●盲導犬の歴史


 古くは、視覚障害者が犬をパートナーに歩く姿が「ポンペイの壁画」に描かれている。ここには視覚障害の男性が犬とともに市場を歩く姿が描かれている。

 6世紀には、フランスのブルターニュ地方を視覚障害の宣教師が白い小型犬とともに宣教して歩いたという記録が残されている。

1819年に、オーストリアの「ヨハン・ウィルヘルム・クライン」神父がウィーンに盲学校を設立し、盲導犬の研究を行った。

1916年に、ドイツにオルデンブルク盲導犬学校がドイツ赤十字のシュターリンと、シェパード犬協会のシュテファニッツによって設立された。ここで系統だった訓練が行われるようになった。

1923年に、軍用犬を育てた技術から、ドイツのポツダムに国立の盲導犬学校が設立された。第一次大戦で、失明した軍人の社会復帰に役立った。

1929年に、アメリカのニュージャージー州モウリスタウンに、シーングアイが設立される。

○日本にはじめて来た盲導犬

1938年に、アメリカのゴードンさんが、盲導犬を連れて来日。(盲導犬の名前はオルティー フォーチュネートフィールズ)

○日本ではじめて活躍した盲導犬

1942年に軍がドイツより輸入。その中の一頭に「チト」。戦地で失明した大阪の山崎さんが「チト」とともに暮らし、空襲の時には防空壕へ、家業の店の仕入れの際にも主人とともに働いた。

○日本ではじめて育てられた盲導犬

1946年に、塩屋賢一さんが「塩屋愛犬学校」を設立。(現在1971年10月10日より、アイメイト協会)1957年9月1日に、塩屋賢一さんが育てた「チャンピィ」が、国産第1号の盲導犬となる。

1967年8月10日に、財団法人 日本盲導犬協会が設立される。

1971年に、社団法人(現在社会福祉法人)日本ライトハウス盲導犬訓練所が設立される。

1972年に、財団法人札幌盲導犬協会(現在は北海道盲導犬協会)が設立される。

1974年に、財団法人栃木盲導犬センターが設立される。

1975年に、財団法人中部盲導犬協会が設立される。

1978年10月に、札幌盲導犬協会、栃木盲導犬センター、日本盲導犬協会、東京盲導犬協会(現アイメイト協会)、中部盲導犬協会、日本ライトハウスの6法人が国家公安委員会から盲導犬育成施設の指定を受ける。

1983年に、財団法人関西盲導犬協会が設立され、同8月に、国家公安委員会から盲導犬育成施設の指定を受ける。

1983年に、財団法人福岡盲導犬協会が設立され、1989年1月に国家公安委員会から盲導犬育成施設の指定を受ける。

1990年社団法人兵庫県盲導犬協会が設立され、2001年3月に、国家公安委員会から盲導犬育成施設の指定を受ける。

1994年に、全日本盲導犬使用者の会(全犬使会)が、全国の盲導犬ユーザー(使用者)の組織として設立される。

1995年に、全国盲導犬施設連合会が全国の盲導犬育成施設の組織として設立される。