●得々講座 『RPの遺伝講演&相談会』のご報告

支部長・佐々木裕二

 去る11月11日(日)、講師に東京慈恵会医科大学眼科の林孝彰先生をお迎えして網膜色素変性症(RP)の遺伝に関する医療講演会を開催いたしました。当日は雨こそあがったものの曇りの寒い日でしたが、定員60名の会場は満員で遺伝に関する皆様の関心の高さを改めて感じました。

 講演は約2時間、質疑応答も1時間を超える内容で大幅に予定を超過いたしましたが、遺伝に関する内容をこれほどタップリとお聞きするのは初めてでとても勉強になりました。ただし、内容が深く私の理解が追いつかなかったこと、遺伝形式に例外的ケースが多く簡単に分けられないこと、誤解を招いてはいけないこと、などを考慮して、講演内容については林先生に後日寄稿して下さるようにお願いいたしました。

 その中から一つだけ報告します。「子や孫への遺伝の確率」をより正しく知るためには、遺伝形式を判断しなければなりません。そのためには、家系の見え方について正確な情報が必要です。自分の父母・兄弟だけでなく、祖父・祖母、叔父・叔母、従兄弟、子や孫の現在の見え方、亡くなった時の見え方や年齢が重要です。特に祖父母の代はRPと診断されていないことも多いので、見え方がどうだったかを調べる必要があるとのことでした。遺伝に関する相談を希望する方は最低これらの情報を集めてから先生にご相談下さい。