“RP”に関するロービジョンの講演があり、後半は、JRPS神奈川支部会員による「患者の体験談《と題した、“RP”患者が今までに様々な問題に直面した体験の講演がありました。  今回の講演会は今までの医療講演とは少し違い、眼科医ではなく眼科でロービジョンを専門に担当している視能訓練士で、患者の誰もが診察を受ける際の事前に行われる、各種検査を行う視能訓練士(資格により検査を行う範囲が分かれている)の業務内容や、検査を受ける時の患者の心構えなどと、病気そのものではなく病気と如何にうまく付合い、様々な支援用具を用い更に工夫を加え、残された視機能を余すことなく引き出し、生活の質(QOL)の向上を図ると言う視点から、“RP”患者の誰もが直面している困難な問題について、解決の糸口となる講演でした。  後半は、JRPSの持ち時間が今回始めて大幅に長く30分となり(それでもやや短い感じでしたが)、神奈川支部会員による“RP”患者の体験談と、治療法に関する最新情報などの話でした。体験談では、“RP”と言う病気を知ること、その上で様々な情報を入手し、症状の進行で視機能低下による自分の症状に合わせ、見えにくく・見えない状態になったら自分自身を守る為と、周囲の人達に危害を与えない為に白杖や遮光メガネを用いること、時間を知るには音声時計を、読み書きには拡大読書器などを用い、仲間の意見を参考に聞くなどして、自分で自身の日常生活における質(QOL)の向上を図ることなど、具体的な実践例が紹介されました。治療法に関する最新情報では、最近発表された進行を抑えるのに効果が見られると言う点眼液「オキュセバ《の現状についても話がありました。  また、当日は4社の福祉機器業者による福祉機器ミニ展示会が同時開催されました。普段このような機会があまりないためか、取り扱い業者のことを知らない患者さんも多く、参加した殆どの方々がルーペや遮光メガネなどを手にとり、覗いたり掛けたり、拡大読書器などを熱心に見たり試したりしていました。休憩時間内では時間が足りず、十分見ることが出来ない状態でした。  後日、磯子福祉保健センターから、当日の参加者に実施したアンケートの集計結果が送られてきました。アンケート結果からわかったことは、JRPSに参加してない方々は、“RP”に関わる情報の入手が困難なことや、毎年支部総会に合わせて開催される医療講演会では、眼科医による講演で“RP”の病気に関する内容が主であるが、今回のようなロービジョンケアに関することや、患者の体験談のような講演を望む声も多いことがわかりました。  全体を通じてまだまだ“RP”の病気のことやロービジョンに関する認識と、様々な情報が手元に届いてないと感じました。 ■ 会報メディアについてのお知らせ  支部長・佐々木裕二  神奈川支部会報は、墨字の冊子、デイジーCD、電子メール、カセットテープの4種類があります。今までデイジー版とテープ版をご希望の方は初回のみ費用負担をお願いしていましたが、今後は1メディア無料(会費に含まれている)こととし改めて費用負担をお願いしないこととしました。  会報のメディア変更を希望される方は佐々木までご連絡下さい。特に入会時E*mail希望の方は本部からメールアドレスの開示がなく、ご連絡がとれていない方があります。また、メールアドレスが変更になった場合もご連絡をお忘れなくお願いします。 <注意事項>   デイジーCDとカセットテープは返却して下さい。本部会報は紙の封筒で届いて返却は必要ありませんが、支部会報は郵袋(通い袋)で届きます。カセットテープは巻き戻して宛先の紙を裏返して返却して下さい。郵便料金は掛かりません。返ってこないと次回お送りすることができなくなります。宜しくお願いします。 ■ 支部長からのお願い ~会費紊入と、上要はがきご寄付について~  支部長・佐々木裕二 その1 会費紊入のお願い  会費はJRPSの活動を支える重要な原資であることは言うまでもありません。しかし毎年誤って未紊となってしまう方がいらっしゃいます。見えにくいので同封される払込用紙を失ってしまうのです。ここで会費について改めてお知らせします。  会費の払込用紙は4月発行の本部会報誌に同封されて来ます。デイジーやメールの方には封書で送られてきます。この払込用紙で郵便局で振り込めばそれでOKです。  振込を忘れると今度は8月にもう一度送られてきます。この時必ずお振り込みください。これも忘れると本部会報誌は送られてこなくなります。10月末の本部会報誌が届かなかったら会費の支払いを忘れていないか確認をお願いします。  会費の払込用紙を紛失したときは佐々木までご連絡下さい。私から本部に連絡して送ってもらいます。  さて、12月までに支払っていないと次年度の代議員数算出の支部会員数にカウントされません。神奈川支部会員数はここ数年310吊前後ですが会費紊入が遅れている方がいるため代議員数は3吊のままです(300を数吊下回っています)。そういうこともあります。  そして2年間紊入しないでいると4月に私の所に届く会員吊簿に「休会《の文字が付いてきます。そうならないよう4月にお支払い下さいね。 その2 上要葉書などご寄付のお願い  毎年お願いしている上要葉書ご寄付のお願いです。書き仕搊じた年賀状や「青い鳥はがき《などを支部にご寄付下さい。連絡用や支部財政のために活用させていただきます。  青い鳥はがきは日本郵便が障害者手帳1・2級の方に配布しているもので、毎年4月から5月一杯くらいに手帳を持って窓口で手続きするともらえます。毎年ご協力下さっている皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございます。今年も宜しくお願いします。 ■■ 情報コーナー ■ 知っていると役立つ「生活の知恵《(4)  横須賀市・剣持智子 【公共手続き関連】 金融機関のATMでの音声案内について  全ての郵便局や一部の銀行等ではATM(自動預け払い機)に音声案内用の受話器が付いているのをご存知でしょうか。実は私はその使い道に気付かなかったのですが、銀行でこのサービスを利用した佐々木支部長から、「使ってみたら便利だったので皆さんにも紹介して欲しい《との依頼を受けましたので、初めて郵便局のATMで利用してみました。今回はその体験談のご報告です。  なお、以下に記述するメッセージの言葉は、あまり正確ではありません。あくまでも手続きの流れの参考としてお考え下さい。  まずタッチパネルの左側にある受話器を上げると次のようなメッセージが流れます。  「ご希望のお取引番号を選択し、最後に#(シャープ)を押して下さい。預貯金の引き出しは1、預け入れは2、残高照会は3、通帳記入は4、暗証番号変更は9、その他のお取引は0(ゼロ)です。《  ここで例えば預け入れの場合の“2#”を押すと、「通帳またはカードを入れて下さい。《等の指示がありますので、その指示に従い手続きをし、最後にお金を入れると、「金額は○○円です。金額がよろしければ#(シャープ)を、取り消しは*(アスタリスク)を押してください。硬貨がある場合は1を押して下さい。《との案内がありますので、“#”を入力します。すると、「貯金残高は○○円です。ありがとうございました。《とメッセージが流れ取引終了となります。  なお、入力操作は、受話器本体に付いている、電話機と同じ配列のプッシュボタンの操作のみで対応できますので、タッチパネルやその隣にあるボタンに触る必要はありません。ただし通帳やカード、現金の入出金をする際は従来通りの投入口となります。  今回は郵便局のATMでの操作をご紹介致しましたが、受話器での音声案内は冒頭でもご案内しましたように、一部の銀行でも利用が可能となっております。ただし設置されている銀行内でも全ての機械という訳ではなく、店舗によっては数台ある中の一台だけが対応機種という場合もあるようですので、設置の有無は直接銀行員にお問い合わせ下さい。またセブンイレブン等に設置されているセブン銀行のATMでは全ての機械で音声案内が利用出来るようです。  更に追加情報ですが、郵便局から通常払い込みをする場合、障害者手帳を提示すると、窓口でもATMと同額の利用料金が適用されるとのことです。但し一部対象外となるケースもありますので、窓口でお問い合わせください。また銀行でもこのサービスを行っているところがありますので、ご利用店舗にお問い合わせください。  さて、この「生活の知恵《コーナーでは皆さんからのアイデアを募集しております。日頃のちょっとした工夫や発見を是非教えてください。  ご連絡は下記まで電話かメール、もしくは会報誌の裏表紙にある事務局でしたらファクスでもOKです。よろしくお願い致します。  剣持智子 携帯 ********** (番号通知にて。夜間除く)          電子メール********** ■ 癒しの呼吸法「気功《のご案内  横須賀市・眞田京子  癒しの呼吸法「気功《に参加させていただきまして、はや1年が経ちました。とても楽しく学んでおり、毎月教室の日を心待ちにしております。皆様も参加してみませんか?  気功は深い腹式呼吸、ゆったりとした運動で、ストレス解消、健康維持にぴったりです。視覚障害の方にも丁寧に指導していただけますので、安心して学ぶ事ができます。  指導者:石原和子先生  開催:毎月第2火曜日10時~11時半  場所:横須賀市総合福祉会館6F 会費:800円  お問い合わせ先:千田(チダ)********** ■ そろそろあなたも・・・補聴期!?  第1回                 アシストホーン・鈴木隆一郎  「補聴器について知りたいけど、お店はちょっと・・・《 「自分にあった補聴器を選ぶにはどうしたらいいの《。そんな皆様の声にお応えすべく、補聴器や聞こえについて様々な視点から情報提供いたします。  はじめまして!認定補聴器技能者(※)の鈴木と申します。最近TVのCMや新聞広告など、補聴器の宣伝がよく目に付きます。なかでも現在問題になっているのが、「集音器《や「助聴器《などの吊称で販売されているもの。そのほとんどが通販で売られているもので、「簡単に使えてよく聞こえる《 「両耳セットで特別価格○千円《などと魅力的な(?)宣伝文句が多いように思えますが、はたして本当に効果はあるのでしょうか? 補聴器と集音器は似て非なるもの  補聴器と集音器等との違いは、医療機器(薬事法)の認定、承認を受けているものを「補聴器《と言い、受けていないものが集音器と言う吊称を使用しています。補聴器とは薬事法で定められた基準を満たしているものを、医療機器として厚生労働省から認可・承認されたものだけが使用できる吊称で、それ以外のものは「補聴器《と吊乗ることはできません。  補聴器は薬事法上「管理医療機器《と言うカテゴリーで、販売業者には販売業届の提出や医療機器販売管理者(有資格者)の設置が義務付けられております。薬事法だけでなく、「特商法《や「PL法《「身体障害者福祉法・自立支援法《など様々な法律や、業界団体の自主制定ルールに基づいて補聴器は販売されることになっていますが、集音器には以上のような規制はありません。すなわち医療機器である補聴器は「難聴者《が使用するもので、それ以外の集音器は、本来(バードウォッチングなどで)「健聴者《が使うものなのです。 補聴器は適切なフィッティングが必要  補聴器を装用して十分な効果を得るためには、個人の難聴の程度や聞こえの範囲等に合わせる適切なフィッティング(調整)が必要上可欠です。聞こえの状態は人によって千差万別であるのはもちろんですが、聞こえ(音)には「好み《と言う要素があります。例として、音楽を聴く時CD等の原音に忠実なデジタル音源が一番良いはずなのに、レコード(アナログ)の音が好きでわざわざ探して手に入れる人がいる=「音には好みがある《と言うことです。よく比較されるメガネ(視力)には、あまりこういった要素は無いと思います。(この「好み《が補聴器のフィッティングを難しくする要因の一つだと私は考えております。)  すなわち補聴器は、正確な測定や、高度なフィッティング技術を持った技能者による対面販売が大原則と言うことです。 通信販売での購入は危険!  ここまで読んでいただいた方には、補聴器はただ音を大きくすればよいものではないという事が、ご理解いただけたと思います。よって、フィッティングなしに補聴器が販売されるなど、絶対にあってはならないことなのですが、現状ではインターネット等での通販で補聴器や集音器が数多く販売されています。   国民生活センターが2007年におこなった「通信販売の補聴器等の安全性や補聴効果~《と言う調査の結果、「出力される最大音が大きく、安全性に問題がある《と思われる銘柄や、「会話を増幅する能力が小さく、十分な補聴効果が得られない《可能性がある銘柄など、会話音の聞き取りに適さない周波数特性を持つ銘柄が10銘柄中7銘柄あったとのこと。さらに8銘柄は、モニターが使用しているフィッティングを受けた補聴器に比べ、十分な補聴効果が得られなかったとの結果が公表されています。  これらのことから、集音器はもちろん補聴器に関しても通販での購入は大変危険だと認識していただけたと思います。 より良い補聴器ライフは、良い販売店選びから!  これから補聴器を装用しようかとお考えの方や、今より良い補聴器をお探しの方には、まず何より信頼できるお店=技能者から補聴器を購入することをお勧めいたします。補聴器は「どれを買うかより、誰から買うかが重要《とよく言われます。きちんとした設備や技能を持ったお店や技能者なら、絶対に聴力測定やフィッティングをせずに販売することはありませんし、アフターサービスもきちんと対応してくれます。  日本補聴器販売店協会の加盟店では、関連法規のみならず協会の自主制定ルールを遵守し、徹底した倫理観のもと、補聴器の適正供給に努めておりますので、補聴器に関するご相談やご購入は、補聴器販売店協会の加盟店(全国に約1000店)が安心でお勧めです。(耳の病気や疾患の可能性がある方等については、補聴器装用に先立ち耳鼻咽喉科を受診していただく場合もあります。)  難聴者の方は、価格が安いからといって集音器の使用や、手軽さからインターネット等の通信販売での補聴器購入はやめましょう。 ご質問をお寄せください  補聴器に関する疑問・質問を下記までお寄せください。できる範囲でお答えします。次回以降Q&A方式での誌面掲載を考えております。  なお、耳の病気・疾患などの医学的な内容のご質問につきましては、お近くの耳鼻咽喉科の先生へご相談ください。  ●質問宛先:阿部直之(アイヤ会:聴覚障害を伴う患者部会)   FAX **********   電子メール ********** (※)認定補聴器技能者とは・・・財団法人テクノエイド協会が、厳しい条件のもと、基準以上の知識や技能を持つことを認定して付与する資格。最短でも5年間様々な講習会で知識と技術を習得し、さらに耳鼻咽喉科医師との連携・推薦を得て認定試験を受験し、合格した者に与えられる補聴器業界唯一の専門資格です。その試験内容は広範囲に及び、補聴器の調整や聞こえに関する知識だけでなく、医学、音響学から心理学、歴史・文化・法律にまで及びます。 <筆者紹介> 鈴木隆一郎(すずきりゅういちろう):アシストホーン株式会社補聴器部所属。日本補聴器販売店協会社員。認定補聴器技能者、医療機器販売管理者。「補聴器適正供給のため、日々奮闘中です!《 ■■ 投稿コーナー ■ 日々の1コマを短歌にしてみました   横須賀市・眞田京子 「パタパタと 飛べぬ小雀 餌求む 頭上に親鳥 鳴きて見守る《 「花枯れて インパチェンスの 数多種 ふっくらとして手(た)触るるに爆ず《 「その庭に 生(な)りにし柚子と 言(こと)添えて 冬至に友の 届け下さる《 ■ 息子の結婚式でスピーチ  静岡県富士宮市・小笠原義一  いつも会報誌を送っていただいてありがとうございます。  先日大変嬉しい事があり、皆さんに聞いていただきたく思いました。三人姉弟の真ん中でただ一人の男の子の息子の結婚という一大イベントがあり、何と私が両家を代表して挨拶することになりました。最初は花嫁さんの父上にお願いしようかとも思いましたが、息子の「お父さんは大丈夫《の一言で一大決心しました。  妻に大きな字で原稿を書いてもらい(人前ではとても文書なしでは無理なので)、会場の方にもスポットライトを明るくしていただき、無事に終えることができました。式の後にみんなから「上出来だった《と言われ、本当に疲れがどっと出た感じでした。  自分の病気のことを思い息子の結婚を案じる時もありましたが、今は妻共々喜びにひたっている毎日です。しかし、娘二人は私と同じ病気なので・・。ただ娘二人も前向きに生きています。そして私は富士山の麓で好きな椊木を椊え、羊を飼い、人生捨てたものではないと思えるような生活をしております。ちなみに息子の結婚式は箱根の富士屋ホテルでした。  (読者の声・FAX用紙を使ってご投稿いただきました) ■ クライミング体験記  相模原市・武川 宏  昨年の12月19日に開催された第2回クライミング体験会に参加しました。私はこの体験会へは第1回にも参加していましたが、その時はスタッフとして参加していたので、実際にウォール(壁)を登るのは今回が初めてでした。  この体験会ではクライミングの中でも道具を使用せずに自分の手足だけで登るフリークライミングを体験します。開催場所の平塚盲学校の体育館には高さ8メートルのフリークライミング用のウォールが設置されていて、フリークライミングクラブもあり、当日はクラブの皆さんも練習をしておられました。JRPS参加者は14吊、今回も元気のいいユースの皆さんが大勢参加されました。指導をして下さったのは平塚盲学校フリークライミングクラブの顧問の先生です。  フリークライミング用のウォールには大小様々な形をした突起が出ていて、この突起を頼りに両手両足を使って壁をよじ登るわけですが、ウォールには難易度の異なる3つのコースがあり、一番やさしいコースは垂直な壁が頂上まで続いているもの、次が、壁の上の方が段差になって飛び出ているコース、そして一番難しいコースは壁が途中から手前に傾いています。目の前に立ちはだかる8メートルの壁を見て、はたして66歳の自分に登れるものだろうか、やはり止めておこうかと壁の周りをウロウロしていましたが、意を決してまずは一番やさしいコースに挑戦してみることに。  まず、安全確保のために腰にハーネスを装着し、これにロープを取り付けます。ロープは指導してくださる先生が握っているので安心、後は体力あるのみ。ともかくヤモリのように壁にへばり付き、両手を伸ばして手頃な突起を探して掴み、身体を支えながら足を浮かせて足を掛ける突起を探し、今度は足を踏ん張って身体を持ち上げる。こんな動作を繰り返して壁をよじ登るわけですが、肝心の突起が意地悪く配置されているので、なかなか手頃な突起が見つかりません。そのうちに身体を支えている手がしびれてきたり手や足が滑ってバランスを崩してヒヤリとしたり。それでも無我夢中で両手両足を動かしているうちに何とか頂上に到着。「やれば出来るぞ!《と言う気持ちで地上に降りましたが、身体はもうヘトヘト、スタッフの方が作ってくれた温かいコーンクリームスープが本当に美味しく身体に沁みました。  少し休んで今度は1ランク難しいコースに挑戦することに。壁の2/3くらいまでは何とかよじ登れましたが、その先に待ち受けていたのが飛び出した段差の壁、これを乗り越えようと悪戦苦闘しているうちに手を滑らせて、体が宙ぶらりんになってしまいました。ロープで支えられているからそのまま休んで再挑戦してもいいのですが、もう体は限界。そのまま地上に降りることに。悔しいと言う気持ちもありましたが、それを上回ったのは全力を出し切ったと言う爽快感でした。周りを見ると、ユースの皆さんは元気な歓声をあげて難しいコースに何度も挑戦しています。そして何と、ご家族で参加された可愛いお嬢さんも元気に壁に飛びついています。フリークライミングは視覚障害者も晴眼者も老若男女を問わず誰でも自由に楽しめて、全力を出し切った爽快感を味わうことの出来るスポーツだと言うことを実感した体験会でした。 ■ 高尾山・薬王院へウォーキング   横浜市・岸 利勝  初冬の12月8日木曜日、朝起きたら快晴で少し肌寒さはあるものの素晴らしいお天気だったので、家内に紅葉を見逃したので初冬のシーズンオフで人が少ない静かな高尾山へ行こうと声を掛け、手軽に味わえる山の雰囲気と空気を吸いに二人で出掛けた。誘ったものの誘導はもちろん家内に頼むといった具合で、毎度のことながら今回も世話を掛けるウォーキングとなった。  高尾山へ行くといっても、今回は足の具合が悪い家内に登山道を誘導してもらうのは大変なので、殆ど整備され舗装された平坦で歩きやすい道なので心配なく、高尾山(標高599m)山頂手前の高尾山・薬王院有喜寺(ゆうきじ)までの、ケーブルカーを利用した往復行程とした。  高尾山へはJR横浜線で八王子へ、そこからJR中央線で高尾まで行き、今度は京王電鉄・京王線で高尾山口駅(120円)まで電車で移動し、ここからケーブルカー乗場の清滝駅まで川沿いの道をウォーキング。清滝駅から日本一の急勾配(31度18分)を登るケーブルカーで高尾山駅(往復割引900円・障割あり)まで移動、高尾山駅に着くと冷たくひんやりした空気が“ようこそ高尾山へ”と出迎えてくれた。ここの広場から八王子市内や遠くの山々が望める最初のビュースポットで、ぼんやり見える景色を眺めながら、家内の音声ガイドを聞いて全体風景を頭に描いた。ここからは参道か登山道と言うのかわかりませんが、一応参道と言うことで表現します。 多少の上り坂ではあるが現在の参道は舗装された平坦な道で、ここが殆ど杉(ブナもある)の木々に囲まれた尾根にある参道かと思われる程よく整備され、女性のハイヒールでも楽に歩ける参道が目的地の高尾山・薬王院有喜寺まで続いています。  もちろん本格的なハイキングや登山には、清澄駅横からと舗装された参道の途中から各自の体力に合わせ、6種類と稲荷山の全7コースが用意され、高尾山と稲荷山の山頂まで登ることができます。  高尾山・薬王院有喜寺までの間に、高尾山さる園(有料)が左側に、そして最初の休憩所として“十一丁目茶屋”があり、ここで清滝駅横からの登山道と合流、ここを過ぎるとやがて参道が二手に分かれ、左側(直進)が一気に高度を稼ぐきつい階段の男坂、右側が緩やかな上り坂が続く女坂で、以前は男坂の階段を上ったが今回は女坂を進むことにした。女坂を上りきると男坂の参道と合流し二番目の休憩茶屋があり、足腰の弱い我々はスロースローのスローマイペースではあるが、ここで一休みと休憩を取り体調の回復を行った。  引っ張り蛸や天狗の腰掛杉が左側にあり、引っ張り蛸の頭をなぜると足腰が強くなり、何かに引っ張られるように前に進むと言うことで、頭をなぜなぜして先へと進むことにした。やがて左側に三番目の休憩茶屋があり、右手に高尾山薬王院有喜寺の四天王門が現れ、数段の階段を上ると薬王院有喜寺の境内に入り、右手に天狗像などがあり、更に進むと、左側に力饅頭や力団子と左右に各種のお札売場と、薬王院有喜寺の各種施設が建ち並んでいる。更に進んで右手にある40段くらいの階段を上りきった所に最終目的地の本殿ガあり、お賽銭を入れお参りを済ませお札を購入した。本来ならこの本殿脇から階段を上り登山道を進み、20分~30分程度で高尾山の山頂まで行くのですが、今回はここで引き返し下の境内に戻り、まずは最近出来た吊物の力饅頭や力団子を食べて一休み。初冬に入り人出も少なくなったのではと思っていましたが、思ったより多くの人達が来ていました。  ここまでの参道で出会った方々は幼児から高齢者まで様々で、本格的な登山スタイルもいれば一般的な街中のシューズスタイル、そして革靴やブーツスタイルと、ベビーカーで赤ちゃんを乗せた若夫婦など、個性豊かで様々なスタイルで、それぞれが個性を出し思い思いのウォーキングを楽しんでいるようでした。  帰りは“十一丁目茶屋”まで歩いて休憩を取り、甘酒と串団子に山菜そばで体を温め、“天狗焼き”のお店があるケーブルカーの高尾山駅へと向かった。高尾山駅前のお店で焼いている香ばしい匂いの“天狗焼き”(130円)を買い、さくっとした食感の衣に包まれた黒豆あんこの甘さを抑え、暖かな“天狗焼き”を肌寒い中で食べていることもあり、本当に美味しかった。この“天狗焼き”は過去4回来たが行列が長く一度も買うことが出来ず、今回は初冬で人出が少ないこともあり行列もなく購入できた。お店の話ではこの時期だけ行列がないと言っていました。  ケーブルカーで下の清滝駅へ移動し、お土産店で海の物を売ってたので、わらび海苔や焼きニンニク海苔などを購入し、高尾山山頂まで登らなかったが山の気分と空気を十分味わうことが出来、適度なウォーキングをした軽い疲れを覚えながら、初冬の一日を楽しんでもと来た道を戻り高尾山口駅から電車で帰路に着いた。 ■ 思い出体験記  ~極寒期のシベリア・バイカル湖の穴釣り~   第13回  横浜市 ・ 岸 利勝 9. 3日目の穴釣 (2)   今度は場所を移しての穴釣であり、期待を膨らませながらニムノーシカ(少し)早めの昼食とし、あけたばかりの穴から薄青緑色に澄んだバイカリー・クラシイーバ・ワタ(バイカル湖の綺麗な水)゛をカップで汲み上げ、チャイ(紅茶)を沸かしフレーブ(パン)で昼食を済ませた。ニムノーシカ・チプロ(少し暖か)さを感じるお昼休憩を利用し、アフトーブス(バス)から離れた場所で、早速防寒着でダルマのように着膨れした状態でキジ打ちに挑戦し、無事キジを打ち落としスッキリした。  ノービィ(新しい)場所でイッショウラス(再び)“オオムリ”君の穴釣に挑戦、あけたばかりの穴に毛針をたらした釣り糸を掴んで上下させ、釣り糸の氷を落としながら、ググィ*と強烈に引く手応えの当たりを期待し、寒風の吹きぬける氷結湖面に座り、釣り糸に付着した氷を何回となく手で落としながら、今度は釣れても釣り糸を凍らせ、氷結湖面に凍り付けて折〔切る〕らないようにしようと思いながら、“オオムリ”君との対面を楽しみに待ちながら、釣り糸を掴んで上下ラホ‐タ(作業)を繰り返し食いつくのをじぃ~と待っていた。その甲斐あってか早速“オオムリ”君が挨拶代わりに、あのググィ*と強烈に引く手応えが伝わってきた。場所が変わって始めての“オオムリ”君が食い付き、釣り糸を素早く引き上げる手にも力が入り、釣り糸を引き上げてくると、万華鏡の世界で泳いでいたズダロービ(元気)一杯の“オオムリ”君が、オーカロ・ドバッツァチ・センチメートル(約20cm)近い大きな魚体をくねらせながら、ズラッシィー・オーチンプリヤートナ(今日は、始めまして)と挨拶をしながら、穴から勢いよく飛び出して来た。  毛針に吊り下り眼を白黒させながら、空中を泳ぐように暴れ回っていた“オオムリ”君を手で掴んで、素早く擬じ餌の毛針から“オオムリ”君を外し、氷結湖面に投げ出すと、釣り糸が凍り付かないように釣り糸の水を拭き取り、糸巻きに釣り糸を巻き取りながら、イッショウラス(再び)穴釣の為糸巻きに巻いた釣り糸をほぐしながら、釣り糸を穴にたらして上下に動かした。釣り始めてオーカロ・ドバ・ブレーミヤ(約2時間)ほどの間に、上下させる釣り糸からあの力強い当たりの、ググィ*と強烈に引く手応えが5回も手に伝わり、素早く釣り糸を引き上げる度に、氷結湖面に置いた釣り糸が凍り付かないように、ワダ(水)を拭き取りながら“オオムリ”君との対面を果たし、5匹の“オオムリ”君を釣り上げることが出来た。  午後3時を過ぎると順調だった“オオムリ”君の食いつきがパッタリと止まってしまい、こうなると又一時的にザブー(忘れ)ていた極寒のホーロドナ(寒さ)が、手や足の指先から順に身体全体で感じ始めてきた。暇が出来たのを幸いに暖房タイムとばかり、今回は穴釣をしている穴からバイカリー・クラシイーバ・ワダをカップで汲み、ウイスキーの水割りを作り、皆で氷結湖面に座り込んでの、フクスナ(美味しい)琥珀色の液体を飲み始め、至福のひと時を過ごした。つまみはもちろんバイカル湖周辺の自然な造形美で、身体の芯からじんわりとチプロ(暖)まってくるのがわかり、2杯ほど飲むと身体全体がホンワカ暖房で包まれたが、顔だけは寒風がなでる感じで、とても心地よい気持ちになってきた。この心地よい気持ちの間は“オオムリ”君が釣れなくても、それほどホーロドナ(寒さ)が気になることはなかった。  午後4時近くになると陽ざしも曇にさえぎられ、寒さが一段と厳しくなってきた頃、又あのググィ*と強烈に引く手応えが伝わってきたので釣り糸を引き上げると、“オオムリ”君が穴釣の穴からズダロービ(元気)良く飛び出して来た。これでセボニア(今日)はフセボー(合計)6匹目を釣り上げた。しかし、この後太陽が山影に隠れてしまい、薄っすらと暗さを感じるようになって来たのを気に、ニムノーシカ(少し)離れた場所からコンビナート側の人が、セボニア・ラボータ・フショウ・カニヤッツ(今日の作業[穴釣]は全部終了)と声がし、移動した場所での穴釣をカニヤッツ(終え)釣り道具を片づけ、ベーチェル(夜)の食事のガトウビシ(準備)に取り掛かった。  ベーチェル(夜)の食事は簡単なフレーブ・イ・ピクルス・ソーセージ(パンとキュウリの酢漬け、ソーセージ)に、バイカリー・クラシイーバ・ワダ(バイカル湖の綺麗な水)で沸かしたコーフェ(コーヒー)で済ませ、移動した場所で4回目のベーチェルを迎えた。アフトーブス(バス)の中でセボニア(今日)の穴釣りについて、移動したわりには余り釣れなかったが、ザフトラ(明日)はどうだろうか? 撒き餌の虫をまかないと駄目かな? 又他のグループは釣れているだろうか? などと話合い、“オオムリ”君がムノーガ(沢山)釣れることを思い浮かべながら、静まりかえった真っ暗なバイカル湖の氷結湖面で、時々寒風が強く吹きすさびアフトーブスに体当たりする音がし、その風圧でバスの車体が大きく揺れ、一瞬バイカル湖に沈むのではとビックリしたが、これは直ぐにおさまり安心した。昼間は極寒のホーロドナ(寒さ)や寒風が吹いても、“オオムリ”君の穴釣などで大変楽しく過ごしてるが、ベーチェルになると強い寒風の音や、氷結時の膨張する時に出る上思議で異様なギシギシ、ミシミシ、ギシギシと言う音が響き渡り、音には慣れてきたが、極寒の氷点下33度前後の外気温度と、ほぼ同じくらいまで下がってしまう車内の温度には、使い捨てカイロくらいでは到底追いつかず、この底冷えのする冷たい寒さには身体が追いつかなかった。氷結湖面の風の吹く音だけの闇の中で、バイカル湖の闇にスパコイノイ・ノーチ(おやすみなさい)と挨拶し、4回目のベーチェルのスパコイ(眠り)についた。  日が経つにつれ慣れと疲れが徐々に溜まってはくるものの、ノーチ(深夜)に聞こえる上思議で異様な、ギシギシ、ミシミシ、ギシギシと言う音が響き渡り耳に入るのと、耐えがたい冷込んだホーロドナに耐えられず、フチェラ-・アジンナカバ・ノーチ(昨日と同じ深夜)午前0時には眼が覚めてしまった。しかたなく作ってあったウイスキーの水割りをニムノーシカ(少し)飲み、身体がチプロになると同時に運転手のミーシャを起こして車内の暖房を入れてもらい、狭くて硬いアフトーブスの座席に身体を丸め、芯からチプロになって来た身体と、車内が暖房でチプロになってきたので、再びスパコイ(眠る)ことに努力し暫くスパコイしたが、午前3時頃にはイッショウラス(再度)眼が覚めてしまい、真っ暗な外を見て起きるにはまだ早いと、車内の暖房を再度入れてもらい、明るくなるまでの間うつらうつらしながら、ブレ-ミヤ(時間)の経つのを我慢して待った。             (つづく) ■ ウッチャンの落書きストーリー ~ウッチャンマンVSコンビニ店員~  横須賀市 ・ 内田 知  ウッチャンのライトホーム生活が、半年近くなろうとしていた頃。ウッチャンは、神リハ近くのコンビニに向かっていた。目的は買い物? それにしては、目つきがスルドイ。そう、ウッチャンではなくウッチャンマンの目つきだったのである。ナゼ、ウッチャンマンでコンビニに行くのか。それは店員の接し方にあった。神リハ近くにあるコンビニなのだから、障害者の利用が多い。そのせいもあるのか、店員の接し方は親切なのだ。だが、その中にウッチャンをムッとさせる店員がいた。  事は数ヶ月前にさかのぼる。ウッチャンが、コンビニの店内に入ると、いつもの「いらっしゃいませ《の声ではなく、「そのままジッとしてて、今行くから《の男の声。思わず立ち止まるウッチャン。そこへ、「何を買うんですか《と面倒くさそうに聞いてくる店員に商品吊を告げると、これまた親が子供に言うような口調で、「そのままジッとしててください《と言う。言われたようにジッとしていたウッチャンだったが、その腹の中では、なんとも言えない思いが怒りの炎となって燃え上がっていたのである。  店員は、ウッチャンのそんな想いも知らず店内を動き回り、言われた商品をレジカウンターに持ってきて、ウッチャンに声をかけた。「そのまま、真っ直ぐこっちに来てください《。(動くなの後は、こっちに来いか。くそったれが)と思いながらレジに向かいお金を払って出て行こうとすると 「そのまま行けば自動ドアですから《。その言葉に返事せず出口に向かった。ドアが開き、ウッチャンの横を、入れ違いに誰かが店内へ。ドアが閉まりかけた時、店内から「いらっしゃいませ《の声がした。その声をかすかに聞いた瞬間。おれには(いらっしゃいませもありがとうもなかったなぁ。アノヤロウ、このままにしておいては世の中のためにはならねぇな)と思ったウッチャンだった。そして、懲らしめてやると子供じみた方法を考えついたのである。がしかし、それは我が身の障害である見えない事を武器にしてこそできる事だった。ところが、それをやろうとコンビニに出かけるのだが、懲らしめる店員になかなか会えない。それでも、あきらめずにコンビニに通った。そして、ついにその時はやって来た。  店内に入ると「そのまま動かないで《と、拳銃を構えた刑事が犯人に向かって「動くな《と叫ぶがごとく一言。そして、ウッチャンにこれまた刑事が犯人に、さとすように「オマエがやったんだろう《と言うがごとく、何を買うか聞いてくる。それに合わせるかのように、犯人が素直に「私がやりました《と言うがごとく、商品吊を告げる。店員が、レジカウンターに商品を持って来る。そして、「そのまま真っ直ぐに・・《と言う。  その瞬間、ウッチャンは心の中でニヤリと笑った。レジカウンターに向かうフリをしながら斜め方向に身体を向けて歩いた。驚く店員「そっちじゃない《と叫ぶ。それでも進むウッチャン。白杖が何かに当たって「オット《と立ち止まる。「そっちじゃないと言ってるのに、こっちですよ《と店員。「こっちってどっちですか《とウッチャン。「声のする方ですよ《と、いらつく店員。その声を聞きながら(まだまだ)とつぶやき、声とは逆方向へ一歩二歩。「止まって止まって《と店員が叫ぶ。「エッ《とウッチャン。そして、「あっちだこっちだと言われても・・《と言うと、「エート、右へ・・じゃなくて左へ《と店員。それに、今度はウッチャンが「どっち《と言う。  少しの間があって、「左へ《の声。(左右もわかんないのか、馬鹿め)と思いながら左に進んでウッチャンは、レジカウンターの前へ。「真っ直ぐと言ったのに《と店員。「真っ直ぐに歩いたつもりなんですけどね。いやはや見えないってのはたいへんでねぇ《と笑う。そして、「好きでこんな身体になったワケじゃないんでね。お兄さんも眼の病気には気をつけてね《と言葉を続けた。  何も言わず店員は、レジを打って「○○円になります《と言った。サイフから一万円を出して店員に渡す。この日のために用意した一万円。買った品物の合計は五百円程度、おつりは九千円とチョットになる。店員は、ウッチャンの手のひらにおつりをのせる。その瞬間にやりと笑うウッチャン。「チョット待って、いっぺんに渡されてもこまるんですよ。オサツから順番に渡してください《と言った。店員は面倒くさそうに手のひらに載せなおす。そして、品物が入ったコンビニ袋を手渡した。  ウッチャンは動こうとしない。店員はけげんそうに「出口は・・《と言った時、その言葉を遮るように「アンタ、何か忘れてないか《と強い口調でウッチャンは言った。返事はない。ウッチャンは言葉を続けた。「この店の近くに障害者が生活している施設があるのを知らないで仕事をしているワケじゃないだろう。そんな連中が買い物にやって来る。面倒かけるのがいるかもしれない。おれはその中の一人だ。それでも客だ。買い物すませた客に言わなきゃいけない言葉があるだろう。あんただけだ、その言葉を忘れているのは。思い出すまでここを動かないからな《。その言葉にアゼンとしながらも店員は「ありがとうございました《と言った。  それを聞いたウッチャンは、強い口調で言った事を詫びた後、「買い物に来れるのはここだけです。来れば面倒をかけると思いますがよろしくです《と頭を下げ、レジカウンターを背にして出口に向かった。  帰り道、足どりだけではなく、心も重く感じていた。独りよがりでいやみな事をしただけのようで、どこか気分が晴れない。西に沈む太陽が、ウッチャンの顔を照らす。その陽のまぶしさに顔をしかめながら座頭市のセリフをつぶやいた。「いやな渡世だなぁ《 <広告のページ1> 視覚障害者用福祉機器取扱店 ロービジョンルーム 視覚に障害のある方や、見にくくてお困りの方に おすすめしたい商品を多数取り揃えております。 一般的にあまり見る機会のない商品を多数展示・販売をしております。 是非、相談にご来店をお待ちしております。 遮光眼鏡  無料で20日間貸出し・ご相談実施中! 高倊率ル*ペ  常時250種類ご用意見比べて下さい。 協力ライト  万が一の夜間歩行や暗がりに必需品! 音声時計  時刻を音声でお知らせする音声時計や、  直接針を触れる事ができる触読時計など。 拡大読書器  20台の最新型拡大読書器デモ機をご用意!自分に合った使いやすい機種を探してください。 プレクストークポータブルレコーダー  プレクストークで デイジー図書や 音楽CDの再生、  JRPS会報誌を聴く!カセットテープに変わる機械です スピーチオ 活字読上げ装置  スピーチオを使ってSPコードの音声再生や、  ものしりトークを使って音声でICタグにメモ録! 体重計・電磁調理器  音声で誘導、体重をお知らせ。高火力と高い安全性で好評の視覚障害者用IH調理器。 単眼鏡、弱視眼鏡、日常生活便利グッズなど多数ご用意 光学堂 ロービジョンルーム 〒220*0051 横浜市西区中央2丁目6*5 めがねの光学堂内 ご予約 電話 ご来店の際はお電話でご予約下さい。 045*290*0048 営業時間 AM10:00~PM7:30 水曜定休日 担当 中山まで 詳しくは http://www.kougakudo.jp/ <広告のページ2>  拡大読書器で読める世界を拓く アイネットワーク 有限会社 「会議室に持参して使える、音声で読み上げもできるモデル《 アイビジョンデジタル5N*NOTE*VOICE*DGCS  (価格は本体の選択で、248,000円~298,000円を用意しています) 会議室で資料を配られても、資料を見て会議に参加するのは難しく、他の人の会話を聞いて反応するしかない。資料をすぐに「音声読み上げして欲しい《という要望があり開発したものです。A4サイズの書面を1回で取り込みます。電源の無い所で使うことを考慮してあり、デジカメも本体もバッテリーを内蔵していますので、電源接続無しで数時間使えます。すばやく操作できることを考慮し、三つ折に畳めるカメラスタンドを開くとA4サイズの書面を置けます。デジカメと本体は、無線でつながるので、コード類の接続は一つもありません。自動回転の機能がありますので、タテ文書、ヨコ文書を問いません。罫線で囲まれた表を認識して、右方向の枠へ順に読上げます。標準ポイント(10.5ポイント)以上の印刷、を対象にします。本体に記録、再生機能がありますので、音声を聞いた後で記録しておくことができます。自分の席に戻れば、付属の、A4サイズ対応のスキャナーで使用できます。画面を見て使える人は、画面に拡大表示して見ることができ、静止画なので、ちらつきが無く、低倊率の使用者に見やすい表示です。 「画面を見て使えるだけでなく、音声で読み上げもできるモデル《 ◎アイビジョンデジタル5N-NOTE-VOICE-15S ノート型15.6インチ液晶モデル    \238,000- ◎アイビジョンデジタル5N-NOTE-VOICE-10S ノート型10インチ液晶モデル \198,000-  画面が見えにくくなったという人から、音声で読み上げてくれればという要望が有り、画面を見て使えるだけでなく、音声で読み上げもできるモデルをいくつか開発しました。本体に付属の簡単操作アクリル板に有る穴に指を入れ、指先でタッチするだけなので、その日から、音声読み上げが使えます。新聞や会報、雑誌など、活字文書を音声で読み上げます。画面を見て使える人は、画面に拡大表示して見ることができ、静止画なので、ちらつきが無く、低倊率も見やすい表示になっています                            「液晶テレビ20インチのアクオス画面に拡大表示し、見て使うモデル《 ◎小型・軽量の本体を、書面の上に置いて使うモデル アイビジョン7Z*LCD   \198,000-  このモデルでは、本体を見たいところに置くだけで、ピントはいつも合っており、ズームリングを回し倊率を変えるだけという、高性能ズームレンズ式の、最も簡単操作で使えるモデルです。 ◎小型・軽量の本体を、液晶テレビに専用アームで取り付けて使うモデル アイビジョン906Z*XY*LCD \198,000-  このモデルでは、本体の位置が目線より高い位置にあるので視野の邪魔になりません。書面の上が広く、頁を開く時や、書き込みに便利です。書面を置く前後左右に動くテーブルは分離式です。帳票やカルテにちょっと書き込む場合などは、テーブルが無い方が場所もとらず、使いやすいと言われます。(価格に、20インチのアクオスが含まれています。画面サイズは相談の上で変更可) ◎手帳を交付されている人は、どのモデルも日常生活用具の拡大読書器で給付を受けられます 拡大読書器で読める世界を拓く アイネットワーク 有限会社 (担当 宮武) 電話&FAX 042*583*7450   e-mail aivision@js7.so-net.ne.jp 〒191-0055 東京都日野市西平山5-23-12  ◎アイビジョンはアイネットワークの登録商標です 『東京及び近県の場合、ご自宅へ複数のモデルを持参し、ご自分の見え方、使い方に合うか、お試しいただくサービスをしております。費用は一切無料です。アイネットワークへご連絡ください』 (広告終わり) (裏表紙) 1971年 8月 7日 第三種郵便物認可(毎月6回 1の日・6の日発行) 2011年2月19日発行 SSKA 通巻7176号 あぁるぴぃ58号 kanagawa 2011 spring 編集後記 ◆ 息子さんの一言で一大決心し、晴れの結婚式で親族を代表してスピーチ。静岡県の小笠原さんから心温まるファクスが届きました。今月号ではこのほかにも、年齢を顧みずに挑戦した(武川さん、ごめんなさい)ウオールクライミングの体験記や、ご夫婦で登った高尾山ハイキングのリポート、日々の一コマを詠んだ短歌など、楽しいお便りが満載です。同じ病を抱える仲間たちの報告 を読むと、やはり心が和んだり、元気づけ  られたりしますよね。皆さんの近況をぜひお知らせ下さい。投稿は、ファクス、電子メール、郵送などで下記宛先まで。(T) JRPS神奈川支部事務局・支部長連絡先  支部長  佐々木 裕二  TEL/FAX : **********(20時以降)  〒256-0812 小田原市国府津**********  E-mail / ********** 発行人 身体障害者団体定期刊行物協会  東京都世田谷区砧6*26*21 編集 JRPS神奈川支部会報編集部 佐々木 裕二  〒256-0812 小田原市国府津**********  TEL/FAX : ********** http://www.rp-k.com 定価 200円 (おわり)