●買い物篇

 こちらも「その状況の時に視覚以外の情報は何があるか」と考えてみると皆さんにもこの答えはわかると思いますよ!


Q1.買い物はどうやってするのですか?
A. 主には聴覚情報を使っていることになるでしょうか。
  小売店では対面販売といって、お店の人とお客さんが話をしながら買い物をするのが普通ですから、見えない人も見える人よりも多少多く話をしたり情報をお店の人からもらう程度で買い物ができます。例えば、魚屋さんに行って、魚屋さんが「いらっしゃいいらっしゃい」と声を出していますから、そちらの方に行って、「きょうは何かおすすめの魚はありますか?」とか、食べたいものが決まっていたら「きょうはさんまはありますか?」などと話をしながら買い物ができます。いつも行く店を決めて置いて、こちらのことを覚えておいてもらうのもコツです。「いつも買いに来てくれる人」ということで、そのうち「いい魚」をとっておいてくれたり、もっと親切にいろいろとおしえてくれるようになります。
  次にスーパーでは、自分で商品を籠にとっていかなければなりませんので、これはお店の人に声をかけて情報をもらえるように頼みます。以前では迷惑がられたりすることが多かったのですが、最近ではどのスーパーでも「見えない人も平等に買い物ができるように」と配慮をしているところが多いです。比較的すいている時間帯を狙って行くのがスムーズに買い物をするコツです。
  インターネットを使って通信販売で買い物をすることもあります。見えない人が商品を受け取っても自分でわかるようにと点字表示なんかをつけて送ってくれるところもあります。

Q2.お金はどうやってわかるのですか?
A. 「触覚情報」と「覚えている情報」を組み合わせて区別します。
  硬貨は、持った指先の感触で区別します。質感や穴、周囲のギザギザなどを手がかりに区別します。紙幣は見えない人が区別しやすいようにと、印が入っています。でも、古くなった紙幣はその印を触ってもよくわからないことが多いです。紙幣は幅は同じですが、長さが違いますので、それで区別した方が確実です。でも、規準となるものがはっきりとしていないとわかりにくいので、あらかじめ財布の中の収納位置を決めておいたり、金額によりたたみ方を変えておいたりして区別します。なるべく5000円札と2000円札を持たないようにしている人もいます。なぜならば千円札と一万円札とでは長さが1センチちがいますから、区別しやすいからです。

Q3.電車のキップとかって、ひとりで買えるのですか?
A. 「聴覚情報」「触覚情報」と「覚えている情報」を組み合わせて買います。
  最近のタッチパネル式の券売機にはテンキーがつけられています。それを使うと音声案内も出ます。あらかじめ金額がわかっていればその金額をテンキーから入力することでキップが買えます。
  駅員さんにたのんで購入することもあります。